エロン/Eron
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二つ名 | 情け知らずのエロン |
種族 | 人間 |
出身 | ウルグローサ/Ulgrotha |
生没年 | 不明 |
カード | 情け知らずのエロン/Eron the Relentless |
エロン/Eronはホームランドの登場人物。大胆不敵、不老不死、傍若無人のゴブリン王。
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[編集] 解説
[編集] コスカン砦の王
情け知らずのエロン/Eron the RelentlessはKoskun Keep(コスカン砦)のゴブリン、オーク、ならず者を統べる人間の男性(イラスト)。ゴブリン族からは半神(demigod)と崇められている。
元々はアイゼン/Aysen生まれのけちな泥棒だったが、センギアの太母/Grandmother Sengirから盗んだ呪文書の魔法の力で年を取らない不死身の肉体を手に入れた。
不死身を武器に無謀ともいえる行動をすることで知られるが、これは生まれつきの性癖らしく、普通の人間であったときでも一か八かに命を賭け、思いつきの決断に運命を委ねたりしている。それでも生き残ってこれたのだから、余程の強運の持ち主なのだろう。だが、勝負の仕掛け所には鼻が利くようで、勝てない喧嘩は売らないし、損になる取り引きもしない。その証拠に、センギア男爵/Baron Sengirとは事を構えないように注意し、アイゼンとは貿易協定を結んでいる。
エロンは規律に厳格だという。噂の伝えるところによると、エロンの不興を買った副長2人がアナーバのボディガードたちに逮捕され、断頭台に引き出された。彼らの処刑の場には、彼らが愛する者が呼び出されている。いよいよ斧が振り下ろされる間際に、エロンは選択を迫る。「まず愛する者が拷問を受けるのを見た後で、処刑される」のがいいか、「拷問を受け醜い姿になった後、愛する者が処刑されるのを見る」のがいいか、と。これを表したカードがRetributionである。
[編集] 不死身の身体
不老不死の肉体となった経緯はこうである。
魔術学院の堕落した碩学魔術師Bernatheen(バーナシーン)に雇われたエロンは、Castle Sengir(センギア城)の太母の書庫から呪文書を奪ってくる仕事を請け負う。センギア城にまんまと潜入し、居眠りをしているセンギアの太母から呪文書(魔法の知識のないエロンは適当に本を選んでいる)を掠め取り無事に帰還。仕事の報酬に盗んだ呪文書の最後に書かれている呪文を自分にかけるよう要求(呪文がどんな効果をもたらすかもちろん知らないし、最後の呪文を選んだのも特に理由は記されていない)。運良く魔法の効果で、歳もとらず死にもしない無敵の肉体を手に入れた。
この肉体の恩恵を十二分に利用し気侭に振舞う。不死身となったエロンが起こした恐怖の事件はアイゼンではもはや伝説的ですらある。例えば、小刀(small knife)一振りだけで、激怒したアイゼンの守備兵隊全員を相手に立ち向かっていった、と伝えられている。
また、エロン流脱獄術とは身体能力を活かしたものである。その方法とは、自分自身の肉体をバラバラに切断し、牢屋の外に放り出した後、再生するという身の毛がよだつもの。アイゼンの牢獄からはこれで脱獄している。
他に不死身を物語る逸話にはこのようなものもある。エロンはコスカン砦に乗り込んでゴブリン王を宣言した際、すぐさまゴブリンに殺され、死体は砦の外に捨てられ狼の餌にされている。数分後に復活し、再び砦に乗り込むもやはり殺される(この時点では砦の住人は、エロンを男爵が遣わしたアンデッドかとも想像していた)。それでも生き返り、懲りもせず砦に乗り込んで来たエロンがゴブリン族の統治こそが自分の宿命であると宣告すると、住人たちは彼を主と認め、英雄と賞賛し、半神と崇拝するようになった。しかし砦の王となった後でも、忠実なる家来におよそ27回暗殺されている(もちろんその都度生き返っているが)。
エロンの全身は傷だらけである。驚異的な再生能力をもってしても傷は完治せず、傷痕は残る上に、むず痒く疼いているのだ。
[編集] 対外関係
アイゼンとの乱暴な貿易協定はコスカン砦の口を満たすための必然である。コスカンの飢えた荒くれ者どもを大人しくさせるには、アイゼンからの食料輸入が必要だったのだ。方やアイゼンもコスカンと戦争状態に突入する危険を冒すことは出来なかった。この貿易協定もあってか、レヴェカ/RevekaはエロンによるWizards' School(魔術学院)の経済的破滅という最悪の未来像を危惧している。
Koskun Mountains(コスカン山脈)の支配者であるエロンにとって、アナーバ/Anaba族の隠れ里は癪に触る存在。彼の配下には部族を離れたミノタウルスもいるのだが、未だアナーバの里を発見できていないようだ。
センギア男爵は油断ならぬ相手。エロンにとって男爵は潜在的な脅威である。何度か男爵から招待を受けているのだが、用心深いエロンは申し出を全て丁重に断っている。更にKoskun Falls(コスカン滝)と暗き男爵領/The Dark Baronyを結ぶ細道には常に物見を置いて用心深く男爵の動向を探っている。実はエロン自身は気付いていないが、彼の隊商の護衛の多くがセンギア男爵にも雇われている者であり、アイゼンと結んだ貿易協定は意外に脆いものであるのだ。
エロンを出し抜いた者たちもいる。それがチャンドラー/Chandlerとジョーヴン/Jovenで、エロンはこの二人組の泥棒にお気に入りの秘宝、Ebony Rhino(黒檀のサイ)を盗み取られている。この一件がエロンの逆鱗に触れ、2人はコスカンで指名手配されている。エロンは逆らった報いをとっくりと思い知らせてやりたいのだが、彼らの逮捕に至ってはいない。
コスカンからThe Great Wood(大森林)を抜ける道、Lady's Path(貴婦人の道)は不可解である。無防備な隊商は難なく通り抜けられるのだが、武装集団の場合は壊滅させられるか、二度とは戻ってこないのだ。この大森林を支配する力がエロン自身を破滅させようとしないのは分かっているものの、信用できる存在でないことも承知している。
[編集] 経歴
[編集] ホームランド
第22世代期(3620AR頃)、碩学魔術師バーナシーンに雇われ、仕事の成功報酬に不死身の肉体となった。
数ヵ月後、不死身の肉体にも犯罪生活にも飽きてきた頃、アイゼンを離れてウルグローサ/Ulgrotha各所を1年間冒険する。その後コスカン砦に移り住むとゴブリン王となる。
コスカン砦の食料需要を満たすためアイゼンと休戦し貿易協定を結ぶ。
第31世代期(3800AR頃)、不死身となってから2世紀近く歳を重ねたが、コスカンのゴブリン王は健在である。
[編集] 時のらせん
4500ARに再登場。時の裂け目/Riftから出現した過去のエロンと思われるが、不老のエロンならこの時代に生き延びていてもおかしくはない。
残念ながら、時のらせんのストーリーでは小説Future Sightでウルグローサが登場したものの、エロンの活躍は描かれなかった。
[編集] 登場
[編集] 登場カード
- ホームランド(フレイバー・テキストに登場)
- 待ち伏せ部隊/Ambush Party、アナーバのボディガード/Anaba Bodyguard、Joven、ジョーヴンの泥棒道具/Joven's Tools、商人の巻物/Merchant Scroll、センギアの従臣/Sengir Autocrat、休戦/Truce
- 第5版(フレイバー・テキストに登場)
- ジョーヴンの泥棒道具
- 第6版(フレイバー・テキストに登場)
- アナーバのボディガード
- 時のらせん(フレイバー・テキストに登場)
- センギアの従臣
[編集] 登場記事
- Homelands:The Making of a Magic Expansion(Duelist7号の記事)
- Eron the Relentless(Duelist8号の記事)
- Baron Sengir, Immortal Gentleman and Politician(Duelist10号の記事)
- Sursi Lore(公式サイトの記事)
- Homelands on the World of MAGIC:the Gathering(コミック版ホームランド巻末解説)
[編集] 訳語
「Eron the Relentless」は、第5版のジョーヴンの泥棒道具/Joven's Toolsのフレイバー・テキストで「情け知らずのエロン」と和訳。その後第6版のアナーバのボディガード/Anaba Bodyguardのフレイバー・テキストでも同様に翻訳される。時のらせんではタイムシフト枠で再録され、情け知らずのエロン/Eron the Relentlessと既存の訳語を踏襲。
[編集] 参考
- ホームランド
- 時のらせん
- ウルグローサ/Ulgrotha
- Koskun Keep(コスカン砦)
- チャンドラー/Chandler
- ジョーヴン/Joven
- Ebony Rhino(黒檀のサイ)
- 背景世界/ストーリー用語