タワーデッキ

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'''タワーデッキ'''とは、何らかの目的で[[ライブラリー]]の枚数が多い[[デッキ]]の総称。[[カード]]の枚数が多く、タワー(塔)のように積み上げられるためそう呼ばれる。
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'''タワーデッキ'''とは、何らかの目的のために枚数を増やした[[デッキ]]の総称。[[カード]]の枚数が多く、タワー(塔)のように積み上げられるためそう呼ばれる。
  
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==解説==
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一般的に、デッキの枚数を[[デッキ#デッキの最小枚数|最小枚数]]に抑えるのはデッキ[[構築]]の常識と言ってもよく<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/beyond-basics/61-2017-02-09 61]/[https://mtg-jp.com/reading/bb/0018398/ 61]([[Daily MTG]] Beyond the Basics -上級者への道- [[2017年]]2月9日 [[Gavin Verhey]]著)</ref>、意味もなく最小枚数より多いデッキが組まれることはない([[キッチン・シンク]]も参照)。しかし、[[環境]]や[[カードプール]]次第で最小枚数より多いデッキを組むメリットが生まれることがあり、それに伴ってタワーデッキが組まれる場合がある。
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===沿革===
 
タワーデッキ出現当初は主に[[ターボステイシス]]などの[[ライブラリー破壊]]デッキに対抗するデッキとして使われた。ライブラリーが多いので、それだけでライブラリー破壊対策になるのである。[[ミラージュ・ブロック]]に[[教示者]]が収録され、ライブラリーの枚数が多くても[[キーカード]]を引き易くなったことも、タワーデッキには追い風となった。
 
タワーデッキ出現当初は主に[[ターボステイシス]]などの[[ライブラリー破壊]]デッキに対抗するデッキとして使われた。ライブラリーが多いので、それだけでライブラリー破壊対策になるのである。[[ミラージュ・ブロック]]に[[教示者]]が収録され、ライブラリーの枚数が多くても[[キーカード]]を引き易くなったことも、タワーデッキには追い風となった。
  
その後、[[オデッセイ]][[機知の戦い/Battle of Wits]]が収録されたことで、再び注目されるようになった。機知の戦いで勝つことを目的としたデッキは特に[[バベル]]と呼ばれる。
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[[オデッセイ]][[機知の戦い/Battle of Wits]]が収録されたことで、再び注目されるようになった。機知の戦いで[[勝利]]することを目的としたデッキは特に'''[[バベル]]'''と呼ばれる。
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[[イコリア:巨獣の棲処]]で[[空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad]]が収録されたことで、ヨーリオンを[[相棒]]にするためにデッキを80枚にしたデッキ、'''[[ヨーリオン・コントロール]]'''が誕生した。
  
 
他にも、後述の「名古屋でっく」などのようにライブラリーを[[リソース]]として活用するデッキがタワーデッキになる場合もある。
 
他にも、後述の「名古屋でっく」などのようにライブラリーを[[リソース]]として活用するデッキがタワーデッキになる場合もある。
  
*1996/07/20に淀川区民センターで開かれた[[全日本MTG最強杯]]の[[サイドイベント]]である「ドミニアの大地」に出場した「名古屋でっく」が元祖であろう。
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*[[1996年]]7月20に淀川区民センターで開かれた[[全日本MTG最強杯]]の[[サイドイベント]]である「ドミニアの大地」にて、「名古屋でっく」なるタワーデッキが持ち込まれた。デッキ名の通り758枚のカードで構成されたデッキで、1枚の[[Thought Lash]]で20ターン以上耐えることを目的としたデッキであった、らしい。当時の様子を伝える記事には「[[ファンデッキ|ファンデック]]もここまでくると壮観。でも弱かった。」とある<ref>『ログイン』誌(アスキー(当時))1996 9/20号 P223</ref>。
*:デッキ名の通り、758枚のカードで構成されたデッキであった。(ソース:ログイン誌(アスキー(当時))1996 9/20号 P223)1枚の[[Thought Lash]]で20ターン以上耐えることを目的としたデッキであった、らしい。同誌によれば、「[[ファンデッキ|ファンデック]]もここまでくると壮観。でも弱かった。」とある。
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*[[マジック]]の初心者がデッキ枚数を80枚とか100枚にしてしまうことは往々にしてあるが、タワーデッキと言った場合にそれらを含める合理性は薄い。ちゃんと意図があってデッキの枚数が多いもののみをタワーと呼ぶべきであろう。
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==参考==
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===その他===
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*何気にカードを多く用意する必要がある為、デッキ自体作るのが高価になるし、なにしろ面倒くさい。[[笹沼希予志]]がバベルを作ったときも、調整中は大量の[[プロキシ]]が混ざっており、相手に嫌がられたらしい。
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*[[トーナメント]]で対戦中に[[ライブラリー]]が倒れるなどすると[[警告]]の可能性が高いので注意。
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**ひとつの山に立てるのは難しいので、ふたつ以上に分けるのがベターだが、当然どの山が何番目か順番をはっきりさせておき、必ず守る必要がある。あるいは、カード収納ボックスなどを補助具として利用するといった工夫も検討したい。
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**使用する[[スリーブ]]にも注意が必要。ほかのデッキで使い古したスリーブを流用する場合、たいてい60枚一組で使うだろうから、2組以上を集めると傷や汚れの具合に差が生じて[[マークド]]と判断されることがありえる。そのため大会に持ち込むなら新品を用いるのがベターなのだが、そうすると滑りやすくライブラリー倒壊もしやすくなる。
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*[[サーチカード]]を多用するため、[[切り直す|シャッフル]]にやたらと時間がかかるのも問題となる。[[マナバーン|マナバーン2014]]で[[浅原晃]]がバベルを持ち込んだ際、使わされることとなった[[八十岡翔太]]が「めんどくせーんだけど!」と悲鳴を上げた。スリーブやカードが編集部持ちだったのもあわせ、「デッキテロ」とも呼ばれた。
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*[[Magic Online]]でも使用可能。多少データ処理は重くなるが、気にとめるほどではない。ただしライブラリーすべてのカードを画像として表示する処理(例えば[[サーチカード]]使用時など)はメモリを大量に食い、最悪の場合フリーズを起こすこともあるので、マシンスペックが低い場合は使用を避けたほうが無難である。
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**[[Magic Workstation]]でも、最初のデッキの読み込みやシャッフルに時間がかかる。使用前に対戦相手に確認を取った方がいいかもしれない。実際にタワーデッキを拒否してゲームを立てる人もいる。
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**[[Apprentice]]ではそもそも多すぎるライブラリーに対応していないためバベルは組めない(ただし、[[ソリティア]]モードならデッキを回すことはできる)。
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**[[Magic: The Gathering Arena]]ではデッキ枚数に250枚の上限が設定されている。
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*初心者が、使いたいカードをすべてデッキに組み込むことで60枚をゆうに超えてしまうことは「[[キッチン・シンク]]」と呼ばれる。タワーデッキは、枚数が多いことに意図があって構築されているもののみを呼ぶべきであろう。
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==代表的なデッキ==
 
*[[バベル]]
 
*[[バベル]]
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*[[ミカミッション]]
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*[[ヨーリオン・コントロール]]
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==脚注==
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<references/>
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==参考==
 
*[[デッキ集]]
 
*[[デッキ集]]

2022年3月22日 (火) 01:06時点における最新版

タワーデッキとは、何らかの目的のために枚数を増やしたデッキの総称。カードの枚数が多く、タワー(塔)のように積み上げられるためそう呼ばれる。

目次

[編集] 解説

一般的に、デッキの枚数を最小枚数に抑えるのはデッキ構築の常識と言ってもよく[1]、意味もなく最小枚数より多いデッキが組まれることはない(キッチン・シンクも参照)。しかし、環境カードプール次第で最小枚数より多いデッキを組むメリットが生まれることがあり、それに伴ってタワーデッキが組まれる場合がある。

[編集] 沿革

タワーデッキ出現当初は主にターボステイシスなどのライブラリー破壊デッキに対抗するデッキとして使われた。ライブラリーが多いので、それだけでライブラリー破壊対策になるのである。ミラージュ・ブロック教示者が収録され、ライブラリーの枚数が多くてもキーカードを引き易くなったことも、タワーデッキには追い風となった。

オデッセイ機知の戦い/Battle of Witsが収録されたことで、再び注目されるようになった。機知の戦いで勝利することを目的としたデッキは特にバベルと呼ばれる。

イコリア:巨獣の棲処空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomadが収録されたことで、ヨーリオンを相棒にするためにデッキを80枚にしたデッキ、ヨーリオン・コントロールが誕生した。

他にも、後述の「名古屋でっく」などのようにライブラリーをリソースとして活用するデッキがタワーデッキになる場合もある。

  • 1996年7月20に淀川区民センターで開かれた全日本MTG最強杯サイドイベントである「ドミニアの大地」にて、「名古屋でっく」なるタワーデッキが持ち込まれた。デッキ名の通り758枚のカードで構成されたデッキで、1枚のThought Lashで20ターン以上耐えることを目的としたデッキであった、らしい。当時の様子を伝える記事には「ファンデックもここまでくると壮観。でも弱かった。」とある[2]

[編集] その他

  • 何気にカードを多く用意する必要がある為、デッキ自体作るのが高価になるし、なにしろ面倒くさい。笹沼希予志がバベルを作ったときも、調整中は大量のプロキシが混ざっており、相手に嫌がられたらしい。
  • トーナメントで対戦中にライブラリーが倒れるなどすると警告の可能性が高いので注意。
    • ひとつの山に立てるのは難しいので、ふたつ以上に分けるのがベターだが、当然どの山が何番目か順番をはっきりさせておき、必ず守る必要がある。あるいは、カード収納ボックスなどを補助具として利用するといった工夫も検討したい。
    • 使用するスリーブにも注意が必要。ほかのデッキで使い古したスリーブを流用する場合、たいてい60枚一組で使うだろうから、2組以上を集めると傷や汚れの具合に差が生じてマークドと判断されることがありえる。そのため大会に持ち込むなら新品を用いるのがベターなのだが、そうすると滑りやすくライブラリー倒壊もしやすくなる。
  • サーチカードを多用するため、シャッフルにやたらと時間がかかるのも問題となる。マナバーン2014浅原晃がバベルを持ち込んだ際、使わされることとなった八十岡翔太が「めんどくせーんだけど!」と悲鳴を上げた。スリーブやカードが編集部持ちだったのもあわせ、「デッキテロ」とも呼ばれた。
  • Magic Onlineでも使用可能。多少データ処理は重くなるが、気にとめるほどではない。ただしライブラリーすべてのカードを画像として表示する処理(例えばサーチカード使用時など)はメモリを大量に食い、最悪の場合フリーズを起こすこともあるので、マシンスペックが低い場合は使用を避けたほうが無難である。
    • Magic Workstationでも、最初のデッキの読み込みやシャッフルに時間がかかる。使用前に対戦相手に確認を取った方がいいかもしれない。実際にタワーデッキを拒否してゲームを立てる人もいる。
    • Apprenticeではそもそも多すぎるライブラリーに対応していないためバベルは組めない(ただし、ソリティアモードならデッキを回すことはできる)。
    • Magic: The Gathering Arenaではデッキ枚数に250枚の上限が設定されている。
  • 初心者が、使いたいカードをすべてデッキに組み込むことで60枚をゆうに超えてしまうことは「キッチン・シンク」と呼ばれる。タワーデッキは、枚数が多いことに意図があって構築されているもののみを呼ぶべきであろう。

[編集] 代表的なデッキ

[編集] 脚注

  1. 61/61Daily MTG Beyond the Basics -上級者への道- 2017年2月9日 Gavin Verhey著)
  2. 『ログイン』誌(アスキー(当時))1996 9/20号 P223

[編集] 参考

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