タズリ/Tazri

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2016年2月25日 (木) 22:31時点におけるAE (トーク | 投稿記録)による版
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タズリ/Tazri戦乱のゼンディカー・ブロックのキャラクター。カードとしてはゲートウォッチの誓いタズリ将軍/General Tazriが初出。

目次

解説

ゼンディカー/Zendikarに住む人間の指揮官。女性。年齢は30代後半。肌は褐色で、板金鎧を身に纏い、鎚矛(メイス)を武器とする。

最大の特徴は首にはめている輝く黄金の輪(イラスト)。元は天使の光輪であり、彼女の感情の昂ぶりに呼応して輝きを増す。

ゼンディカー軍の総司令官ヴォリク/Vorikが最も信頼する助言者であり、彼の死後は総司令官を継いだギデオン・ジュラ/Gideon Juraの部下になった。ギデオンとは意見が対立することもしばしばだが、彼をリーダーとして認めており、指揮官としての経験が浅いギデオンにとっての良き助言者となっている。

経歴

過去

20歳にもならないうちに商人マーヒア/Mahirの隊商の護衛隊長にまで上り詰めたタズリは、タジーム/Tazeem街道の旅の途中、吸血鬼との戦いで重傷を負った天使に出会った。天使は彼女に助けを求めた――彼女はそれが、自分を楽にしてほしいという意味だと悟った。天使を殺せば呪いを受けることになるという部下ロモエ/Romoeの警告を無視し、彼女は自らの剣を、天使の胸に深々と突き刺した。天使の目を覆う光輪の輝きが鈍り、やがて消えた。彼女はそれを持ち去った。

彼女は剣の道を捨て、槌矛を武器とするようになった。天使を殺したという噂は瞬く間に広まり、彼女はマーヒアに解雇された後も4年間職にありつけずにいた。行き場をなくした彼女は海門/Sea Gate民兵、ヴォリクのもとを訪ねた。彼女はここに来た理由を上手く言葉にできなかったが、ヴォリクは彼女の苦悩に理解を示し、彼女に戦士としての素質と指揮官としての素質の両方を見出した。

それから15年の間、タズリはヴォリクに仕え続け、彼の右腕となった。封印されていたエルドラージ/Eldraziが解放されてからは、ヴォリクとともにそれと戦い続けた。

限界点/Limits

バーラ・ゲド/Bala Ged大陸がエルドラージに破壊され尽くしてしまったという報告を受けたヴォリクは、海を越えてタジームにやって来るであろう生存者を海門へと案内すべく、タズリ率いる一団を海岸へ派遣した。ギデオンやムンダ/Mundaたちの助力もあり避難民は無事海門へと辿り着いたが、今度は海門そのものがエルドラージの襲撃に遭い、陥落した。

隠れ家での殺戮/Slaughter at the Refuge

ラヴニカ/Ravnicaからジェイス・ベレレン/Jace Belerenを連れてゼンディカーに帰還したギデオンは、海門近くの宿営地にてタズリ、そして負傷したヴォリクと対面した。そこは入り口を巨大な面晶体/Hedronに閉ざされた峡谷だったが、エルドラージの群れが侵入を始めており、もはや安全な場所とは言えなかった。

ヴォリクとタズリは徒歩による避難を計画していたが、ギデオンは異なる避難先を――宙に浮かぶ面晶体の上への避難を提案した。歩くのもやっとな負傷者たちにそんなことはできないとタズリは反対したが、ヴォリクは彼の案を採用した。ギデオンの考え通り、傾いてほぼ水平になった面晶体の上を這って進むことは、負傷者たちにとって歩くよりも容易いことだった。

空岩の生存者/The Survivors of Sky Rock

空岩/Sky Rockの避難所にて、タズリは治療を受けるヴォリクのテントの中でほとんどの時間を過ごし、彼とオンドゥ/Ondu大陸のズーラポート/Zulaportへの避難計画を練っていた。彼の絶え間ない咳がもしエルドラージの荒廃によるものなら、その命はもう長くないだろう。

ある日、仲間たちとともに避難所に近くの滝から水を引いていたギデオンの前にタズリが現れ、彼を咎めた。水を飲むことは下の川でもできる、そんなことよりも避難の準備に労力を割くべきだと。反論したギデオンに対し、タズリは核心を突いた。貴方はここを快適な場所にし、皆がここに留まる理由を作ろうとしている。ウギンの目/The Eye of Uginへ向かったジェイスの帰りをここで待つために。そしてギデオンの胸を小突きながら言った、貴方たち異邦人に、ゼンディカー人を危険に晒す権利などないと。ギデオンがプレインズウォーカー/Planeswalkerであることを彼女が仄めかすのは、これが初めてではなかった。ギデオンは自分がこの世界の生まれでないことを認め、それでもゼンディカーを守る意志があることを伝えたが、彼女の不信を拭い去ることはできなかった。

それから間もなく、2人はヴォリクに呼ばれた。彼はやはりエルドラージの荒廃に侵されており、死の淵にあった。ギデオンはヴォリクにズーラポートへの避難を考え直すよう求め、エルドラージと戦って海門を取り戻すという新たな案を提示した。タズリは驚き、それは自殺行為だと非難したが、ギデオンはゼンディカー全土がエルドラージに蹂躙されている以上、逃げ続けて生きながらえるだけでは不十分だ、ここで立ち向かわなければならないと主張した。

ヴォリクは2人の言い争いを制止し、ギデオンを自分の後継者に――新たな総司令官に任命した。タズリは息を呑んだ。彼女にとって、それは長年仕えてきた自分への裏切りであり、同時にいつでもゼンディカーから逃げられる者にゼンディカー人の命運を託すということでもあった。異議を唱えるタズリにヴォリクは言った。君は強く勇敢だが、ゼンディカーは新たな考え方を必要としている。ゼンディカーのことをよく知る君には彼の支えになってほしい、今まで私の支えになってきたのと同じように。彼がゼンディカー生まれでなくとも、彼にはゼンディカー人の不屈の魂があるのだと。 それが、彼がタズリに残した最後の言葉になった。

ヴォリクの葬儀の場で、ギデオンは皆に海門奪還を訴えた。避難民からは喝采の声が上がった。ギデオンはタズリと目を合わせ、最後までゼンディカーを去らず、ゼンディカーのために戦い続けることを誓った。彼女の目から涙が零れ、ギデオンを「司令官」と呼んだ。

海門の解放/The Liberation of Sea Gate

いよいよ海門奪還作戦が実行に移された。だがエルドラージ側の圧倒的な物量に対し、大部分が訓練された兵士でないゼンディカー軍は苦戦し、大きな犠牲を出した。ギデオンはやむなく撤退を決断したものの、撤退戦の訓練も受けていない彼らは陣形を保ちながら下がることができず、散り散りになった。どこか遠くから聞こえる角笛の音が、僅かに生き残った者たちに撤退の方角を教えてくれた。

角笛の主はタズリだった。彼女は戻ってきたギデオンを責めた。今日のギデオンは一兵卒としては大きな働きをしたかもしれないが、司令官としては何もしていないに等しい。この作戦はあまりに無計画すぎたのだと。ギデオンは彼女の表情と声に、無謀な突撃で死にゆく仲間を救えなかった苦悩と困惑を見た。彼は自らの過ちを認め、タズリたちとともに数日をかけて新たな計画を練り直すこととなった。

ギデオンは自らも最前線で戦うことを主張した。タズリは最終的に折れたが、妥協案として彼が定期的に後退し、斥候の報告を聞いて全体の戦況を把握することを求めた。彼女はさらに、夜間は戦線維持をドラーナ/Drana率いる吸血鬼たちに任せ、ギデオンも休息と議論の時間を取るべきだと主張した。今度はギデオンが折れる番だった。

新たな計画は上手く行った。5日間にわたる激しい戦いの末、ゼンディカー軍は海門を奪還した。

面晶体の連結/Hedron Alignment

会議を行っていたタズリたちのもとに、ジョリー・エン/Jori Enが息を切らして現れ、ウラモグ/Ulamogの接近を告げた。攻撃を主張するドラーナ、キオーラ/Kioraニッサ・レヴェイン/Nissa Revaneに対し、タズリは今すぐ海門を捨てて逃げるべきだ、面晶体の正しい使い方が分かるまでは巨人/Titanと戦うべきではないと主張した。ギデオンは判断を迫られたが、やがてジェイスが到着し、ウギンの目で学んだことを――複数の面晶体でネットワークを構成すればウラモグをも拘束できることを皆に伝えた。

彼らはジェイスの計画を実行に移した。タズリ率いる防衛隊がエルドラージの群れから地上を守る間、彼らは綱を引き、面晶体を正しい位置に配置していった。計画は成功し、ウラモグは面晶体の牢獄に囚われた。

この荒廃に生を受けて/The Blight We Were Born For

突如現れたオブ・ニクシリス/Ob Nixilisによりウラモグは牢獄から解き放たれ、地下のコジレック/Kozilekが目覚めた。希望は一瞬にして絶望へと転じた。海門が崩壊する中、タズリは反射的に兵士たちを集めて脱出したが、コジレックから放たれた奇怪な波が到達すると、彼女たちの時間や空間はそれぞれバラバラに狂い始めた。

タズリは現在という一点に圧縮されたすべての過去とすべての未来を同時に体験した――天使を殺した日――ヴォリクと出会った日――ヴォリクが自分でなくギデオンを選び、帰らぬ人となった日――彼女の「主」たるコジレックがギデオンたちに勝利した日――主の失踪から1万年が経ち、そうすれば彼が帰ってくると信じてゼンディカーを再び創造しようとする日々――星も太陽も消えた数兆年後の世界で、主の帰りを眠りながら待ち続ける日々。永劫の時間に彼女の心が屈服しそうになったそのとき、首の光輪がかつてないほどに輝きを増し、世界を白光で満たした。

白一色の世界の中、タズリの目の前にあの日の天使が現れた。天使はここが時の流れの外にある、コジレックの支配の及ばない領域であること、そして長い間苦しんできたタズリが赦されることを告げた。彼女は自分でも驚くほどに猛烈に反発した。私は自分の意志であなたを殺し、自分の意志で呪いを受けた。あなたの赦しは必要ない――だが天使は言った、赦しとは私の赦しではなく、貴女自身の赦しなのだと。

彼女は現実に帰還した。ウラモグとコジレックは遠くへ歩き去っていたが、エルドラージの群れは殺戮を続けていた。総司令官ギデオンの姿はなく、誰かが指揮を執らなければゼンディカー軍のほとんどは生き残れないだろう。タズリは覚悟を決め、ノヤン・ダール/Noyan Dar、ドラーナ、ムンダに命令を下した。ノヤンが海門とこちらを隔てる地割れを作り、エルドラージが足止めされているうちにここを離れる。海門に残された者や、動けない者は置いていく。彼女のこれまでにない強い口調の命令は、ムンダを驚かせた。

自分が命令を下す側でもよいのではないかというドラーナに対しても、タズリは毅然と反論した。貴女は私よりも強いが、ゼンディカー人の吸血鬼への恐怖はあまりに大きい。だから私が適任者なのだと。永劫の時間を体験した彼女の気迫の前では、数千年の時を生きたドラーナさえも尊大な態度を保つことができなかった。ドラーナは彼女の主張を認め、ノヤンに魔力を注げという命令にも従った。

燃え盛る炎/Up in Flames

タズリはゼンディカーに駆けつけたチャンドラ・ナラー/Chandra Nalaarと出会い、ギデオンのことを知る彼女に事情を説明した。ギデオンたちは悪魔との戦いに敗れ、洞窟の中に連れ去られたと。チャンドラはショックを受けたが、タズリには彼がまだ生きているという不思議な確信があった。負傷者を抱えていたタズリは、独りで彼らを救出に向かうというチャンドラに感謝を告げた。

滅亡の瀬戸際に/Brink of Extinction

キオーラ、ジョリーと合流し、ムンダたちと作戦を練っていたタズリのもとに、チャンドラに救出されたギデオン、ジェイス、ニッサが帰還した。ジェイスは皆に計画を語った。もはや自分たちに、2体の巨人/Titanを拘束する余裕はない。彼らをゼンディカーから逃がせば、多くの命が失われる。ならば残された選択肢は一つ――巨人を殺すしかない。

ジェイスは2体の巨人を同じ力線の中に閉じ込めるため、ハリマー盆地/Halimar Basinに人々を集めて巨人を誘導する必要があると説明した。ゼンディカー人を「寄せ餌」にするという案にギデオンは躊躇いを見せたが、タズリはジェイスの案を支持し、ギデオンに言った。人々を集め、作戦を伝えることは自分にもできるが、作戦の成功を信じさせることのできる者は貴方しかいないと。ギデオンは熟慮の末にその案を認め、今から人々を集めてくれとタズリに命じた。タズリは急ぎその場を後にした。

ゼンディカーの復興/Zendikar Resurgent

計画は成功し、ウラモグとコジレックは滅ぼされた。生き残った者たちは巨人の残骸を片付け、未だ残る落とし子/Spawnやエルドラージの信奉者と戦って日々を過ごし、一部はゼンディカー各地へと旅立っていった。ギデオンは、タズリに司令官の地位を譲った。

空岩でギデオンは3日前からの日課を行っていた。日の出前に起き出し、重い鎧や指揮の重圧を背負わず、ただ走る。そこにいつものように、タズリが合流した。2人は軽口を叩き合いながら、空岩の宿営地を走って回った。

タズリは彼に尋ねた。ギデオンは今はエルドラージ掃討に協力してくれている、だがいずれ…。その言葉は最後まで続かなかったが、ギデオンは素直にそれを認めた。「いずれ」。彼にはゲートウォッチ/The Gatewatchとしての責務があるのだ。少しして、タズリは答え、微笑んだ――「でしたらそれまでは、貴方がいてくださることを嬉しく思います」。

登場

登場カード

フレイバー・テキストに登場

戦乱のゼンディカー
存在の一掃/Scour from Existence血の絆の吸血鬼/Bloodbond Vampire
ゲートウォッチの誓い
攻性エルドラージ/Eldrazi Aggressor面晶体の這行器/Hedron Crawler

イラストに登場

ゲートウォッチの誓い
戮力協心/Shoulder to Shoulder

登場作品・登場記事

参考

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