クラークの親指/Krark's Thumb

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
 
 
(24人の利用者による、間の32版が非表示)
1行: 1行:
 
{{#card:Krark's Thumb}}
 
{{#card:Krark's Thumb}}
  
[[コイン投げ]][[デッキ]]必携の[[伝説のアーティファクト]]。[[ミラディン・ブロック]]らしく、「コイン投げの勝率は50%」というルールを破壊する。
+
[[コイン投げ]][[デッキ]]必携の[[伝説のアーティファクト]]。[[ミラディン・ブロック]]に数多く見られる[[総合ルール|ルール]]破壊系カードの一つで、「コイン投げの勝率は50%」というルールを破壊する。
2[[軽い|マナ]]と[[軽く]]、しかるべくつくられたデッキではとても強い。
+
  
ただし、実用的なコイン投げデッキなんかそもそもないとかいうのは公然の秘密だ。
+
2[[マナ]]と[[軽い]]ため、特化したデッキならば強力。同時期に出た[[焦熱の計画/Fiery Gambit]]をはじめ、[[魔力の墓所/Mana Crypt]]、[[カープルーザンのミノタウルス/Karplusan Minotaur]]などコインを用いた強力な[[カード]]もある。
  
*[[魔力激突/Mana Clash]]で[[1ターンキル]]する確率は、(3/4)^30オーダーである。("^"は累乗記号)
+
しかし、このカード単体では何もできない点、何より実用的なコイン投げデッキなんかそもそもないという点から、まともなデッキでの出番はない。主に[[Johnny, Combo Player|ジョニー]]やら[[カジュアルプレイ]]向けのカードである。
*同時期に出た[[焦熱の計画/Fiery Gambit]]をはじめ、[[Mana Crypt]]、[[カープルーザンのミノタウルス/Karplusan Minotaur]]など、強力なお供は結構存在する。
+
*開発部はこれが2個[[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/rb90|場]]に出たときにはコインを3枚投げ2枚を無視するようにしたかったらしいが、書式がかなりややこしくなってしまう。別に4枚投げてもかまわないような気もするが、感覚の問題だろう。→[[ミラディン開発秘話ダイジェスト]](Wizards社;英語)
+
**もしこれが2つ場にあるならば、コインを4枚投げて3枚を無視する。3つ以上の場合も同様である(1つ増えると投げる数が2倍になるので、n個場に有れば、コインを2のn乗枚だけ投げる)。
+
**あなたがこれをn個[[コントロール]]するなら、あなたの指定しなかった方の面だけが出る確率は1/2^(2^n)である。
+
つまり、2つあれば1/16(6.25%)、3つあれば1/256(≒0.4%)、4つならなんと1/65536(≒0.0015%)の確率でしかフリップに負けないことになる。
+
*[[鏡の画廊/Mirror Gallery]]を出しておき、[[クリーチャー]]化させた親指と、[[追われる足跡/Followed Footsteps]]でいくらでもコピーを作ることができる。
+
ただ、これを並べてまでコイン投げに勝ちたい、という機会もあまり無いのではないだろうか。
+
・・・[[スクイーの仕返し/Squee's Revenge]]
+
 
+
 
+
 
+
ここまで来たらせっかくなので、12個場に出してみよう。
+
 
+
10^x = y
+
両辺の常用対数をとる
+
log(10^x) = log(y)
+
x = log(y)
+
 
+
log(2^(2^12)) = 2^12 * log(2)
+
= 4096 * log(2)
+
= 1233.018...
+
ゆえに
+
10^1234 > 2^(2^12) > 10^1233
+
 
+
というわけで、12個あると、フリップに負ける確率は天文学的確率どころの話ではない(組み合わせ爆発的と呼ばれることがある)。
+
全人類(10^10人)が1秒に3回(年10^8回)コイン投げをし続けても、10^1215年かかることになる。
+
さらに、2枚投げる効果は強制であるため(1回につき4096枚投げる事になるので)[[無限ループ]]でも無いのにゲームが止まる。
+
 
+
よくわからない人は、これだけ覚えておこう。やたらに出すな、と。
+
  
 +
*対戦相手がコインを投げる場合は影響しない点に注意。→[[魔力激突/Mana Clash]]
 +
*[[開発部]]はこれを2つ[[コントロール]]しているときにはコインを3枚投げ2枚を無視するようにしたかったらしいが、書式がかなりややこしくなってしまうため、伝説のアーティファクトとして複数同時にコントロールできないようにすることでこの問題を回避した<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/post-development-digest-2003-09-26 Post-Development Digest](Wizards社;英語)</ref>。別に4枚投げてもかまわないような気もするが、感覚の問題だろう。
 +
**もしこれを2つコントロールしているならば、コインを4枚投げて3枚を無視する。3つ以上の場合も同様である(1つ増えると投げる数が2倍になるので、n個戦場に有れば、コインを2のn乗枚だけ投げる)。
 +
**あなたがこれをn個コントロールしているなら、あなたが指定しなかった方の面だけが出る確率は1/2^(2^n)である。つまり、2つあれば1/16(6.25%)、3つあれば1/256(≒0.4%)、4つならなんと1/65536(≒0.0015%)の確率でしかコイン投げに負けないことになる。
 +
***もっともあえて自分が負けるコイン投げの結果を残すこともできるので、[[狂った火猫/Crazed Firecat]]が出ていても(一度でも自分が負けるコイン投げの結果が出ていれば)任意のタイミングでコイン投げをやめられる。その後を省略(無視)することになるので[[対戦相手]]との合意が必要であるが。
 +
***伝説のアーティファクトなので、むろん単純に複数枚並べることはできない。[[鏡の画廊/Mirror Gallery]]あたりを使おう。
 +
*クラークの親指が大量に戦場に出ていると、コイントスに負ける確率は異常なまでに低くなり、天文学的確率どころの話ではない。さらに、2枚投げる[[効果]]は強制であるため(1回につき2^n枚投げる事になるので)対戦相手との合意がなければ(8個なら256回投げるハメになるので)[[無限ループ]]でも無いのに[[ゲーム]]が止まってしまう。[[Magic Online]]では時間制限による敗北が一気に近づくので大会中に使わないのが無難である。
 +
** [[Magic Online]]のバージョンアップで、一度に全てのコインを投げたあとに結果を選択するようになった。これで安心して複数枚ならべることができる。
  
 +
==関連カード==
 +
*[[クラークのもう一本の親指/Krark's Other Thumb]]
  
 
==参考==
 
==参考==
*[[偶然の出合い/Chance Encounter]]
+
<references/>
*[[Goblin Bookie]]
+
*[[クラーク/Krark]][[背景世界/ストーリー用語]]
*[[カード個別評価:ミラディンブロック]]
+
*[[カード個別評価:ミラディン]] - [[レア]]
*[[クラーク/Krark]]
+
*[[Secret Lair Drop Series/2021年#Heads I Win, Tails You Lose|Secret Lair Drop Series: Heads I Win, Tails You Lose]]

2022年9月25日 (日) 23:59時点における最新版


Krark's Thumb / クラークの親指 (2)
伝説のアーティファクト

あなたがコインを1枚投げる場合、代わりにコインを2枚投げ一方を無視する。


コイン投げデッキ必携の伝説のアーティファクトミラディン・ブロックに数多く見られるルール破壊系カードの一つで、「コイン投げの勝率は50%」というルールを破壊する。

2マナ軽いため、特化したデッキならば強力。同時期に出た焦熱の計画/Fiery Gambitをはじめ、魔力の墓所/Mana Cryptカープルーザンのミノタウルス/Karplusan Minotaurなどコインを用いた強力なカードもある。

しかし、このカード単体では何もできない点、何より実用的なコイン投げデッキなんかそもそもないという点から、まともなデッキでの出番はない。主にジョニーやらカジュアルプレイ向けのカードである。

  • 対戦相手がコインを投げる場合は影響しない点に注意。→魔力激突/Mana Clash
  • 開発部はこれを2つコントロールしているときにはコインを3枚投げ2枚を無視するようにしたかったらしいが、書式がかなりややこしくなってしまうため、伝説のアーティファクトとして複数同時にコントロールできないようにすることでこの問題を回避した[1]。別に4枚投げてもかまわないような気もするが、感覚の問題だろう。
    • もしこれを2つコントロールしているならば、コインを4枚投げて3枚を無視する。3つ以上の場合も同様である(1つ増えると投げる数が2倍になるので、n個戦場に有れば、コインを2のn乗枚だけ投げる)。
    • あなたがこれをn個コントロールしているなら、あなたが指定しなかった方の面だけが出る確率は1/2^(2^n)である。つまり、2つあれば1/16(6.25%)、3つあれば1/256(≒0.4%)、4つならなんと1/65536(≒0.0015%)の確率でしかコイン投げに負けないことになる。
      • もっともあえて自分が負けるコイン投げの結果を残すこともできるので、狂った火猫/Crazed Firecatが出ていても(一度でも自分が負けるコイン投げの結果が出ていれば)任意のタイミングでコイン投げをやめられる。その後を省略(無視)することになるので対戦相手との合意が必要であるが。
      • 伝説のアーティファクトなので、むろん単純に複数枚並べることはできない。鏡の画廊/Mirror Galleryあたりを使おう。
  • クラークの親指が大量に戦場に出ていると、コイントスに負ける確率は異常なまでに低くなり、天文学的確率どころの話ではない。さらに、2枚投げる効果は強制であるため(1回につき2^n枚投げる事になるので)対戦相手との合意がなければ(8個なら256回投げるハメになるので)無限ループでも無いのにゲームが止まってしまう。Magic Onlineでは時間制限による敗北が一気に近づくので大会中に使わないのが無難である。
    • Magic Onlineのバージョンアップで、一度に全てのコインを投げたあとに結果を選択するようになった。これで安心して複数枚ならべることができる。

[編集] 関連カード

[編集] 参考

  1. Post-Development Digest(Wizards社;英語)
QR Code.gif