ローウィン/Lorwyn

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ローウィン/Lorwynローウィン・ブロックの舞台となった次元/Plane

肥沃な自然と穏やかな夏がどこまでも続く平和な世界である。太陽は沈むことがなく、西に落ちてから東に上るまでの間も常に薄明かりを注ぐ。島や山、沼などにも色とりどりの草花が生い茂っていて、好奇心旺盛で迷信深いキスキン/Kithkinや新しいもの好きのボガート(ゴブリン)などが生活している。 年に一度、オーロラが空にかかるときに「お話祭り」という、みんなでキスキンの町、キンズべイル/Kinsbaileに集まって物語を語り合う祭りがある。他の世界のように大きな戦争はないが、小競り合いなどは多くある。

大オーロラ/Great Auroraの影響でシャドウムーア/Shadowmoorへと変貌してしまう。

目次

種族

珍しいことに人間は存在しない。

キスキン/Kithkin

草原に住まう小柄な種族であり、互いに離れたところに小村/Clachanと道路を作って暮らしている。小村では/Cennが市長のような役割を果たす。キスキンの伝統は素朴な信仰や迷信を中心に形成されており、歴史や医療やその他の経験的事実に基づくものもあるが、完全な誤りに基づいたものでも敬虔に行われる。

思考の糸/Thoughtweftと呼ばれるつながりを持っており、社会生活・共同作業や戦闘に用いる。

巨人/Giant

孤独を好み縄張り意識が強い。性格と体躯の大きさから広大な縄張りを持ち、石と宝物でできた古びた隠れ家を住処とする。

世界を遠くまで見通しており、公平な調停者として小さな種族のいさかいをしぶしぶ仲裁することもある。その評決は必ずしも他種族に理解されるとは限らないが、経緯を以て受け止められる。

曲がりくねりのロシーン/Rosheen Meandererという支離滅裂な巨人がローウィンをさまよっており、まとまりのない予言を口からこぼし続けている。彼女のつぶやきを理解した者はいないが、ローウィンの性質に対する深い理解が隠されているのかもしれない。

メロウ/Merrow

ローウィンの川や小川に生息するマーフォーク/Merfolk。水中でも大気中でも呼吸可能。弁舌がたち、頭が切れ、中立でよそよそしく、急使や商人を務める。群れ/Schoolsと呼ばれる集団で社会を営んでおり、銀エラ/Silvergill石ころ川/Stonybrook紙ひれ/PaperfinWeirwinder墨深み/Inkfathomといった群れ/Schoolに分かれて暮らし、群れの間で交易や協力関係を結んでいる。

ローウィンで海や湖といった大きな水場が見られたことはなく、代わりに川や小川が次元中に張り巡らされている。メロウ回廊/Merrow Lensと呼ばれるこれは旅や交易の生命線であり、メロウによって満ち引きがコントロールされている。

フェアリー/Faerie

短命で気まぐれな種族であり、刹那的な生き方を好む。フェアリーの悪ふざけは何日もの意味もない浮かれ騒ぎであることも、気まぐれで残酷な行為であることもある。

フェアリーの短い生は見たこともない女王ウーナ/Oonaに仕えるために用いられる。女王は人里離れたエレンドラ谷/Glen Elendraにおり、このことはごく一部のフェアリーにしか知られていない。

フェアリーは秘密・噂・夢といったものに価値を見出す。フェアリーは夢を見ないため、花粉を運ぶミツバチのごとく他の生き物の夢を抽出している。

フェアリーの魔術は幻触術/Glamersと呼ばれる幻覚を主とし、自分を飾るため、他人を楽しませるため、あるいは敵を無力化するために用いられる。

ボガート/Boggart

汚泥に住まうローウィンのゴブリン/Goblin。新たなにおい・味・質感に反応し異常な食欲を示す。いたずらを好む性質があり、悪意との境界は薄い。それぞれの巣穴にには/Auntieと呼ばれる長がおり、喧嘩を仲裁したり、略奪を企てたりする。最も大きな饗宴では昔の有名な婆の話を朗読したりする。

ボガートは世界のあらゆるものを手触りで理解しており、新たな質感に出会った喜びから盗みに発展することもある。ローウィンで盗みに遭ったならそれはボガートの仕業だろう。

ボガートの決まりはたった一つ、「新しい感覚を見つけたら皆と分かち合う」のみである。物を独占することは最大の罪である。

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エルフ/Elf

ローウィンのエルフは美の模範である。自尊心の高いエルフ社会において美は何よりも賛美されるものであり、The laws of beauty(美の法典)という戒律にまでなっている。その基準を満たさないあらゆる生き物に対しては残酷に振る舞い、生きるに値しないと判断された醜い生き物は眼腐り/Eyeblightとして法の下に狩られ、選別される。

エルフの階級は低い順にFaultlessImmaculateExquisite、そして完全者/Perfectに分けられており、最高地位たる完全者によって導かれている。

光り葉森/Gilt-Leaf Woodで最大の都市であるリス・アラナ/Lys Alanaには、樹と魔力を何層にも重ねた上に[1]壮麗なる曙光の宮殿/Dawn's Light Palaceがある。

参考

ツリーフォーク

ローウィン最古の種族であり、種からある程度育つと意識が芽生え動けるようになる目覚め/The Rise[2]を迎える。目覚めのきっかけについてはツリーフォーク自身にとっても定かでなく、最も老いた種導きのトネリコ/Seedguide Ashだけが知っているという。

ローウィンのあらゆる種の養育者であり、時には自らを犠牲にして他者を育む。森の周りの生き物に対しては寛容だが、暴力的な一面も備えている。木の加工に通じており、生きた木を殺すことこそしないが死んだ木を利用することにためらいはなく、時には自分の体を加工することもある。

樹木の種類によって以下のように性質が分かれる。

  • トネリコ/Ash - 温厚かつ知的であり、若い苗木がthe Risingを迎えるまで庇護する。森を脅かす者には毅然と立ち向かう。
  • 黒ポプラ/Black Poplar - 成長が早く傷の治癒も早い。ドラン/Doranが有名。
  • ナナカマド/Rowan - 難解な魔術を学ぶことに励み、呪いの類いに通じるものもいる。
  • /Oak - ツリーフォークの中では最大であり、その生においても小さな物事にかまけない。
  • イチイ/Yew - かつては多くが生息していたが、今やコルフェノール/Colfenorが残るのみとなっている。その葉は有毒である。
  • 古老/Elder - 必ずしもツリーフォークの指導者となるわけではなく、むしろ若々しくやんちゃな者も多い。強力な治癒能力を持った者もおり、多くのキスキンは古老の花の茶を咳止めに用いるという。

これら以外に/BirchやBlackthorn(サンザシ)のツリーフォークがわずかにいるという。

ツリーフォークの文化では樹木の種類に応じて役割が決定され、樺や古老のツリーフォークがドルイド魔術を研究し、トネリコのツリーフォークが教育を行い、樫のツリーフォークが強力な戦士としてふるまう。

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炎族/Flamekin

魔法の炎でできた生き物。普段は触れても暖かな程度だが、マナや強い感情によって熱く燃えることもある。情熱と放浪熱に燃えており、情熱的な本性の体現である"Living Fire"とのつながりを追い求める。

炎族は炎の道/The Path of Flame[3]と呼ばれる自己実現の旅を行い、自分より大きな力とのつながりを求める。炎の道に熟達し、感情の平静と噴出の困難なバランスを保つことのできる者は魂炊き/Soulstokeと呼ばれる。魂炊きは白い炎で燃えており、消えかけるよりも燃え盛る方がよいとの信条を抱える精神的指導者である。

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変わり身/Changeling

高度な魔法的存在であり、カメレオンの色が変わるように自然と周囲の生き物の形をとる。他の生き物がいないときの本来の形態は知られていない。

他者の形態をとっている状態でも透明なターコイズ色をしてゆらめいている。本質を隠すことができないのか、あるいは隠そうとしていないのかはともかく、変わり身の区別は容易である。

ヴェリズ・ヴェル/Velis Velと呼ばれる隠れた産卵床があり、太陽が年に一度この地下洞窟を照らすとき、変わり身たちはヴェリズ・ヴェルに吸い寄せられ、洞窟内で本来の姿に戻るという。

エレメンタル

エレメンタルは生き物の種ではなく、夢や概念や思考が生物的な形態と奇妙に結びついたものである。かれらはローウィンの最も奥深い魔術の化身であり、ローウィンの本質が形を成したものである。抽象的な概念ほど強大なエレメンタルとなる。

エレメンタルの本質を理解した種族はいないが、それぞれの種族にはエレメンタルにまつわる伝承がある。特に炎族はエレメンタルを敬っており、偉大なエレメンタルは精霊や亜神であると信じつながりを結ぼうとしている。

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登場カード

脚注

  1. 光り葉の宮殿/Gilt-Leaf Palaceのフレイバー・テキスト
  2. 果樹園の管理人/Orchard Wardenのフレイバーテキストで訳されている
  3. 煙束ね/Smokebraiderのフレイバーテキストで訳されている。

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