オンドゥ/Ondu
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オンドゥの地勢は垂直と呼ぶべきものである。危険な[[#マキンディ溝/The Makindi Trenches|マキンディ溝/The Makindi Trenches]]、天を突く[[#変わり樹/Turntimber|変わり樹/Turntimber]]の木々、[[#アガディームの地下墓所/Crypt of Agadeem|アガディームの地下墓所/Crypt of Agadeem]]と[[#オムナスの牢獄/Prison of Omnath|魂の階梯/Soul Stair]]の深み、すべてがオンドゥの旅が地平線へ向かうのではなく垂直へ進むような趣きを持たせる。 | オンドゥの地勢は垂直と呼ぶべきものである。危険な[[#マキンディ溝/The Makindi Trenches|マキンディ溝/The Makindi Trenches]]、天を突く[[#変わり樹/Turntimber|変わり樹/Turntimber]]の木々、[[#アガディームの地下墓所/Crypt of Agadeem|アガディームの地下墓所/Crypt of Agadeem]]と[[#オムナスの牢獄/Prison of Omnath|魂の階梯/Soul Stair]]の深み、すべてがオンドゥの旅が地平線へ向かうのではなく垂直へ進むような趣きを持たせる。 |
2020年10月7日 (水) 22:40時点における版
オンドゥ/Onduはゼンディカー/Zendikarの大陸の一つ。
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概要
オンドゥはゼンディカーの南西部でシルンディ海/The Silundi Seaに突き出した大陸である。この大陸は古代文明の残滓を示しているが、人間/Human、コー/Kor、ゴブリン/Goblin、マーフォーク/Merfolkの居住地を差し置いて、何よりも自然が支配している。
オンドゥの地勢は垂直と呼ぶべきものである。危険なマキンディ溝/The Makindi Trenches、天を突く変わり樹/Turntimberの木々、アガディームの地下墓所/Crypt of Agadeemと魂の階梯/Soul Stairの深み、すべてがオンドゥの旅が地平線へ向かうのではなく垂直へ進むような趣きを持たせる。
オンドゥは中央部の1つの大陸と、その沖合にある3つの諸島から構成されている。南方にあり広大なアガディーム島/The Island of Agadeem、小さく温帯のベイーン島/The Island of Beyeen、そして最小で荒れくれる海に囲まれたジュワー島/The Island of Jwarである。
地理
変わり樹/Turntimber
オンドゥ本土の広大な温帯林、変わり樹には勇猛なクリーチャーだけが住み着くことができる。コルク抜きのように歪んだ円を描きながら高く伸びていく木々が森の名の由来となっている(イラスト)。何十年、何世紀にも渡って、木々は蔦が柱に巻き付くように不可視のマナの棘に沿って曲がり捻じれていく。マナは木々に栄養と力を与え、より高みへと導いていく。しかしながら、マナは物理的な支えを与えないため、過重となった木々の根本の構造体は幹が揺れると共に軋み音を立てる。人間のシャーマンやドルイドは、この軋み音を木々のみが知る秘密の言葉としてUksilと名を付けている。彼らの多くはこの神聖な言語が変わり樹の深い知恵と伝承の鍵を握っていると信じ、その秘密を解きに森を訪れる。
変わり樹は危険な動物群を養っている。ここでの頂点捕食者は、幹を登るための爪を持つ筋肉質で雑食性のハンター、ベイロス/Balothである。獲物を求めて木から木へ俊敏に飛び移り、その顎は骨もかみ砕くことができる。
しかし変わり樹の動物相で最も支配的な種は蛇であり、動物相のどの縮尺でも捕食者の役割をこなしている。小さなヘビから巨大なコブラ、無害なものから致命的な毒を持つもの、俗世のものからマナを込められたもの、蛇は森の至るところで這いより狩りをしている。エルフ/Elfの中には木々のようにうねる蛇の姿こそ森のマナの象徴と考え、彼らの動きを観察することでマナの流れを発見することができると信じる者がいる。
灰色革/Graypelt
灰色革は変わり樹の外縁に位置するドルイド、狩人、先駆者達の小さな居住地である。その名は変わり樹のイボイノシシの灰色の毛皮を始めとして、様々な素材から作られたテントに由来する(イラスト)。探検家たちは灰色革からマナの結節点を求め変わり樹へ出で、古く軋み音を上げる木々から原始的なマナを一時的に”飼い慣らし”、少量を貯蔵し収穫する術を編み出した。これらのマナの小包は非常に価値があり、強力な遠征隊の関心を集めている。
- ゼンディカー・ブロック当時の背景設定記事では綴りはGreypeltとなっているが、灰色革の隠れ家/Graypelt Refugeや後に発刊されたThe Art of Magic: the Gathering ZendikarではGraypeltとなっている。
マキンディ溝/The Makindi Trenches
オンドゥの本土はマキンディ溝と呼ばれる深い峡谷の迷路が交差している。この峡谷は何百フィートも険しく下り、その終着点は急流の河か、岩だらけの土地に陥っている。マナを含んだ風が奇妙な間隔で峡谷を吹き抜けていくので、登攀者や建設者はその装備を岸壁に慎重に取りつける必要がある。
峡谷の壁は驚くべき生態系を支えている。鳥やトカゲ、ゴブリンやコーといった人型種族までもが峡谷の切り立った表面に居を構えている。溝の巨人はカリカリとした獲物を食べるために壁をよじ登り、巨大な蜘蛛は飛んだり登攀するものを捕らえるために罠を張る。
旅行者は通常崖の縁に沿った馬車道に沿って移動するが、より早く危険な旅路は河である。荒れ狂う急流がマキンディ溝の多くの分岐へと流れている。
マキンディの峡谷と台地の至る所に、不安定で、重力を無視するような有り得ない位置にとどまっている岩々がある。それらは動いたところを見たものがいないにも関わらず、ぐらつく峰/Teetering Peaks(イラスト)と呼ばれている。ゼンディカーの歴史の中での重力の変化がこれらの岩々を現在の状態にしたのかもしれないが、一部の人々は好奇心の強い通行者をおびき寄せ、押し潰す罠だと考察している。魔導師の中にはぐらつく峰の位置関係を調査し、その位置パターンがこの大陸へ深い意味を持つと信じている者がいる。
岸壁安息所/Cliffhaven
台地と峡谷に住むコーの多くは崖と峡谷の間にアンカーの繋がりと滑車機構により一時的な避難所を設営する(イラスト)。コーはこれに岸壁安息所という名を使っており、他の種族の中にはそれを特定の単一の場所を指す言葉と勘違いする者もいる。もちろん常に旅をするコーと共にその避難所も移動していく。岸壁安息所は全種族の冒険者たちのベースキャンプを担っている。
オムナスの牢獄/Prison of Omnath
オムナス/Omnathの存在が確かめられていなかったにも関わらず、高くそびえたつオンドゥの高い台地の1つはオムナスの牢獄とされていた。台地の頂上を覆う鬱蒼とした森を抜け、濁ったぬかるみと暗く捻じれた木立の中心にオムナスの牢獄を囲むBinding Circleがある。奇妙な球状の沼の植物、面晶体/Hedron、動物の骨が組み合わされた輪は訪れるものに不気味な感触を伝え、生き物にその中心にある大穴に近づくことをためらわせ、穴から発せられる力の余波で命を失うことを防ぐ。伝え聞く所によれば、その穴の中心には世界のそこまで無限に続く螺旋階段である魂の階段/Soul Stair(イラスト)へと繋がっている。それは目に見えるこの世界から超現実の虚空へとつながっており、純粋なマナの存在であるオムナスはそこへ幽閉されているのだという。ゼンディカーの各地から巡礼者達が年2回この場所を訪れ、オムナスを封じるRitual of Lights(灯の儀式)を行う。彼らによればオムナスは悪意ある混沌たる原初の力であり、それが解き放たれれば今を生きる多くの命が破壊されるのだという。彼らはこの場所を77個のロウソクで囲い祈りを捧げ歌を歌う。この儀式は牢獄を囲う魔法的な壁を強化するのだと信じられている。
ジュワー島/The Island of Jwar
オンドゥ本土の南方の湾の近くに秘密の島、ジュワー島は存在する。荒れ狂うシルンディ海の流れと海蛇の縄張りに囲まれているため、探検家たちにはその存在がほとんど知られていなかったが、考古学者たちはそこに大きな価値と力を持つ魔法が潜んでいると主張している。ときおり、純青の光の柱が島からまっすぐ空に放たれる、あるいは空から降りてくる様子が島の秘密についての噂を呼んでいる。
島のあちこちに、ファドゥーン/Faduun(イラスト)と呼ばれる巨大で異様な花崗岩の頭が奇妙な角度で半ば地面に埋まり、奇妙な角度で聳え立っている。ファドゥーンは強力な魔法を放射しているが、それらの目的や来歴はまったく分かっていない。一部の者はそれらが恐ろしい口調で話すのを聞いたというが、その言語は現在の学者にも未知の言語であった。
ときおり冷たい夜に、ジュワーの中央部から青みがかった光が空に向かって放射される。この現象は島の海水で満たされた深い穴から発生しており、ドレイクやドラゴンといった飛行クリーチャーを引き寄せている。一部のコーの部族はこれをthe Strand(撚り糸)と呼び、ゼンディカーと死後の世界を繋ぐ霊的な糸であると考えているが、マーフォークの中にはこれを不吉な魔法と嫌い、自らの部族にこれを見ることを禁じる者もいる。プレインズウォーカー/Planeswalkerはthe Strandを強力な霊気/Aetherの現れと理解しているが、その機能までは明らかにできていない。
敬虔な巡礼者には、仲間の遺骸をジュワー島に埋葬する危険な旅を行うものたちがいる。死体はジュワーの土に埋められ、植物のように水を与えられ注意深く見守られる中、骨も残さず消失してしまう。なぜこのような現象が起こるのか、死体はどこに行ってしまったのか知る者はいない。遺骸を捧げることによってゼンディカーの自然の力をなだめているのだと信じる者もいる。
ベイーン島/The Island of Beyeen
ベイーン島は、幾つかの火山帯が蔓延る植物の橋によって繋がれている。島の中心部から火山の峰がギザギザの輪のように突き出し君主の王冠を形成している。それはコーから彼らの大地の神に倣ってthe Crown of Talib(タリブの王冠)と呼ばれている。王冠には多くの火山が並び、最も巨大で活動的な火山である溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacleも擁する(イラスト)。
他に、ベイーンの小さな岩山には古代の劇的な力の跡が存在する。強力な地操術/Geomancyが山々の峰に力を及ぼし、定期的に山の頂点が空へ浮かび上がり、岩がちの台地になった山へ再び落とした。これらの大地への影響は火山連峰のマナの力によって克服され、それらの山々は "piston" mountains(ピストン山)となり不定期に飛び上がり振り砕くにようになった。これらの動く峰は価値のある遺物の探索や原始的なマナの力を利用する勇敢な冒険の地と知られるが、それを試す者の多くは命を落としている。
ベイーン島はLith Wurm(岩ワーム)の棲み処として知られる。鋭い歯を持ち穴を掘ってヤギ、ハイラックス、オーガ、コンドル、そしてゴブリンを餌とする。低地の谷間は熱帯雨林となっており、黒毛の猿や斑点を持つジャガー、バクやダイカーが生息している。
ベイーン島の西の沿岸の近くに山の斜面を海へ階段状に降りていく巨大な潮だまりはThe Boilbasinと呼ばれている(イラスト)。海水と地熱によって与えられた間欠泉が混ざり合い、湯気が立ち上る水盆は、ドラゴンが沸騰した水で鱗を洗うお気に入りの場所となっている。
ズーラポート/Zulaport
魔導師、探検家、職人の種族や出自もバラバラで寄り合った共同体が、ベイーンの沿岸の町ズーラポートである。ズーラポートの経済は強大な女性の吸血鬼、Indorelによって支配されていると信じられており、彼女はゴブリン、人間、オーガのごろつきのネットワークを用いてベイーン中で行われる取引の分け前を確保しているという。
アガディーム島/The Island of Agadeem
アガディーム島のぬかるんだサバンナには、拳大から小さめの建造物並まで、大小のサイズの古代の面晶体による墓場が存在する。面晶体が宙に浮かび乱動に影響していると思われるタジーム/Tazeemとは対照的で、アガディームでは面晶体は地に落ち半ば埋まっているが、それらは変わらず大地に影響を及ぼしている。
どの面晶体も魔力が残存しているように見えなくとも、数百から数千の面晶体ははっきりとその力を示している。アガディームの面晶体原では自然の法則が奇妙に歪んでおり、奇怪で予測不可能な魔術的、重力的な現象が起こる。乱動による奇妙なねじれは、地表から巨大な大地の円盤が浮かび上がり、その場で回転し、奇妙な角度で再び沈降する。湿気を含んだ風が縺れて渦になり、浮遊する面晶体群を含んだ空気の球体となり、空を飛ぶクリーチャーを捕らえる。学者たちは面晶体原の力を適切に利用すれば、想像を絶するような魔術の偉業を成し遂げるのに充分な力をもっていると推測しているが、面晶体の不規則な軌道は大規模な実験を行うにはあまりに危険である。
1人ではない探検家が、巨大で浮遊する恐ろしい貌が通常3人組で現れる、Three Masks(3つの面)を目撃したと報告している。これが何らかの精神病理なのか、蜃気楼なのか、超越的存在との交信なのか、あるいはほら話の1つなのかは議論の対象となっている。面の説明は様々だが、マーフォークとコーの学者の中には彼らがそれぞれ奉ずる3柱の神の顕現や幻視ではないかと夢想するものもいる。
エルドラージ/Eldraziが覚醒したとき、幾つもの面晶体が台地より浮かび上がり、星状に集結と拡散を繰り返した(イラスト)。
カビーラ/Kabira
アガディームの面晶体原を研究する者、遺跡を漁るもの、あるいは崇拝するものからなる人間とその他の種族のコミュニティが付近で野営している(イラスト)。遺跡からの影響は建造物から見て取れ、カビーラの建物は面晶体の形状や意匠を模したり取り入れて建造されている。Vinivaというマーフォークの聖職者がKabira Conservatory(カビーラ美術院)という小さな学院を運営しており、面晶体の遺跡の研究を後援し、結果を海門/Sea Gateの灯台へ届けている。最近の研究では、癒しや防護、幻影の類の魔法は面晶体原の近くで最も効果を発揮することがわかっている。その他には面晶体を模した建築物の研究では、単に芸術的な傾向とは別にカビーラの住人たちにとって重要な安全の意味を持つと主張する者もいる。
アガディームの地下墓所/Crypt of Agadeem
アガディーム島の渓谷の奥深くにあるのは、自然の洞窟を埋葬の場所として改装したアガディームの地下墓所である(イラスト)。洞窟の入り口は巨大な自然のアーチが、無数の小さな彫刻された面晶体によって縁どられている。Crypt Mawと呼ばれている入口の部屋は、大聖堂に等しい大きさの洞窟である。そこは数千のコウモリの棲み処であり、悪意のある霊魂が居座っていると信じられている。
霊廟の背後の壁にはThe Cryptlock(墓錠)と呼ばれる巨大な石像が立ち、旅行者たちが霊廟の続きを探索するのを防ぐ神秘的な錠前として機能している。考古学者たちは、錠は夜明け前の”死の刻”の僅かな時間に、知られざる呪文を唱えたときにしか開かないと結論を下している。しかしながら、Witch Vessels(魔女の器)と名乗るある種の狂った人間、ゴブリン、吸血鬼の魔導師たちは錠の向こう側にある何マイルもの安置台が並ぶ墓所のトンネルを進み、そこに横たえられた数千もの遺体と失われたGhost Tongue(幽霊の舌)で話したと主張する。彼らはその伝達によって未来の出来事の知識を得たと主張しているが、そのトンネルは致死の罠とその他の邪悪によって満ちているとも警告している。
登場作品・記事
- A Planeswalker’s Guide to Zendikar: Ondu(Daily MTG Magic Creative Team著 2009年11月11日)
- The Art of Magic: the Gathering Zendikar