最新版 |
編集中の文章 |
1行: |
1行: |
| {{#card:Mindslaver}} | | {{#card:Mindslaver}} |
| | | |
− | [[プレイヤー]]1人を1[[ターン]]完全に[[他のプレイヤーをコントロールする|操る]]ことができる[[伝説のアーティファクト]]。 | + | [[プレイヤー]]1人を1[[ターン]]完全に操ることができる[[伝説のアーティファクト]]。 |
| | | |
− | [[呪文]]を[[唱える]]ことから[[攻撃クリーチャー]]の指定など、[[総合ルール]]で認められるあらゆる行動の選択権を奪うことができる。まず最低でも「[[手札]]の中身を確認する」「[[土地]]の[[マナ能力]]をすべて無駄に[[起動]]して無防備な[[フルタップ]]状態にする」「[[チャンプアタック]]させて[[戦場]]を悲惨な状態にする」といったことができ、手札の内容次第では「[[除去]]呪文を[[対戦相手]]の[[クリーチャー]]を[[対象]]にして使わせる」「対象をとる[[引く|ドロー]][[カード]]を[[あなた|自分]]に撃ってもらう」などの操作も可能。さらに状況次第では「[[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]などの[[リソース]]を[[食べる]][[カード]]に食べさせまくってボロボロにする」「[[プラズマの連鎖/Chain of Plasma]]で対戦相手自身に大量[[ダメージ]]を叩き込ませる」などの[[友情コンボ]]的な運用が狙える。 | + | [[呪文]]の[[唱える|キャスト]]や[[能力]]の[[起動]]、[[攻撃クリーチャー]]の指定など、[[総合ルール]]で認められるあらゆる行動の選択権を奪うことができる。少なくとも[[土地]]を[[フルタップ]]にすることで、返しの[[あなた|自分]]のターンまで有利に運ぶことができる。また[[除去]][[呪文]]を[[対戦相手]]の[[クリーチャー]]を[[対象]]にして使わせる、[[引く|ドロー]][[カード]]を[[あなた|自分]]に撃ってもらう、対戦相手が[[電結の荒廃者/Arcbound Ravager]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]していれば[[アーティファクト]]を全部[[生け贄に捧げる]]等の行為も可能となるので、叩きだす[[アドバンテージ]]は莫大なものとなる。 |
| | | |
− | ひとたび[[起動]]すればあらゆるリソースをほとんど根こそぎに壊滅させることができ、特に[[コントロール (デッキ)|コントロール]]相手の場合には「起動したら[[勝利|勝ち]]」とほぼ同義と言える。そのため[[スタンダード]]から[[エターナル]]に至るまで、各種コントロールの[[エンドカード]]として使用される。
| + | [[コントロール (デッキ)|コントロール]]相手に[[起動]]したらほぼ[[勝利|勝ち]]。撃てば相手をほとんど壊滅させられるため、[[スタンダード]]でも各種コントロールの[[エンドカード]]として使用された。 |
| | | |
− | アーティファクトなため再利用が容易なこともポイント。連打し続ければ[[無限ターン]]+αになる。特に「高速で[[戦場に出す]]手段」と「[[回収]]して何度も使用する[[ギミック]]」を両立できる[[カードプール]]なら、凶悪さが増す。登場当初の[[エクステンデッド]]では[[ティンカー#エクステンデッド|ティンカーデッキ]]で[[修繕/Tinker]]から[[サーチ]]される第一候補となり、さらに[[ティンカー・スタックス]]では[[ゴブリンの溶接工/Goblin Welder]]で使い回された。修繕[[禁止カード|禁止]]後は[[青白トロン#エクステンデッド|青白トロン]]で[[ウルザランド]]から高速設置し[[アカデミーの廃墟/Academy Ruins]]で回収される。
| + | [[カード・プール]]が広くなればなるほど強くなる[[カード]]でもある。かつての[[エクステンデッド]]や[[ヴィンテージ]]では、[[修繕/Tinker]]から高速で[[戦場に出す|戦場に出され]]、[[ゴブリンの溶接工/Goblin Welder]]で何度も使い回された(→[[ティンカースタックス]])。また、[[アカデミーの廃墟/Academy Ruins]]でも容易に、そして半永久的に再利用される(→[[青白トロン]])。 |
| | | |
− | [[モダン]]においても、[[青単トロン#モダン|青単トロン]]で採用される。やはりアカデミーの廃墟との組み合わせにより[[エンドカード]]になる。
| + | *[[公式ハンドブック|ミラディン公式ハンドブック]]において評価は低かったが、上記の通り本当は超強力である。[[ミラディン]]産アーティファクトの[[カードパワー]]の凄まじさを象徴しているようなカードである。 |
− | | + | |
− | [[ヴィンテージ]]においては上記のゴブリンの溶接工や[[Mishra's Workshop]]等相性の良いカード多く、その名を冠した[[コントロール・スレイヴァー]]で猛威を振るったが、[[Time Vault]]の[[エラッタ]]解除後は[[Vault Control]]に押され、あまり見なくなった。
| + | |
− | | + | |
− | *[[公式ハンドブック|ミラディン公式ハンドブック]]において評価は低かったが、上記の通り実際は超強力である。[[ミラディン]]産アーティファクトの[[カードパワー]]の凄まじさを象徴しているようなカードである。 | + | |
| | | |
| ==ルール== | | ==ルール== |
− | ルールの詳細は'''[[他のプレイヤーをコントロールする]]'''の項目を参照。
| + | このカードのために専用のルールが1項目作られたが、現在は[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov]]の登場によってこのカード専用ではなくなっている。 |
| | | |
− | *[[対象]]は「[[プレイヤー]]」であるため、[[あなた]]自身を対象に起動することもできる。通常は(他のプレイヤーが自分をコントロールしようとしている状態でなければ)意味はないだろう。
| + | 登場当初は「プレイヤーのターンをコントロールする」というテキストであった。[[ミラディンの傷跡]]での[[再録]]の際、ルールが若干変更されて「プレイヤーをコントロールする(You control target player)」というテキストになったが、やっていることは変わっていない。なお、ミラディンの傷跡の日本語版では旧来の「ターンをコントロールする」というテキストのまま印刷されている。 |
− | **使われる対戦相手にとっては大きな意味がある。[[経路変更/Reroute]]などの[[対象の変更]]で回避が可能だからだ。
| + | |
| | | |
− | ==開発秘話<ref>[https://web.archive.org/web/20030923081323/http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr89 A Mind Is A Wonderful Thing To Waste] ([[Making Magic]], 2003年9月15日 文:[[Mark Rosewater]], 英語)</ref><ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/twenty-things-you-might-not-have-known-about-tempest-2015-04-27 Twenty Things You Might Not Have Known About Tempest]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0014868/ 『テンペスト』に関する20の秘密]([[Making Magic]] 2015年4月17日)</ref><ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0032990/ 忍耐]([[Making Magic]] 2019年9月2日)</ref>==
| + | ルールの詳細は[[他のプレイヤーをコントロールする]]の項目を参照。 |
− | このカードは最初[[テンペスト]]のために作られた。[[Mark Rosewater]]は史上初めて対戦相手のデッキを覗ける[[道化の帽子/Jester's Cap]]や史上初めて相手のカードをプレイできる[[にやにや笑いのトーテム像/Grinning Totem]]のような、「今までできなかったことができるようになるカード」がテンペストに必要と考え、相手のターンを奪うこのカードを作った。Markはこれを気に入り、[[ヴォルラス/Volrath]]の持つアイテムとしてストーリーにも組み込んだ(当時ストーリーを共同執筆していた)。しかし、[[マナ・バーン]]や[[投了]]などの穴があることやルール上の扱いにくさを理由に没になり、イラストを流用して[[占有の兜/Helm of Possession]]が作られた。
| + | |
| | | |
− | [[アングルード2]]の開発中に[[Gleemax]]をデザインしていたMarkは、黒枠で採用されなかったこのメカニズムを使うことを思いついた。しかし、アングルード2自体が立ち消えになり、この時も印刷には至らなかった。
| + | *自分を対象として起動することもできるが、他のプレイヤーが自分をコントロールしようとしている状態でなければ意味はないだろう。 |
− | | + | |
− | [[ミラディン]]の開発時に使えそうなカードを探していたMarkは、アングルード2のファイルでGleemaxを見つけ、ミラディンのファイルに入れた。この時はデベロップ・チームに気に入られ、印刷に至った。
| + | |
| | | |
| ==その他== | | ==その他== |
− | *{{Gatherer|id=46724}}だけは早くから公開されており、[[装備品]]だと思われていた。 | + | *{{Gatherer|id=46724|イラスト}}だけは早くから公開されていて、[[装備品]]だと思われていた。 |
− | *後年、[[Unstable]]で[[アン・カード]]版パロディとして[[なんとか隷属機/Kindslaver]]が登場。 | + | *もともと「グリーマックス/Gleemax」の名前で[[アングルード2]]に収録される予定だった。アングルード2の企画が消えたために精神隷属器になったのだが、その後[[アンヒンジド]]で全く違うカードが[[Gleemax]]として登場した。さらにさかのぼると[[テンペスト]]の[[占有の兜/Helm of Possession]]の原案にたどり着く。 |
| *最初は伝説のアーティファクトではなかったのだが、調整の結果、伝説のアーティファクトとなった。 | | *最初は伝説のアーティファクトではなかったのだが、調整の結果、伝説のアーティファクトとなった。 |
| *相手の財布の中身を破壊する[[マネデス]]の[[キーカード]]でもある。詳しくは[[マネデス]]の項を参照。 | | *相手の財布の中身を破壊する[[マネデス]]の[[キーカード]]でもある。詳しくは[[マネデス]]の項を参照。 |
− | *[[2004年]]の[[エイプリル・フール]]では、インターネットの投票の結果、このカードが[[禁止カード]]に指定されるというジョークがあった(参考のコラム参照)。 | + | *2004年の[[エイプリル・フール]]では、インターネットの投票の結果、このカードが[[禁止カード]]に指定されるというジョークがあった(参考のコラム参照)。 |
− | *初の[[他のプレイヤーをコントロールする]]カードであり、当初はこれのためだけに新たにルール項目が設けられた。現在は[[ソリン・マルコフ/Sorin Markov]]他、何枚か同ルールを用いるカードが登場している。
| + | |
− | **登場当初は「プレイヤーのターンをコントロールする」という[[ルール文章]]であった。[[ミラディンの傷跡]]での[[再録]]の際、ルールが若干変更されて「プレイヤーをコントロールする(You control target player)」というルール文章になったが、やっていることは変わっていない。なお、ミラディンの傷跡の日本語版では旧来の「ターンをコントロールする」というルール文章のまま印刷されている({{Gatherer|id=231718|カード画像}})。
| + | |
− | ==脚注・特集記事==
| + | |
− | <references />
| + | |
− | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/you-decided-mindslaver-banned-2004-04-01 You Decided -- Mindslaver is Banned!]([[Daily MTG]] 2004年4月1日) - エイプリルフール記事
| + | |
− | **[http://web.archive.org/web/20080205130837/http://braingeyser.at.infoseek.co.jp/04/0402.html 「あなたが決める」--精神隷属器が禁止カードに!(WebArchive)] (個人サイト「Braingeyser」 上記記事の和訳)
| + | |
− | *[[The Top 50 Artifacts of All Time]] 第38位 (WotC, 文:[[Zvi Mowshowitz]], 英語)
| + | |
− | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/scars-mirrodin-wallpapers-2011-04-29 Scars of Mirrodin Wallpapers] ([[Daily MTG]] 2011年4月29日) - ミラディンの傷跡版イラストの壁紙
| + | |
| | | |
| ==参考== | | ==参考== |
| + | *[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr89 A Mind Is A Wonderful Thing To Waste] ([[WotC]], 文:[[Mark Rosewater]], 英語) |
| + | *[http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/04/0402.html 「あなたが決める」--精神隷属器が禁止カードに!] (Braingeyser 2004年4月1日にWotCの公式ホームページで公表された[[エイプリル・フール]]記事の和訳) |
| + | *[[The Top 50 Artifacts of All Time]] 第38位 (WotC, 文:[[Zvi Mowshowitz]], 英語) |
| *[[カード個別評価:ミラディンの傷跡]] / ミラディン陣営 - [[神話レア]] | | *[[カード個別評価:ミラディンの傷跡]] / ミラディン陣営 - [[神話レア]] |
| *[[カード個別評価:ミラディン]] - [[レア]] | | *[[カード個別評価:ミラディン]] - [[レア]] |
− | *[[カード個別評価:速報]] - [[神話レア]]
| |
| __NOTOC__ | | __NOTOC__ |