精神隷属器/Mindslaver
伝説のアーティファクト
(4),(T),精神隷属器を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。あなたはそのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーをコントロールする。(あなたはそのプレイヤーが見ることのできるすべてのカードを見て、そのプレイヤーのすべての決定を行う。)
プレイヤー1人を1ターン完全に操ることができる伝説のアーティファクト。
呪文を唱えることから攻撃クリーチャーの指定など、総合ルールで認められるあらゆる行動の選択権を奪うことができる。まず最低でも「手札の中身を確認する」「土地のマナ能力をすべて無駄に起動して無防備なフルタップ状態にする」「チャンプアタックさせて戦場を悲惨な状態にする」といったことができ、手札の内容次第では「除去呪文を対戦相手のクリーチャーを対象にして使わせる」「対象をとるドローカードを自分に撃ってもらう」などの操作も可能。さらに状況次第では「電結の荒廃者/Arcbound Ravagerなどのリソースを食べるカードに食べさせまくってボロボロにする」「プラズマの連鎖/Chain of Plasmaで対戦相手自身に大量ダメージを叩き込ませる」などの友情コンボ的な運用が狙える。
ひとたび起動すればあらゆるリソースをほとんど根こそぎに壊滅させることができ、特にコントロール相手の場合には「起動したら勝ち」とほぼ同義と言える。そのためスタンダードからエターナルに至るまで、各種コントロールのエンドカードとして使用される。
アーティファクトなため再利用が容易なこともポイント。連打し続ければ無限ターン+αになる。特に「高速で戦場に出す手段」と「回収して何度も使用するギミック」を両立できるカードプールなら、凶悪さが増す。登場当初のエクステンデッドではティンカーデッキで修繕/Tinkerからサーチされる第一候補となり、さらにティンカー・スタックスではゴブリンの溶接工/Goblin Welderで使い回された。修繕禁止後は青白トロンでウルザランドから高速設置しアカデミーの廃墟/Academy Ruinsで回収される。
モダンにおいても、青単トロンで採用される。やはりアカデミーの廃墟との組み合わせによりエンドカードになる。
ヴィンテージにおいては上記のゴブリンの溶接工やMishra's Workshop等相性の良いカード多く、その名を冠したコントロール・スレイヴァーで猛威を振るったが、Time Vaultのエラッタ解除後はVault Controlに押され、あまり見なくなった。
- ミラディン公式ハンドブックにおいて評価は低かったが、上記の通り実際は超強力である。ミラディン産アーティファクトのカードパワーの凄まじさを象徴しているようなカードである。
ルール
[編集]ルールの詳細は他のプレイヤーをコントロールするの項目を参照。
- 対象は「プレイヤー」であるため、あなた自身を対象に起動することもできる。通常は(他のプレイヤーが自分をコントロールしようとしている状態でなければ)意味はないが、使われる対戦相手にとっては経路変更/Rerouteなどの対象の変更で回避が可能ということである。
開発秘話
[編集]このカードは最初テンペストのために作られた。Mark Rosewaterは見た事のないメカニズムと芳醇なフレイバーでプレイヤーの目を惹きつける看板カードが大型エキスパンションには必要だと感じていた。Markは史上初めて対戦相手のデッキを覗ける道化の帽子/Jester's Capや史上初めて相手のカードをプレイできるにやにや笑いのトーテム像/Grinning Totemを看板カードとして捉え、その延長で長年考えていた改良版Word of Commandとして相手のターンを奪うこのカードを作った。Markはこれを気に入り、ヴォルラス/Volrathの持つアイテムとしてストーリーにも組み込んだ(当時ストーリーを共同執筆していた)。しかし、マナ・バーンや投了などの穴があることやルール上の扱いにくさを理由に没になり、イラストを流用して占有の兜/Helm of Possessionが作られた。[1][2][3]
アングルード2の開発中にGleemaxをデザインしていたMarkは、黒枠で採用されなかったこのメカニズムを使うことを思いついた。しかし、アングルード2自体が立ち消えになり、この時も印刷には至らなかった。[1]
ミラディンの開発時に使えそうなカードを探していたMarkは、アングルード2のファイルでGleemaxを見つけ、ミラディンのファイルに入れた。この時はデベロップ・チームに気に入られ、印刷に至った。[1]
後にMarkは最も影響力のあるカードデザインの20位としてこのカードを挙げている[4]。クールな効果だが恒久的に行えるのはクールでは無いとして、時間を巻き戻せるなら能力の最後に「精神隷属器を追放する。」を付けるだろうと語っている。
その他
[編集]- イラストだけは早くから公開されており、装備品だと思われていた。
- 後年、Unstableでアン・カード版パロディとしてなんとか隷属機/Kindslaverが登場。
- 最初は伝説のアーティファクトではなかったのだが、調整の結果、伝説のアーティファクトとなった。
- 相手の財布の中身を破壊するマネデスのキーカードでもある。詳しくはマネデスの項を参照。
- 2004年のエイプリル・フールでは、インターネットの投票の結果、このカードが禁止カードに指定されるというジョークがあった[5][6]
- 初の他のプレイヤーをコントロールするカードであり、当初はこれのためだけに新たにルール項目が設けられた。現在はソリン・マルコフ/Sorin Markov他、何枚か同ルールを用いるカードが登場している。
脚注・特集記事
[編集]- ↑ 1.0 1.1 1.2 A Mind Is A Wonderful Thing To Waste - Wayback Machine(2003年9月23日アーカイブ分)(Making Magic, 2003年9月15日 文:Mark Rosewater, 英語)
- ↑ Twenty Things You Might Not Have Known About Tempest/『テンペスト』に関する20の秘密(Making Magic 2015年4月17日)
- ↑ Patience/忍耐(Making Magic 2019年9月2日)
- ↑ Mark Rosewater's Top 20 Most Influential Card Designs | MagicCon: Chicago(マジック米国公式Youtubeチャンネル 2025年2月28日)
- ↑ You Decided -- Mindslaver is Banned! - Wayback Machine(2017年11月26日アーカイブ分)(Daily MTG 2004年4月1日) - エイプリルフール記事
- ↑ 「あなたが決める」--精神隷属器が禁止カードに! - Wayback Machine(2008年2月5日アーカイブ分)(個人サイト「Braingeyser」 上記記事の和訳)
- The Top 50 Artifacts of All Time 第38位 (WotC, 文:Zvi Mowshowitz, 英語)
- Scars of Mirrodin Wallpapers - Wayback Machine(2021年10月28日アーカイブ分)(Daily MTG 2011年4月29日) - ミラディンの傷跡版イラストの壁紙
参考
[編集]- カード個別評価:ミラディンの傷跡 / ミラディン陣営 - 神話レア
- カード個別評価:ミラディン - レア
- カード個別評価:速報 - 神話レア