コイン投げ
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コイン投げ/coin flipは、コインを宙に投げ、落下した際の状態が「表」か「裏」かを予想・観察する行動。無作為に何かを決定する効果として、一部のカードで指示されている。ライブラリー以外でこのゲームに持ち込まれる代表的なランダム(無作為)要素である。俗に「コイントス」とも。
インスタント
ブロックしているクリーチャー1体につき、コインを1枚投げる。あなたがコイン投げに勝った場合、このターン、そのクリーチャーが与えるすべての戦闘ダメージを軽減する。
目次 |
ルール
カードに「コインを投げる/Flip a coin」と書かれていた場合、その影響を受けるプレイヤーがコインを投げる。
投げるために使うコインは、どちらの面か容易に区別でき、かつほぼ等確率でそれぞれの面が上になる、2面の物体でなければならない。投げられるコインのオモテと裏がはっきりしていない場合、どちらがオモテであるかを明確にしておかなければならない。他の方法であっても、同率で2つの結果が出るものであって、両方のプレイヤーがそれに同意できた場合にはそれを用いてもよい。例えば、プレイヤーは偶数面のサイコロを振り、「偶数」「奇数」と宣言することも認められるし、「奇数がオモテで偶数が裏」と宣言して偶数面のサイコロを振ることも認められる。2枚のカードを伏せて無作為に選ぶことで50%の勝敗を決める方法もあるが、サイドボードや墓地・追放領域のカードなどを使うとトラブルの元になるので注意。
プレイヤーにコイン投げをさせる効果の中には、そのコインが表か裏かだけを参照するものがある(例:魔力激突/Mana Clash)。その場合は結果として出た面を参照するのみで、どのプレイヤーにも勝敗はつかない。それ以外の効果では、プレイヤーは投げたコインが「表/heads」か「裏/tails」になるかを宣言する。正解した場合はそのプレイヤーの勝ちとなり、不正解の場合はそのプレイヤーの負けとなる。それ以外のプレイヤーに勝敗はつかない。
- 勝敗はつかない場合、投げたプレイヤーの偶然の出合い/Chance Encounterに運勢カウンターが乗るようなことも無い。
ルールの変遷
コイン投げに関するルールは当初は総合ルール本文中には無く、用語集の中にのみ書かれていた。コインを投げたプレイヤーの対戦相手の1人がコインが空中にある間に表か裏かを宣言し、勝ち負けを決めていた[1]。
コールドスナップにてコイン投げの勝ちと負けの両方を参照するカープルーザンのミノタウルス/Karplusan Minotaurが登場したことにより、2006年の総合ルール更新で総合ルール中に取り入れられ、コインを投げたプレイヤーが表裏の宣言をし、そのプレイヤーのみが勝敗の結果を得ることが規定された[2]。
2006年の時のらせん発売時の総合ルール更新で「空中にある間に」表裏の宣言をする旨が削除された[3]。
2018年7月の総合ルール更新でコインの勝敗を見る「オブジェクト」が「効果」に変更され、これは機能的変更では無いとされていたが[4]、実際は能力そのものに勝敗を決める文が無いカープルーザンのミノタウルスが機能不全に陥っていた。
2022年6月の総合ルール更新で、酒場の悪漢/Tavern Scoundrelにも同様の機能的不備があったことでただコインを投げる効果にも勝敗が付くように変更された[5]。
解説
- 「コイン投げ」はマジックの世界だけではなく、試合の先攻後攻を決めたり(特にサッカーのものが有名だろう)、ちょっとした賭けに使ったりなど、広く一般的に行われている行為。日本語では「コイントス」とよく言われる(参考:コイントス(Wikipedia))が、欧米では「コインフリップ」のほうが通りがいい。
- 「親指で回転を加えつつはじき上げ、手の甲で受け止めつつ逆の手の掌でバシンと隠す」という動作がおそらくもっとも共通したコイントスのイメージだろうが、ルールでは特にこの動作をせねばならないと決められてはいない。
- コイン投げをさせる効果は赤に多い。まさに混沌だ。
- クラークの親指/Krark's Thumbによって、「コイン投げの勝率は50%」という大原則を無視することができる。銀枠においてはGoblin Bookieでも。
- アメリカのMagic:The Gathering専門誌Duelistのトッププレイヤー座談会にて「よりこのゲームをメジャーにするために」という提言として、「大会優勝賞金の大幅な増額」と共に「ゲームの実力が全く関係ないコイン投げは全廃されるべき」という発言がある。
- 一応、技術で表裏をコントロールできるなら、積み込みなどと違いイカサマにはならない。そこまでする価値があるかはまた別だが。
- ただし当然、投げたフリをしてスリカエる、とか、覗き見する、とか、両面とも同じ柄のコインを使う、などはイカサマになる。
- コイン投げの行為をゲーム中(テキスト中)に採用した最古のカードは、アラビアンナイト収録のMijae DjinnとYdwen Efreet、そしてスレイマンの壺/Bottle of Suleimanの3枚。
- 日本の硬貨は法律上裏表が決まっていないが、造幣局の見解[6]では発行年が刻まれている方が裏となっている。例えば十円硬貨なら、平等院鳳凰堂は表で、算用数字で10と刻まれているのが裏。
- コイン投げをテーマとした製品としてHeads I Win, Tails You Loseがある。
脚注
- ↑ マジック総合ルール(私訳第 4.3.6.0 版)(MJMJ.info)
- ↑ マジック総合ルール(私訳第 4.4.0.0 版)(MJMJ.info)
- ↑ マジック総合ルール(私訳第 4.5.0.0 版)(MJMJ.info)
- ↑ Core Set 2019 Update Bulletin(Daily MTG 2018年7月6日)
- ↑ 『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)(Daily MTG 2022年6月1日)
- ↑ 貨幣Q&A(造幣局ウェブサイト)
参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 705 コイン投げ
- 705.1 カードの中には、コイン投げを参照するものがある。投げるために使うコインは、どちらの面か容易に区別でき、かつほぼ等確率でそれぞれの面が上になる、2面の物体でなければならない。投げられるコインのオモテと裏がはっきりしていない場合、どちらがオモテであるかを明確にしておかなければならない。他の方法であっても、同率で2つの結果が出るものであって、両方のプレイヤーがそれに同意できた場合にはそれを用いてもよい。例えば、プレイヤーは偶数面のサイコロを振り、「偶数」「奇数」と宣言することも認められるし、「奇数がオモテで偶数が裏」と宣言して偶数面のサイコロを振ることも認められる。
- 705.2 プレイヤーにコイン投げをさせる効果の中には、そのコインがオモテか裏かだけを参照するものがある。その種の効果では、どのプレイヤーもそのコイン投げに勝っても負けてもいない。それ以外でプレイヤーにコイン投げをさせるあらゆる効果では、そのプレイヤーがコインを投げ、表か裏かを宣言する。宣言が結果と一致した場合、そのプレイヤーはコイン投げに勝ち、そうでなければコイン投げに負ける。コインを投げたプレイヤーだけがコイン投げに勝ったり負けたりするのであり、他のプレイヤーには関係しない。
- 705 コイン投げ