利用者:Sin1024
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カラー・パイまたはカラー・ホイールは、たいてい5つの色を円形に並べた図で表現される。この図はマジックの[[カード]]の裏面をはじめ、Magicに関わる多くの場面で使われている。 | カラー・パイまたはカラー・ホイールは、たいてい5つの色を円形に並べた図で表現される。この図はマジックの[[カード]]の裏面をはじめ、Magicに関わる多くの場面で使われている。 | ||
− | 色の並び順は固定されており、時計回りに白、青、黒、赤、緑と並ぶ。この並び方が色ごとの関係性を示すようになっている。円となった時、隣り合う色の組が[[友好色]]であり、向かい合う色の組が[[対抗色]]とされる。友好色同士には共に使うことによって利益を得られるカードがしばしば存在し、逆に対抗色では[[対戦相手]]の使う対抗色カードを狙って攻撃する[[色対策カード]]がしばしば存在する。ただし、対抗色同士が手を組むことを想定した[[ブロック (総称)|ブロック]] | + | 色の並び順は固定されており、時計回りに白、青、黒、赤、緑と並ぶ。この並び方が色ごとの関係性を示すようになっている。円となった時、隣り合う色の組が[[友好色]]であり、向かい合う色の組が[[対抗色]]とされる。友好色同士には共に使うことによって利益を得られるカードがしばしば存在し、逆に対抗色では[[対戦相手]]の使う対抗色カードを狙って攻撃する[[色対策カード]]がしばしば存在する。ただし、対抗色同士が手を組むことを想定した[[ブロック (総称)|ブロック]]やセットも時々登場する。 |
==カラー・パイの価値== | ==カラー・パイの価値== | ||
− | カラー・パイの役割とはそれぞれの色が何ができて、何が'''できない'''のかを定義することである。[[Mark Rosewater]]はカラー・パイを[[トレーディングカードゲーム]]というアイデアや[[マナ]] | + | カラー・パイの役割とはそれぞれの色が何ができて、何が'''できない'''のかを定義することである。[[Mark Rosewater]]はカラー・パイを[[トレーディングカードゲーム]]というアイデアや[[マナ]]のシステムと並ぶマジックの3本柱であり、とりわけ、各色にできないことがあり、それぞれの弱点が存在するという点が重要であると語っている。 |
==機能の割り当て== | ==機能の割り当て== | ||
− | メカニズム面での各色の役割分担について重要な事は、役割は変化しうるということである。これについてMark Rosewaterは[http://mtg-jp.com/reading/translated/001731/ 混交の話] | + | メカニズム面での各色の役割分担について重要な事は、役割は変化しうるということである。これについてMark Rosewaterは[http://mtg-jp.com/reading/translated/001731/ 混交の話]で「色の哲学」を大きな円とすれば、「現在のメカニズム的実装(色の役割)」は大きな円の中にありその中を動きうる小さな円に当たる、と説明している。実際、ブロックのテーマを示すため、[[サイクル]]を完成させるため、フレイバーを表現するため、など他の様々な理由によってその時の色の役割から外れたカードはたびたび登場する。 |
具体的なメカニズムの割り当ての詳細は[[色の役割]]のページを参照。 | 具体的なメカニズムの割り当ての詳細は[[色の役割]]のページを参照。 | ||
− | == | + | ==色の哲学と関係性== |
− | + | 色の哲学とはフレイバー的な「その色らしさ」を保証する背景思想であり、その色に属するキャラクターが持つであろう価値観である。とは言え必ずしも全てのキャラクターが以下の価値観に完全に従って行動するというわけではない。あくまでも突き詰めればこのような思想に行き着くというだけである。 | |
===白=== | ===白=== | ||
+ | 白の哲学は'''社会性'''である。白の究極的な目標は平和である。白は皆が互いに助け合い、秩序を尊重するような世界が作ることが可能だと信じている。そのような平和を守りまた広めるために、白は道徳と法に価値を置き、その仕組みを維持しまた広く伝えようとする。白は道徳や法に反する者を捕らえたり罰したりする権利があると考える。 | ||
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+ | 白はまた光と平等の色であり、最も宗教的な色でもある。 | ||
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+ | ===青=== | ||
+ | 青の哲学は'''知性'''である。青は全ての者が生まれた時は無地のキャンバスであり、その方法さえ知れば、各人が望む限りの者になることが出来ると信じている。それを実現するために、青は知識を求め、時間を掛けてそれを理解しようとする。青は各人の可能性を広めることが害になるとは決して考えない。青の究極的な目標は全知である。 | ||
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+ | 青はまた水と大気の色であり、非常に受動的で「遅い」色でもある。 | ||
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+ | ===黒=== | ||
+ | 黒の哲学は'''利己主義'''である。黒は詰まるところ、世界の誰もが自分自身を一番に守ろうとするのであり、世界とは強者が弱者を支配し搾取する場所だと考える。よって黒は力を渇望し、究極的には全能を求める。黒は道徳や正義や良心などと言うものは見せ掛けの嘘っぱちであると考え、力を得るためにはありとあらゆる手段を用いる。 | ||
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+ | 黒はまた死と腐敗の色であり、個人主義的で自滅しやすい色でもある。 | ||
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+ | ===赤=== | ||
+ | 赤の哲学は'''感情'''である。赤は人生で最も重要なこととは、自分が望むことを望むときに心のままに行うことだと信じている。そのために赤は究極的に自由を欲し規則を嫌う。黒とは異なり、赤は自分だけではなく皆が自由に行動する権利があると考えるため、秩序や権威を捨てた混沌とした世界を受け入れる。 | ||
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+ | 赤はまた炎と破壊の色であり、最も近視眼的で短絡的な傾向が強い色でもある。 | ||
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+ | ===緑=== | ||
+ | 緑の哲学は'''本能'''である。緑は自然に最も重要な価値を置く。緑はすべての生命は自然の秩序の一部であり、それらの本能に従いさえすれば世界すべてが調和を保ったまま成長していけるのだと信じている。緑は世界が人為に干渉されず、その自然な姿のまま広がっていくことだけを望んでいる。白と異なり、緑は秩序とは人の手で組み上げるものではなく、元からあるものだと考える。 | ||
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+ | 緑は最も精神主義的な色であり、特に[[クリーチャー|生物]]以外に対しては赤に準じて破壊的な色でもある。 | ||
===関係図=== | ===関係図=== | ||
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from http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mc3 --> | from http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mc3 --> | ||
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+ | ==参考== | ||
+ | *[http://archive.wizards.com/Magic/magazine/features.aspx?tag=color%20pie Color pie Archive] (Making Magicより、カラー・パイの記事抜粋) |
2015年6月29日 (月) 10:34時点における版
カラー・パイ/Color Pieまたはカラー・ホイール/Color Wheelとはマジックにおいて5つの色にそれぞれ割り当てられた機能的な特徴、及びその背後にある色ごとの思想の関係を指す言葉である。
目次 |
カラー・パイを表す図
カラー・パイまたはカラー・ホイールは、たいてい5つの色を円形に並べた図で表現される。この図はマジックのカードの裏面をはじめ、Magicに関わる多くの場面で使われている。
色の並び順は固定されており、時計回りに白、青、黒、赤、緑と並ぶ。この並び方が色ごとの関係性を示すようになっている。円となった時、隣り合う色の組が友好色であり、向かい合う色の組が対抗色とされる。友好色同士には共に使うことによって利益を得られるカードがしばしば存在し、逆に対抗色では対戦相手の使う対抗色カードを狙って攻撃する色対策カードがしばしば存在する。ただし、対抗色同士が手を組むことを想定したブロックやセットも時々登場する。
カラー・パイの価値
カラー・パイの役割とはそれぞれの色が何ができて、何ができないのかを定義することである。Mark Rosewaterはカラー・パイをトレーディングカードゲームというアイデアやマナのシステムと並ぶマジックの3本柱であり、とりわけ、各色にできないことがあり、それぞれの弱点が存在するという点が重要であると語っている。
機能の割り当て
メカニズム面での各色の役割分担について重要な事は、役割は変化しうるということである。これについてMark Rosewaterは混交の話で「色の哲学」を大きな円とすれば、「現在のメカニズム的実装(色の役割)」は大きな円の中にありその中を動きうる小さな円に当たる、と説明している。実際、ブロックのテーマを示すため、サイクルを完成させるため、フレイバーを表現するため、など他の様々な理由によってその時の色の役割から外れたカードはたびたび登場する。
具体的なメカニズムの割り当ての詳細は色の役割のページを参照。
色の哲学と関係性
色の哲学とはフレイバー的な「その色らしさ」を保証する背景思想であり、その色に属するキャラクターが持つであろう価値観である。とは言え必ずしも全てのキャラクターが以下の価値観に完全に従って行動するというわけではない。あくまでも突き詰めればこのような思想に行き着くというだけである。
白
白の哲学は社会性である。白の究極的な目標は平和である。白は皆が互いに助け合い、秩序を尊重するような世界が作ることが可能だと信じている。そのような平和を守りまた広めるために、白は道徳と法に価値を置き、その仕組みを維持しまた広く伝えようとする。白は道徳や法に反する者を捕らえたり罰したりする権利があると考える。
白はまた光と平等の色であり、最も宗教的な色でもある。
青
青の哲学は知性である。青は全ての者が生まれた時は無地のキャンバスであり、その方法さえ知れば、各人が望む限りの者になることが出来ると信じている。それを実現するために、青は知識を求め、時間を掛けてそれを理解しようとする。青は各人の可能性を広めることが害になるとは決して考えない。青の究極的な目標は全知である。
青はまた水と大気の色であり、非常に受動的で「遅い」色でもある。
黒
黒の哲学は利己主義である。黒は詰まるところ、世界の誰もが自分自身を一番に守ろうとするのであり、世界とは強者が弱者を支配し搾取する場所だと考える。よって黒は力を渇望し、究極的には全能を求める。黒は道徳や正義や良心などと言うものは見せ掛けの嘘っぱちであると考え、力を得るためにはありとあらゆる手段を用いる。
黒はまた死と腐敗の色であり、個人主義的で自滅しやすい色でもある。
赤
赤の哲学は感情である。赤は人生で最も重要なこととは、自分が望むことを望むときに心のままに行うことだと信じている。そのために赤は究極的に自由を欲し規則を嫌う。黒とは異なり、赤は自分だけではなく皆が自由に行動する権利があると考えるため、秩序や権威を捨てた混沌とした世界を受け入れる。
赤はまた炎と破壊の色であり、最も近視眼的で短絡的な傾向が強い色でもある。
緑
緑の哲学は本能である。緑は自然に最も重要な価値を置く。緑はすべての生命は自然の秩序の一部であり、それらの本能に従いさえすれば世界すべてが調和を保ったまま成長していけるのだと信じている。緑は世界が人為に干渉されず、その自然な姿のまま広がっていくことだけを望んでいる。白と異なり、緑は秩序とは人の手で組み上げるものではなく、元からあるものだと考える。
緑は最も精神主義的な色であり、特に生物以外に対しては赤に準じて破壊的な色でもある。
関係図
思想はそれぞれ、5個隣のもの(円に並べたとき向かうあうもの)と対義語になっている。(参考)
(MORALITY-道徳とAMORALITY-非道徳、INSTINCT-本能とTECHNOLOGY-技術など)
白 | 青 | 黒 | 赤 | 緑 | |||||
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保守 平和 法則 | 知性 全知 不活発 | 利己主義 全能 偏執 | 無謀 行動 自由 | 素朴 生長 自然 | |||||
道徳 精神の 法則 |
秩序 人間の 法則 |
論理 知的な 思考 |
技術 知的な 応用 |
寄生 犠牲を 顧みぬ 利己主義 |
非道徳 他の全て に対する 利己主義 |
混沌 自発的 行動 |
衝動 感情的 行動 |
本能 自然の 判断 |
相互依存 自然の 存続 |
参考
- Color pie Archive (Making Magicより、カラー・パイの記事抜粋)