次元壊し/Realmbreaker
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*[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]において通常、「次元」は"Plane"に対応する訳語であり、"Realm"の[[テンプレート|定訳]]は「[[テフェリーの世界/Teferi's Realm|世界]]」や「[[敵意ある領域/Hostile Realm|領域]]」である。また、次元壊しのルーツであるカルドハイムでは領界と訳される。しかし、他の次元を侵攻するという役割を考えれば、あながち「次元壊し」は[[誤訳]]とも言い切れない。 | *[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]において通常、「次元」は"Plane"に対応する訳語であり、"Realm"の[[テンプレート|定訳]]は「[[テフェリーの世界/Teferi's Realm|世界]]」や「[[敵意ある領域/Hostile Realm|領域]]」である。また、次元壊しのルーツであるカルドハイムでは領界と訳される。しかし、他の次元を侵攻するという役割を考えれば、あながち「次元壊し」は[[誤訳]]とも言い切れない。 |
2023年4月26日 (水) 21:25時点における版
次元壊し/Realmbreakerは新ファイレクシア/New Phyrexiaにより作られた樹木。侵略樹(侵略の樹)/Invasion Treeとも呼ばれる。
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解説
ヴォリンクレックス/Vorinclexが奪った世界樹/The World Treeの精髄を新ファイレクシア最奥部の種子中枢/The Seedcoreで育成して作られた、紛い物の世界樹。白磁の金属でできた幹を持ち、樹液の代わりにファイレクシアの油/Phyrexian oilが流れている(イラスト)。
カルドハイム/Kaldheimの世界樹が星界/Cosmosに浮かぶ領界/Realm同士を繋いでいるように、この樹は久遠の闇/Blind Eternitiesを引き裂き他の次元/Planeへと枝を伸ばす。こうして作られたある種の領界路により、新ファイレクシアは制約の多い次元橋/Planar Bridgeを使わずとも他の次元を侵略する術を手に入れた。
次元壊しの枝は、都市全体を破壊し、空中の弩級艦をたやすく押しやるほどの恐ろしい武器である。各枝の先には三本の逆棘があり、地面にぶつかると開いてその場に枝を固定する。この棘は爪としても機能し、遭遇したクリーチャーや構造物を引き裂くことができる。
種子殻/Seedpods
次元壊しの枝は数多の種子殻に覆われている。この棘だらけの容器は、ファイレクシア人の機械兵団を久遠の闇を越えて運ぶための入れ物である。種子殻は百長/Centurionsの連隊1個をまるまる収めたものもあれば、巨大なビヒモス/Behemoth1体だけが格納されたものもある。ファイレクシアの油だけを詰め込んだものもあり、これは大気中に油をばらまきファイレクシア病/Phyrexisを拡散させる。
一部の種子殻は繭/Cocoonと呼ばれており、完成化のための外科的機能に特化している。ファイレクシア人でない者の身体にぎらつく油が完全に浸透すると、それは繭へと引きずり込まれ、密閉された内部で有機的組織を機械部品へと置き換えられる。この完成化処理は従来のものと比べ不格好だが素早いものであり、生み出されたものは"純粋"なファイレクシア人と区別するために改宗者/Convertや新参者/Neophytesなどと呼ばれる。機械兵団は優雅さよりも迅速さを重点に置いているため、新参者は大雑把かつ乱雑に機械部品が移植された姿をしていることが多い。
ストーリー上の描写
団結のドミナリア
新ファイレクシアへ拉致されたカーン/Karnが、白磁の砂の中から生えた小さく痩せた若木を目撃している。
兄弟戦争
エリシュ・ノーン/Elesh Nornの口から「次元壊し」の名が初登場している。
- 日本語訳では「次元壊しは其方なくしては完成しえなかったであろう」とこの時点で次元壊しが完成したかのように表現されているが、原文では"We could not have our Realmbreaker without you."と完成したかは曖昧な表現となっている。
また、ドミナリア/Dominariaではケイヤ/Kayaがビビアン/Vivien経由でウラブラスク/Urabraskからもたらされた情報を元に、ファイレクシアが世界樹を用いた侵略計画を企てていることを推理していた。プレインズウォーカー/Planeswalker達はウラブラスクの反乱に乗じ、新ファイレクシアへ乗り込み金線の酒杯/The Filigree Sylexにより次元壊しを破壊することを決意する。
ファイレクシア:完全なる統一
多くの仲間を失いながらも種子中枢にたどり着いたプレインズウォーカー達であったが、次元壊しは既に多元宇宙に枝を伸ばしており、酒杯を起動したならば他の次元をも巻き込んでしまう危険性が極めて高いことが明らかとなった。ケイヤや魁渡/Kaitoは爆破を中止しようとするが、ヴラスカ/Vraskaを完成化され自らもファイレクシアの油に侵されつつあるジェイス/Jaceは幾つかの次元を犠牲にしてでも多元宇宙を救わんと酒杯を起動する。しかし、エルズペス/Elspethが酒杯を奪い久遠の闇へとプレインズウォークしたことで次元の崩壊は阻止された。
- 団結のドミナリアのメインストーリー最終話→兄弟戦争のサイドストーリー第1話までに1か月以上が経過しており[1]、さらに兄弟戦争のサイドストーリー最終話までに少なくとも数週間が経過していることが明らかになっている[2]。そのため、最短2か月ほどで若木から多元宇宙に届く大木と化したと言える。
機械兵団の進軍
樹木である次元壊しを扱うにおいて、ニッサ/Nissaが完成化されたことは僥倖であり、ノーンは彼女に命令することで次元壊しを操った。次元壊しは空に開けられたΦの形のポータル/Portalからその枝を伸ばし、数多くの次元の構造物を破壊し機械兵団を送り込んだ。
だが、樹木であるという点は同時に最大の弱点にもなった。レン/Wrennはチャンドラ/Chandraやミラディン人/Mirran達の力を借りて次元壊しの元へたどり着くと、木と一体化するその力をもって次元壊しの制御を試みた。油が堕落の囁きをもたらしたが、彼女はそれに打ち勝ち、次元壊しを――内気で小さな若木を――自らの「八番」として迎え入れることに成功した。
レンと一体化した「彼」はさらに成長を続けた。レンはかつて触れ合ったテフェリー/Teferiの魔法を追うことでザルファー/Zhalfirを多元宇宙の奈落から救い出し、代わりに新ファイレクシアをその場所へと送りこんだ。こうして、新ファイレクシアは誰の目にも届かない場所へと封印され、ファイレクシアの油に信号が届かなくなったことで各地のファイレクシア人達も機能を停止した。
登場
カード名に登場
フレイバー・テキストに登場
- ファイレクシア:完全なる統一
- すべて侵略樹/Invasion Tree表記。
- 完全なる統一/All Will Be One、頭足類の歩哨/Cephalopod Sentry、マイコシンスの庭/The Mycosynth Gardens
- 機械兵団の進軍
- ファイレクシアの空剥ぎ/Phyrexian Skyflayer、レンの決意/Wrenn's Resolve
- 次段は「侵略の樹/Invasion Tree」としての登場。
- 次元壊しの掌握/Realmbreaker's Grasp、先駆的な歴史家/Trailblazing Historian、巨大な板岩角/Gargantuan Slabhorn、壊れた空/The Broken Sky、クロクサとクノロス/Kroxa and Kunoros、陰鬱な僻地/Dismal Backwater
- 機械兵団の進軍統率者デッキ
- 胆液の霊薬/Ichor Elixir
イラストに登場
- ファイレクシア:完全なる統一
- 完全なる統一/All Will Be One、種子中枢/The Seedcore
- 機械兵団の進軍・機械兵団の進軍統率者デッキ
- 数多くのカードの背景に次元壊しの枝が描かれている。
登場記事・登場作品
団結のドミナリア
- Episode 5: A Whisper in the Wind/メインストーリー第5話:風の中の囁き(Magic Story 2022年8月18日 Langley Hyde著、若木として)
兄弟戦争
- The Brothers' War | Chapter 1: Stronghold/サイドストーリー第1話:拠点(ストロングホールド)(Magic Story 2022年10月21日 Reinhardt Suarez著、ケイヤの話で示唆されるのみ)
- The Brothers' War | Chapter 3: Nemesis/サイドストーリー第3話:宿敵(ネメシス)(Magic Story 2022年10月25日 Reinhardt Suarez著、名前のみ)
- The Brothers' War | Chapter 5: Exodus/サイドストーリー第5話:出発(エクソダス)(Magic Story 2022年10月26日 Reinhardt Suarez著、世界樹として)
ファイレクシア:完全なる統一
- Assault on New Phyrexia | Episode 2: Unstable Foundations/新ファイレクシア急襲 メインストーリー第2話:ぐらつく礎(Magic Story 2023年1月13日 Seanan McGuire著、名前のみ)
- Assault on New Phyrexia | Episode 4: Impossible Odds/新ファイレクシア急襲 メインストーリー第4話:圧倒的な劣勢(Magic Story 2023年1月16日 Seanan McGuire著)
- Assault on New Phyrexia | Episode 5: Inevitable Resolutions/新ファイレクシア急襲 メインストーリー第5話:必然の決断(Magic Story 2023年1月16日 Seanan McGuire著)
- Phyrexia: All Will Be One | A Man of Parts/サイドストーリー第4話:働きもの(Magic Story 2023年1月17日 Reinhardt Suarez著、堕落した世界樹として)
- Planeswalker's Guide to Phyrexia: All Will Be One/プレインズウォーカーのための『ファイレクシア:完全なる統一』案内(Feature 2023年1月31日 Grace Fong著、新たな樹として)
機械兵団の進軍
(メインストーリー10話を除くすべての話に何らかの形で登場しているため作品紹介は割愛)
- Planeswalker's Guide to March of the Machine: The Phyrexian Invasion of the Multiverse/プレインズウォーカーのための『機械兵団の進軍』案内:ファイレクシアによる多元宇宙侵略(Daily MTG - Feature 2023年4月11日 Emily Teng著)
- The Legendary Team-Ups of March of the Machine/https://mtg-jp.com/reading/translated/0036859/ 『機械兵団の進軍』の伝説のチームたち(Daily MTG - Feature 2023年4月13日 Emily Teng著 侵略樹として)
余談
- マジックにおいて通常、「次元」は"Plane"に対応する訳語であり、"Realm"の定訳は「世界」や「領域」である。また、次元壊しのルーツであるカルドハイムでは領界と訳される。しかし、他の次元を侵攻するという役割を考えれば、あながち「次元壊し」は誤訳とも言い切れない。
脚注
- ↑ The Brothers' War | Chapter 1: Stronghold/サイドストーリー第1話:拠点(ストロングホールド)(Magic Story 2022年10月21日 Reinhardt Suarez著)
- ↑ The Brothers' War | Chapter 2: Antiquities/サイドストーリー第2話:遺物(アンティキティー)(Magic Story 2022年10月24日 Reinhardt Suarez著)