ビホルダー
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ビホルダー/Beholderはクリーチャー・タイプの1つ。ダンジョンズ&ドラゴンズ出典の種族である。
Mystery Boosterの「Convention Edition」においてR&D Playtest cards枠でUnderdark Beholder (playtest)が存在していたが、正式版としての初出はその一年以上後となるフォーゴトン・レルム探訪である。統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦いで再びD&Dとコラボした際にも新種が追加された。
黒か赤、およびそれらを含む多色にのみ存在する。能力に目立った共通性はないが、いずれも5マナ以上と重め。
伝説のビホルダーは統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い現在、ギルドの重鎮、ザナサー/Xanathar, Guild Kingpinとひとつ目の暴君、カラジカール/Karazikar, the Eye Tyrantの2体。
ビホルダーに変化するカードとして目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrantが存在する。
- Mystery Boosterよりも前、Heroes of the RealmとしてKharis & The Beholderが登場していたがそちらのクリーチャー・タイプは眼である。
ストーリー
ビホルダーはダンジョンズ&ドラゴンズオリジナルのモンスター。
「主眼」と呼ばれる巨大な単眼に鋭い牙の並ぶ口腔、強固な外皮を備え、2メートルほどの頭部のみの姿をした球状の生物である(イラスト)。「Eye Tyrant」の二つ名でも知られる。肉食獣であり、人肉は好物の一つである。頭頂部には先端に目玉のついた「眼柄」と呼ばれる短い触手を10本持つ。属性は秩序にして悪。ルーツは他の次元の歪みから発生したか、あるいは魔法生物の失敗作だと考えられているが、とりあえず現在ではれっきとした自然生物として存在している。人間をはるかに凌ぐ知能を持ち、ビホルダー語の他にも共通語を含めて多数の言語を操るが、いずれの個体も傲岸不遜な性格をしており、「自分が最も賢い」と無根拠に思い込み同族を含めた他の生物を見下している。一方で、「いつか他のビホルダーから襲われる」という被害妄想や強迫観念に常時束縛されている。このため、ビホルダー同士が遭遇した場合、一方が隷属状態にない限りは大抵全力での殺し合いが発生する。また、前述の通り常時精神の均衡が揺らいだ状態にあることから、人間を含めた他の生物がビホルダーと無難にコミュニケーションを取ることも困難である(不可能ではない)。
彼らの魔法の詠唱法は極めて特殊で、主眼と眼柄にそれぞれ3つほどの固有魔法が備わっており、対象を「観る」ことで即座に詠唱を完了する(「Behold-er=観る者」という名前の所以である)。とくに主眼は「アンティマジック・フィールド」という、無差別魔法無効化(これには眼柄からの魔法も含まれる)の範囲魔法を詠唱することも出来るため、非常に厄介である。このため、「沈黙」や「触媒妨害」といった通常の魔法妨害手段はまったく意味を成さない。また、ゴルゴンやメデューサのような視線による攻撃とは異なりあくまで魔法の詠唱手段であるため、鏡等で魔法攻撃を反射することもできない。ただし「目を眩ます」「視界を遮る」「眼を潰す(眼柄はそのうち再生する)」という手段により魔法を防止することは可能である。なお、ソーサラーのスキルも潜在的に持つため、呪文や歌によって魔法を唱える個体、眼柄をひとつ機能停止させ、「魔法の杖」にしてウィザード呪文を唱える個体も存在する。
翼も腕も脚も持たない彼らだが、頭部中枢の脳のさらに奥に存在する特殊な器官により、魔法とは異なる手段で浮遊しており、これにより移動する。生殖法は極めて特殊で、睡眠中に他の生物に襲われる夢を見た際に分身をしたり援軍に助けられたりすると、それが実体化して「ビホルダーキン」と呼ばれる下位眷属やビホルダーの幼体となって実体化するというものである。さすがのビホルダーたちもこの幼体だけは襲うことなく一緒に生活するという。
その他
D&Dのオリジナルキャラクターであり、TSRおよびその親企業が商標を持つため、他の企業や個人が「ビホルダー」を無許可で営利利用することはできない。しかしながら「Beholder」はごく普遍的な英単語であるため、例えば小説『ニンジャスレイヤー』のキャラクター「ビホルダー」のように、名称だけ使用する行為はなんら阻害されない。