F.I.R.E

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F.I.R.E (Fun, Inviting, Replayable, Exciting)とは、ラヴニカのギルドのデザインから採用され、灯争大戦から一層推進された[1]プレイ・デザイン・チームの目標理念。

目次

[編集] 概要

F.I.R.Eは4語のアクロニムであり、マジックがどうあるべきかを示している。

マジックは……

  • Fun(楽しく)
  • Inviting(興味を引き)
  • Replayable(繰り返し遊べて)
  • Exciting(ワクワクする)

ものであるべき、としている。

[編集] 解説

基本理念をデザインの観点から詳述すると、次のようになる。

F-Fun
何よりもまず、ゲームは楽しくあるべきものである。
デザインで意識することは、興味深い決断、多様なゲーム体験、そしてそれぞれの対戦が独特であると感じてもらうことである。
また、多種多様な楽しさを定義し、多くの人に楽しんでもらうことも含まれる。
I-Inviting
マジックには様々な人がアクセスできるべきである。
デザインの観点では、共感できるカードやわかりやすいゲームプレイによって、ニューカマーや初心者プレイヤーもフォーマットに参加できるように尽力する。また、多種多様な戦略が実行可能になるように取り組む。
R-Replayable
マジックは繰り返し遊べるべきである。
何度でも繰り返し遊べるための鍵は、バランスと多様性である。幅広いデッキと戦略が適切なパワーレベルで共存し、飽きさせないことが肝要である。
E-Exciting
プレイヤーがカードを読み、そしてプレイする時に興奮を覚えるべきである。
デザイナーは、プレイヤーがクールな新デッキやアーキタイプを思いついて構築できるように、デザインとコストの決定を行う必要がある[2]

この理念は、戦乱のゼンディカー・ブロックからカラデシュ・ブロック期の意図的なカードパワー低下が、高めのカードパワーを好むプレイヤーや奇抜な戦略を好むプレイヤーに不評だったことへの反省から来ている。またレア神話レアコモンアンコモンのカードパワー差が開きすぎ、リミテッドの観点で言えば強いレアを引けるかどうかの「ボムゲー」、スタンダードはレア資産のない新規プレイヤーや若年プレイヤーが参入しづらい「札束ゲー」状態になりがちだったという点も教訓とされている。

このことは終わりなきパワー・インフレーションを意図するものではない。理想的なスタンダード環境のパワーレベルとしてはラヴニカへの回帰ブロックテーロス・ブロック期が挙げられている。


Bloom Hulk / 開花の巨体 (3)(緑)
クリーチャー — 植物(Plant) エレメンタル(Elemental)

開花の巨体が戦場に出たとき、増殖を行う。(望む数のパーマネントやプレイヤーを選び、その後すでにそこにあるカウンター1種類につき、そのカウンターをもう1個与える。)

4/4


Cloudkin Seer / 雲族の予見者 (2)(青)
クリーチャー — エレメンタル(Elemental) ウィザード(Wizard)

飛行
雲族の予見者が戦場に出たとき、カードを1枚引く。

2/1

このことから、灯争大戦や基本セット2020のコモンは従来のセットに比べてやや強めに作られている[3]。単純にカードパワーを高めるだけではなく、隠れ家基本土地枠収録により多色デッキが安価に組めるようにする、あるいはリアニメイトを支援する秘本綴じのリッチ/Tomebound Lichのように多様な戦略を実現させるような配慮もこの取り組みの一つである。


Ob Nixilis's Cruelty / オブ・ニクシリスの残虐 (2)(黒)
インスタント

クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-5/-5の修整を受ける。このターン、そのクリーチャーが死亡するなら、代わりにそれを追放する。



Murder / 殺害 (1)(黒)(黒)
インスタント

クリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。


同時に、脅威に対する解答も強化されている。これは、ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar密輸人の回転翼機/Smuggler's Copterが(特にインスタントの)解答不足により想定を超えたレベルの活躍を見せてしまい、結果的にスタンダード環境を不健全なものにしたことへの反省である。

F.I.R.Eは新世界秩序と矛盾するものではなく、新世界秩序を上書きする新方針でもないことに注意が必要である。新世界秩序はコモンアンコモンの複雑さの上限に関するポリシーであり、F.I.R.Eはデザイン全体の方針と、カードパワーに関連した理念である。またF.I.R.EはI-Invitingで、新世界秩序の基本理念とおおよそ同じことを述べている。

[編集] 脚注

  1. PLAY DESIGN LESSONS LEARNED Posted in Feature on November 18, 2019; By Bryan Hawley
  2. FIRE IT UP Posted in Card Preview on June 21, 2019; By Andrew Brown
  3. CHRONICLING WAR OF THE SPARK SET DESIGN Posted in Card Preview on April 17, 2019; By Dave Humpherys

[編集] 参考

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