ステロイド
ステロイド(Steroid)は、赤緑2色のビートダウンデッキの呼称。略して「ステロ」とも呼ばれる。
- その名の由来は「ステレオ・タイプ(定型)」から来ているとか、デッキに投入されていたアーナム・ジン/Erhnam Djinnの筋肉がステロイド剤を打ったみたいに見えるからなど、いろいろな説が囁かれるがはっきりとはわかっていない。
概要
[編集]緑のマナ・クリーチャーから良質のクリーチャーを素早く戦場に出し、高速で殴り勝つ。赤が入ることによって火力を投入することができるようになり、対戦相手のクリーチャーを除去して対戦相手に直接ダメージを叩き込んだり、対戦相手に火力を打ち込んで最後の一押しができるようになったため、緑単色デッキに比べて柔軟性が増している。また、他の友好色2色デッキは共通する対抗色に弱いものも多いが、赤緑は共通する対抗色である青が対処できる以上のダメージソースを容易に組み込める強みがある。
「クリーチャーで殴り、その他の呪文でそれをサポートする」という単純かつ最も基本的な戦術のデッキを、最もパワークリーチャーを多く擁し、また戦場に出しやすい緑と、最もダメージ系呪文が多い赤で構成していることから、安定した強さを持っている。反面、突出した強さもないため、相性的に絶対有利と言えるデッキは少ない。
骨子となるデッキ構成が単純なため、中心とするカードや動きによって様々なバリエーションが存在する。緑のマナ・クリーチャーから中型、大型クリーチャーに繋げる動きをメインに、赤をタッチしたミッドレンジの形を取ることが多い。しかし、後述のマッドステロなどの、赤マナの方が多くなる例外も存在する。また速度についても、マナ・クリーチャーを使わずウィニー的な構成をとる場合もある。
- バリエーションなども多岐にわたる。個別の名称が付けられているものも多いが、分類できる特徴があっても単に「ステロイド」と呼ばれることもしばしば。
- 動きの単純さと安定した強さにより、マジックの黎明期から浮き沈みはあれど長らく高い人気を誇ってきた。
スタンダード
[編集]下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。
- 2025年〜2026年期
- 団結のドミナリア〜FINAL FANTASY期
- イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期
- ゼンディカーの夜明け〜ニューカペナの街角期
- エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期
- ラヴニカのギルド~基本セット2021期
- イクサラン・ブロック~基本セット2020期
- カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期
- タルキール覇王譚ブロック+マジック・オリジン+戦乱のゼンディカー・ブロック期
- テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期
- ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期
- イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期
- ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
- ローウィン=シャドウムーア・ブロック+アラーラの断片ブロック期
- 時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
- ラヴニカ・ブロック期
- ミラディン・ブロック+神河ブロック期
- オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期
- オデッセイ・ブロック期
- マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
- アイスエイジ・ブロック+ミラージュ・ブロック期
- アイスエイジ・ブロック期
ブロック構築
[編集]下記の時期のブロック構築においても、活躍を見せる。
エクステンデッド
[編集]2003年頃、ローテーション以前のエクステンデッドにもステロイドは存在した。特にTwo Deuceと呼ばれることが多い。
クリーチャー — 蛇(Snake)
島渡り(このクリーチャーは、防御プレイヤーが島(Island)をコントロールしているかぎりブロックされない。)
(緑):リバー・ボアを再生する。
2/1
土地
(T),1点のライフを支払う,樹木茂る山麓を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから山(Mountain)カード1枚か森(Forest)カード1枚を探し、戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。
フェッチランド(樹木茂る山麓/Wooded Foothills)により土地を切り詰め、超軽量構造に仕上げたデッキである。速度と安定性により遅めのコントロールデッキに有利。
動きはRed Deck Winsに近いが、クリーチャーのサイズなどではこちらに分がある。
パイオニア
[編集]パイオニア環境でも成立する。
クリーチャー — ビースト(Beast) 貴族(Noble)
あなたが1/1のクリーチャーをコントロールしていないかぎり、恋煩いの野獣では攻撃できない。
5/5
Heart's Desire / 切なる想い (緑)
ソーサリー — 出来事(Adventure)
白の1/1の人間(Human)クリーチャー・トークンを1体生成する。(その後、このカードを追放する。あなたは後で追放領域からこのクリーチャーを唱えてもよい。)
クリーチャー — 巨人(Giant)
砕骨の巨人が呪文の対象になるたび、砕骨の巨人はその呪文のコントローラーに2点のダメージを与える。
4/3
Stomp / 踏みつけ (1)(赤)
インスタント — 出来事(Adventure)
このターン、ダメージは軽減できない。クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。踏みつけはそれに2点のダメージを与える。
ラノワールのエルフ/Llanowar Elvesかエルフの神秘家/Elvish Mysticからマナ加速し、3マナ以上のアタッカーに繋げる。マナ・クリーチャーはどちらも1/1なので、恋煩いの野獣/Lovestruck Beastとのシナジーもある。
伝説のクリーチャー — ヘリオン(Hellion) ホラー(Horror)
相棒 ― あなたの開始時のデッキに、マナ総量が奇数のカードと土地カードのみが入っていること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、ソーサリーとして(3)を支払うことでゲームの外部からそれをあなたの手札に加えてもよい。)
あなたがコントロールしていてマナ総量が奇数である発生源がパーマネントやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりに、それはそのパーマネントかプレイヤーにその点数の2倍のダメージを与える。
3/5
イコリア:巨獣の棲処からは獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを獲得。土地以外のカードのマナ総量を奇数で統一し、オボシュを相棒に据えたタイプが登場したが、相棒のルール変更によりほぼ消滅した。
伝説のアーティファクト — 機体(Vehicle)
エシカの戦車が戦場に出たとき、緑の2/2の猫(Cat)クリーチャー・トークン2体を生成する。
エシカの戦車が攻撃するたび、あなたがコントロールしているトークン1つを対象とする。それのコピーであるトークン1つを生成する。
搭乗4
4/4
団結のドミナリアからは、トップメタのラクドス・ミッドレンジに対抗するため機体を主軸にする型が登場した。こちらの詳細はグルール機体を参照。
サンプルリスト
[編集]初期型
[編集]| Gruul Aggro [1] | |
|---|---|
| 土地 (22) | |
| 8 | 森/Forest |
| 4 | 獲物道/Game Trail |
| 6 | 山/Mountain |
| 4 | 踏み鳴らされる地/Stomping Ground |
| クリーチャー (27) | |
| 4 | 砕骨の巨人/Bonecrusher Giant |
| 4 | エルフの神秘家/Elvish Mystic |
| 2 | ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager |
| 4 | ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster |
| 4 | ラノワールのエルフ/Llanowar Elves |
| 4 | 恋煩いの野獣/Lovestruck Beast |
| 3 | 探索する獣/Questing Beast |
| 2 | 蔦草牝馬/Vine Mare |
| 呪文 (11) | |
| 1 | ドムリの待ち伏せ/Domri's Ambush |
| 2 | エンバレスの宝剣/Embercleave |
| 2 | むかしむかし/Once Upon a Time |
| 4 | 密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter |
| 2 | 乱撃斬/Wild Slash |
| サイドボード (15) | |
| 3 | 血染めの太陽/Blood Sun |
| 1 | 丸焼き/Fry |
| 3 | 溶岩コイル/Lava Coil |
| 3 | 再利用の賢者/Reclamation Sage |
| 3 | 形成師の聖域/Shapers' Sanctuary |
| 2 | 蔦草牝馬/Vine Mare |
- 初期(むかしむかし/Once Upon a Timeと密輸人の回転翼機/Smuggler's Copterの禁止前)のリスト。
- 当事者カードや探索する獣/Questing Beast、エンバレスの宝剣/Embercleaveの採用はラヴニカのギルド~基本セット2021期のグルール・アグロに似ている。
イコリア:巨獣の棲処後
[編集]- イコリア:巨獣の棲処参入後の、獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを相棒に据えたタイプ。サイドボードも含め、土地以外はすべてマナ総量が奇数のカードで構成されている。
- オボシュと火口の爪/Crater's Clawsでライフを一気に削り取ることもできる。ただしルールがややこしいので注意。
モダン
[編集]ギルド門侵犯で赤緑の優秀なクリーチャーが複数登場したことで、モダンでもトーナメントシーンに姿を現すようになった。
クリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)
炎樹族の使者が戦場に出たとき、(赤)(緑)を加える。
2/2
クリーチャー — ルアゴイフ(Lhurgoyf)
タルモゴイフのパワーは、すべての墓地にあるカードの中のカード・タイプの種類数に等しく、タフネスはその値に1を足したものに等しい。
*/1+*
密林の猿人/Kird Apeやタルモゴイフ/Tarmogoyfなどの軽量クリーチャーを炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryも絡めて次々と展開し、それらを火力やゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampagerの湧血でサポートして速やかに対戦相手のライフを削り切る。
構成はZooやスタンダードのNaya Blitzに近く、Gruul ZooあるいはGruul Blitzと呼ばれることもある。また同時期のスタンダードにおける赤単タッチ緑(Saito RG)ともよく似ており、そのモダン版とも言える。
野生のナカティル/Wild Nacatlが禁止解除された後は赤緑2色で組む必要が薄くなり、赤緑白のZoo(Naya Zoo)やNaya Blitzに取って代わられた。
サンプルリスト
[編集]- 備考
- グランプリカンザスシティ13 第14位 (参考)
- 使用者:Tyler Lytle
- フォーマット
| Gruul Zoo [3] | |
|---|---|
| 土地 (18) | |
| 3 | 乾燥台地/Arid Mesa |
| 4 | 銅線の地溝/Copperline Gorge |
| 1 | 森/Forest |
| 2 | 霧深い雨林/Misty Rainforest |
| 1 | 山/Mountain |
| 1 | 沸騰する小湖/Scalding Tarn |
| 4 | 踏み鳴らされる地/Stomping Ground |
| 2 | 新緑の地下墓地/Verdant Catacombs |
| クリーチャー (32) | |
| 4 | 炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary |
| 4 | 実験体/Experiment One |
| 4 | 火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar |
| 4 | ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager |
| 4 | ゴブリンの先達/Goblin Guide |
| 4 | 密林の猿人/Kird Ape |
| 4 | タルモゴイフ/Tarmogoyf |
| 4 | 苛立たしい小悪魔/Vexing Devil |
| 呪文 (10) | |
| 2 | 四肢切断/Dismember |
| 4 | 稲妻/Lightning Bolt |
| 2 | 炎の印章/Seal of Fire |
| 2 | タール火/Tarfire |
| サイドボード (15) | |
| 3 | 血染めの月/Blood Moon |
| 2 | 焼却/Combust |
| 1 | 四肢切断/Dismember |
| 4 | 火柱/Pillar of Flame |
| 2 | 粉々/Smash to Smithereens |
| 3 | 巨森の蔦/Vines of Vastwood |
- タルモゴイフとの相性がよい炎の印章/Seal of Fireとタール火/Tarfireが採用されている。
レガシー
[編集]クリーチャー — 人間(Human) 狂戦士(Berserker)
狂喜2(このターン、対戦相手1人にダメージが与えられている場合、このクリーチャーはその上に+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。)
トランプル
1/1
クリーチャー — ルアゴイフ(Lhurgoyf)
タルモゴイフのパワーは、すべての墓地にあるカードの中のカード・タイプの種類数に等しく、タフネスはその値に1を足したものに等しい。
*/1+*
密林の猿人/Kird Apeや瘡蓋族のやっかい者/Scab-Clan Mauler、ブリキ通りの悪党/Tin Street Hooliganなど、赤緑の優秀なクリーチャーを惜しみなく採用できるのが強み。
また、火力を連発してタルモゴイフ/Tarmogoyfなどを一気に大きくするタルモバーンも存在する。
もっとも最近は、黒や白をタッチし、柔軟性の高いZooに移行することも多くなっている。
パウパー
[編集]パウパーは2色土地が貧弱なため、2色のアグロデッキは成立しにくいが、強力な炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryがモダンマスターズ2017でコモンで再録されてからはしばしば見かけるアーキタイプとなった。
クリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)
炎樹族の使者が戦場に出たとき、(赤)(緑)を加える。
2/2
インスタント
続唱(あなたがこの呪文を唱えたとき、あなたのライブラリーの一番上のカードを、コストがより低い土地でないカードが追放されるまで追放する。あなたはそれをそのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。追放されたカードをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。)
ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受ける。
暴力的な突発/Violent Outburstと2マナ以下の速攻クリーチャーを主体とした構成となっている。
サンプルリスト
[編集]| Red Green Aggro [4] | |
|---|---|
| 土地 (18) | |
| 2 | 進化する未開地/Evolving Wilds |
| 5 | 森/Forest |
| 9 | 山/Mountain |
| 2 | 広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse |
| クリーチャー (28) | |
| 4 | 炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary |
| 2 | 激情のゴブリン/Frenzied Goblin |
| 2 | ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter |
| 4 | ジャンドの斬刃/Jund Hackblade |
| 4 | 密林の猿人/Kird Ape |
| 4 | 泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort |
| 4 | ナヤの静刃/Naya Hushblade |
| 4 | 切り裂き隊の壊し屋/Rip-Clan Crasher |
| 呪文 (14) | |
| 4 | 稲妻/Lightning Bolt |
| 4 | 暴力的な突発/Violent Outburst |
| 2 | 火荒の境界石/Firewild Borderpost |
| 4 | 象の導き/Elephant Guide |
| サイドボード (15) | |
| 3 | 古えの遺恨/Ancient Grudge |
| 2 | 炎の斬りつけ/Flame Slash |
| 3 | ムラーサの胎動/Pulse of Murasa |
| 2 | 大祖始の遺産/Relic of Progenitus |
| 3 | 心に静寂/Serene Heart |
| 2 | もつれ/Tangle |