未解決問題
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当wikiにおける未解決問題とは、「総合ルールによる解決ができない」とされている問題のことである。
マジックのルールは様々なケースが網羅的に掲載されている。しかしそれでも厳密に決められていない部分が往々にしてあり、それゆえの未解決問題・未定義問題がいくつか存在する。もちろん(数学のレベルで)厳密にすることは理論上可能だが、ゲーム性との兼ね合いから、直感と反する部分がなるべく少なくなるよう妥協する必要もある。これら未解決問題を巧く回避しつつ、直感的に理解しやすいルールを作ったり、根拠となる部分を提示して今後の論争を防ぐため、ルール・グルたちは日々議論を続けている。
未解決問題とは、JNRや他のNetRep級の人が答えるのに困るような問題、とも言えるだろう。トーナメントでの取り扱いは、ヘッド・ジャッジの裁定にすべて従うことになるので、ゲームが進行できなくなる等の支障はない。とはいえ、未解決問題を使ったデッキはヘッド・ジャッジの裁量いかんにかかっているので、(もし使えたとしても)使わないほうがよいだろう。
- たとえば魂剥ぎ/Soulflayerとイクスリッドの看守/Yixlid Jailerの相互作用については、当時のレベル2ジャッジであるNathan Long氏による回答が揺れ[1]、しかもその後にさらに別の裁定が下されるという混乱を招いていた。そのためこの2枚は「挙動がその日のジャッジ次第なので安定しない」ということで、裁定が固まるまで少しばかり使いづらい状態が続いていた。
- 実戦で起きることはまずないだろうが、数学上の問題をマジックの世界に持ち込むケースも存在する。一例としてすべてを疑う者、ジモーン/Zimone, All-Questioningの挙動として双子素数やゴールドバッハの予想という数学上の未解決問題がかかわるため挙動が確定できないケースがあるが[2][3]、この場合も(数学的な成否にかかわらず)ヘッド・ジャッジの裁量にて処理される。
ただしマジックのデザインは言ってしまえばルールの破壊の歴史であり、かつこれだけカードが多いとやむをえないことではある。そして多くの未解決問題となりうる懸念はリリース・ノートで事前に裁定が出され、もしその後に問題が起きてもほとんどの場合は迅速に対応される(過去の未解決問題(解決済み)の部分でさえ一例である)。
2026年9月現在の未解決問題
[編集]- 無限ループの厳密な定義は確定していない。
- これについては「停止性問題」「ゲーテルの不完全性定理」といった、数学の非常に難解な部分に踏み込んでしまうため、マジックの総合ルールで解決できる範疇を超えてしまっている。
- Magic OnlineやMagic: The Gathering Arenaでは同一の処理が一定回数続いた場合、「強制的に停止してゲームを続行する」「ゲームを引き分けにして終了する」などの処理がとられている。時期によってはこれらの仕様を「悪用」して引き分けを狙う行為も目立ったため、それを防ぐべくあえて厳密に定義しないという判断もあるのだろう。 →人質取り/Hostage Taker
- 人骨調和奏者、ズー・イフィット/Xu-Ifit, Osteoharmonistによって戦場に出すクリーチャー・カードが持つ、貪食などの「戦場に出る際」能力は機能しないとリリースノート[4]に記載されている。だが、戦場に出る際の置換効果を適用するためのパーマネントが戦場に出た後の特性を考慮する際、戦場に出ると同時に適用が開始される継続的効果(CR:611.2e)は考慮されないので総合ルールと矛盾している(CR:614.12)[5]。
- 光の腹心/Enlightened Confidantおよび遵守の冷気、チャンドラ/Chandra, Chill of Complianceの諜報したカードを手札に加える能力は、オラクルではIf you put a card…, put that card…と記されているが、諜報強化/Enhanced Surveillanceで墓地に置く枚数を2枚以上にした場合、それら全てを手札に加えられるか否かが不明瞭である。
- 類似事例である「単一のカードを切削し、そのカード「1枚」(“a” card)に何らかの処理を行う効果(力線の探知機/Leyline Dowser)」と「切削の枚数を増やす置換効果(文飾衒才のブルバック/Bruvac the Grandiloquent等)」の場合、影響を受けるカード1枚をコントローラーが選ぶことが総合ルールで定められている(CR701.17d [6])。「その/the」カードに何らかの処理を行う場合は切削されたすべてのカードに行う。「その/that」カードを唱えたりプレイすることをプレイヤーに許可している場合は切削されたそれぞれのカードについて許可される。一方、諜報ではそのような規定は明文化されていない。
- 別の類似事例として、関連している能力によって追放されたカードを参照する際に、その追放されたカードが複数存在する場合(たとえば追放する能力がコピーされた場合など)、「その/the」追放されたカードに対する処理はそれぞれのカードに適用され、追放されたカード「1枚/a」に対する処理はその能力のコントローラーが選択した1枚のみに影響する(CR607.3 [6])。
過去の未解決問題(解決済み)
[編集]- 1ゲーム目に2人以上のプレイヤーが相棒に指定したカードを公開する際の順番。開始プレイヤー(先攻/後攻)を決定する前に公開するルールだったため、APNAP順を適用できず、どのプレイヤーから公開するのかが未定義となっていた。
- 排他の儀式/Exclusion Ritualやイクサランの束縛/Ixalan's Bindingの1番目の能力で追放した永遠の災い魔/Eternal Scourge、霧虚ろのグリフィン/Misthollow Griffin、不死身、スクイー/Squee, the Immortalなどを唱えるために追放領域からスタックに移動させると、2番目の能力のチェック時にCR:601.2eの制約を受けるかどうか。
- 魂剥ぎ/Soulflayerの探査によりカードを追放する時点でイクスリッドの看守/Yixlid Jailerが戦場に出ていた場合の挙動が不明瞭だった。
- 野生の喚起/Wild Evocationで生命の運命/Living Destinyが公開された場合、追加コストの支払いで非公開領域である手札の情報を開示しなければならないのか問題となった。
- 2013年7月の総合ルール更新で、非公開領域にある特定の値を持つカードに関わる追加コストを持つ呪文は唱える事を強制されない事となった。(CR:118.8c)
- 三なる宝球/Trinisphereが戦場にある場合のファイレクシア・マナ・シンボルを含む呪文のコストの支払い。ファイレクシア・マナの支払いに2点ライフを選んだことでライフ以外で支払うマナが2マナ以下になった場合、三なる宝球の効果で3マナ支払う必要があるかどうかが不明瞭であった。
- 続唱によってマナ・コストを支払わずに苦悶の結合/Bond of Agonyを唱えた場合のXの扱い。当時の総合ルールに書かれた「適正なXの選択は0のみである」の定義外であったため、追加コストでXに好きな値(X=19など)を選べるかどうか議論となった。
- 自身の能力によって追放されたカードを墓地に置くことを起動コストとする起動型能力を持つカード(例:道化の王笏/Jester's Scepter、虚空の大口/Void Maw)と、カードが墓地に置かれることを追放されることに置換するカード(例:虚空の力線/Leyline of the Void、ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will)との相互作用。コストとしたカードは追放領域から移動しないが、以前の“記憶”は残るのか、再び前者のカードでコストとして使えるのか、など。
- 対戦相手の棘茨の精霊/Bramble Elementalに押収/Confiscateや夢のつなぎ紐/Dream Leashをつけたときに、苗木・クリーチャー・トークンはどちらの側に出るのか明確でなかった。
- 押収/Confiscateや夢のつなぎ紐/Dream Leashを唱えた(新たなコントローラー)側でトークンが出る、という裁定になった。
- 血染めの月/Blood Moonとタップインの土地との相互作用が明確になっていなかった。
- クリーチャー化すると同時に能力を与える効果(かつては全体が第4種)が重複したとき、その能力が重複するかどうかが明確になっていないと思われていた(この問題は日本以外ではとくに問題になっていなかったようだ)。
- どんな場合でも複数回能力を得た場合はその数だけ能力は重複することが確認された。
- 例:野の源獣/Genju of the Fieldsの能力を複数回起動すると、複数の誘発型能力を持つ。
- 現在では、第4種の例外扱いが廃止されているので、この手の問題は生じ得ない。
- どんな場合でも複数回能力を得た場合はその数だけ能力は重複することが確認された。
- 機械の行進/March of the Machinesがあるとき、元々クリーチャーでない烈日持ち(五元のプリズム/Pentad Prism等)はどちらのカウンターを乗せて戦場に出るのか明確でなかった。
- 2018年10月にタイプ変更効果は考慮しないことに変更され、蓄積カウンターが置かれて戦場に出ることとなった。
- 2005年10月時点での烈日の定義では、+1/+1カウンターが置かれて戦場に出ていた。
- 不死の標/Beacon of Immortalityでマイナスのライフを2倍にしたときの値は決定されていなかった。
- 足し算引き算のみではなく、2倍にするときもマイナスのまま数値を用いることになった。CR:107.1bに基づいて処理される。
- 融合する武具/Grafted Wargearを装備したクリーチャーがクリーチャーでなくなった場合、印刷時のテキストでの相互作用が不明確だった。
- 2004年6月裁定で、パーマネントからはずれることが誘発条件と変更され解決した。
- 烈日とコピー効果の相互作用に関する問題。
- 2004年6月裁定で、コピーにも烈日が適用可能とされ解決した。
- 映し身人形/Duplicantを使うことで、複数のパワー・タフネスを持つクリーチャーを実現可能だった。
- 水銀の精霊/Quicksilver Elementalと詐欺の壁/Wall of Deceitの相互作用による、水銀の精霊が裏向きになったときの挙動が未定義だったことがある。
脚注
[編集]- ↑ EDH, Delve, Soulflayer and Yixlid Jailer.(magicjudges.org 2015年1月14日)
- ↑ MtG的な数学(note 2024年9月20日)
- ↑ Deal infinite damage for 4GRU, as long as the twin primes conjecture is true.(reddit 2024年9月12日)
- ↑ Edge of Eternities Release Notes/『久遠の終端』リリースノート(Daily MTG 2025年7月21日)
- ↑ 《戦乙女の呼び声》で戦場に出る(note 2024年11月29日)
- ↑ 6.0 6.1 2026/9/25付総合ルール、原文/翻訳
- ↑ Snarkham Asylum(当時のルール・マネージャー Matt TabackのBlog 2015年2月8日)
- ↑ Without Paying X(Webarchive 2009年6月12日)
- ↑ Unfinity Release Notes(Feature 2022年10月7日 Mark Rosewater and Jess Dunks著)