セテッサ/Setessa
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セテッサ/Setessaはテーロス/Therosの都市国家。メレティス/Meletis、アクロス/Akrosと並ぶ三大都市国家のうちの一つ。
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概要
地理
上空から見たセテッサの街並みは、まるで木の年輪のよう――セテッサはその中心であるケイラメトラ神殿/The Temple of Karametraから、外側へと同心円状に広がっている。この都市では、森が切り開かれた跡に家族の住居やその他公的施設が置かれている。セテッサはニストスの森/The Nistos Forestの外れに位置し、森と開けた低木地帯の境にある、無秩序に広がる地域を取り囲んでいる。道は狭く曲がりくねっており、通常は荷車を通す幅もない。あちこちに架けられた縄の吊り橋が、野生のままの空間を徒歩で移動することを容易にしている。
セテッサの南端は、南の尾根/The Southern Ridgeと呼ばれる高い尾根と接している。この地の住人は尾根を棚状に削って段々畑や果樹園を作り、尾根を掘ってその内部に巣穴のような居住地を築いてきた。この防御性の高い場所は、都市が攻撃を受けた際の防衛に使用される。ここには森へ通じる隠し通路もある。
セテッサの外縁部は草木の密集した環状の土地になっており、他所者の侵入を防ぐ自然の壁として機能している。セテッサは木々に射手のための足場を設け、この「壁」を常に警備している。ケイラメトラの戦神官/Karametra's warrior-priestsが、都市に出入りする者を絶えず監視している。セテッサの人々は共同体を重視し互いを家族のように扱うが、他所者が容易く歓迎されることはない。
社会
セテッサの人口の大部分は女性と子供である。結婚の風習は存在せず、財産は共有のものとなっている。先祖を考えるときには母系を辿る。
セテッサの住人にとって、何よりも重要なのは子供たちの幸福である。子供たちはアルクーリ/Arkulli(単数形はアルクーロス/Arkullos)――「小熊」と呼ばれ、共同体全体において最大限に尊重されている。またセテッサの守護神ケイラメトラ/Karametraは孤児の神であり、テーロス中の捨て子はセテッサへ連れて来られ、この都市の中で育てられる。子供は神殿から訓練場まで、あらゆる場所で歓迎される。
セテッサにも男性はいるが、大部分は都市の端にある動物の訓練場、アマトロフォン/The Amatrophonの近くに住んでいる。男性は若いうちに「遍歴」――世界を放浪し、母親の家とは異なる「家」を探し出す慣習――を行うことが奨励されている。セテッサでは、女性は戦闘訓練を通して、男性は世界で自分の道を見つけることで英雄になるのだと信じられている。
結節点/Nexus
セテッサにはナイレア/Nyleaが司る四季のそれぞれを称え、ケイラメトラの植生の儀式/Karametran planting ritualsが行われる4つの聖地、結節点/Nexusがある。セテッサにはケイラメトラ以外の神の神殿は存在せず、他の神への捧げ物はこれらの聖地へと置かれる。それぞれの結節点の下には星原/Starfield――ニクス/Nyxの幻視がある。
様々な神への導管として、結節点はこの地のエンチャント魔法の源となる。この現象はケレマの覆い/The Kelema Veilと呼ばれている。セテッサでは、神託者たちによってケレマの覆いが解読されている。ケレマの覆いはこの地を横切って流れる、霧のような星原として描かれてきた。星原の中に浮かぶ星座のような像は、神々の物語を伝えており、そして未来を予見するために利用される。
春の結節点/The Spring Nexus
春の結節点/The Spring Nexusはケイラメトラ神殿の裏の、瑞々しい庭園の中にある。その形状は、決して萎れることのない蔓と花が作るアーチである。春の結節点は豊穣、召喚、癒しの魔法の源である。
ケイラメトラはナイレアと険悪な関係であるにもかかわらず、セテッサの人々がここでナイレアへの捧げ物をすることを奨励している。
夏の結節点/The Summer Nexus
夏の結節点/The Summer Nexusはバサーラ塔/Bassara Towerの近くの、オリーブの古木の林の中にある。深緑色の葉が林を覆う梢を形作っており、セテッサ内を自由に歩き回る多くの動物たちにとって、夏の結節点はお気に入りの休憩所となっている。セテッサでは夏は力の季節と見なされており、夏の結節点は力の増強の源である。
ここではナイレアへの礼拝が行われる。またアクロスで開かれるイロアスの競技会/The Iroan Gamesの前には、イロアス/Iroasへの礼拝も行われる。
秋の結節点/The Autumn Nexus
秋の結節点/The Autumn Nexusは南の尾根沿いの、黄金の林檎の果樹園の中にある。天然の玄武岩のアーチの先の狭い洞窟の中では、常に炎が燃え続けている。セテッサの人々は、これは秋の収穫のために大地を温めるパーフォロス/Purphorosの炎だと信じており、秋の実りを願ってここに供物を捧げる。
またセテッサの戦士たちは、ここで戦の双子神、イロアスとモーギス/Mogisの両方に敬意を表する。アクロス人がイロアスを崇める一方でモーギスを忌避しているのに対し、彼女たちは勝利における栄光と恐怖を同等のものと見なしている。
冬の結節点/The Winter Nexus
セテッサにおいて、冬は眠りと死の季節と見なされている。冬の結節点/The Winter Nexusはセテッサの建国以前から存在すると信じられている、古いライオンの巣穴の中にある。この古の巣穴は、墳丘墓の下の小さな岩がちの洞窟の中に存在する。洞窟は死の国/The Underworldそのものへと続いていると言われ、空気中には血と腐敗物の匂いが漂っている。
ここで人々はファリカ/Pharikaとエレボス/Erebosへ捧げ物を行う――老後の悲しみや苦痛が軽いものになることを願って、もしくは死の国を今歩く誰かを偲んで。
監視塔
セテッサには4つの監視塔が存在する。それぞれの塔には動物の名前が付けられており、セテッサの戦士たちの連隊が所属している。
- レイナ塔/Leina Tower(獅子/Lion) - ケイラメトラ神殿の近くに建てられた石灰岩の塔。セテッサの守護者たちの住まいである。彼女たちは子供の頃に戦闘訓練の大部分を済ませており、両刃の斧で戦う。
- ハイラックス塔/Hyrax Tower(隼/Falcon) - 南の尾根に建てられた木造の塔。鷹匠と斥候たちが住んでいる。
- バサーラ塔/Bassara Tower(狐/Fox) - ニストスの森を守り、ナイレアの許しを得ずに森に侵入する者がいないか監視する連隊が置かれた塔。彼女たちはナイレアに歓迎されており、古の木々の中で長い時間を過ごす。訓練では弓術とゲリラ戦法を中心に学ぶ。
- オーフィス塔/Ophis Tower(蛇/Serpent) - ケイラメトラ神殿近くの自然の空間に隠された塔。身分を隠して旅をし、ケイラメトラの戦士議会/Karametra's Council of Warriorsのための情報を集める、放浪の戦士や間諜たちの本拠地である。男性の「遍歴」のための道を探し出すことや、孤児をセテッサに連れて来ることも彼女たちの役目である。
重要人物
- ケイラメトラ/Karametra - セテッサの守護神。収穫、家庭、庇護を司る。孤児の神でもある。
- アンソーザ/Anthousa - レイナ塔の長。女性。ケイラメトラの戦士議会の長でもあり、セテッサの事実上の統治者である。
- ファードラ/Phaedra - ハイラックス塔の長。女性。メレティス出身の孤児で、弱冠19歳ながら高い戦闘技術によりこの地位を得た。
- ニケータ/Niketa - バサーラ塔の長。女性。年齢は50代で、今は大半の時間を森でなくセテッサで過ごしている。子供たちの弓術訓練の監督官でもある。
- カリアス/Kallias - オーフィス塔の長。女性。子供の頃に売られて奴隷となり、片目と指数本を失ったが、オーフィスの戦士に救出された。
重要地点
アボラ市場/The Abora Market
アボラ市場/The Abora Marketはセテッサ正門を入ってすぐの所にある、巨大な青空市場である。部外者は定められた日数の間、この市場を使用することを許可されるが、セテッサの他の場所を歩き回ることは認められない。セテッサ人に対しては、この市場は一年中開かれている。
国外から来た商人たちは硬貨を受け取ることもあるが、貨幣の使用は一般的ではない。セテッサ人にとって、商業とは物々交換で行うものである。アボラ市場には新鮮な果物、野菜、パン、魚、肉、ナッツ、種、香辛料のすべてが豊富に存在する。
アマトロフォン/The Amatrophon
アマトロフォン/The Amatrophonは様々な種類の動物たちの安息所であり、訓練場である。アマトロフォンはセテッサの端の、森と草原の広範囲を取り囲んでいる。ここには広い馬小屋と、人間と動物両方のための戦闘訓練場がある。ペガサス、狼、さらにはライオンさえも、皆人間の戦士とともに戦闘の訓練を受けている。遍歴の旅に出ずセテッサに残った男性は、ここで動物の世話をし、馬、隼、その他の動物たちの訓練を手助けする。
ケイラメトラは動物を自然の守護者として重視しており、これらの動物たちはセテッサ社会において栄誉ある地位を占めている。動物たちは都市の中を自由に歩き回り、放し飼いの護衛としての役割を果たしている。
登場
登場カード
カード名に登場
- テーロス
- セテッサの戦神官/Setessan Battle Priest、セテッサのグリフィン/Setessan Griffin、セテッサの英雄、アンソーザ/Anthousa, Setessan Hero
- 神々の軍勢
- セテッサの誓約者/Setessan Oathsworn、セテッサの星砕き/Setessan Starbreaker
- ニクスへの旅
- セテッサ式戦術/Setessan Tactics
- テーロス還魂記
- セテッサの勇者/Setessan Champion、セテッサの請願者/Setessan Petitioner、セテッサの散兵/Setessan Skirmisher、セテッサ式訓練/Setessan Training
フレイバー・テキストに登場
- テーロス
- セテッサのグリフィン/Setessan Griffin、狩人狩り/Hunt the Hunter、巨体の狐/Vulpine Goliath、戦士の教訓/Warriors' Lesson
- 神々の軍勢
- 絶望の偽母/Forlorn Pseudamma、突進するアナグマ/Charging Badger、狩人の勇気/Hunter's Prowess、セテッサの誓約者/Setessan Oathsworn
- ニクスへの旅
- 永遠憤怒のサイクロプス/Cyclops of Eternal Fury、樫心のドライアド/Oakheart Dryads
- テーロス還魂記
- 軽率な祝賀者/Careless Celebrant、立腹/Infuriate、ハイラックス塔の斥候/Hyrax Tower Scout、ネシアンの猪/Nessian Boar、結節点の番人/Nexus Wardens、ニクスの伝令/Nyx Herald、セテッサ式訓練/Setessan Training
登場作品・登場記事
- THEROS - PLANES/テーロス - 次元(公式サイト)
- Planeswalker's Guide to Theros, Part 2/プレインズウォーカーのための「テーロス」案内 その2(Feature Article 2013年8月28日 The Magic Creative Team著)
- Symbols of the Poleis(Magic Arcana 2013年11月19日 Trick Jarrett著)
- Seasons in Setessa/セテッサの四季(Uncharted Realms 2014年3月26日 Ken Troop著)
その他
- ゲーム上の色は緑白[1]。
- Setessanは名詞用法で「セテッサ人」、形容詞用法で「セテッサの」を意味する。
- モチーフはギリシャ神話に登場する狩猟部族、アマゾーン(アマゾネス)だろう。女性だけで構成される部族であり、他部族の男と交わることで子をもうけ、女児のみを育てるとされる。
脚注
- ↑ Are Akros, Setessa and Meletis all associated with...(A Voice for Vorthos 2013年8月28日 Doug Beyer著)
参考
- テーロス/Theros
- メレティス/Meletis
- アクロス/Akros
- セテッサ/Setessa
- 背景世界/ストーリー用語