添加的散漫

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'''添加的散漫'''/''Additive Distraction''とは、過剰な[[ルール文章]]により、かえって[[プレイヤー]]が[[カード]]を過小評価してしまう現象。
 
'''添加的散漫'''/''Additive Distraction''とは、過剰な[[ルール文章]]により、かえって[[プレイヤー]]が[[カード]]を過小評価してしまう現象。
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==解説==
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[[Mark Rosewater]]が自身の記事で、なぜ[[双頭巨人戦]]を意識した[[ゲートウォッチの誓い]]に[[チームメイト]]という語を含んだ[[カード]]が([[怒濤]]以外で)存在しないのかを説明する際に登場した概念である。説明には以下の架空のカード2枚が用いられた。
  
 
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==解説==
 
[[Mark Rosewater]]が自身の記事で、なぜ[[双頭巨人戦]]を意識した[[ゲートウォッチの誓い]]に[[チームメイト]]という語を含んだ[[カード]]が([[怒濤]]以外で)存在しないのかを説明する際に登場した概念である。
 
  
説明には上記の架空のカード2枚が用いられた。「ステロイドの熊」は2[[マナ]]の[[クリーチャー]]としては非常に優れた[[サイズ]]ゆえに高評価を得ることが予想されるが、その[[上位互換]]である「ステロイドの変熊」は前者よりも評価が下がることが予想された。なぜならば、プレイヤーはカードをどう評価するかはそのカードに書かれていることに大きく影響されるからである。後者も基礎スペックこそ間違いなく高いが、「十分な[[アーティファクト]]がないと全機能を発揮できないカード」と認識されうるので、過小評価を引き起こしやすくなるのである。
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「ステロイドの熊」は2[[マナ]]の[[クリーチャー]]としては非常に優れた[[サイズ]]ゆえに高評価を得ることが予想されるが、その[[上位互換]]である「ステロイドの変熊」は前者よりも評価が下がることが予想された。なぜならば、プレイヤーはカードをどう評価するかはそのカードに書かれていることに大きく影響されるからである。後者も基礎スペックこそ間違いなく高いが、「十分な[[アーティファクト]]がないと全機能を発揮できないカード」と認識されうるので、過小評価を引き起こしやすくなるのである。
  
 
このような現象を避けるため、当該[[エキスパンション]]に実際に収録されたカードでは「チームメイト」という言葉を極力使っていない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-and-ends-oath-gatewatch-part-1-2016-02-01 Odds and Ends: Oath of the Gatewatch, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0016435/ こぼれ話:『ゲートウォッチの誓い』 その1]([[Making Magic]] [[2016年]]2月1日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 
このような現象を避けるため、当該[[エキスパンション]]に実際に収録されたカードでは「チームメイト」という言葉を極力使っていない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-and-ends-oath-gatewatch-part-1-2016-02-01 Odds and Ends: Oath of the Gatewatch, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0016435/ こぼれ話:『ゲートウォッチの誓い』 その1]([[Making Magic]] [[2016年]]2月1日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 
*以下のカードはこの現象が実際に起こった一例と言えるだろう。
 
*以下のカードはこの現象が実際に起こった一例と言えるだろう。
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**[[弧炎撒き/Arc-Slogger]] - [[ライブラリー]]を大量に[[追放]]するという派手な[[起動コスト]]から、[[タワーデッキ]]でなければ扱えないと思われていた。
 
**[[タルモゴイフ/Tarmogoyf]] - [[プレインズウォーカー]]という当時存在しない[[カード・タイプ]]に言及していたため、一種のジョークカードと思われていた。
 
**[[タルモゴイフ/Tarmogoyf]] - [[プレインズウォーカー]]という当時存在しない[[カード・タイプ]]に言及していたため、一種のジョークカードと思われていた。
**[[不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim]] - 能力の[[起動コスト]]に[[5色]]を要求してくる[[伝説のクリーチャー]]のため、[[統率者戦]]用であり通常の[[構築]][[フォーマット]]向けではないと思われていた。
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**[[不屈の巡礼者、ゴロス/Golos, Tireless Pilgrim]] - 能力の起動コストに[[5色]]を要求してくる[[伝説のクリーチャー]]のため、[[統率者戦]]用であり通常の[[構築]][[フォーマット]]向けではないと思われていた。
  
 
==市場調査==
 
==市場調査==

2025年1月8日 (水) 17:59時点における最新版

添加的散漫/Additive Distractionとは、過剰なルール文章により、かえってプレイヤーカードを過小評価してしまう現象。

目次

[編集] 解説

Mark Rosewaterが自身の記事で、なぜ双頭巨人戦を意識したゲートウォッチの誓いチームメイトという語を含んだカードが(怒濤以外で)存在しないのかを説明する際に登場した概念である。説明には以下の架空のカード2枚が用いられた。


非公式/非実在カード

Bear on Steroids / ステロイドの熊 (1)(緑)
クリーチャー ― 熊(Bear)

3/4



非公式/非実在カード

Geeky Bear on Steroids / ステロイドの変熊 (1)(緑)
クリーチャー ― 熊(Bear)

あなたがアーティファクトを10個以上コントロールしているなら、ステロイドの変熊はトランプルを得る。

3/4


「ステロイドの熊」は2マナクリーチャーとしては非常に優れたサイズゆえに高評価を得ることが予想されるが、その上位互換である「ステロイドの変熊」は前者よりも評価が下がることが予想された。なぜならば、プレイヤーはカードをどう評価するかはそのカードに書かれていることに大きく影響されるからである。後者も基礎スペックこそ間違いなく高いが、「十分なアーティファクトがないと全機能を発揮できないカード」と認識されうるので、過小評価を引き起こしやすくなるのである。

このような現象を避けるため、当該エキスパンションに実際に収録されたカードでは「チームメイト」という言葉を極力使っていない[1]

[編集] 市場調査

また、添加的散漫について書かれた記事が登場するよりも前に、Zac Hillの記事でも市場調査を通して類似の概念について触れられている。


非公式/非実在カード

Raging Centaur / 怒り狂うケンタウルス (2)(緑)
クリーチャー ― ケンタウルス(Centaur)

3/2



非公式/非実在カード

Raging Centaur / 怒り狂うケンタウルス (2)(緑)
クリーチャー ― ケンタウルス(Centaur)

(5)(黒):10点のライフを失う。

3/3


上記の2枚のカードが市場調査の例として提示されたことがある(なお、いずれもイラストボリアルのケンタウルス/Boreal Centaurの流用である)。人々は3/2である前者を好んだが、それが下位互換であることに気付いていないからではない。いくら後者のほうが3/3とマナレシオが良好、かつ窮地のようなものとのシナジーもある上位互換であろうと、デザイナーを「目的があってカードを創造した」はずと信頼しているプレイヤーを落胆させるからである[2]

[編集] 脚注

  1. Odds and Ends: Oath of the Gatewatch, Part 1/こぼれ話:『ゲートウォッチの誓い』 その1(Making Magic 2016年2月1日 Mark Rosewater著)
  2. POINT/COUNTERPOINT: TARGETED CARD DRAW?/異論弁論:対象を取る「カードを引く」ことLatest Developments 2012年3月30日 Zac Hill著)

[編集] 参考

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