ブルームバロウ/Bloomburrow

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ブルームバロウ/Bloomburrowは、多元宇宙/Multiverseに存在する次元/Planeの一つ。ブルームバロウの舞台となった。

目次

世界観

ハツカネズミカエルコウモリといった小動物の獣人アニマルフォーク/Animalfolkたちが文明を営む次元。

この次元では季節や災害も動物の姿を取り、災厄の獣/Calamity Beastと呼ばれ恐れ敬われている。また領界路/Omenpathプレインズウォーク/Planeswalkで他次元からブルームバロウに訪れたものは、動物の姿に変わってしまう。

文化

歴史

遥か昔、ブルームバロウは弱肉強食の原理が支配する世界であり、巨大な災厄な獣が世界を闊歩していた。災厄の獣に立ち向かうため一致団結した小さな生き物たちの集まりがアニマルフォーク達の始まりである。彼らは災厄の獣たちから逃れ地上から地下に住処を移し文化と友情を育んだ(イラスト)。

アニマルフォーク達は地上を取り戻すため、種族を問わず力を合わせヒイラギ葉の騎士団/The Order of the Holly Leafを結成した。それは魔法の契約であり、家と平和を手に入れるまでお互いを結び付け、そして自分たちと大地を結びつけた。彼らは大地の力を引き出して操れるようになり、この技は魔法織り/weavingと呼ばれ特に上手く使える者は織り手/weaverと呼ばれた(イラスト)。

二世代に渡る戦いが繰り広げられ、アニマルフォーク達は災厄の獣の幾つかを殺しはしたものの、最も偉大な災厄の獣、炎の狼の猛焼/Wildsearが現れた事により趨勢は覆り、アニマルフォーク達はより地下深くへと追いやられていった(イラスト)。

その戦争の中、1匹のマウスフォーク、リリー/Lilyが生まれ、地下の住処を追いやられ渓間の中心で災厄の獣の脅威に晒されていた。リリーが何世代も前に交わされた魔法の誓いに繋がったとき、その魂に力が生まれた。種の炎/the Seed Flameと呼ばれたそれは猛焼の力を奪い、リリーを災厄の獣と同じ力を持つほどの存在に生まれ変わらせた。3日間の戦いの末に猛焼の牙を折り、獣たちを渓間の外へと追い出した(イラスト)。

リリーによって渓間には平和が訪れたはずだったが、やがて織り手たちがその力を横暴に振るうようになり、渓間を力で支配しようと争いを引き起こした。同時に災厄の獣たちがいなくなった渓間の自然は混沌とするようになり、季節や天候、昼夜さえ気まぐれになっていった。

英雄たちの一族はその力を捨て去る事に決めた。最も強力な魔法織りは二度と教えられることのないよう渓間の奥深くに封印され、リリーも自ら折った猛焼の牙から鍛えられた剣である岩山炎/Cragflameを子孫に託し渓間の外へと旅立っていった。強力な織り手たちがいなくなった事により災厄の獣たちは渓間に戻ってきたが、アニマルフォーク達は残された魔法織りや蓄えられた知識を頼りに災厄の獣たちの足跡を辿り、警戒し衝突を避けることで栄えていった。やがて渓間を救った英雄たちとその行いは伝説となり、渓間はアニマルフォーク達が結束し世代を重ねる平和な地となった(イラスト)。

地理

渓間/Valley

渓間(けいかん)/Valleyは、ブルームバロウという次元の中の小さな一地域だ。渓間は温暖な土地で、多様な野生生物が住まい、小さな沼や池から岩がちな丘や花畑に至るまで、多様な自然の名所がある。

ここを訪れた者がまず気づくのは、自然のスケールの大きさかもしれない。葉は森のように頭上にそびえ立ち、木々は都市一つを支えられるほど大きく、大岩は渓間の住民にとって山だ。渓間には、あらゆる種類の動植物を育む五つのバイオームが存在している。

草地

渓間の草地は、野生の花や褐色の草が生い茂るキャンバスだ。細く背の高いシロガネヨシノコギリソウは、その下を通るアニマルフォークに屋根を提供し、太陽が頭上高く昇る頃であっても地面を涼しく保ってくれる。春と秋には、タンポポの種が空中を雪のように舞う。高い草の生えた一帯を分かつように、柔らかな日差しを浴びて茂るカモミールパートリッジベリーの花でいっぱいの空き地が広がる。こういった小さな空き地には薬草がたくさんあり、地元のアニマルフォークは春から夏にそれらを収穫し、冬の間に乾燥させる。

アニマルフォークの農場は草地に多く、周囲の自然と繊細に絡み合っている。春と夏にはトマト、ピーマン、ネギの長い畝が畑にびっしりと並ぶ。渓間が寒くなってきた頃には、農作物はキャベツやハツカダイコン、ニンジンへと移り変わる。ベリー類は一年を通して育てられ、季節や特殊な環境に応じて様々な種類のものが生い茂る。

渓間には池が点在しており、アニマルフォークはその岸辺で農作業や釣りを行う。池の中にはスイレンの葉が敷き詰められているものもあり、半水棲のアニマルフォークが水浴びの途中で休むのに充分な場所を提供している。疲れた旅人は水を見るとほっとするものだ、近くに集落があるに違いないのだから。さらに大きな池は、渓間のすべての動物たちに澄んだ新鮮な水をもたらす。それが地下水路を通してであれ、商人が瓶に詰めて遠くに住む者に届けるという形であれ。

森からはるばる沼地まで、そして渓間の向こうまで長川(ながかわ)/The Long Riverが流れている。魚は渓間じゅうでよく泳ぎ回っており、それを捕らえるだけの忍耐強さを持つアニマルフォークにとっては栄養豊富な食料源となる。この川と池は繋がっていない――池は孤立していて雨水で賄われており、それに対し川は沼地へと続いていて、その源流は渓間の土地の遥か彼方にある。

渓間最大の池には噴水港/Fountainportがある。これは驚くべき職人技の産物であり、友人と会うにしろ池の向こうを眺めるにしろ、アニマルフォークにとって人気の行き先だ。

沼地

渓間の沼地は川の支流が涸れ始めるあたりに現れ、泥だらけの岸と岸の間に、沈泥と生物由来物質の床面を露出させている。背の高い草に覆い隠されたラットフォークの村の入り口があり、岸の側面のトンネルから遥か下方の地下洞窟へと伸びている。地面には捨てられたカタツムリの殻や骨が散らばっている。渓間じゅうの岸から流れ着いたものだ。

水面下に隠れていることも多いものの、この場所は生命で満ち溢れている。川岸は貝類の棲み処で、堆積物に覆われた岩の露頭に沿ってムール貝が育ち、川底には二枚貝が隠れている。ムール貝や二枚貝はときどき泥や沈泥を吐き出すが、これは厄介かつ時に危険な習性で、不運な通行人を泥まみれにしたり、宙を舞わせたりすることさえある。川岸に生えている植物の根は、水が涸れると露出し、澱んだ浅い水たまりが点在するグネグネした迷路を作り出す。昆虫もよく沼地を訪れ、餌となる栄養のある泥の中に卵を産みつける。

渓間の傾斜した丘からはゴツゴツした岩の塊が突き出ており、一部のアニマルフォークには日陰を、この地に住まうリザードフォークには日光浴の場所を提供している。このような丘のいくつかはかつて水で溢れていたため、岩は滑らかで高い形状に浸食されており、住民を四方から囲い込んでいる。高い影に遮られた光は地面にあまり届かないため、ここでは植生はまばらだが、岩の裂け目からは野生の花が芽吹き、木々は高い幹や太い根で大岩を支えている。

このような丘の頂上を下から見ることは難しく、特に小さなアニマルフォークは見れば驚きと感嘆を覚える。大岩の頂上まで登るには何日もかかるかもしれないが、登り切ったなら自慢の種になること間違いなしだ。

茂み

渓間の森は青々とした葉で溢れており、苔や蔓に覆われた木や岩の茂みを特徴とする。蔦は巣や家を隠して避難所を提供し、アニマルフォークの安全を守ってくれる。この地の樫の木は太く丸い幹を持ち、地面近くで又に分かれている。その節くれ立った姿は樹齢を物語っている。多くの木が何百もの季節を生きてきており、大きさもそれに見合うものだ。ここでは木々は巨大で、渓間じゅうから集まったアニマルフォークが共生する都市群が収まるほどだ。

川沿いの大きな森の端には、アニマルフォークの仲間意識の最高の功績たる三本木市/Three Trees Cityがある。ここは渓間で最も人口密度の高い場所で、あらゆる種類のアニマルフォークの住まいであり、旅人や冒険者にとっての主要拠点である。

三本木市/Three Trees City

三本木市(さんぼんぎし)/Three Trees Cityは森と長川が接する場所にある大都市で、絡み合った三本の古木にまたがって築かれている。これは渓間最大の居住地であり、ありとあらゆる種類のアニマルフォークが暮らしている。ここの建物は最も小さなアニマルフォークから最も大きなアニマルフォークにまで対応しており、大きさの異なる出入り口、主要通路に沿った複数の小道、天井の高い公共施設を用いて調和のとれた環境を作り出している。栽培した棚型のキノコで作られたスロープや階段が、樹冠に至るまで木の側面に伸ばされている。

建築的には、三本木市はあらゆるアニマルフォークの様式の混ぜ合わせだ――あるものは素朴かつ愛らしいやり方で不器用に寄せ集められ、またあるものは空間と利便性を最大化すべく入念に設計され建設されている。

  • 樹冠/The Crown - この都市で最も高い地点、梢よりも上にあるのは、冒険者、訪問者、観光客に待ち合わせ場所としてよく使われる遊歩道だ。頂上からは渓間全域を見渡すことができ、各地から集まったアニマルフォークがこの素晴らしい眺めに感嘆する。
  • キルト地区/The Quilted District - この都市の中心、三本のうち最も大きな木の下にあるのは、都市でも極めて多様かつ密集した地域を見下ろす一枚のキルトの旗だ。この都市を訪れ、この都市に住むすべてのアニマルフォーク種が贈った断片が、そのキルトに縫い合わされている。
  • 港湾地区/Docklands - 長川が三本木市沿いを流れる場所は港湾地区と呼ばれ、いかだ、桟橋、その他の浮遊構造物の広大な集合体となっている。

噴水港/Fountainport

渓間最大の池には噴水港/Fountainportがある。これは大きな多層構造物で、渓間の水域を航行する多くの船にとっての交易拠点であり港だ。その支配者はグラルブ/Glarbというカエルフォークの魔法使いの王で、その権威と権力は執行されるというよりはむしろ、示唆されるものである。アニマルフォークは村々への長旅の途中に、新鮮で冷たい水の中でくつろぐべくここに来ることができる。

この都市には様々なアニマルフォークが住んでおり、そのほとんどは水棲だ。王の命令の下、彼らはいつも祝宴を開いているように見える。最下層には大きな落とし格子があり、都市よりも下にある波止場への出入りを管理している。波止場はタッドプール/The Tadpoolの名で知られる騒々しい港湾地区に囲まれており、そこでは王やその配下の監視の目を逃れて取引を行うことが可能だ。都市の階層では住宅や商店が、必要時以外は繋ぎ留められることもなく、水に浮かんでいる。滑り台や滝は、各階層から下の層に行く手段を提供してくれる。最上層にはグラルブの玉座があり、スイレンの彫刻から伸びる水の彫刻に囲まれている。それは王の地位の象徴だ。

種族

アニマルフォーク/Animalfolk

この次元で文化的生活を営む獣人たち。小鳥、ネズミ、カエルなどの小動物達が主だが、ネコ科のアニマルフォークは登場しておらず、イヌ科もキツネフォークはいるがイエイヌのアニマルフォークは登場せず狼は災厄の獣として登場するなど実在の動物からの明確な線引きは特にない。

災厄の獣/Calamity Beast

アニマルフォーク達より遥かに巨大な動物であり、知性は持たず、季節や天候の変化を告げる存在。その存在は夜や冬、野火や洪水など自然現象を伴い、アニマルフォーク達からは恐れられているが春や豊作をもたらすのも災厄の獣である。

アニマルフォーク達から名をつけられた非常に強大な存在と、それより小型で伴う変化も穏やかな二つのグループがある。

その他

ブルームバロウにおいては昆虫類や魚は知性を持たない生き物であり、通常の次元における動物の存在に近い。

キャラクター

ブルームバロウのメインキャラクター

登場

登場作品・登場記事

ブルームバロウ

その他

  • モチーフは「動物の擬人化」ジャンルの作品[1]
  • 英語でbloomは「花」「開花する」、burrowは「(小動物の)巣穴」の意。

脚注

  1. The Bloom of the Burrow, Part 1/巣穴の開花 その1Making Magic 2024年7月9日 Mark Rosewater著)

参考

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