パララクス/Parallax

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(暫定版新規作成)
 
 
(5人の利用者による、間の7版が非表示)
1行: 1行:
 
'''パララクス'''/''Parallax''は[[ネメシス]]期[[ラース/Rath]]の現象で、[[カード名]]にパララクスと冠した[[カード]]が存在する。
 
'''パララクス'''/''Parallax''は[[ネメシス]]期[[ラース/Rath]]の現象で、[[カード名]]にパララクスと冠した[[カード]]が存在する。
  
*一般語の「パララクス、視差」とは、もともとはカメラやレンズなどの現象を指す言葉で「見る位置によって見え方や形状が変化する」事を意味しカメラマンや天体観測者がよく使う言葉(→[[Wikipedia:ja:視差|Wikipediaの記事]]参照)。
+
*一般語の"Parallax"とは日本語で「視差」とも言い、もともとはカメラやレンズなどの現象を指す言葉で「見る位置によって見え方や形状が変化する」事を意味しカメラマンや天体観測者がよく使う言葉(→[[Wikipedia:ja:視差|Wikipediaの記事]]参照)。
  
 
==概要==
 
==概要==
掌編[http://www.wizards.com/magic/expert/nemesis/story2.html ネメシスストーリー]によると、パララクスは発光と低い振動音を伴って発生し、目もくらむばかりの輝きと波となって広がり周囲を飲み込む。パララクスに巻き込まれた固形物は軟化して溶け合うと、散り散りばらばらになる。まるで井戸の底で油瓶の蓋を開けたように、軟らかい油滴の集まり同然となってふわふわと宙を漂い、最後には何も残らない。ラースの住人はパララクスを恐れていて巻き込まれないように一目散に逃げ出す。
+
パララクスは物質が溶解し分散するエネルギー現象で、消えた物質は戻ってくることもある。[[ラースの被覆/Rathi Overlay]]と関係があり、[[消散]]メカニズムはパララクス効果(the Parallax effect)を表現している(→[https://web.archive.org/web/20000524044848/http://www.wizards.com/magic/generic/storyline/Feb23_NM.doc Special: The Magic Storyline Team Discusses Nemesis]参照)。
  
カードでも同様の現象が描かれており、パララクス自体は[[パララクスの潮流/Parallax Tide#ストーリー|潮流(tide)]]や[[パララクスの波/Parallax Wave#ストーリー|波動(wave)]]、[[パララクスのきずな/Parallax Nexus#ストーリー|連鎖・中心(nexus)]]としてカード化されている。パララクスの影響をクリーチャー個体レベルで描いたものは[[パララクスの狂気/Parallax Dementia#ストーリー|パララクスの狂気/Parallax Dementia]]を初めとして、[[消散]]カードによく見られる(→[[#パララクスと消散]]参照)。
+
掌編[https://web.archive.org/web/20040628113840/http://www.wizards.com/magic/expert/nemesis/story2.html ネメシスストーリー]によると、パララクスは発光と低い振動音を伴って発生し、目もくらむばかりの輝きと波となって広がり周囲を飲み込む。パララクスに巻き込まれた固形物は軟化して溶け合うと、散り散りばらばらになる。まるで井戸の底で油瓶の蓋を開けたように、軟らかい油滴の集まり同然となってふわふわと宙を漂い、最後には何も残らない。ラースの住人はパララクスを恐れていて巻き込まれないように一目散に逃げ出す。
  
カードの効果を見ると、液化して消え去ったものは時間をおいて戻ってくる可能性もあるが、掌編での言及はない。
+
パララクス自体は[[パララクスの潮流/Parallax Tide#ストーリー|潮流(tide)]]や[[パララクスの波/Parallax Wave#ストーリー|波動(wave)]]、[[パララクスのきずな/Parallax Nexus#ストーリー|連鎖・中心(nexus)]]としてカード化されている。パララクスの影響をクリーチャー個体レベルで描いたものは[[パララクスの狂気/Parallax Dementia#ストーリー|パララクスの狂気/Parallax Dementia]]を初めとした消散カードである(→[[#パララクスと消散]]参照)。
  
パララクスは機械による抑制も可能である(→[[パララクス抑制装置/Parallax Inhibitor#ストーリー]]参照)。
+
パララクスは機械による抑制が可能である(→[[パララクス抑制装置/Parallax Inhibitor#ストーリー]]参照)。
  
 
===パララクスと消散===
 
===パララクスと消散===
パララクス関連に限らず消散メカニズムに関わるカードには、油滴のようにばらばらになるイラストが多く見られる。[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/arcana/236 Fading artwork]では、消散クリーチャーは不安定で「分解」したり、「溶解」したりして[[霊気/Æther]]の中に戻る、とされている。ただし、同記事は全ての消散カードが「油滴のようにばらばらになる」わけではない、とも注記している。
+
上記の通り、消散メカニズムに関わるカードはパララクスに関連しており、油滴のようにばらばらになるイラストが描かれている。しかし、[https://web.archive.org/web/20090929085317/http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/arcana/236 Fading artwork(Internet Archive)]では、消散クリーチャーは不安定で「分解」したり、「溶解」したりして[[霊気/Aether]]の中に戻る、とされているものの、全ての消散カードが「油滴のようにばらばらになる」わけではない、とも注記している。
 +
 
 +
;パララクスの影響がイラストに見られない消散カード
 +
:[[古代のハイドラ/Ancient Hydra]]、[[雲間を泳ぐもの/Cloudskate]]、[[錆びゆくゴーレム/Rusting Golem]]、[[はじける子嚢/Saproling Burst]]、[[からみつく鉄線/Tangle Wire]]
  
 
===パララクスと次元転移===
 
===パララクスと次元転移===
[[ネメシス]]の時代設定は[[ラースの被覆/Rathi Overlay]]を間近に控えた時期にあたる。この次元被覆でラースの大地や生き物は次元を越えて[[ドミナリア/Dominaria]]に突然出現したり、次元の狭間に消失している。
+
パララクスはラースの被覆と関連があり、[[ネメシス]]の時代設定はその実行を間近に控えた時期にあたる。この次元被覆でラースの大地や生き物は次元を越えて[[ドミナリア/Dominaria]]に突然出現したり、次元の狭間に消失したりしている。
  
 
また、パララクス本来の意味は「2つの観測点での見え方の違い」であるが、ラースの被覆が2つの次元を1つに重ね合わせる目的であることから、マジックにおけるパララクス(視差)はドミナリアとラースを観測点に見立て、それらの見え方を同じにする意味合いが込められているとも読める。
 
また、パララクス本来の意味は「2つの観測点での見え方の違い」であるが、ラースの被覆が2つの次元を1つに重ね合わせる目的であることから、マジックにおけるパララクス(視差)はドミナリアとラースを観測点に見立て、それらの見え方を同じにする意味合いが込められているとも読める。
  
つまり、パララクスは次元転移そのもの、あるいはそれに伴って発生した現象と考えられる。他のカードセットの設定を考慮すると、パララクスで消えたものは[[プレーンシフト]]でドミナリアに転移したり、未来の[[時のらせんブロック]]時代にシャドー世界や時の裂け目から出現している可能性はある。
+
つまり、パララクスは次元転移そのもの、あるいはそれに伴って発生した現象と考えられる。他のカードセットの設定を考慮すると、パララクスで消えたものは[[プレーンシフト]]でドミナリアに転移したり、未来の[[時のらせんブロック]]時代にシャドー世界や[[時の裂け目/Rift]]から出現している可能性はある。
  
 
*日本では、パララクスと次元転移を関連付けた考え方は珍しくない。ラースの被覆は俗に「[[パララクス計画]]」と呼ばれることもある。
 
*日本では、パララクスと次元転移を関連付けた考え方は珍しくない。ラースの被覆は俗に「[[パララクス計画]]」と呼ばれることもある。
  
 
==ゲーム上の特徴==
 
==ゲーム上の特徴==
パララクスを名前に冠するカードは全て[[消散]]に関係している。
+
パララクスを名前に冠するカードは全て[[消散]]に関係している。一時的に[[戦場]]や[[手札]]から[[追放]]する効果が特徴の1つ。[[カード名]]にパララクスの語句があるなしに係わらず、消散カードは短命な代わりに[[マナ・コスト]]に比べて強力である。(→詳細は[[消散]]参照)
 +
 
 +
==余談==
 +
*[[機械兵団の進軍]]までの[[新ファイレクシア/New Phyrexia]]に関わる一連のストーリーは、構想段階では「パララクス編/the Parallax Arc」と呼ばれていた<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/wilds-story-part-1 Wilds Story, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037147/ 『森』の話 その1]([[Making Magic]] [[2023年]]8月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
  
 
==登場==
 
==登場==
 
===登場カード===
 
===登場カード===
 
;[[ネメシス]]
 
;[[ネメシス]]
:[[パララクスの狂気/Parallax Dementia]]、[[パララクス抑制装置/Parallax Inhibitor]]、[[パララクスのきずな/Parallax Nexus]]、[[パララクスの潮流/Parallax Tide]]、[[パララクスの波/Parallax Wave]]
+
:[[パララクスの狂気/Parallax Dementia]]、[[パララクス抑制装置/Parallax Inhibitor]]、[[パララクスのきずな/Parallax Nexus]]、[[パララクスの潮流/Parallax Tide]]、[[パララクスの波/Parallax Wave]]、その他の[[消散]]カード(→[[#パララクスと消散]]参照)
 
+
===登場作品===
+
*[http://www.wizards.com/magic/expert/nemesis/story2.html ネメシスストーリー](掌編)
+
  
 +
===登場作品・登場記事===
 +
*[https://web.archive.org/web/20040628113840/http://www.wizards.com/magic/expert/nemesis/story2.html ネメシスストーリー(Internet Archive)](掌編)
 +
*[https://web.archive.org/web/20000524044848/http://www.wizards.com/magic/generic/storyline/Feb23_NM.doc Special: The Magic Storyline Team Discusses Nemesis(Internet Archive,ドキュメントファイル)](2000/2/23。[[Danneen McDermott]], [[Jess Lebow]], [[Scott McGough]]が参加してのネメシス・ストーリーに関する議論ログ)
 +
==脚注==
 +
<references />
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[ネメシス]]
 
*[[ネメシス]]
 
*[[ラース/Rath]]
 
*[[ラース/Rath]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]

2023年8月17日 (木) 20:53時点における最新版

パララクス/Parallaxネメシスラース/Rathの現象で、カード名にパララクスと冠したカードが存在する。

  • 一般語の"Parallax"とは日本語で「視差」とも言い、もともとはカメラやレンズなどの現象を指す言葉で「見る位置によって見え方や形状が変化する」事を意味しカメラマンや天体観測者がよく使う言葉(→Wikipediaの記事参照)。

目次

[編集] 概要

パララクスは物質が溶解し分散するエネルギー現象で、消えた物質は戻ってくることもある。ラースの被覆/Rathi Overlayと関係があり、消散メカニズムはパララクス効果(the Parallax effect)を表現している(→Special: The Magic Storyline Team Discusses Nemesis参照)。

掌編ネメシスストーリーによると、パララクスは発光と低い振動音を伴って発生し、目もくらむばかりの輝きと波となって広がり周囲を飲み込む。パララクスに巻き込まれた固形物は軟化して溶け合うと、散り散りばらばらになる。まるで井戸の底で油瓶の蓋を開けたように、軟らかい油滴の集まり同然となってふわふわと宙を漂い、最後には何も残らない。ラースの住人はパララクスを恐れていて巻き込まれないように一目散に逃げ出す。

パララクス自体は潮流(tide)波動(wave)連鎖・中心(nexus)としてカード化されている。パララクスの影響をクリーチャー個体レベルで描いたものはパララクスの狂気/Parallax Dementiaを初めとした消散カードである(→#パララクスと消散参照)。

パララクスは機械による抑制が可能である(→パララクス抑制装置/Parallax Inhibitor#ストーリー参照)。

[編集] パララクスと消散

上記の通り、消散メカニズムに関わるカードはパララクスに関連しており、油滴のようにばらばらになるイラストが描かれている。しかし、Fading artwork(Internet Archive)では、消散クリーチャーは不安定で「分解」したり、「溶解」したりして霊気/Aetherの中に戻る、とされているものの、全ての消散カードが「油滴のようにばらばらになる」わけではない、とも注記している。

パララクスの影響がイラストに見られない消散カード
古代のハイドラ/Ancient Hydra雲間を泳ぐもの/Cloudskate錆びゆくゴーレム/Rusting Golemはじける子嚢/Saproling Burstからみつく鉄線/Tangle Wire

[編集] パララクスと次元転移

パララクスはラースの被覆と関連があり、ネメシスの時代設定はその実行を間近に控えた時期にあたる。この次元被覆でラースの大地や生き物は次元を越えてドミナリア/Dominariaに突然出現したり、次元の狭間に消失したりしている。

また、パララクス本来の意味は「2つの観測点での見え方の違い」であるが、ラースの被覆が2つの次元を1つに重ね合わせる目的であることから、マジックにおけるパララクス(視差)はドミナリアとラースを観測点に見立て、それらの見え方を同じにする意味合いが込められているとも読める。

つまり、パララクスは次元転移そのもの、あるいはそれに伴って発生した現象と考えられる。他のカードセットの設定を考慮すると、パララクスで消えたものはプレーンシフトでドミナリアに転移したり、未来の時のらせんブロック時代にシャドー世界や時の裂け目/Riftから出現している可能性はある。

  • 日本では、パララクスと次元転移を関連付けた考え方は珍しくない。ラースの被覆は俗に「パララクス計画」と呼ばれることもある。

[編集] ゲーム上の特徴

パララクスを名前に冠するカードは全て消散に関係している。一時的に戦場手札から追放する効果が特徴の1つ。カード名にパララクスの語句があるなしに係わらず、消散カードは短命な代わりにマナ・コストに比べて強力である。(→詳細は消散参照)

[編集] 余談

[編集] 登場

[編集] 登場カード

ネメシス
パララクスの狂気/Parallax Dementiaパララクス抑制装置/Parallax Inhibitorパララクスのきずな/Parallax Nexusパララクスの潮流/Parallax Tideパララクスの波/Parallax Wave、その他の消散カード(→#パララクスと消散参照)

[編集] 登場作品・登場記事

[編集] 脚注

  1. Wilds Story, Part 1/『森』の話 その1Making Magic 2023年8月15日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

QR Code.gif