生き写し/Dead Ringers
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クリーチャー2体の色が完全に一致している場合のみ、それらを破壊する除去。
複数体破壊する効果の中では、マナ・コストが高めながら色拘束が緩いうえに追加コストもなく、条件さえ合えばアーティファクト・クリーチャーでも破壊できる点が強み。ただ、特にインベイジョン・ブロック環境は多色推奨であり、肝心なときに使えないことも多々ある。また、インベイジョン・ブロックのリミテッドでよく見かける「色を変更する効果」でかわされてしまう点にも注意が必要。
- 対象となったクリーチャーが両方無色だった場合、破壊される。なぜなら、それらは色を持たないので、「その一方が他方のものでない色である」ことはありえないためである。
- 一方の対象が不正な対象になった場合、不正な対象の情報は参照できないため、適正な対象のクリーチャーも破壊されない。
- リミテッドでは貴重なクリーチャー除去であり、多色が多い環境とはいえ2対1を取れるカードであるから有用なカードであるはずなのだがルールが何を言わんとしてるのか分からない上に、後述の日本語版の誤訳も加わり「意味が分からないから、とりあえず使わない」というプレイヤーも多かった。
- 使ったら使ったで誤訳を含めたルール文章と論理文の解説を対戦相手に求められたり、それでも納得してもらえずジャッジに最終確認を求められたり手間が多いカードでもあった。
- Dead Ringerは英語のイディオムで『完全な複製』ほどの意。2体は文字通り死ぬほど似ているのだ。
ルール
このカードは、ルール文章が非常にわかりにくいことで有名である。
論理的には何の問題も無く機能するが、ルール文章だけではその意味するところを正しく理解するのは非常に難しい。論理的に正しいものが、直感的に理解しやすいとは限らないという絶好のサンプル。なお、これは日本語版特有の問題ではなく、元の英語版自体のわかりにくさによるところが大きい。
- 例:白単色のクリーチャーAと、白青のクリーチャーBを対象にした場合。
- 「Bのものでない色」は黒・赤・緑の3つで、Aはそのいずれも持たない。しかし、「Aのものでない色」は青・黒・赤・緑の4つで、Bはこのうち青を持つ。よってこの場合は「その一方(B)が他方(A)のものでない色である」に該当するので、AもBも破壊されない。
日本語版の印刷されたルール文章は以下の通りであるが、これは誤訳である。
対象の、黒でないクリーチャー2体を、その1体がもう1体の色でないかぎり、破壊する。それらは再生できない。
このテキストでは両者の色がまったく一致しないなら破壊することになり、実際と逆の意味になってしまう。そのためエラッタが出ている。
参考
- Make No Mistake(Making Magic 2003年11月10日) - その16
- M:tGやっちまった小咄集(個人サイト「Braingeyser」、上の記事の和訳)
- マジックのデザイン・AからZ その1(Making Magic 2022年7月12日 Mark Rosewater著)
- カード個別評価:アポカリプス - コモン