準備カード
準備カード/Preparation Cardは、ストリクスヘイヴンの秘密初出の特殊なカード群の総称。
*
悲哀の名誉教授 / Emeritus of Woe (3)(黒)クリーチャー ─ 吸血鬼(Vampire) 邪術師(Warlock)
このクリーチャーは準備済状態で戦場に出る。(準備済状態である間、あなたはこれの呪文のコピーを唱えてもよい。そうしたら、これを未準備状態にする。)
あなたの終了ステップの開始時に、そのターンに2体以上のクリーチャーが死亡していた場合、このクリーチャーは準備済状態になる。
悪魔の教示者 / Demonic Tutor (1)(黒)
ソーサリー
あなたのライブラリーからカード1枚を探し、そのカードをあなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。
概要
[編集]準備カードは文章欄の右半分が区切られており、別個の小枠で代替の特性である準備呪文が書かれている。(当事者カードや前兆カードとは逆の配置。カード画像)
以下、準備でない側を便宜上「本体」と呼ぶ(非公式用語。リリースノートでは「基本の特性」とも表記)。
準備カードは通常、その本体でのみ唱えることができる。
本体が準備済状態/Preparedになったなら、そのパーマネントのコントローラーは、そのパーマネントに適用されている他のコピーする処理の例外を無視してそのコピーがそのパーマネントの準備呪文としての特性のみを持つことを除き、追放領域にそのオブジェクトのコピーを生成する。これらの特性はそのコピーの通常の特性になる。
そのコピーはその準備済状態のパーマネント戦場に存在しかつ準備済状態の記号を保持しているかぎり、追放領域に残り続ける。これは状況起因処理(CR:704.5e)の例外である。
コピーが追放領域に存在しているかぎり、準備済状態のパーマネントのコントローラーはそのコピーを唱えてもよい。そのパーマネントはその呪文を唱えた時点(CR:601.2i)で準備済状態ではなくなる。
パーマネントが「未準備状態/Unprepared」になるとは、それが準備済状態の記号をもっているならそれを取り除くという事である。
解説
[編集]パーマネントがインスタントやソーサリーを内包しており、「準備済状態」になると1度だけそれを唱えられるようになるメカニズム。内包している呪文は独自のものもあれば、既存のカードと同名・同性能のものもある。
ストリクスヘイヴンの秘密で初登場した。同セットではストリクスヘイヴン/Strixhavenの魔道士たちが扱う魔法を表しているため、すべての準備カードは職業のタイプを持つクリーチャーである。全色に存在しているが、色ごとの枚数には若干のばらつきがある。同時発売のストリクスヘイヴンの秘密統率者デッキでも扱われている。
リアリティ・フラクチャーではストリクスヘイヴンの鏡像であるヘクスヘイヴン/Hexhavenの魔法として使用された。同セットでは簡略化のため[1]、アンコモン以下の準備カードは一瞥査読/Peer Review等の各学び舎ごとに共通の準備呪文を持つ。レア以上のカードでは従来通り固有の準備呪文が扱われる。中にはセットのテーマを反映して、既存呪文の色を変えたかのような準備呪文を持つものもおり、これらはストリクスヘイヴンの秘密の名誉教授サイクルの鏡像としてデザインされている[2]。
クリーチャーを準備済状態にするカードとして大図書棟の秘本管理人/Biblioplex Tomekeeper、飛空バスの中継地/Skycoach Waypoint、貪欲な写本、コーディ/Codie, Ravenous Codex、ヘクスヘイヴンの決闘場/Hexhaven Dueling Arenaがある。逆に未準備状態にするカードは大図書棟の秘本管理人、無限に続く課題/Infinite Courseworkがある。準備呪文を参照するカードとして貪欲な写本、コーディが存在する。
- #準備済状態の通り、準備済状態であることはルール上カウンターでは無いが、テーブルトップでのプレイではそれを示すために何らかのマーカーが必要になる。ストリクスヘイヴンの秘密およびリアリティ・フラクチャーのトークン・カードには準備済状態であることを示すマーカーになるパンチアウト・カードが収録されている。
ルール
[編集]特性
[編集]準備カードはあらゆる領域でその本体としての特性のみを持つ。
- 例:対立の名誉教授/Emeritus of Conflictはあらゆる領域でマナ総量2のクリーチャー・カードである。稲妻/Lightning Boltという名前でマナ総量1のインスタント・カードではない。記憶殺し/Memoricideで「稲妻」を指定して対立の名誉教授を追放することや、復習/Relearnで墓地にある対立の名誉教授を手札に戻すことはできず、獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerの相棒条件も満たせない。使用可能なフォーマットであれば、対立の名誉教授と稲妻はそれぞれ4枚ずつまでデッキに入れることができる。
何らかの効果が名前を指定する場合、準備呪文の名前を指定することもできる。再答弁/Rejoinderのように同名のカードが存在しない準備呪文であっても構わない。その名前を指定することが適切かどうかの判定には、準備呪文としての代替の特性のみを考慮する。
- 例:不可侵議員/Council of the Absoluteの能力でクリーチャー・カードである精鋭の迎撃手/Elite Interceptorを選ぶことはできないが、ソーサリーである再答弁/Rejoinderを選ぶことはできる。この場合、対戦相手は精鋭の迎撃手を唱えることができるが、再答弁は唱えられなくなる。
- 不可侵議員で悪魔の教示者/Demonic Tutorを選んだ場合、カードとしての悪魔の教示者/Demonic Tutorのほか、悲哀の名誉教授/Emeritus of Woeの準備呪文である悪魔の教示者も唱えられなくなる。
準備カードには複数の特性群が印刷されているが、1枚のカードである。例えば、準備カードを引いたり捨てたりしたプレイヤーは、2枚ではなく1枚のカードを引いたり捨てたりしたことになる。
準備呪文が存在することやそれらの代替の特性はコピー可能な値である。
準備呪文は代替の特性であるため、コマンダーにおける固有色の扱いは準備呪文部分も加味する。
準備呪文の作成
[編集]- 準備呪文は、そのパーマネントに適用されている他のコピーする処理の例外を無視して生成される。
- 例:カエル声の写し身/Croaking Counterpartで精鋭の迎撃手/Elite Interceptorのコピー・トークンを生成し、それが準備済状態になった。精鋭の迎撃手のコピーはカエル声の写し身により緑の1/1のカエル・クリーチャーとなっているが、それが追放領域に生成する再答弁/Rejoinderは依然として白のソーサリーである。
- 準備呪文が追放領域に生成されたなら、状況起因処理で消滅しない理由で紐づけられているものの、それはもう元のパーマネントとは別個の独立したオブジェクトである。元のパーマネントの変化が追放領域の準備呪文に影響を与えることはない。
- 例:篤学な一年生/Studious First-Yearが準備済状態で戦場に出て不屈の自然/Rampant Growthが追放領域に生成された。その後、篤学な一年生が細胞形成/Cytoshapeによって観念の名誉教授/Emeritus of Ideationのコピーになっても、追放領域の不屈な自然が祖先の回想/Ancestral Recallに変化する事は無い。
- 例:灰色熊/Grizzly Bearsが細胞形成によって観念の名誉教授のコピーになった。観念の名誉教授の能力によってそれが準備済状態になり、追放領域に祖先の回想が生成される。その後、コピー効果が終了し灰色熊が準備呪文の代替の特性を持たなくなっても、追放領域の祖先の回想はそのままであり、それを唱えることもできる。
準備済状態
[編集]- 準備呪文の代替の特性を持つパーマネントのみが準備状態になることができる。準備呪文を持たないパーマネントや、既に準備済状態であるパーマネントは、準備済状態になることができない。
- 準備済状態はパーマネントに与えられる記号であり、特性の一部やカウンターなどではない。
- 準備済状態のパーマネントがクリーチャーでなくなったり、準備呪文の代替の特性を持たなくなっても、それは依然として準備済状態であり、追放領域にある準備呪文のコピーも何の影響も受けない。
準備呪文を唱える
[編集]- 追放領域から準備呪文のコピーを唱えることは、代替コストで唱えることではない。「マナ・コストを支払うことなく唱える」など、他の代替コストを定義する効果と併用できる。
- 準備呪文のコピーを唱えられるのは、現在その準備カードをコントロールしているプレイヤーのみである。誰がオーナーであるか、誰のコントロール下で準備済状態になったかは関係ない。
- 準備呪文を唱えたら、本体は準備済状態では無くなる。準備呪文が打ち消されたり、対象不適正で立ち消えるなどして解決しなかった場合であっても変わらない。
- 準備呪文がコピーされた場合、そのコピーもまた準備呪文となる。
その他
[編集]- 「このクリーチャーは準備済状態で戦場に出る」という能力は常在型能力であり、スタックを用いない。この能力で準備済状態になろうとすることを対応して除去で阻止することはできない。
- 準備済状態であるパーマネントがフェイズ・アウトした場合、紐づけられた準備済パーマネントが戦場に存在しないと扱われるため、追放領域の準備呪文は状況起因処理で消滅する。
開発秘話
[編集]このメカニズムの原型は、前作ストリクスヘイヴン:魔法学院で検討されていた巻物/Scroll・トークンというメカニズムにまで遡る。これは生け贄に捧げることで巻物に記されたインスタント・ソーサリーを唱えられるというもので、刻印のように追放したカードを唱えられる巻物を生成するもの以外に、既存の有名カードが最初から封入された巻物を生成する効果もあった。しかしセット・デザインの過程で巻物は取り除かれ、過去の名カードに触れるというコンセプトはミスティカルアーカイブに取って代わられた。ストリクスヘイヴンへの再訪にあたり、開発部は前回実現しなかったこのアイデアを掘り起こした。
当初の準備呪文は、既存のマジックの呪文のみを用いることを目標としていた。しかし印刷上の問題から準備呪文は文章量の多くないシンプルな効果に留めなければならず、そのような呪文は決して多くないため、低レアリティの準備呪文については必要な物を自由に設定できるようにした。また、当初は準備カードを唱えたときにその中に1回だけ呪文が仕込まれるという効果で統一されていたが、カード・デザインをより柔軟なものにするため、さまざまな準備条件がある現在の形に変更された[3]。
脚注
[編集]参考
[編集]- Secrets of Strixhaven Mechanics/『ストリクスヘイヴンの秘密』のメカニズム(Daily MTG 2026年4月1日 Matt Tabak著)
- Secrets of Strixhaven Release Notes/『ストリクスヘイヴンの秘密』リリースノート(PDF文書)(Daily MTG 2026年4月11日 Eric Levine著)
- 「準備」でテキスト検索
- ルーリング
引用:総合ルール 20260417
[編集]- 722 準備カード
- 722.1.「準備カード/Preparation card」は、文章欄中に小さな枠のある、2組のカード枠を持つ。
- 722.2. 右側の内側の枠に書かれている文章は、そのオブジェクトが呪文である間に取りうる代替の特性を定義する。そのカードの通常の特性は、文章欄は左側で小さくなっているが、通常通り表記されている。
- 722.2a 準備カードの小さな枠の部分は「準備呪文/prepare spell」と呼ばれる。ルールや効果が、準備呪文を持つ、カードや呪文やパーマネントを参照する場合、それは、そのオブジェクトがその時点で代替の特性を使っていなくても、その代替の特性を持つオブジェクトとして参照する。
- 722.2b それらの代替の特性が存在することやそれらの値は、そのオブジェクトのコピー可能な値の一部である。
- 722.2c 準備カードには複数の特性群が印刷されているが、それぞれは1枚のカードである。例えば、準備カードを引いたり捨てたりしたプレイヤーは、2枚ではなく1枚のカードを引いたり捨てたりしたことになる。
- 722.3. 準備カードを、それの小さな枠内にある代替の特性を使用して唱えることはできない。その特性は唱えることができるコピーの特性を定義するために使用される。
- 722.3a 呪文や能力によって準備呪文を持つパーマネントが準備済状態/preparedになったり、準備済状態で戦場に出ることがある。そのパーマネントが代替の特性として準備呪文を持つ場合、そのパーマネントは「準備済状態」になる。準備済状態は他のルールや効果が参照できる目印として機能する記号である。パーマネントが準備呪文を持たないなら、準備済状態になることはできない。さらに、すでに準備済状態であるパーマネントが追加で準備済状態になることはできない。
- 722.3b ルールや効果によってパーマネントが「未準備状態/unprepared」になることがある。これはそのパーマネントから準備済状態であるという記号を失わせることを意味する。
- 722.3c 準備呪文を持つパーマネントが準備済状態になるか準備済状態でフェイズ・インする際、それのコントローラーはそのオブジェクトのコピーを追放領域に生成する。そのコピーはそのパーマネントの準備呪文側の特性のみを持つことを除きコピーされ、そのパーマネントのコピーになる手順のうちこれ以外の例外は無視される。これらの特性はこのコピーが持つ通常の特性になる。このコピーは準備済状態のパーマネントが戦場にありかつそれが準備済状態であるかぎり、追放領域に存在しつづける。これは rule 704.5e の例外である。このコピーが追放領域にあるかぎり、それの準備済状態であるパーマネントのコントローラーは、このコピーを唱えることができる。その呪文が唱えられた(rule 601.2i 参照)時点で、そのパーマネントは準備済状態であることを失う。
- 例:プレイヤーが《カエル声の写し身》を《激励する飛行士》を対象にして唱えた。
- 《カエル声の写し身》は「カエルでないクリーチャー1体を対象とする。緑の1/1のカエルであることを除きそれのコピーであるトークン1体を生成する。」と書かれているソーサリーである。
- 《激励する飛行士》は準備カードであるクリーチャーで、「このクリーチャーが攻撃するたび、これは準備済状態になる。」と書かれている。これの準備呪文は《ジャンプ》という名前のインスタントであり、「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは飛行を得る。」と書かれている。
- その後、このプレイヤーは《激励する飛行士》のコピー・トークンで攻撃を行った。《激励する飛行士》のコピー・トークンが準備済状態になった際に、そのコピーが追放領域に生成される。それは青のインスタントで《ジャンプ》という名前であり「クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは飛行を得る。」と書かれている。そのコピーは緑ではないし、カエルというクリーチャー・タイプでもないし、パワー/タフネスが1/1でもない。
- 722.3d If a prepare spell is copied, the copy is also a prepare spell. Any rule or effect that refers to a spell cast as a prepare spell refers to the copy as well.
- 722.4. 全ての領域において、準備カードはその通常の特性だけを持つ。
- 722.5. 効果によってプレイヤーが名前を選ぶ場合、そのプレイヤーが準備カードの代替の名前を選びたければ、そうしてもよい。