ウィンター/Winter
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ウィンター/Winterはダスクモーン:戦慄の館のキャラクター。カードとしてはダスクモーン:戦慄の館の厭世的案内者、ウィンター/Winter, Misanthropic Guideおよびダスクモーン:戦慄の館統率者デッキの身勝手な日和見主義者、ウィンター/Winter, Cynical Opportunistが初出。
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解説
ダスクモーン/Duskmournに囚われた人間/Human。男性(イラスト1、イラスト2)。
辛辣で、すさんでいて、皮肉屋のウィンターは、館/The Houseの壁の中に閉じ込められてから十年以上、己の知力だけで何とか生き延びてきた。彼の最大の関心事は自分自身の生存であり、それが自分の生死を分けることになるのであれば、他者を危険に晒すことも躊躇わない。彼は苦労して得た館の知識を、誰にでも喜んで分け与える――代価を払うのなら。命も忠誠心もすべて取引可能なものであり、最終的に自分の利益となるかぎり、ウィンターは誰とでも(あるいは何とでも)喜んで取引する。この無節操さのせいで、彼は過去に様々な生存者/Survivorの集団から追い出され、自活するはめになった。辛口で皮肉的なユーモアのセンスが彼の意図を覆い隠し、誰であれ仲間になりそうな人物とは心地よい距離を保っている。
経歴
ダスクモーン:戦慄の館
パーティーを分けてはいけない/Don't Split the Party
ナシ/Nashi捜索のためダスクモーンにやってきた放浪者/The Wandererとニコ・アリス/Niko Arisは、何物かの気配を前に戦闘の構えを取ったが、後ろから強く引かれ、物陰に隠された。その男は様々な次元/Planeの言語で「静かに」と書かれた紙を見せて二人を制すると、パチンコと弾を取り出し、遠くへと打ち込んで音を鳴らし、その敵を誘導してトラバサミを踏ませた。
逃げた先で、男は二人に説明した。あれは剃刀族/Razorkinであり正面から戦うべきではないこと、自分はウィンターという名であること、そして一度この館に入ったら二度と出られないことを。
振り返ってはいけない/Don't Look Back
放浪者はウィンターにここに来た経緯を説明したが、彼はもっと楽な死に方があるぞとあざ笑うだけであった。ニコは他にも仲間がいると反論したが、それも同様に笑われた。放浪者はウィンターに刃を突きつけ、こちらの知らないことであざ笑うのはやめるよう要求し、ウィンターも渋々それに従ったものの、二人の態度が楽観的すぎるという主張は変えなかった。そもそも他にも仲間がいるということは、館に引き離されたということなのだから。
ウィンターは二人にここで生き延びるすべをいくつか教え、最後に光霊/Glimmerについて説明した。放浪者のそばに浮かぶ光り輝く精霊のことだ。それについていけば、比較的安全だと彼は言った。
諦めてはいけない/Don't Give Up
光霊に導かれた一行は、木人/Wickerfolkに捕らえられたナシと鼠人/Nezumiたちを発見した。ウィンターは友を見捨てて逃げるよう言ったが、二人は従わず、ナシたちの救出に向かった。ニコが投げた破片がナシを包み込み、放浪者の刃が檻を切り開いた。鼠人の一人から火が奴らの弱点だと聞いた放浪者は、隠れていたウィンターにナシの入った破片を託し、着火装置を受け取った。燃え上がる火を前に木人たちは退散し、戦いは終わった。
道中、ウィンターはニコに語った。ずっと前に、自分は親友と一緒に扉を抜けてここに来たが、そいつはもういないと。
屈してはいけない/Don't Give In
一行は進み続け、静寂の谷/The Valley of Serenityに到達した。ウィンターはここはヴァルガヴォスの教団/The Cult of Valgavothの本拠地であり戻った方がいいと言ったが、ナシはこっちからタミヨウ/Tamiyoの声がすると言って譲らなかった。
そして一行は教団と出くわした。彼らは戦おうとするも、不思議な力で動きが鈍り、次々と拘束されていった。ニコはウィンターを守ろうとしたが、教団員は微笑みながらウィンターの肩に手を置き、言った。君には最高の恩恵が与えられるだろうと。
死んではいけない/Don't Die
拘束された放浪者、ニコ、ナシの三人を前に、教団の信者たちをかき分けて出てきたウィンターは約束を果たすよう求めた。すると声が響き、壁と一体化した巨大な蛾のような姿が現れた――ウィンターの取引相手は教団ではなく、この館を支配するデーモン/Demon、ヴァルガヴォス/Valgavothだったのだ。ヴァルガヴォス曰く、ウィンターは遠い昔のマリーナ・ヴェンドレル/Marina Vendrell以来初めて、正しき贄を、すなわち四つの命をもって我が呼びかけに応えた者だと。それを聞いたニコは気づいた。ここにいるのは三人。すなわち、ウィンターが語った「親友」こそが最初の贄なのだ。ウィンターはそれを認め、自由のためなら何だって差し出せると言った。
ヴァルガヴォスの体に、ウィンターのための扉が開いた。ウィンターは駆け出し、だが焦りのあまり転んでしまった。そしてその瞬間、放浪者たちの仲間であるタイヴァー・ケル/Tyvar Kellとジモーン・ウォーラ/Zimone Wolaが現れ、三人を解放した。ウィンターは改めて扉へ向かったが、ニコの放った破片に閉じ込められてしまった。そして最後の仲間である漆月魁渡/Kaito Shizukiがヴァルガヴォスの肉体を切り裂いて現れ、一行は人工的な領界路/Omenpathを通ってダスクモーンから脱出した。
残されたのは深く傷ついたヴァルガヴォスと、破片から解放されたウィンターだけとなった。ヴァルガヴォスは触手を伸ばし、ウィンターは逃げようとしたが間に合わなかった。哀れに吊り下げられたウィンターにヴァルガヴォスは告げた。
「お前には自由を約束した。自由を与えよう。ある種の自由を。」
そしてヴァルガヴォスはウィンターごと天井に溶け込み、館は静まり返った。
登場
登場カード
カード名に登場
フレイバー・テキストに登場
- ダスクモーン:戦慄の館
- 忍び寄る覗き見/Creeping Peeper、ヴァルガヴォスの崇拝者/Valgavoth's Faithful、裏切り者の駆け引き/Betrayer's Bargain、真夜中の騒乱/Midnight Mayhem、邪悪なシャンデリア/Malevolent Chandelier
- ダスクモーン:戦慄の館統率者デッキ
- 破滅の氾濫/Deluge of Doom
イラストに登場
- ダスクモーン:戦慄の館
- ウィンターの介入/Winter's Intervention、裏切り者の駆け引き/Betrayer's Bargain
- ダスクモーン:戦慄の館統率者デッキ
- 我が戦士こそ至高/My Champion Stands Supreme
登場作品・登場記事
- Duskmourn: House of Horror | Episode 2: Don't Split the Party/第2話 パーティーを分けてはいけない(Daily MTG 2024年8月21日 Mira Grant著)
- Duskmourn: House of Horror | Episode 3: Don't Look Back/第3話 振り返ってはいけない(Daily MTG 2024年8月22日 Mira Grant著)
- Duskmourn: House of Horror | Episode 4: Don't Give Up/第4話 諦めてはいけない(Daily MTG 2024年8月26日 Mira Grant著)
- Duskmourn: House of Horror | Episode 5: Don't Give In/第5話 屈してはいけない(Daily MTG 2024年8月28日 Mira Grant著)
- Duskmourn: House of Horror | Episode 6: Don't Die/第6話 死んではいけない(Daily MTG 2024年8月30日 Mira Grant著)
- The Legends of Duskmourn: House of Horror/『ダスクモーン:戦慄の館』の伝説たち(Daily MTG 2024年9月19日 Emily Teng著)