オルテカ/Oltec
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オルテカ/Oltecは、イクサラン/Ixalanに存在する人間/Humanの民族。
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概要
イクサラン次元内部にある空洞、中心核/The Coreに暮らす民族。太陽と瞳を組み合わせた紋章をシンボルマークとしている。
現在の太陽帝国/The Sun Empireの源流にあたる集団である。長らく外界との交流を絶っていたが、オラーズカ/Orazca地下の扉が開かれたことで太陽帝国に発見された。
歴史
暗夜戦争/The Night War
オルテカは中心核の太陽、チミル/Chmilを何千年も崇めていた[1]。しかしある時、巨人/Giantの侵略者(現代ではコインの帝国/The Coin Empireと呼ばれる。フォモーリ/Fomoriであるとも推測される[2])が現れチミルを金属の殻で覆い隠した。暗夜戦争/The Night Warと呼ばれるこの戦いは、アクロゾズ/Aclazotzの裏切りもあり中心核に十六の大周期(=320年)に及ぶ暗黒をもたらしたが、最終的に殻は千の月へと砕かれ、中心核は光を取り戻した。
中心核の閉鎖
古代のオルテカには、中心核の外に広がる洞窟トピジエロ/Topizieloへの探索へ向かった者もいた。彼らはコモン・ウィナク/The Komon Winaqと呼ばれ、中心核との交流を続けていた。しかしある時、彼らは他者を感染させ傀儡にする菌類、帝王マイコイド/The Mycotyrantと遭遇した。深き神々はマイコイドから中心核を守るためにトピジエロへ繋がる扉、マツァラントリ/Matzalantliを閉ざした。こうして何世紀もの間、オルテカは外界から隔絶されることとなった。
また、この時中心核へ帰れなくなったコモン・ウィナク達が地表に進出したものが、現在の太陽帝国の祖先である。
太陽帝国との接触(イクサラン:失われし洞窟)
太陽帝国、薄暮の軍団/The Legion of Dusk、川守り/The River Heraldsは閉ざされたマツァラントリを発見し、アブエロの残響によってその封印は解かれた。こうして、地上の勢力はオルテカの存在を知ることとなった。
だが薄暮の軍団のヴィト/Vitoは暗夜戦争で幽閉されていたアクロゾズを解放し、地上へと導こうとする。さらに鉄面連合/The Brazen Coalitionの海賊がマツァラントリへ逃げ込んだことで、彼らを追ってきた帝王マイコイドの襲撃も受ける。マイコイドは焼き払われたが、アクロゾズは地上へと脱出を果たしてしまう。
アクロゾズやマイコイドといった脅威は、もはや閉じこもるだけでは解決できない。そう悟ったオルテカの上層部は、太陽帝国へ戦力を貸すことを決定するのであった。
地理
- 中心核/The Core - オルテカの暮らすイクサラン次元内部の空洞。パイルリー/Pyruleaのような内向きの球体構造になっている。その直径22kmの壁面全体にオルテカの文明が広がっている[3]。
- チミル/Chmil - 中心核の中央に浮かぶ太陽。太陽帝国における三相一体の太陽/The Threefold Sun信仰の由来であることが示唆されている。
- トピジエロ/Topizielo - 中心核の外に存在する洞窟。
- オテクラン/Oteclan - オルテカの首都で、様々な衛星都市を取り込んでいる[4]。
- 居留地の末端/Colony's End - とある山にある半円状の遺跡。かつてチミルの光を消した「入植者」の遺したものとされる。立ち入りは禁止されている。
文化
コズミューム
コズミューム/Cosmiumは中心核で見られるピンク色の鉱物であり、チミルの力の本質が実体化したものとされる。チミルの周囲に浮かぶ砕けた殻「コズミューム礁/The cosmium reef」から採取され、この場所からコズミュームを持ち帰ることがオルテカにおける成人の儀式である。
コズミュームは武器や鎧などの装備に用いられるほか、刺青にしてもその力を引き出すことができる[5]。その加工技術を知るのはオルテカのみである。
兵力
オルテカは千の月/The Thousand Moonsという軍隊を保有している(その名はチミルの周囲に浮かぶ千の月から取られたものと思われる)。彼らは十人の部隊を一単位として戦いに赴く。「十番目の月」は士官を、「百番目の月」は隊長を、そして「千番目の月」は総司令官アニム・パカル/Anim Pakalを示している[6]。彼らは歩兵だけでなく、巨大なコウモリに騎乗する飛行騎兵も存在する。
また、庭師/The gardenersと呼ばれる対帝王マイコイド用の組織も存在する。彼らは人間と残響/Echoによる混成部隊であり、人間はコズミュームの光で、残響は菌類のみに感染する病でマイコイドを殲滅する。
そのほか、ゴーレムやノームといった機械人形も兵力として用いている。
神
オルテカは地上の勢力とは異なり、独自の深き神々(深淵の神々)/The Deep Godsを信仰している。オヘル・タク/Ojel Taq、オヘル・パクパテク/Ojer Pakpatiq、オヘル・アショニル/Ojer Axonil、オヘル・カスレム/Ojer Kaslemの四柱である。このうち、アショニルは炎と嵐の神であることが明らかになっている。
かつてはもう一柱の神が存在したが、アクロゾズ/Aclazotzにその座を簒奪され古のもの/The Ancient Oneと成り果てた[7]。そのアクロゾズもかつて民を裏切ったことで大逆者とみなされており、異端者たるコズミューム喰らい/Cosmium Eaterを除き彼を信奉する者はいない。
キープ
キープ/The Khipuはオルテカが用いる紐であり、結び目紐とビーズで飾られたベルト状のものである。鍵などを留めておくために使用される。
重要人物
- アカル・パカル/Akal Pakal - オテクランを治める人間の執政。巨大な黄金の頭飾りが特徴的。
- アニム・パカル/Anim Pakal - 千の月の総司令官である人間。アカルの妹。
- アブエロ/Abuelo - オルテカ人の残響。帝王マイコイドの脅威を中心核に伝えにいく最中で命を落としたが、クイントリウス・カンド/Quintorius Kandにより残響として復活した。
登場
カード名に登場
フレイバー・テキストに登場
- イクサラン:失われし洞窟
- コズミュームの窯/Cosmium Kiln、コズミューム破/Cosmium Blast、不屈の解体者/Dauntless Dismantler、解体ハンマー/Deconstruction Hammer、オキネク・アハウの特使/Envoy of Okinec Ahau、文明の神殿/Temple of Civilization、オテクランの浮揚標/Oterclan Leviator、編まれた結縄/Braided Quipu、残響の議会/Council of Echoes、説教好きな残響/Didact Echo、啓蒙の神座/Locus of Enlightenment、死者の神殿/Temple of the Dead、熱足のノーム/Hotfoot Gnome、力の神殿/Temple of Power、太陽撃ちの民兵/Sunshot Militia、日を浴びるカピバラ/Basking Capybara、カスレムの徘徊者/Kaslem's Strider、豊作の神殿/Temple of Cultivation、好戦的な槌頭/Pugnacious Hammerskull、圧倒的巨体/Staggering Size、地図作りの相棒/Cartographer's Companion、中心核/The Core
- イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ
- 恐竜の卵/Dinosaur Egg、天頂観測所/Apex Observatory、遥か見/Farseek、断崖の避難所/Clifftop Retreat
- イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ(宝の山ボックストッパー)
- 秘儀の印鑑/Arcane Signet、探検の地図/Expedition Map、摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone
登場記事・登場作品
イクサラン:失われし洞窟
- The Lost Caverns of Ixalan | Episode 1/メインストーリー第1話(Magic Story 2023年10月20日 Valerie Valdes著) - オルテカの歴史が詩として登場
- The Lost Caverns of Ixalan | Episode 4/メインストーリー第4話(Magic Story 2023年10月20日 Valerie Valdes著)
- The Lost Caverns of Ixalan | Episode 5/メインストーリー第5話(Magic Story 2023年10月20日 Valerie Valdes著)
- The Lost Caverns of Ixalan | Episode 6/メインストーリー第6話(Magic Story 2023年10月20日 Valerie Valdes著)
- Story Spotlight Cards for The Lost Caverns of Ixalan/『イクサラン:失われし洞窟』注目のストーリー・カード(Daily MTG 2023年11月2日 Clayton Kroh)
その他
- 名前の由来はかつてメソアメリカに存在した文明、オルメカ/Olmecaであると思われる。
- 現実世界におけるキープとは、インカ帝国で用いられた紐によって数を記述する手法である。その語源は「結び目」を意味するとされる。
- 現実世界のキープの綴りはインカ帝国におけるKhipuとスペイン語表記のQuipuの二種類が存在する。後者は編まれた結縄/Braided Quipuのカード名で結縄(けつじょう)と訳されている。
- 神々の名前に用いられているオヘル/Ojelとは、現実世界ではキチェ語で「祖先」や「古代」などの概念を表す言葉である[3]。作中のオルテカにとって、この言葉は神性を表している(裏切者のアクロゾズに用いられていないのはこのためと考えられる)。
脚注
- ↑ The Preview Panel at MagicCon: Las Vegas 2023(Youtube - MTG公式チャンネル 2023年9月23日)
- ↑ 地図作りの相棒/Cartographer's Companionのフレイバー・テキスト
- ↑ 3.0 3.1 LCI MtG Discord Q&A - Worldbuilding The Lost Caverns of Ixalan(Reddit - r/mtgvorthos 2023年11月9日) - Ovidio CartagenaとMiguel Lopezへの質疑応答の文字起こし
- ↑ 断崖の避難所/Clifftop Retreat(イクサラン:失われし洞窟統率者デッキ)のフレイバー・テキスト
- ↑ コズミューム破/Cosmium Blastのフレイバー・テキスト
- ↑ 千の月の撃ち手/Thousand Moons Crackshotのフレイバー・テキスト
- ↑ @ChrisKMooney(X/Twitter 2023年11月3日 Chris Mooney)