サマーマジック
提供:MTG Wiki
サマーマジック(Summer Magic)とは、すべて廃棄される予定であったリバイズド・エディションのエラー修正版(コードネーム『Edgar』)が誤って出荷された事件のことである。転じて、この事件により出荷されたカード・セットのことを指すようになった。
目次 |
[編集] 概要
リバイズド・エディションで確認されたいくつかのエラーやイラストの修正版として『Edgar』というコードネームのセット(正式名称なし)が1994年夏に発売される予定であった。しかしこのセットはリバイズド・エディション以上にエラーが多かったため、すべて廃棄される予定となっていた。ところが、手違いにより2カートン(数量には諸説あり)だけ誤って出荷されてしまったため、少数が一般に流出することとなった。流出した地域はイギリスであるとする説が有力であるが、スウェーデンなど他の地域であるとする説など、諸説ある。
この事件を「サマーマジック」と呼ぶが、転じて出荷された『Edgar』自体が『サマーマジック』と呼ばれるようになった。現在では「サマーマジック」といった場合、事件そのものよりも出荷されたセットを指すことが多い。
[編集] 収録されたカードの特徴
『サマーマジック』のカードは、収録されたカードの種類や枚数、レアリティ、デザインなど、一部を除いてリバイズド・エディションとまったく同じであるが、印刷の色調がやや濃く、カードの下部の製造年表記が「1994」と記されているため、リバイズド・エディションとの区別は容易である。
- これらの差異はアラビアンナイトからフォールン・エンパイアまでのカードレイアウトの変更の流れを汲んだ形となっており、ザ・ダークとフォールン・エンパイアの間に位置する唯一のレイアウトとなっている。
ブースターパックのデザインもリバイズド・エディションと同じであるが、カードの表裏が逆転してパックに封入されているため、透かして見ればパックを開封せずに判別することもできる(当時のパックは中身がわずかに透けて見えた)。
[編集] エラー
- ハリケーン/Hurricane:内枠が青のものになっている。ブルーハリケーンの通称で広く知られている。
- セレンディブのイフリート/Serendib Efreet:イラストが修正されたが、アーティスト名が変更されていない。
- Plateau:アーティスト名が変更されていない。
[編集] イラストの修正
宗教的な理由から邪悪なる力/Unholy Strengthと悪魔の教示者/Demonic Tutorの2種に描かれていた魔法陣が消去されている。同じイラストを持つ邪悪なる力は第4版に収録されたが、悪魔の教示者は以降のセットには収録されていないため、額の魔法陣が無い悪魔の教示者は『サマーマジック』のもののみ(他言語版のリバイズド・エディションでも修正されていない)となる。
[編集] 取引価格
『サマーマジック』のカードの絶対数は1種類につきレアで10枚程度、アンコモンで20~30枚程度と目されており、収録されたカードは非常に高額で取り引きされている。
先述のエラーカード(セレンディブのイフリート/Serendib Efreet、ブルーハリケーン)や悪魔の教示者/Demonic Tutorの価値は特に高く、各種デュアルランド、極楽鳥/Birds of Paradise、セラの天使/Serra Angel、シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon、神の怒り/Wrath of Godなどの人気の高いカードは、アルファやベータの状態のよいブラック・ロータス/Black Lotusと同等、あるいはそれ以上の値が付く(シヴ山のドラゴンは、海外では人気が高い)。
上記以外でも強力・人気カードについてはレアはもちろんのことアンコモンやコモンでも数十万円程度、あまり人気のないカードや基本土地であっても数万円程度での取引が一般的である。