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| [[希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope]]と双璧を成す[[伝説の]][[デーモン]]。いかにも[[黒]]の大物らしく「[[大型クリーチャー|デカい]]・[[重い]]・[[色拘束]]が強い」と三拍子揃った基本スペックに加え、[[ライフ]]を犠牲にした大量[[引く|ドロー]][[能力]]を持つ。 | | [[希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope]]と双璧を成す[[伝説の]][[デーモン]]。いかにも[[黒]]の大物らしく「[[大型クリーチャー|デカい]]・[[重い]]・[[色拘束]]が強い」と三拍子揃った基本スペックに加え、[[ライフ]]を犠牲にした大量[[引く|ドロー]][[能力]]を持つ。 |
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− | ==解説==
| + | [[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]に対しては[[絆魂]]持ちの[[大型クリーチャー]]として[[ダメージレース]]を制圧し、ライフを攻めてこない[[コントロール (デッキ)|コントロール]]に対しては大きな[[カード・アドバンテージ]]を稼げる。さらに2つの能力が噛み合っており、[[戦闘]]を繰り返すことで何度でもドロー能力を使うことができる。 |
− | [[ビートダウンデッキ|ビートダウン]]に対しては[[絆魂]]持ちの[[大型クリーチャー]]として[[ダメージレース]]を制圧し、ライフを攻めてこない[[コントロールデッキ|コントロール]]に対しては大きな[[カード・アドバンテージ]]を稼げる。さらに2つの能力が噛み合っており、[[戦闘]]を繰り返すことで何度でもドロー能力を使うことができる。 | + | |
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− | [[除去耐性]]としては黒いことと高[[タフネス]]であるので、[[恐怖/Terror]]系[[除去]]や[[火力]]には強いが、あくまでそれなり。しかし除去に[[対応して]]7枚以上の[[手札]]を確保でき、もしその中に[[打ち消す|カウンター]]があれば[[打ち消す]]ことで守れるし、あるいは次のグリセルブランドがあれば再び[[召喚]]できるので、間接的にではあるが除去に強いと言える。その際に撃たれたのが[[剣を鍬に/Swords to Plowshares]]や[[糾弾/Condemn]]であれば、[[起動]][[コスト]]に支払ったライフが帳消しになるのも魅力。とはいえやはりライフ消費が激しいのは無視できない欠点で、これを除去できる上にライフを詰めてくるデッキ、例えば[[Delver-Blade]]などは苦手な相手。 | + | [[除去耐性]]としては黒いことと高[[タフネス]]であることだけで、あくまでそれなり。しかし[[除去]]に[[対応して]]7枚以上の[[手札]]を確保でき、もしその中に[[打ち消す|カウンター]]があれば[[打ち消す]]ことで守れるし、あるいは次のグリセルブランドがあれば再び[[召喚]]できるので、間接的にではあるが除去に強いと言える。その際に撃たれたのが[[剣を鍬に/Swords to Plowshares]]や[[糾弾/Condemn]]であればライフ[[コスト]]が帳消しになるのも魅力。とはいえやはりライフ消費が激しいのは無視できない欠点で、これを除去できる上にライフを詰めてくるデッキ、例えば[[Delver-Blade]]などは苦手な相手。 |
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− | ==利用==
| + | 総じて優秀な[[クリーチャー]]だが、その分8[[マナ]]ととにかく重いのが難点。普通に使う[[フィニッシャー]]候補としてはもっと[[軽い]]ライバルが多く、やや扱いづらい。一方、[[リアニメイト]]などで[[マナ・コスト]]を踏み倒して[[戦場に出す]]クリーチャーとしては強力であり、その手の踏み倒し手段が豊富な[[レガシー]][[環境]]では登場直後からさっそく活躍を見せている。 |
− | 総じて[[コストパフォーマンス]]が非常に高い[[クリーチャー]]だが、その分8[[マナ]]と非常に重い上、[[クァドラプルシンボル]]なのが難点。普通に使う[[フィニッシャー]]としてはほぼ[[黒]][[単色]]デッキ限定な上、もっと[[軽い]]ライバルも多い。ドロー能力がライフの削られていることが多い終盤では若干扱いづらいこともマイナス。他方、[[リアニメイト]]などで[[マナ・コスト]]を踏み倒して[[戦場に出す]]クリーチャーとしては非常に強力。広い[[カードプール]]を持つ[[環境]]では、その手の踏み倒し手段が豊富なことに加え、軽いカードが多く大量のドローを即座に生かせることなどから一気に強さを増す。
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− | [[スタンダード]]では上記のような[[素出し]]での扱いづらさもあって、ほとんど活躍を見せないまま[[落ちる|スタンダード落ち]]。しかし[[レガシー]]では登場直後からさっそく活躍を見せ、[[スニークアタック]]などで結果を残している。[[騙し討ち/Sneak Attack]]との[[シナジー]]は強烈であり、グリセルブランド自身が騙し討ちで呼び出す大型クリーチャーとして及第点の能力を持っているだけではなく、ドロー能力で次のアタッカーを用意することで息切れを防ぐことができる。攻撃目当てでなくとも1マナでインスタント・タイミングで[[戦場に出す]]ことができるため、[[ブロック]]して得たライフからドローしたり、あるいはドローだけのために戦場に出すことも容易。[[ヴィンテージ]]でも[[グリセルブランドオース]]などを生み出すほどの活躍を見せている。 | + | *[[パワー]]、タフネス、ライフコスト、ドロー枚数と、カード内に7が多い。なお[[点数で見たマナ・コスト]]は7ではないので注意。 |
− | | + | **[[Mark Rosewater]]は「私がデザインしたのであれば、コストは7にしていただろう」と述べ、実際デベロップでも同様の意見はあったが、デベロップ・チームが8マナでも強過ぎると判断したために現在の設定となった。 |
− | その後も[[モダン]]の[[ネオブランド]]などで活躍していた。しかし[[ファイレクシア:完全なる統一]]で[[偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier]]が登場すると、レガシーの[[スニーク・ショー]]や[[リアニメイト#レガシー|リアニメイト]]などではライフ消費がなく[[ピッチスペル|ピッチコスト]]にも使いやすいそちらが優先されるようになった。こちらはドロー能力であるがゆえにモダン、レガシー、ヴィンテージのいずれでも同居し得る[[覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils]]や[[オークの弓使い/Orcish Bowmasters]]の存在も向かい風である。
| + | *近年では珍しい、二つ名を冠さないシンプルな[[カード名]]の[[伝説のクリーチャー]]である。 |
− | | + | *ドロー効率は「ライフ1点につきカード1枚」であり、ある意味で[[ネクロポーテンス/Necropotence]]の調整版とも言える。[[ピットサイクル]]のような[[チェイン・コンボ]]のパーツになれる可能性もある(が、やはり重さが問題か)。 |
− | *ドロー効率は「ライフ1点につきカード1枚」であり、ある意味で[[ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain]]の調整版とも言える。この強烈なドロー能力から、[[ピットサイクル]]のような[[チェイン・コンボ]]のパーツになれる可能性もある。ヨーグモスの取り引きと比べると小回りは効きづらいが、クリーチャーであるためマナ・コストを踏み倒す手段は本家以上なのは大きなメリット。クリーチャー故の脆さも瞬殺型[[コンボデッキ]]ならカバーしやすい。 | + | **この強烈なドロー能力から、ライフが潤沢かつ安価に出せるならば攻撃に有効活用できなくとも十分に有効。特に[[騙し討ち/Sneak Attack]]はコストの踏み倒しと[[インスタント]]での出現を両立できるため、相手ターンに[[赤マナ|赤]]だけで使える大量ドローインスタントのようにも扱える強烈な[[シナジー]]を形成する。 |
| *[[発掘]]との相性も良好。[[墓地]]が十分に肥えていれば一度の[[起動]]で[[ライブラリー]]を空にすることも不可能ではない。 | | *[[発掘]]との相性も良好。[[墓地]]が十分に肥えていれば一度の[[起動]]で[[ライブラリー]]を空にすることも不可能ではない。 |
− | | + | *[[統率者戦]]では、やや[[マナ・コスト]]が重いものの、[[統率者]]として一度戦場に出したら容易に手札のアドバンテージを稼げる。初期[[ライフ]]が高めである為、能力を複数回使いやすいのも利点。 |
− | ==その他==
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− | *[[パワー]]、タフネス、ライフの[[支払い]]、ドロー枚数と、カード内に7が多い。なお[[マナ総量]]は7ではないので注意。
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− | **[[Mark Rosewater]]は「私がデザインしたのであれば、コストは7にしていただろう」と述べ、実際デベロップでも同様の意見はあったが、[[デベロップ・チーム]]が8マナでも強過ぎると判断したために現在の設定となった<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/avacyn-gle-ladies-part-2-2012-04-27 Avacyn-gle Ladies, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004178/ アヴァシングル・レディー その2]([[Making Magic]] [[2012年]]4月30日 Mark Rosewater著)</ref>。また後にこれのコストが7マナでないことについて、不満を言った人数が[[アヴァシンの帰還]]の他のすべてを合わせたよりも多かったことを明かし、認知上の美学が与えた影響の大きさを教訓として語っている<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/twenty-years-twenty-lessons-part-1-2016-05-30 Twenty Years, Twenty Lessons—Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017003/ 20の年、20の教訓 その1](Making Magic [[2016年]]5月30日 Mark Rosewater著)</ref>。
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− | *[[イニストラード・ブロック]]の最後を飾る大物として、発売前にストーリーとカード画像とがいち早く公開された(下記リンク参考)。しかしその記事の中で、復活したはいいものの特に見せ場なくあっさりと最期を迎えることまで紹介されてしまった。
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− | *グリ'''セ'''ルブランド。グリゼルブランドではない。
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− | *[[統率者戦]]では、[[マナ・コスト]]が重いものの、戦場に出たら容易に手札を稼げる、初期[[ライフ]]が高めである為能力を複数回起動しやすい、等の理由から2012年6月20日([[Magic Online]]では6月27日)より禁止カードに指定された。 | + | |
− | *[[2015年]]の[[グランプリ]]参加者に新規[[絵|イラスト]]版の[[プロモーション・カード]]が配布された<ref>[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0010949/ 2015年プロツアー、グランプリのスケジュール公開](Article [[2014年]]8月2日)</ref>。
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| ==ストーリー== | | ==ストーリー== |
− | '''グリセルブランド'''/''Griselbrand''は[[イニストラード/Innistrad]]で最も強大な[[デーモン/Demon#イニストラード|悪魔]]。[[アヴァシン/Avacyn]]と戦い、彼女とともに[[獄庫/Helvault#ストーリー|獄庫/The Helvault]]の中に封じられていた。[[リリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)|リリアナ・ヴェス/Liliana Vess]]と契約を交わした4体の悪魔のうちの1体でもある。 | + | '''グリセルブランド'''/''Griselbrand''は最も強大な[[イニストラード/Innistrad]]の悪魔。[[アヴァシン/Avacyn]]と相討ちする形で共に[[獄庫/Helvault]]へと閉じ込められていたが、かつて彼と魂の契約を結んだ[[リリアナ・ヴェス/Liliana Vess (ストーリー)|リリアナ/Liliana]]の計画により獄庫は破壊され、再び外の世界へ解放された。 |
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| 詳細は[[グリセルブランド/Griselbrand (ストーリー)]]を参照。 | | 詳細は[[グリセルブランド/Griselbrand (ストーリー)]]を参照。 |
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− | ==脚注==
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− | <references />
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| ==参考== | | ==参考== |
− | *[https://web.archive.org/web/20211025210518/https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/wallpaper-week-griselbrand-2012-04-20 壁紙(Internet Archive)]([[Daily MTG]]、Magic Arcana) | + | *[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/190 Angel's Rise and Demon's Release]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/003163/ 天使は蘇り、悪魔は解き放たれる](DairyMTG.com、Feature Article、文:[[Doug Beyer]]、訳:[[若月繭子]]) |
− | *[https://web.archive.org/web/20220705184530/https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/angels-rise-and-demons-release-2012-04-09-0 Angel's Rise and Demon's Release(Internet Archive)]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0004012/ 天使は蘇り、悪魔は解き放たれる](Daily MTG、Feature Article、文:[[Doug Beyer]]、訳:[[若月繭子]])
| + | *[http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/955 壁紙・待受](DairyMTG.com、Magic Arcana) |
− | *[[クァドラプルシンボル#該当カード|クァドラプルシンボルカード]] | + | *[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/003207/ アヴァシングル・レディー その2](DairyMTG.com、文:Mark Rosewater、訳:[[米村薫]]) |
| *[[カード個別評価:アヴァシンの帰還]] - [[神話レア]] | | *[[カード個別評価:アヴァシンの帰還]] - [[神話レア]] |
− | *[[カード個別評価:モダンマスターズ2017]] - [[神話レア]]
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− | *[[カード個別評価:イニストラードを覆う影リマスター]] - [[神話レア]](「過去の影」)
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− | *[[Secret Lair Drop Series/2024年#Outlaw Anthology Vol.1: Rebellious Renegades|Secret Lair Drop Series: Outlaw Anthology Vol.1: Rebellious Renegades]]
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− | *[[Secret Lair Drop Series/2021年#Read The Fine Print|Secret Lair Drop Series: Read The Fine Print]]
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