ローウィン/シャドウムーア/Lorwyn-Shadowmoor
ローウィン/シャドウムーア/Lorwyn-Shadowmoorは、多元宇宙/Multiverseに存在する次元/Planeの一つ。かつてローウィン/Lorwynあるいはシャドウムーア/Shadowmoorと呼ばれていた次元の新たな姿である。ローウィンの昏明の舞台となった。
概要
[編集]かつてローウィン/シャドウムーアは、およそ300年の周期でふたつの相を繰り返す次元/Planeだった。この現象は「大オーロラ/Great Aurora」として知られていた。「ローウィン/Lorwyn」は昼の相に与えられた名前である。こちらは太陽が完全に沈むことはなく、終わらない夏が続く。「シャドウムーア/Shadowmoor」は夜の相に与えられた名前であり、涼やかな夜を月が永遠に巡る。すべての妖精の女王にして母であるウーナ/Oonaは打倒されて滅ぼされ、彼女が支配していた昼夜のサイクルは終わった。だがその統治の時代に、女王はこの次元の根本的な何かを壊してしまっていた。あるいは、長らく壊れていた何かが女王の終焉によって修復されたのかもしれない――管の詰まりが解消されたり、車輪に油が差されたりするように。
この次元のふたつの相が互いへの流出を開始した。昼から夜へ、夜から昼へと。ふたつはこすれ合い、削り合い、大地を覆っていった。白と黒が無限に渦巻くマーブルケーキのように色を与えていった。ローウィン/シャドウムーアの歴史において初めて、住民たちはこの次元のもう一つの相と、異質でありながらも馴染み深い相と隣り合って暮らすことになった。彼らはローウィンでは、太陽に照らされ曲がりくねる道が、先の見通せない闇に取って代わられる様を目にした。シャドウムーアでは、月明かりに照らされた棘の茨が、花を咲かせた鮮やかな緑の茂みへと変貌する様を目にした。
ローウィン/シャドウムーアは二重性の世界である。境界を越えたなら、歪んだ過去の記憶と認識できない人格を持つ別人になるかもしれない場所だ。最大の危険は肉体ではなく、精神に対してのものかもしれない。「私は一体どちらなのか?」と自問自答しなければならない。そして「両方」と答えて満足することになる。
ローウィン/Lorwyn
[編集]夜なきローウィンは、のどかな草原と緑豊かな森の世界だ。太陽は一日のほとんどの間を空高く昇り、低くはなっても決して姿を消すことはない。田舎には質素な農場が点在し、村々では様々な種族の交流が育まれている。ローウィンでもよく知られ、拓かれた広大な地域は歴史的に「祝福の国/The Blessed Nation」と知られていた。この名はかつてその地を支配していたとされるエルフの祝福階級にちなんだものだったが、振り子の年/The Pendulum Yearが到来すると用いられなくなっていった。その先の地域は「原初の彼方/The Primal Beyond」として知られている。
シャドウムーア/Shadowmoor
[編集]永遠の夜に塗り潰されたシャドウムーアは、暗く謎めいた森と茨の地だ。まるで真夜中のような風景の中、月が空を巡る。苔に覆われた巨大な石造建築には遥か昔に滅びた文明の象徴が刻まれている。常に炎を上げる灼熱の沼地は何も知らない旅人をその深淵へ溺れさせる。危険に満ち溢れているものの、この地に潜む謎は最も用心深い者さえも魅了する。シャドウムーアには恐怖がはびこっているが、過酷で不気味な環境に取り囲まれて生命が瑞々しく花開く。あらゆる暗い小道や影深い谷は、力とエネルギーを秘めた豊穣の角のように、溢れんばかりの魔法に満ちているのだ。
このエネルギーは「荒魔法/Wild magic」として知られている。荒魔法はシャドウムーアの地にのみ存在し、力を秘めた深い源泉であり、誰でも引き出すことができる。この力は混沌として不安定であり、使用には術者と周囲の環境を破壊するほどの壊滅的な反動を伴う危険性がある。
二相の平衡関係
[編集]ローウィン/シャドウムーア次元は、ふたつの異なる次元的面が存在するという点で、他の次元とは際立って異なる。昼の相であるローウィンと夜の相であるシャドウムーアは、分かたれ隔てられている。ウーナの時代/The Age of Oonaには大オーロラによって、現代では(「大」ではない)オーロラによって。オーロラを介してふたつの相は直接隣り合って存在している。この境界線はゆっくりと移動し、昼と夜のバランスを保っている。だが稀に、ある程度の範囲の土地が突然変化し、その内にあるすべてのものが瞬時に変容することがある。一般大衆はこの変化の原因を突き止めることはできないが、エイルドゥ/Eirduとイシルー/Isiluの気まぐれと足音がその源のひとつとなっている。
ローウィンでは、この次元は永遠の昼の中にある。太陽は常に見え、空を横切りながらも地平線の下に沈むことはない。
シャドウムーアでは、この次元は永遠の夜に包まれている。月は空に浮かび、行き来しながらも決して消えることはない。月の相は満月と新月の間を巡り続ける。
オーロラと潮流
[編集]ウーナの時代には、次元全体がローウィンとシャドウムーアを行き来していた。妖精の女王自身が仕掛けた魔法的収斂、大オーロラによるものである。現在では、ローウィン/シャドウムーア次元は常に衝突している。広大な土地がローウィンの光とシャドウムーアの闇に覆われ、その境界は無数の奇妙な状況と未知の影響によって満ち引きを繰り返している。時には、特定の地塊内における死や誕生によって、ローウィンあるいはシャドウムーアの面積が拡大・縮小することもある。エイルドゥやイシルーの足跡の影響によって境界が変化することもある。そしてさらに頻繁に、次元の力や影響や規模の不均衡を自然に修正する手段として、境界が周期も理由もなく拡大したり縮小したりする。近年では境界は以前よりも安定し、比較的永続的な境界もそれなりに存在する。それでも不意に変化する危険性はあり、依然として境界の近くにいる住民たちを脅かしている。
境界が移動すると、その内部にあるすべてのものが変化する。クリーチャーやあらゆる生命体も例外ではない。この変化を抑制する手段は存在するが希少であり、変化への抵抗を持つクリーチャーやその他の物体はさらに稀だ。ローウィンとシャドウムーアの境界が接する場所では、現在の相の先にもう一方の相を見ることができる。自分自身のひとつの相から踏み出してもう一方に踏み込むことは、境界を越えた者に即座の変化をもたらす。
この次元に生まれたクリーチャーは、ローウィンの姿とシャドウムーアの姿というふたつの形態を持つ。オーロラが発生してローウィンがシャドウムーアになるか、またはその逆になると、その地域内のすべてのクリーチャーと地形は大規模な変化を被る。ローウィンからシャドウムーアへ渡ることをイーブンタイド/Eventide、シャドウムーアからローウィンへ渡ることをモーニングタイド/Morningtideと呼ぶ。クリーチャーは種族こそ変化しないものの、肉体的にも精神的にも様変わりする。もう一方の相にいた頃の記憶は、心の奥底に残って届かない痒みのように濁って曖昧なものになる。性格の劇的な変化を被ることもある。全体的に見て、ローウィンの住民は社会的で秩序立っており、シャドウムーアの住民は個人主義的で混沌としている。片方の相が善で片方の相が悪というわけではない。置かれた状況によって、誰もが英雄にも悪役にもなり得るのだ。
別の相へと足を踏み入れた者は、ローウィンあるいはシャドウムーアにおける自身の姿へと変身する。それまでの生涯の記憶が暗く反映された、不正確で奇妙に歪んだ姿である。そして再び境界を越えることで、ローウィンあるいはシャドウムーアにおける真の記憶を取り戻す。生涯における最後の10年間をシャドウムーアで過ごしたキスキン/Kithkinは、境界を踏み越えることでローウィンにおける自身の姿へと変貌し、幼少期にはローウィンで生きていたことを思い出すかもしれない。そしてその心はシャドウムーアでの生活を曖昧な記憶へと歪め、実際にはローウィンで生涯を過ごしたと思い込ませるのだ。
だが、こういった記憶の変化は記録されていないわけではない。多くの種族は、境界を越えることの危険性とそれに伴う痛みを理解している。たとえもうひとりの自分を知りたいと願っても、その過程で自分が知っている生涯を失うことになるのだ。
蝕界/Eclipsed realm
[編集]ローウィンとシャドウムーアの境界がこすれ合う場所には、そのどちらでもない環境の断片が出現する。この断片は「蝕界/Eclipsed realm」と呼ばれている。この次元が取りうる、光でも影でもない第三の状態だ。これらの場所は異なる広がりの軸を用いてローウィンとシャドウムーアの鏡像関係を解決しようと試み、結果として世界は認識不可能な何かへと変容する。
この次元の他の領域と比べても、蝕界は奇妙で別世界的な様相を呈している。蝕界は相の境界に沿って存在し、ごく細く現れるものもあれば広大な土地を覆うものもある。蝕界では、太陽と月の両方が空高く浮かんでその場から動かない。それらは不動の鏡として、隣り合う相の永遠の昼と夜を映し出している。あらゆる影の中に光の標があり、あらゆる陽光の中に深い闇の淵がある。
蝕界の中では、ローウィン/シャドウムーアの住民が即座に自身の別の相へと変化するわけではない。彼らは蝕界の外での記憶をすべて保持しており、別の相で過ごした記憶も次第に取り戻していく。だが蝕界に留まれば、ゆっくりと変化していく。そしてその変化は永続的なものである。ひとつの相の記憶が別の相の記憶と融合しようとするが、それらの間の矛盾は完全には解消されない。蝕甚化したクリーチャー/Eclipsed creatureは欲望や感情や外の世界との繋がりを失い、最終的には完全に動きを止めた抜け殻と化す。そこに至ったものは石灰化したクリーチャー/Calciform creature、あるいは単に石灰の姿/Calciformと呼ばれる。
化身
[編集]ウーナが打倒された結果、ローウィンとシャドウムーアの相はもはや隔てられなくなった。相が融合するにつれ、ふたつの偉大な存在が次元の上層から目覚めた――太陽の化身エイルドゥ/Eirduと月の化身イシルー/Isiluである。その出現は当初混乱を引き起こしたものの、やがて両者はローウィン/シャドウムーアの住民の生活にも、互いにも全く興味を持っていないことが明白となった。
巨大なこれらの存在はローウィン/シャドウムーアを放浪しており、その足跡によって大地は変化していく。片方が目覚めてこの次元の光と闇の均衡を保つ間、もう片方は眠る。このふたつの存在が何を意味するのかはわかっていない。この次元の住民に対して無関心であるように見えるものの、多くの住民がこの二体を神として崇拝している。
エイルドゥ/Eirdu
[編集]エイルドゥはローウィンの生ける化身、太陽の象徴である。その存在は柔らかな微風と春の穏やかな暖気のようだ。エイルドゥの傍にいれば心身ともに若返り、生きることそのものへの満足感を得る。今のところ、エイルドゥは身を守る必要を持たない。だが脅威にさらされたなら消えない光の柱を放ち、太陽の破壊的な熱を敵に浴びせることができる。
太陽の信奉者
[編集]エイルドゥの崇拝者たちはローウィン/シャドウムーア全土の所有権を主張し、次元全体をローウィンに転換させようとしている。彼らは太陽光線の模様と翼をあしらった鎧を身にまとっている。これらはエイルドゥの身体から取り入れた象徴だ。
エイルドゥの崇拝者たちは太陽の光がさほど輝かない寒い日に集合し、牧歌光の祭典/The Festival of Idyllglareにて聖餐を執り行う。古代の列石の中心に、あるいは周囲に立石がない場合は集落の中心に薪が積み上げられる。エイルドゥの姿を模した偶像崇拝用の衣装がエレメンタルの上に置かれ、崇拝者たちは薪が燃え尽きるまで円陣をねり歩く。薪が燃える間、崇拝者たちは作物や貴重な家宝をその炎に捧げて儀式の時間を引き延ばす。エレメンタルが疲労して倒れるか、供物が尽きたなら儀式が終わる。
イシルー/Isilu
[編集]イシルーはシャドウムーアの生ける化身、月の象徴である。その存在は穏やかな静寂と秋の柔らかな冷気を感じさせる。イシルーの傍にいる者は理解に満たされ、これまで決して知らなかった疑問への答えを求めて彼方を見つめる。今のところ、イシルーは身を守る必要を持たない。だが脅威にさらされたなら最も暗い夜を引き起こし、いかなる光も貫くことすらできない闇で世界を覆い、虚空の中にいる者たちの生きる意志を枯らす。
月の信奉者
[編集]イシルーの崇拝者たちはローウィン/シャドウムーア全土の所有権を主張し、次元全体をシャドウムーアへ転換させようとしている。彼らは月の紋様をあしらった鎧と雲を模した頭飾りを身に着けている。これらはイシルーの身体から取り入れた象徴だ。
月の信奉者たちは、次元各地に点在する巨大な石造建築の奥深くに埋葬された死者たちを偲んで夜通しの祈りを捧げる。種族や信条や好みに関わらずこれらの墓所は聖地とされており、暴力を振るってはならない。入り口にはイシルーを模した衣装をまとうエレメンタルが見張りに立っており、内部で神聖な儀式が執り行われていることを示している。
聖遺
[編集]ローウィンとシャドウムーアの民にとって、変化は避けられないことのように思えるかもしれない。だがかつては「モーニングタイドの三日月/The Crescent of Morningtide」と呼ばれる古代の遺物が存在した。これは大エレメンタルの力を受けたもので、変化することなく相の間を渡ることができた。同様に、ローウィン/シャドウムーアの住民たちは昼と夜の化身の断片から聖遺を作り上げてきた。
聖遺は異なる相の間でも肉体と記憶を保持させてくれるもので、エイルドゥとイシルーの欠片から作られている。これらの品々は希少で、しばしば神聖なものとされ、ローウィンまたはシャドウムーアの精髄を凝縮したものを表している。イーブンタイドに抵抗するにはエイルドゥの欠片から作られた払暁の聖遺/Reliquary of Dawnを、モーニングタイドに抵抗するにはイシルーの欠片から作られた黄昏の聖遺/Reliquary of Twilightを携行する必要がある。両方を所持することで、無変化のまま蝕界を旅することができると言われている。
聖遺は様々な形をとりうるが、多くは道を照らしたり影を落としたりするランタンや首飾りとして作られる。その形状はしばしば、素材となるエイルドゥまたはイシルーの部位に依存する。例えば羽根はブローチになり、輝く鱗はガラスの中に入れられてランタンに加工される。
歴史
[編集]ウーナの時代/The Age of Oona
[編集]何千年もの昔、すべての妖精の女王にして母であるウーナは、大オーロラを用いて相のサイクルの間も自身の記憶と肉体を保ち、次元の支配権を握っていた。300年ごとに次元は別の相へと移行していたが、この状態は40年以上前に「大修復/The Mending」によってサイクルが中断されるまで続いた。この大修復とは、蓄積された時の裂け目/Riftによって生じた多元宇宙/Multiverse全体の傷が修復された出来事である。数千年を生きてきて初めて、ウーナは大オーロラの影響を受けるのではないかと恐れた。女王は自らの化身を作り出したが反抗された。次に彼女は朝の歌/Mornsongのエルフ/Elf、マラレン/Maralenの複製を作り出し、自身の魂の一部を注入することで記憶を保とうとした。だがマラレンの複製は自意識を獲得し、ローウィン各地から集まった仲間たちと共にウーナ自身とその策略を調査した。大オーロラが発生して次元がシャドウムーアに変化すると、ウーナはマラレンの勢力に打倒された。エルフのライズ/Rhys、キスキンのブリジッド/Brigid、メロウ/Merrowのシグ/Sygg、炎族/Flamekinのアシュリング/Ashling、そしてツリーフォークの若木であるコルフェノール/Colfenorがその面々だった。ウーナは敗北し、肉体は破壊されたものの、その意識は隠されたままだった。そして玉座を取り戻す手段を探しながら、秘密裏にゆっくりと力を取り戻していった。ウーナの統治の終わりに続いて次元は融合を開始し、振り子の年を引き起こした。マラレンは妖精の女王の称号を受け継ぎ、ライズと死の契約を交わした――もしウーナが復活する兆しが少しでも表れたなら、ライズはマラレンを殺さなければならない。その日まで、ライズは決して死ぬことはできないのだ。
振り子の年/The Pendulum Year
[編集]シャドウムーアの至る所で、闇の中に小さなローウィンが突然現れた。次元は混乱に陥った――あらゆる民や場所が一瞬にして変貌することもあった。村はふたつに分断され、新たな境界線を越えた者は例外なく瞬時に様変わりした。農民は農地から切り離され、あるいは商売を完全に忘れ去った。共同体同士は疎遠となり、新たな境界線の先とは一切の接触ができなくなった。時には、他の次元の昼夜のサイクルを模倣する期間さえあった。昼から夜へ、そしてまた昼へ。
だがやがてこうした変化は鈍化していった。境界線は安定したように見え、荒ぶる波ではなく穏やかな潮流のようにゆっくりとした前進を始めた。そして遥か彼方、地平線に沿って歩くようなふたつの巨大な存在が見えるようになった――ローウィンの化身エイルドゥと、シャドウムーアの化身イシルーである。次元のオーロラの満ち引きを管理するため、双つの世界魂が再び現れたのだ。
その後40年間、この次元はふたつの化身の存在によって平和を享受していた。時折、遠く離れた村から驚くべき話が届いた――隣人たちや家々が光と闇の狭間に捕われ、光と闇の両方でありながらどちらでもない何かに屈したと。そのような領域は蝕界と呼ばれるようになった。
ファイレクシア戦争/The Phyrexian invasion
[編集]ファイレクシア戦争/The Phyrexian invasionはこの次元の脆い力関係を破壊し、各種族はこれまで考えたこともなかったような形で協力せざるを得なくなった。特に、かつてローウィンの民を恐怖に陥れていたローウィンのエルフはほぼ壊滅状態に陥り、その次元支配はそのまま新ファイレクシア/New Phyrexiaの権力網へと変化した。完成化されたエルフはその残酷さと偏見を最大限に活用した。他種族への振る舞いは油があろうとなかろうと、ほとんど変化しなかった。
汚染を免れたエルフたちは劣勢に立たされ、ローウィンの他種族と同盟を結ぶという必死の賭けに出た。その奮闘の中で彼らはやがて勢力を伸ばし、リス・アラナ/Lys Alanaで抵抗を続けた。ファイレクシア人も新たな戦術に出た。キスキンを感染させ、思考の糸を用いて同胞の精神を毒したり、感染したフェアリーを送り込んで密かに水源を汚染させたりした。
シャドウムーアでは各種族が思い思いの方法で侵略者へと攻撃を仕掛け、混沌が支配した。彼らの散開的な攻撃はローウィンの統一戦線ほど効果的ではなかったが、結果として損失ははるかに少なかった。侵略者に対して勇敢に立ち向かったのはボガート/Boggartとキスキンだけだった。ボガートは先鋒となり、騎兵隊で敵陣に突入して内側から壊滅させた。自分たちで予想した通り、彼らは甚大な損害を被った。
光素/Haloが多元宇宙を満たす中、侵略者を滅ぼす最後の突撃を率いたのは、孤立主義を貫くシャドウムーアのキスキンだった。次元の同胞に対して抱く以上の排他主義に突き動かされた彼らはファイレクシア人の軍勢を粉砕し、踏みにじった。その後キスキンたちの外への恐怖は顕在化し、数年を経ても彼らは家に閉じこもって訪問者には会いたがらない。
現在
[編集]現在のローウィン/シャドウムーアは脆弱な平和の時代である。すべての変化が予測可能というわけではない――村々は一瞬にして様変わりし、住民たちはそれまで別の生涯を送っていたことに気づかないかもしれない。謎めいた蝕界の出現は、ローウィン/シャドウムーアの民をさらなる混乱に陥れようとしている。彼らは今、世界にまたも不可知の変化が訪れるのではと警戒している。
政治的な面では、ローウィンのエルフ帝国は勢力を失った。そのため他種族はかつて拒まれていた世界に足場を築くようになった。他種族同士を対立させていたウーナがいなくなったため交易と商業は活性化し、各種族が独自の才能を活かして新たな繁栄を遂げている。
種族
[編集]ローウィン/シャドウムーア生まれの人間/Humanはいない。代わりにキスキン、ボガート、エルフなどが暮らしている。ローウィン/シャドウムーア生まれのクリーチャーが境界を越えたなら、意図の有無にかかわらず本来とは正反対の姿に変身するが、種族は変化しない。
主要種族
[編集]- キスキン/Kithkin - 精神的繋がりを持つ小柄な人型種族。ローウィンでは控えめで平和主義的、シャドウムーアでは閉鎖的で偏執的。
- ボガート/Boggart - ゴブリン/Goblinの一種。ローウィンでは混沌として遊び好き、シャドウムーアでは貪欲で破壊衝動的。
- メロウ/Merrow - マーフォーク/Merfolkの一種。ローウィンでは商才に長けて外交的、シャドウムーアではずる賢く詐欺的。
- エルフ/Elf - 美を追求する人型種族。ローウィンでは残忍な優生学信者で、シャドウムーアでは美と自然界の守護者。
- フェアリー/Faerie - 悪戯好きな妖精。ローウィンとシャドウムーアでほとんど変化はなく、外見と悪ふざけの残酷さだけが異なる。
- 巨人/Giant - ほとんど寝ている巨体の人型種族。ローウィンでは冷淡で他種族に無頓着、シャドウムーアでは怠惰で万事に無頓着。
- ツリーフォーク/Treefolk - 知性ある樹木。ローウィンでは他種族を導く庇護者で、シャドウムーアでは復讐心に燃える自然の守護者。
- 人型のエレメンタル
- 炎族/Flamekin - 炎と石でできた精霊。自己実現と発見に心を砕く情熱的な旅人。主にローウィンに住まう。
- 凍炎族/Rimekin - 氷の魔法を操る炎族の亜種。悲嘆を癒すべく周囲の世界を作り変える。主にシャドウムーアに住まう。
- 燃えがら/Cinder - 燃え尽きた炎族の亜種。ファイレクシア戦争以後は数を減らしている。
- 大エレメンタル/Greater elemental - 気まぐれで制御不能な精霊。ローウィンでは抽象的な概念が具現化した存在で、シャドウムーアでは不穏な思想が具現化した存在。
- 変わり身/Changeling - 他の生物の姿を真似る種族。ローウィンでは他種族とも絆を結ぶが、シャドウムーアでは残忍なミミック/Mimicとなる。
その他の種族
[編集]ノッグル/Noggle、ボーグル/Bogle、アウフ/Ouphe、デュルガー/Duergar、ハッグ/Hag、インプ/Imp、トロール/Trollなど、ローウィン/シャドウムーアには多種多様なクリーチャーが生息している。そのほとんどはシャドウムーアの奥地で見られるが、相の変化とともにこれら奇妙なクリーチャーがローウィンにも現れるという噂が流れている。
エイルドゥとイシルーの出現により、石人/Firdochと呼ばれる石のクリーチャーが大地を彷徨うようになった。彼らはこの次元を守護するエレメンタルに神秘的な手段で仕えており、道を切り開き、手の込んだ尽力でローウィンとシャドウムーアの境界を管理している。
登場
[編集]登場作品・登場記事
[編集]- Planeswalker's Guide to Lorwyn Eclipsed/プレインズウォーカーのための『ローウィンの昏明』案内(Magic Story 2025年9月26日 Neale LaPlante Johnson, DK Billins, Laurel Pratt著)