真実の愛の口づけ/True Love's Kiss
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キスによって呪いが解けるという、数々のおとぎ話をモチーフにしたエルドレインの王権にふわさしいトップダウン・デザインのカード。
効果としては解呪/Disenchantの亜種の一つ。同じマナ・コストを持つ供犠台の光/Altar's Lightにキャントリップが付いた上位互換。登場時のスタンダードでは解呪の他にも、同じ4マナの禁制品潰し/Crush Contrabandも追放除去として比較対象となる。
コストは重いが、追放によって隠された手、ケシス/Kethis, the Hidden Handや湖に潜む者、エムリー/Emry, Lurker of the Loch等による使い回しを防いだり、「ターンに2枚目のカードを引いた時」を条件とする誘発型能力とキャントリップのシナジーを重視するなら検討の余地があるか。ただし後者に関しては赤と青に採用されているメカニズムなので、白のダブルシンボルを持つこのカードとはやや噛み合わない。
リミテッドではフレイバー通り魔法の眠り/Charmed Sleepなどの疑似除去系のエンチャント/アーティファクト対策となり、また各種有色の装備品や伝説のアーティファクトが活躍する環境でもあるので色拘束が許すなら1枚挿して置くと安心。
開発秘話
モチーフは、『眠れる森の美女』やディズニー映画版の『白雪姫』など、複数の童話における「口づけで呪いが解ける場面」。
最初は魔法の眠り/Charmed Sleepについたクリーチャーを目覚めさせる、啓蒙/Demystify系のエンチャント除去としてデザインされたが、後にガラスの棺/Glass Casketが作られたことで、アーティファクトも除去できるように変更された。また、当初はライフ回復効果が付いていたが、同じセットの自然への回帰/Return to Natureと点数で見たマナ・コストを差別化するため、おまけをキャントリップにして重くすることになった[1]。
- 「口づけ」が描かれる作品として知られる『白雪姫』『かえるの王さま』だが、実際のところ原典に「口づけ」は登場していない。しかしマジックのゲーム内では広く知られているイメージ通りに、「口づけ」によってガラスの棺から目覚めさせることも、カエルにされた者を元に戻すことも可能になっている。
- 恋煩いの野獣/Lovestruck Beastとともに、カード名に"愛/love"を含む初のカード。Mark Rosewaterは常々愛情を取り扱う色は赤だと主張しており[2][3]、今回ついに愛が表現されたカードが白だったことでユーザーから質問が相次いだ。これについてMarkは呪いから解き放つトップダウン・デザインの都合上、エンチャントを破壊する色の役割を持たない赤のカードにすることはできなかったと述べている[4]。
ストーリー
アーデンベイル/Ardenvaleのお姫様が、石像に変えられた王子に口づけをしている場面。口づけをしたところから魔法が広がり、石化の呪いが解けていく(イラスト)[5]。
「気を付けるんだよ、お嬢さん。中には呪われて当然の者もいるのだから。」
- エルドレインの王権のストーリー中では、リンデン女王が記憶喪失中のアルジェナス・ケンリス/Algenus Kenrithへと口づけを行って正気を取り戻させたという、このカードを意識したようなエピソードがある。
脚注
- ↑ Eldraine Check, Part 3/エルドレイン・チェック その3(Making Magic 2019年10月7日 Mark Rosewater著)
- ↑ Seeing Red Revisited/またまた真っ赤に(Making Magic 2015年8月3日 Mark Rosewater著)
- ↑ Colorful Replies/いろいろな返答(Making Magic 2018年7月16日 Mark Rosewater著)
- ↑ More Odds & Ends: Throne of Eldraine/さらなるこぼれ話:『エルドレインの王権』(Making Magic 2019年10月21日 Mark Rosewater著)
- ↑ Worldbuilding Eldraine/エルドレインの世界構築(Card Preview 2019年9月11日 Cynthia Sheppard著)