ヤソヴァ/Yasova
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ヤソヴァ/Yasovaはタルキール覇王譚ブロックのキャラクター。カードとしては運命再編の龍爪のヤソヴァ/Yasova Dragonclawが初出。
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解説
タルキール/Tarkirの氏族/Clan、ティムール境/The Temur Frontierの約1280年前[1]のカン/Khan(龍爪/The Dragonclaw)。人間の女性(イラスト)。
ヤソヴァは儀式的な試練を経て、自らが龍爪の称号に相応しいことを証明し、カンとなった。彼女は強力な巫師であり、カル・シスマ山脈/The Qal Sisma mountainsのエレメンタルの軍勢を呼び起こす術や、敵の力を敵自身に返す術に長けている。彼女は常に巨大な剣歯虎の相棒、アンチン/Anchinとともに行動している。
体格は小柄で、板金の鎧を纏い、マストドンの毛皮を首に巻き、龍の角で肩と腕を防護している。その手に持つ杖の先端には、赤熱する龍の鉤爪が取り付けられている。
経歴
古の、新たなタルキール/A New Tarkir of Old
きずな/The Nexusに現れた扉をくぐり、1280年前のタルキールの地に降り立ったサルカン・ヴォル/Sarkhan Volは、ヤソヴァ率いるティムールと、アタルカ/Atarkaの群れとの戦いに巻き込まれた。ヤソヴァは宙を舞う鉤爪とアンチンの力で2体の龍を殺し、残りを追い払うことに成功した。龍と戦って勝利する偉大な人間の姿に、サルカンは深い感銘を受けた。
書かれざるもの/Unwritten
サルカンは先の戦いの後、地面に謎の模様を刻みながら移動し続けるヤソヴァを尾行していた。しかし尾行に気づいていたヤソヴァはアンチンに背後から奇襲させてサルカンを捕らえ、彼を尋問した。ヤソヴァにとって彼はティムールの領土に無断で侵入した不審者に他ならなかったが、ウギン/Uginを探していると言い、サル-カン/Sar-khan――偉大なるカン――を名乗るこの男がいったい何者であるのかを見極めるため、彼を殺さず、話を聞くことにした。サルカンは狂人の妄想と思われるのを覚悟の上で、真実を語った。自分は龍が絶滅した、未来のタルキールから来たのだと。
意外にも、ヤソヴァは彼の言葉を受け入れた。彼女もまた、龍が絶滅した未来のタルキールの幻視を見ていたのだ。しかし、龍を失った結果、生きるためでなく私欲のために戦うようになった氏族を見てきたサルカンと、今実際に龍に苦しめられているヤソヴァでは、「龍のいないタルキール」に対する見解は正反対であった。彼女は言った、自分が龍の大嵐/Dragon tempestsを追いながら印を残し、精霊龍のねぐらへの道を示せば、自分に未来の幻視を見せてくれた「偉大なる龍」がウギンを殺し、龍の大嵐は止み、タルキールに平和が訪れると。彼女の語ったその龍の姿は、サルカンもよく知る存在――ニコル・ボーラス/Nicol Bolasそのものであった。サルカンは龍の姿になり、飛び立った。
再編の連環/The Reforged Chain
空の裂け目からニコル・ボーラスが現れ、ウギンとの一大決戦が始まった。サルカンは龍の姿のままウギンに加勢しようとした。ウギンは次元全土を揺るがす咆哮を上げ、それに応えてタルキール中から龍の軍勢が集まった。しかしその時、地上のヤソヴァが強力な精霊呪文を織り上げた。彼女が描いていた模様は単なる目印ではなく、この呪文のためのルーンでもあったのだ。その呪文は龍たちの精神を支配し、彼らは敵であるボーラスではなく、主であるウギンの方に襲いかかった。サルカンは人間の姿に戻ることで呪文の束縛から逃れたが、代わりに翼を失い、地面へと落下した。
墜落の衝撃で瀕死状態となったサルカンの命を助けたのは、他ならぬヤソヴァであった。彼女はサルカンの中に何かの答えがあるように感じ、彼が何者であるのかをはっきりさせる必要があると考えていた。彼女は癒しの呪文でサルカンの身体を治療しながら、彼に戦いの終わりを――ウギンの敗北を知らせた。サルカンは大地に墜ちるウギンの姿を見た。サルカンとヤソヴァの視線が交錯したとき、サルカンは、ウギンの死を望んでいたはずの彼女の顔に懸念の影がよぎったように思った。彼はウギンを助けると宣言した。ヤソヴァはそれを止めようとしたが、サルカンに龍の炎の魔法で吹き飛ばされ、気を失った。
サルカンは今にも息絶えようとしているウギンのもとへ駆け寄り、自身の杖から面晶体/Hedron――ウギン自身の魔法がかけられた、ゼンディカー/Zendikarの石――の欠片を外した。面晶体は展開して巨大な繭となり、ウギンを包み込んだ。意識を取り戻したヤソヴァは尋ねた、私たちは何をしてしまったのかと。サルカンは「やらなければならなかったことを」と答え、彼女に感謝の意を告げた。歴史が変わり、その影響はサルカン自身にも及んだ。ヤソヴァの目の前で、「1280年前のタルキールにいるサルカン」は消滅した。
カンの落日/Khanfall
サルカンがウギンを石の繭に封じ込めたことで、龍の大嵐は制御を失い、以前よりもずっと激しいものになった。責任を感じたヤソヴァはボーラスに再び会おうとし、石の繭を破ろうとし、石越しにウギンを癒そうとし、石越しに話しかけもしたが、すべて徒労に終わった。新たな龍がかつてないペースで生まれるようになり、氏族と龍のパワーバランスは崩れた。
ジェスカイ道/The Jeskai Wayのカン、シュー・ユン/Shu Yunはこの事態を受け、以前までのタルキールでは到底実現し得なかったこと――5氏族のカンによる頂上会談を主催した。彼の呼びかけに応じ、レイハン/Reyhan、タシグル/Tasigur、アリーシャ/Alesha、そしてヤソヴァがダルガー要塞/Dirgur Strongholdに集まった。ヤソヴァは彼らに語った。「偉大なる龍」とウギン、そしてサル-カンと名乗る男との間に起こった出来事すべてを。
激昂したレイハンはヤソヴァを責めた。ヤソヴァは言った、私を断罪し殺しても構わない、ただ私は誰かに真実を知ってほしかっただけだと。アリーシャとシュー・ユンはヤソヴァを責めることはできないと言い、レイハンも最終的にはそれに同意して追及を止めた。彼らが繭の中のウギンを如何にすべきかという建設的な議論を始めたその時、龍の襲来を告げる鐘が鳴らされた。
シルムガル/Silumgar率いる龍たちがオジュタイ/Ojutaiの群れと合流し、こちらへ向かってきていた。龍は通常他の種の龍と共闘することはないが、カンを一網打尽にできるというなら話は別だ――タシグルがいつの間にか姿を消していたことから、彼がシルムガルと何らかの取引をし、この会談の情報を漏らしていたことは明白であった。ヤソヴァたちは力を合わせて奮闘した。レイハンは戦死したが、ヤソヴァとアリーシャたちは船に乗り込み、安全な塩路/The Salt Roadへ逃れることに成功した。
カル・シスマ山脈に帰還したヤソヴァはある決断をした。彼女は倒したばかりの1頭のマンモスをそりに乗せ、アヤゴール/Ayagorと呼ばれる谷――アタルカの巣へと向かった。巣に降り立ったアタルカは眼前の奇妙な光景をしばし眺めた後、龍火/Dragonfireを吐いてそりを牽いていたクルショク/Krushokごとマンモスの肉を焼き、それらを貪り食った。ヤソヴァは杖を置き、アタルカの前に進み出て言った。「それは貢ぎ物だ。我らを生かせ、そうすればもっと多くを渡そう」。アタルカは首を傾げ、咆哮を上げると食事を再開した。
これを繰り返せば彼らがもはや敵ではないということをアタルカが理解してくれるようになるのか、そして群れの龍に彼らを襲わないよう言ってくれるのか、いずれも定かではなかった。確かなのは、今までのやり方では氏族は生き残れないということだけだった。隠れ家の洞窟に戻ったヤソヴァはマンモスから予め切り取っておいた象牙の欠片に、アタルカに獲物を捧げる人々の絵と、「ティムール」を意味する巫師のルーン文字を彫った。彼女はそれを別の象牙の欠片の隣に置いた。それには竜の翼を持つ人間の絵と、「カン」を意味するルーンが刻まれていた。
登場
登場カード
フレイバー・テキストに登場
登場作品・登場記事
- TARKIR'S PAST/過去のタルキール(公式サイト)
- A New Tarkir of Old/古の、新たなタルキール(Uncharted Realms 2014年12月31日 Kimberly J. Kreines著)
- Planeswalker's Guide to Fate Reforged/プレインズウォーカーのための『運命再編』案内(Uncharted Realms 2015年1月7日 The Magic Creative Team著)
- Unwritten/書かれざるもの(Uncharted Realms 2015年1月14日 Kelly Digges著)
- The Reforged Chain/再編の連環(Uncharted Realms 2015年1月21日 Doug Beyer著)
- Khanfall/カンの落日(Uncharted Realms 2015年2月18日 Kelly Digges著)
- Chronicle of Bolas: The Twins/ボーラス年代記:双子と双子(Magic Story 2018年6月13日 Kate Elliott著)
- Chronicle of Bolas: The First Lesson/ボーラス年代記:最初の教え(Magic Story 2018年6月20日 Kate Elliott著)
脚注
- ↑ ここでは、サルカン・ヴォルやナーセット/Narsetの時代から見て約1280年前ということ。