トラフト/Traft
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トラフト/Traftはイニストラードのキャラクター。プレビュー記事においてストーリーと共に、死後の姿である聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftのカードが紹介された。
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解説
イニストラード/Innistradの吸血鬼が棲む未開の地、ステンシア/Stensia州の人間男性。デーモンとの戦いを専門とし、卓抜した剣技と破魔の魔法で名高い。その戦闘能力は天使たちですら一目を置くほどのものであった。
経歴
アヴァシン教会の僧侶トラフト
トラフトは年若い頃からアヴァシン教会/The Church of Avacynの僧侶として、世界の底へと通ずる硫黄臭い坑である灰口/Ashmouth付近であらゆる邪悪なクリーチャーたちを打ち倒した。アヴァシン/Avacyn直属の戦天使たちも彼と共に多くのデーモンたちと戦った。その功績によって彼は40歳を前にして聖者として認められるようになった。
デーモンによる復讐
トラフトと天使たちの戦いは、デーモンたちの人間たちを堕落させてその魂を集め、大いなる力を得る計画を阻害していた。彼らはトラフトを排除すべく、トラフトを天使と分断して始末する計略を仕掛けた。
ある日トラフトがシャドウグランジ/Shadowgrangeの村に戻ると、自宅の屋根の上でひとりの天使が臨戦態勢をとっているのを見た。普段、天使は彼の邪悪との戦いの際には同伴するが今まで彼の家に来訪するようなことは無かった。家の扉の護法印は削り取られ、半開きになっていた。彼が中に入ると、台所のテーブルの上に「針の目/Needle's Eye」として知られる天険を示す箇所に短剣を突き立てられた地図と、血で綴られた「天使を連れずに一人で来い」と要求する脅迫状、そして少女の指があった。
トラフトは天使に「何でもない」と嘘をつき、一人で馬に乗って走り去った。天使も彼が何かを隠していることは気がついていたが、彼の技倆を信じて敢えて何も聞かずに行かせ、その後を追わなかった。
聖トラフトの死
苦難の末に針の目に辿り着いたトラフトはそこで狂信者たちの集団が、指を一本失った少女を取り囲んで踊り狂っているのを見た。彼らの司祭は細かい彫刻をされた骨の短剣を抜き、彼に「天使を呼べば少女は死ぬ」と宣告する。司祭の呪文により周囲に黒い霧が垂れ込め、辺りは暗黒の闇に包まれた。彼は狂信者たちと少女の位置を把握することに集中しながら、次々と敵を屠っていった。最後に立っていたのは自身と少女だけだったことに一旦は安堵したが、彼はあることに気付き恐怖に襲われた。彼の手の中には自分の剣ではなく狂信者の骨の短剣が握られており、その刃はたっぷりと犠牲の血を吸っていたからだった。
地の底から響く恐ろしい嗤い声が響く。彼が短剣を取り落とすとそこから地割れが起こり、それは大地へと飲み込まれていった。彼は解放した少女を逃がし、自分の剣を手に取った。地割れから大いなる角と翼を持つデーモン、ウィゼンガー/Withengarが姿を顕した時、彼はついに天使を呼ぶ祈りを捧げた。
その祈りに応えたのは先程トラフトの家の屋根にいた天使だったが時すでに遅し、彼は既に帰らぬ人となっていた。彼女の怒りはウィゼンガーをひとたびは滅ぼしたが、そのデーモンは後にまた顕れ世界を苦しめた。彼は埋葬された後も安らかな眠りにつくことはなく、この世界に霊として留まり邪悪と戦い続けることを選んだ。彼はもう生前のような破魔の魔法の力は持たないが、彼が現れる時は必ずひとりの天使が寄り添い、常に彼を見守り、そして行動を共にすると言われている。
参考
- The Saint, the Geist, and the Angel/聖者、幽霊、そして天使(Savor the Flavor 2011年9月14日 Doug Beyer著)
- 背景世界/ストーリー用語