ストレイファン・マウアー/Strefan Maurer
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ストレイファン・マウアー/Strefan Maurerはイニストラードを覆う影ブロック初出のキャラクター。カードとしてはイニストラード:真紅の契り統率者デッキのマウアーの太祖、ストレイファン/Strefan, Maurer Progenitorが初出。
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解説
イニストラード/Innistradの吸血鬼/Vampireの血統の一つ、マウアー/Maurer家の始祖。男性(イラスト)。
ストレイファンは、ステンシア/Stensia州の辺境の谷/Outland Valleysという僻遠の地の領主だ。何千年も前のまだ人間/Humanだった頃、ストレイファンは父親だけを敬愛していた。その父親が不慮の事故で命を落とすと、ストレイファンは不死の秘密を解き明かすことに取り憑かれるようになった。この執着はやがて、エドガー・マルコフ/Edgar Markovやオリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldarenといった、イニストラードの最初の吸血鬼となった人間たちとの協力関係へと繋がっていった。
「下位」の吸血鬼の主としての限られた権力と地位しか持たないことにストレイファンは苛立っており、領民たちを比類なき残酷さで扱う。シガルダ/Sigardaはかつて介入を試みたが、ストレイファンはその軍勢を撃退してのけた。それ以来、天使たちは彼の領地に足も翼も踏み入れていない。ストレイファンが恐れているものはただ一つだけ――古の家族の館、マウアー地所/Maurer Estateだ。父親が死んだ際に放棄されたその地所には、歪んだ恐ろしいものたちが取り憑いているのだ。
経歴
貪る家/The Devouring House
何十年にもわたってストレイファンを追い続けてきた吸血鬼ハンターのブラント/Brandtは、二年前、不意に姿を見せなくなった。そして今、ブラントは再びストレイファンの前に現れたが、まるで彼など眼中にないかのように馬に乗って走り去ってしまった。罠かもしれない、だがこれは因縁の相手を始末する絶好の機会だ。ストレイファンは後を追った。やがて馬は倒れ、ストレイファンは廃墟の中でブラントに追いついた。だがブラントは思いもかけぬ行動に出た――短剣で自らの喉を切り裂いたのだ。
ブラントから血が溢れたが、それは廃墟の床に吸い込まれるように消えてしまった。そしていつの間にかストレイファンは壁に取り囲まれ、気づけば広間の中にいた。如何なる魔法か、扉から出ようとしても元いた場所に帰るばかりで、広間の外に出ることはできなかった。さらにはブラントの死体が動き出し、ストレイファンをゆっくりと追い始めた。まるで何かが宿ったかのように。彼はこの数百年で一番の恐怖を感じた。お前は何者だと問うてもそれは奇怪な叫び声を上げるばかりだったが、やがて自らの心臓に手を突っ込み、血文字で「フラドヴォラ/Hladvora」と名乗った。とうとうそれはストレイファンに追いついたが、今度は突然動かなくなった。
広間の壁に扉が現れ、ストレイファンはその先へ進むよりほかになかった。すると奥の壁紙が凝集して顔を作り、挨拶した――ストレイファンの母の声で。壁から現れた「母」に追い回されたストレイファンは、何とか新たな扉をくぐり、父の書斎に、さらには自分が子供だったときの寝室に辿り着いた。ベッドにはかつて自らが横たえた、父の死体があった。部屋も父も偽物に違いない、ストレイファンは自分にそう言い聞かせた。そして今度は、その「父」が動き出した。
ストレイファンはついに悟った。この廃墟は偽物でも幻覚でもなく、自分と家族が住んでいた館そのものなのだと。衛兵として置いていた双子は喰らわれてしまったのだろうか?彼は「父」に魅了されたふりをして近づき、泣きながらその皮膚を引き裂いて、何とも形容しがたい異形の怪物の姿を露わにした。必死の格闘の末、「フラドヴォラ」はストレイファンの手の中で、血の奔流となって弾けた。
同時に壁も消え、ストレイファンはようやく館からの脱出に成功した。だがすぐに血を飲まなければ長くはもたないだろう。彼は森の中を彷徨いながら、死の運命から逃れられないかもしれないと感じ始めていた。
登場
登場カード
登場作品・登場記事
- Plane Shift: Innistrad(PDFファイル)(2016年8月 James Wyatt著)
- The Legends of Innistrad: Crimson Vow/『イニストラード:真紅の契り』の伝説たち(Feature 2021年11月12日 Doug Beyer, Ari Zirulnik, and Grace Fong著)
- The Devouring House/サイドストーリー第4話:貪る家(Magic Story 2021年11月19日 Brian Evenson著)