Hornet Cobra
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端的に言えば「可哀そうなクリーチャー」。
マジックの発売から約十ヶ月後に登場したエキスパンションのレジェンドに収録されていたカードであるにも関わらず、初代基本セットのアルファから存在していたエルフの射手/Elvish Archersのほぼ完全な下位互換である。 パワー/タフネス及び先制攻撃を持つ点は同じだが、Hornet Cobraの方がマナ・コストが大きい。 Hornet Cobraの唯一の長所は、エルフの射手/Elvish Archersがレアであるのに対してコモンであり、入手が容易であったことだろうか。
過去の強力カードがバランス調整されリメイクされた結果、弱体化する、というのはマジックにおいてよくあることだ。 しかし、レジェンド当時の水準で考えても、エルフの射手/Elvish Archersは弱体化が必要なほど強いカードであったとは言えない。 これはレジェンド以後の基本セットにもエルフの射手/Elvish Archersが収録され続けていたことからも明らかだろう。
なお、レジェンドの次のエキスパンションであるザ・ダークでは、別の面で上位互換である山ヒル/Land Leechesが登場した。 パワー、先制攻撃を持つ点及びマナ・コストは同じだが、山ヒル/Land Leechesの方がタフネスが大きい。 さらに稀少度に関しても、Hornet Cobraがコモン1なのに対して山ヒル/Land Leechesはコモン2であったため、入手の容易さというHornet Cobraの最後の長所も奪われてしまった。
これだけないがしろにされたカードも、ある意味珍しい。
- せめて剣歯虎/Sabretooth Tigerのようにシングルシンボルなら、山ヒル/Land Leechesには劣らなかったのに。
- ちなみにアーティファクト・クリーチャー版も存在。→とぐろ巻きブリキクサリヘビ/Coiled Tinviper
こちらはアーティファクト故の破壊されやすさがあるので一概に上位互換とは呼べないが、色を選ばないのはやはり便利である。
- 2007年2月末日までで、「Hornet Cobraが使えるがエルフの射手/Elvish Archersは使えない」という公式の構築戦フォーマットが存在したことは無い。
すなわち構築戦の歴史においては、Hornet Cobraがエルフの射手/Elvish Archersの下位互換でなかった瞬間は存在しないのである。
- フレイバー・テキストは、かの有名なノーベル文学賞受賞作家、ジョセフ・ラドヤード・キップリング(1865〜1936)の著作であり、彼が少年時代にインドで過ごした経験から生まれた作品『ジャングル・ブック』からの引用。