メーレン/Meren

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メーレン/Merenは統率者2015のキャラクター。カードとしては統率者2015のネル・トース族のメーレン/Meren of Clan Nel Tothが初出。

[編集] 解説

アラーラ/Alaraに住む人間の屍術師/Necromancer。女性（イラスト）。

元はジャンド/Jundのネル・トース族/Clan Nel Tothの一員であり、血肉を対価として生命の脈動と繋がり、エレメンタルを召喚・使役する生命魔術/Life magicを学ぶシャーマン見習いであった。しかし5つの断片/Shardの衝合/Confluxによるグリクシス/Grixisとの接触は、彼女の運命を大きく変えてしまった。メーレンはジャンドにこれまで存在しなかった「屍術師」であると同時に、緑マナの欠けたグリクシスにはこれまで存在しなかった「生への理解を有する屍術師」でもある。グリクシスの屍術師が単に死体を動かすことしかできないのに対し、彼女は死者を、生前の知識や技術を持つ存在として「生き返らせる」ことができる。

メーレンの主な武器は、触れた者の命を奪う頭蓋骨状の緑の炎の魔術と、屍術で蘇らせたゾンビの軍勢である。彼女は死そのものから力を引き出しているため、ゾンビたちは倒されてもすぐさま立ち上がり、再び戦いに加わる。中でもジャンドの地より蘇らせたドラゴンのゾンビたちは彼女の強力な武器となっている。

[編集] 経歴

[編集] ジャンドの全ての石塚が/All the Cairns of Jund

12歳のメーレンは、ネル・トースの円環/The Circle of Nel Tothの者たちが見守る中、シャーマンの試練に挑むこととなった。それは感覚を鋭敏にする夢炎の水薬/The Dreamfire Draughtの力を借りて、エレメンタルを束縛するというものだった。夢炎の水薬は効能の対価として服用者の肉体を蝕むものであり、この試練で命を落とす者も少なくない。メーレンは自分の力に自信が持てなかったが、円環の一人、メーレンの師のケイル/Kaelは彼女の力を信じていた。

メーレンは水薬を飲み、身体が焼けるような痛みに苦悶しながらも、目の前の岩石のエレメンタルと交信すべく、マナの触手を伸ばした。だがそれが触れるやいなや、エレメンタルは怒り狂い、暴れ出した。彼女は束縛の魔術を次々に試したが、それはどれも未熟で、効果を成さなかった。彼女は必死で生命の脈動との繋がりを求め、そして見つけた――生命の脈動以外のすべての空間を満たす、静寂、暗黒、無限の虚空を。彼女は無我夢中でそれを引き寄せた。メーレンが放った緑の炎は、エレメンタルの生命そのものを喰らい、滅ぼした。彼女は気を失った。

意識を取り戻したメーレンは、2人のシャーマンが自分に杖を突きつけていることに気づき、困惑した。円環の者たちが議論する声が聞こえた。彼女は素質あるシャーマンなのか、それとも異常な魔術を振るう危険な存在なのか。ケイルの意見は後者だった。彼は今すぐメーレンの命を絶つべきだと主張し、自ら手を下すべく進み出た。メーレンは自分が泣いていることに気づいた。だが年長のシャーマンが彼に反対した。試練は薬に打ち勝つか、薬に敗北したときにのみ終わる。その伝統を破るべきではない。それにケイルが手を汚さずとも、彼女の命はもう長くないだろう。円環の者たちはその意見に同意し、その場を去った。「死んでくれ、メーレン。静かに、独りで、死んでくれ」。そう言い残し、ケイルも去った。

メーレンは死ななかった。彼女は静寂と暗黒の空間から魔力を引き出し、傷ついた肉体を癒し、体内の水薬を鎮めた。あれほど求めていた生命の脈動は、今や甘美な静寂を邪魔する不協和音にしか感じられなかった。彼女はその暗黒が呼ぶ方へ歩き続け、数年の旅路の果てに、グリクシスと呼ばれる地に辿り着いた。彼女はグリクシスで屍術師の技を学び、数年の後、ジャンドに帰還した――自分の死を願った者たちへの復讐のために。

メーレンはネル・トースの戦士やシャーマンを殺し、彼らのゾンビに円環の者たちを襲わせた。狂乱の中、彼女は一人の男を探していた。だが彼は――ケイルは――向こうから現れてくれた。ケイルが彼女を見、その顔に理解が、そして衝撃の苦痛が走る様を、彼女はじっくり味わった。ケイルが召喚した3体のエレメンタルも、彼女の切り札であるドラゴンのゾンビ、スカール・ケシュ/Skaal Keshの敵ではなかった。ケイルはスカール・ケシュの鉤爪に腹を貫かれながらも、ジャンドの食物連鎖の頂点たるドラゴンをも使役できるようになったメーレンの強さを認めた。メーレンは無表情でかつての師を見つめ、スカール・ケシュに、ケイルを喰らうよう命じた。それは速やかに実行された。

メーレンの復讐は成された。だが彼女の心が満たされることはなかった。ジャンドのすべての石塚が倒されるその日まで、この地の煩い生命の脈動がすべて甘美なる死の静寂に変わるときまで、彼女の歩みが止まることはないだろう。