Shahrazad
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ソーサリー
プレイヤーは、それぞれのライブラリーを自分のデッキとしてマジックのサブゲームをプレイする。そのサブゲームに勝利できなかったプレイヤーはそれぞれ、自分のライフの端数を切り上げた半分を失う。
Shahrazadとは、アラビアンナイトの登場人物の一人にして、物語の語り部である女性の名前。アラビアンナイトのすべての物語は、Shahrazadのイラストに描かれているこの女性によって語られる「作中作」の形式をとっている(※詳細は下記)。そのためこのカードも、作中作ならぬ「ゲーム中ゲーム」を作る効果となっている。
これを使うと時間切れが続出するとか。サブゲーム中にまたこれを使う事もでき、もはや意味が分からなくなる。
だが実際にこのカードを使っても、直ちにサブゲームを投了されてしまうことが多い。凝った使い方をしようにも、結局は投了されても有効なバーンやウィニーでなければ難しい。しかし裏を返せば「対戦相手はライフの半分(端数切り上げ)を失う」と書かれた2マナのソーサリーとしてのポテンシャルを秘めている。
サブゲーム用のルールが1項目存在する。詳しい解説はサブゲームの項を参照。
- フェッチランドの跋扈する環境なら、自分がフェッチランドを入れないだけでサブゲームをそこそこ有利に進められる。
- よく見ると多人数戦に対応したテキストとなっている。
- 長い間サブゲームはこのカード専用のルールだったが、冗談セットであるアンヒンジドでサブゲームを行う2枚目のカードEnter the Dungeonが収録された。
- また新たなるファイレクシアでは、サブゲームでなく新たにゲームを開始する解放された者、カーン/Karn Liberatedが登場した。
1994年1月25日より、Type1(現ヴィンテージ)およびType1.5で禁止カードに指定されていたが、1999年10月1日に解除。その後、Type1.5から移行したレガシーでも使用可能であったが、2007年9月20日よりヴィンテージ、レガシーの両フォーマットで再度禁止カードに指定された。
統率者戦においては、開始当初は特例として使用を許可されていたが、2011年9月20日よりこの特例は撤廃されているため使用できない。
アラビアンナイト(千夜一夜物語)の語り部とその終始
昔々、シャハリヤール/Shahryarという王様がいた。シャハリヤール王が自分の宮殿を留守にしている間、シャハリヤール王の弟は、シャハリヤール王の妃が夫の留守をいいことに、奴隷と痴態の限りを尽くしていたのを目撃する。宮殿に戻ったシャハリヤール王は、弟からその話を聞いた後、妃の首を刎ねさせた。妻の不貞で女性不審となったシャハリヤールは、大臣に毎晩一人の処女を連れて来るよう命じ、その処女と寝ては翌朝になると殺すようになった。やがて三年もすると都から若い娘は姿を消してしまったが、それでもシャハリヤール王は大臣に処女を連れて来るよう命じた。この大臣の娘シャハラザード(シェハラザード)/Shahrazadは、恐怖と悩みにやつれた父を見て、自分をシャハリヤール王に娶合わせるよう父に言った。シャハリヤール王のもとに参上したシャハラザードは、妹のドニアザードを呼び寄せた。シャハラザードとドニアザードの姉妹は「これまでの処女たちのように、殺されるかもしれない」という命の危険と恐怖を感じていた。が、2人はそういった気持ちを押し殺し、あらかじめ用意しておいた策を講じることにした。シャハリヤール王とシャハラザードの床入りが済んだ後、妹のドニアザードは姉と約束したとおり、姉に物語をねだった。姉のシャハラザードは古今東西の様々な物語に通じており、それらの物語をドニアザードとシャハリヤール王の2人に夜通し語りかけた。
とある物語を語り終えようというところ、シャハラザードが語るのを止めた。シャハリヤール王は物語の続きを話すようシャハラザードに命じたが、シャハラザードは焦らすような態度で続きはまた明晩話すと言った。物語の続きが気になったシャハリヤール王は、シャハラザードとドニアザードの2人を殺さぬことにした。2人の姉妹は約束通り明晩またシャハリヤール王の下に参上し、シャハラザードは物語の続きを語り始めた。シャハラザードの語る様々な物語は、シャハリヤール王にとって、とても魅力的なものばかりであった。その夜以降、シャハリヤール王は毎夜毎夜、新しい処女ではなく、シャハラザードを床入りさせ、彼女に物語をねがった。一方でシャハラザードも毎晩毎晩、夜通し様々な物語を語った。こうしてシャハリヤールとドニアザード、自らの命を賭けた語らいの夜は続いていった。2人は毎夜毎夜シャハリヤール王に物語を語りかけることで、王の気を紛らわさせた。
そして、千と一夜目に物語を語り終わったシャハラザードは、ドニアザードに子供たちを連れてくるよう頼んだ。連れてこられた子供たちのことを、シャハリヤール王は知らなかった。が、シェハラザードは、この子供たちが”自分とシャハリヤール王の子供”であることをシャハリヤール王に告白した。喜びに震えるシャハリヤール王は、シェハラザードとドニアザードを殺さないこと、また、彼女を新たな妃とすることを誓った。シャハラザードとの結婚を済ませたシャハリヤール王は、国中から優秀な年代記編者と書記を集めた。そして、自分とシェハラザードとの間に起きた全てのことを書き記すよう彼らに命じた。シャハリヤール王は、書き記された金字の原本を王室の文庫に治め、その写本を王が治める全領土の隅々にまで配った。
こうして起きた一連の出来事、千一夜に渡りシャハラザードによって語られた物語の全てをまとめたもの、それが『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』である。