インナー・サークル/Inner Circle

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ヨーグモスのインナー・サークル/Yawgmoth's Inner Circleファイレクシア/Phyrexia人の集団。

目次

解説

インナー・サークルは文字通り、ヨーグモス/Yawgmothの「inner circle(権力中枢の側近グループ、腹心の部下たち)」である。ヨーグモスの下僕(minions)の中でも最も悪意に満ち残忍で嫌悪される。ファイレクシア第六球層に居住。単にインナー・サークル/Inner Circleと書かれることが多い。

Pneumagog

インナー・サークルのメンバーは分類上、pneumagog(ニューマゴーグ)と呼ばれる。

  • 「pneuma(息、風、精神(spirit)、霊(soul)、プネウマ)」+「-agogue(導くもの)」で「精神体の指導者」くらいの意味合いか。

大抵のファイレクシア人は肉と機械から成る体を持つが、ニューマゴーグは全く別の門(phylum)に分類される生き物で、形而下と形而上の間の世界に存在している。ニューマゴーグにも生きた機械の肉体があり、その外側を発光する精神体が何層にも包んでいる。この精神体が真の実体(true essence)である。居住地である第六球層でのみニューマゴーグは肉体と精神体の両方を備えた完全体でいられる。第六球層より上層部には肉体しか移動できず、反対に下層に行けるのは精神体に限定される。

形態

インナー・サークルの姿は個体間で大きな差がある。

小説Planeshiftタイタンズが遭遇したニューマゴーグの大群は、赤い外殻で覆われた身体で、赤い輝きを放射していた。昆虫に似た脚部で疾駆し、耳障りに軋む翼で空気を裂いて飛ぶことができ、複眼および触角、口吻(proboscises)で観察を行った。小説Apocalypseに登場したニューマゴーグは体色は赤、大きさが人型サイズで、翼は6枚である。

Croag(クローグ)は骸骨のような顔と腕を持つ人型。鋭い牙と爪を持ち、それらを駆使した格闘戦能力は非常に高い。

Abcal-dro(アブカル=ドロ)は半透明の組織からなる不定形の塊である。その身体の大きさは、直径29.5フィート(約9m)の透明なドームにのしかかり、人の腰程の太さの仮足(pseudopods)でドームの基盤を掴んで、丸屋根の頂点から内部を覗き込める巨体。体表にはぎらつく油/Glistening Oilの血液が通る血管が黒い脈を打ち、周囲に青いドロッとした粘液を滴らせる。規則的にぴくぴく動く緑色の袋状器官や複雑な丸突起を持つ内臓が、灰色に濁った細胞質から透けて見える。上部には少なくとも一つの目があり、幅15インチ(約37.5cm)で緑と黒の色が渦巻く虹彩と、その中心に赤く縁どられた3組の瞳孔がある。

ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arenaの観客として出現したインナー・サークルの姿は千差万別である(闘技場は第九球層だがヨーグモスの精神によって具現化した観客であるため精神体ではなく肉体を備えている)。観客席に入場した順に以下の通り。その他に6枚翼のニューマゴーグの姿も観客席にある。観客のイラスト1観客のイラスト2

  1. 長身で痩せぎす、骸骨のような顔と身体に黒いローブを優美にまとう者たち。糸で吊られた操り人形のように重量感がなく、神経に障る動き方をする。クローグと類似したタイプ。
  2. 大股で歩く巨大なクリーチャーたち。しわくちゃの顔には巨大な目がありぎょろぎょろと発作的に動く。爪の生えた手を床に着いてゴリラのように階段を下りる。
  3. 蜘蛛型の怪物たち。カチカチと音を立てる足でアンブルで歩く(amble)。
  4. けだものたち(Beasts):山羊頭の戦士。蝉人間。機械仕掛けのホラー。わけのわからないことを早口でしゃべるインプ。粘液性皮膚を持ち脳から節足動物の足を生やしたクリーチャー。ギザギザの短い刃で全身を覆った怪物。禿頭で蛇の舌を持った白子(albino)。縞瑪瑙の目をした天使。血塗れ唇のデビル吸血犬/Vampire Hounds。骸骨の毒蛇。

インナー・サークルのキャラクター

名前付きのインナー・サークルの一覧。明言されているのは2名。

Croag(クローグ)
ヨーグモス直々に命令を受け、初代エヴィンカー/Evincarを指名する権利を与えられた。ダヴォール/Davvolを利用して、ラース/Rathの拡張整備とウルザの抹殺計画を数世紀にわたって進めた。小説Bloodlinesヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargainのイラストに登場。
Abcal-dro(アブカル=ドロ)
半透明で不定形の長大な塊といった姿。高僧(high priest)。アヴィラ/Avilaの遺体を改造した大使ベルベイ/Belbeをラースに派遣した。小説Nemesisに登場。
  • 法務官/Praetorという高い地位に就き、最初のファイレクシア人の一人であるギックス/Gixをインナー・サークルの一員とする説がある。大手ファンサイトで支持する意見もあり、ゲームぎゃざVol.36掲載の非公式記事『ドミニア・プチガイド 第5回「ファイレクシアとその手先たち」』では一員だと明記している。しかし、ギックスに関連するカードや小説、コミックにはギックスがインナー・サークルとは書かれていない。
  • デュエリスト・ジャパンとゲームぎゃざに掲載された日本独自の非公式記事ではサーボ・タヴォーク/Tsabo Tavocがインナー・サークルの一員としているが、カードや小説、インベイジョン・ブロック特設サイトの公式ソースにサーボがインナー・サークルという記述はない。

エピソード

ウルザズ・サーガ

小説Bloodlinesによると、ウルザのファイレクシア攻撃の際に、大勢のインナー・サークルのメンバーが命を落とした。更にそれを超える多くのメンバーは槽(vats)に戻されると、溶かされ、不純物を除去されて、再び完成された(rendered, decanted, compleated again)。

Bloodlines

AR34世紀末か35世紀初め頃に第六球層でクローグが眠りから目覚める。少なくとも40年経った後にクローグはダヴォールを直属の部下として共にラースに赴任し、その後4169ARに反抗したダヴォールを殺害するまでラースに居留する。この7世紀近くの期間に、クローグとダヴォールの手腕によりラースの拡張整備は格段に進展した。

Nemesis

4205AR、ヴォルラス/Volrathが私怨でラースを離れたことでエヴィンカーが不在となった。アブカル=ドロはファイレクシアの大使として改造したベルベイをラースに派遣し、エヴィンカー候補者たちから後任を選定させた。同時に要塞/Stronghold流動石/Flowstoneを増産する装備を搬入させた。

Planeshift

ナイン・タイタンズ/Nine Titansの生き残り(ウルザ、テイザー/Taysirウィンドグレイス卿/Lord Windgraceフレイアリーズ/Freyaliseボウ・リヴァー/Bo Levarガフ提督/Commodore Guff)の6人は第六球層で個別行動を行った。目的はインナー・サークルの殲滅にあり、各個に別の都市を襲撃し爆弾を設置する計画だった。

ニューマゴーグの大群はウルザを取り囲み、増援に来たテイザーのタイタン・エンジン/Titan Engineへと襲いかかったが、ウルザが寝返ってテイザーを殺害したため、ウルザと交戦はしなかった。

Apocalypse

ファイレクシアの闘技場で決闘するジェラード/Gerrardとウルザの観客はインナー・サークルの大群衆の姿であった。

ウィンドグレイス卿、フレイアリーズ、ボウ・リヴァー、ガフ提督はマスター爆弾が失われたため、設置済みの爆弾を直接起爆する。これを阻止するためにニューマゴーグが群れをなして襲いかかったが撃退されるか第六球層の都市もろともに次々と吹き飛ばされた。

登場

登場作品

参考

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