「ネクロポーテンス/Necropotence」を編集中
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==解説== | ==解説== | ||
− | [[手札に加える]]タイミングが[[終了ステップ]]に限られており、それゆえに引いたカードを即使用したり、また引いた内容を確認しながら枚数調整したりという柔軟性こそないものの、[[ハンド・アドバンテージ]]獲得の効率は非常に高い。[[ | + | [[手札に加える]]タイミングが[[終了ステップ]]に限られており、それゆえに引いたカードを即使用したり、また引いた内容を確認しながら枚数調整したりという柔軟性こそないものの、[[ハンド・アドバンテージ]]獲得の効率は非常に高い。[[マナ・コスト]]も3[[マナ]]と[[軽い]]ことから、爆発力に優れている。 |
− | 極めて強力だが通常の[[引く|ドロー]] | + | 極めて強力だが通常の[[引く|ドロー]]が止まるデメリットも大きく、手札とライフを使い切ってしまうとそのまま「ハマリ」になって自滅してしまうので、[[デッキ]]構成と[[プレイング]]による運用の両面で気を遣ってやる必要がある。主に、 |
− | + | *このデメリットで勝てなくなる前に、[[対戦相手]]を倒せるデッキで使う(高速[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]や瞬殺型[[コンボデッキ]]など)。 | |
− | + | *[[バウンス]]や[[破壊]]などで、役目を終えたのちは処理できるようにする。 | |
− | + | *[[ライフ]]を継続的に[[得る|得られる]]ようにする。 | |
+ | といった手段が組み合わせられる。 | ||
− | これを[[対戦相手]]に出された時は、これを[[割る]]べきか否かの判断は重要である。割ろうとしたところで[[対応して]][[起動]]できるので一定以上の[[アドバンテージ]]を取られることは確定している(下記[[#ルール]]も参照)ため、ドローがなくなるデメリットをなくしてあげるだけに終わりかねない。[[パーミッション]]などがこれを[[打ち消す|打ち消せ]] | + | これを[[対戦相手]]に出された時は、これを[[割る]]べきか否かの判断は重要である。割ろうとしたところで[[対応して]][[起動]]できるので一定以上の[[アドバンテージ]]を取られることは確定している(下記[[#ルール]]も参照)ため、ドローがなくなるデメリットをなくしてあげるだけに終わりかねない。[[パーミッション]]などがこれを[[打ち消す|打ち消せ]]なかった場合は、逆にネクロポーテンスを「守ってやる」ことでデメリットを継続させ、ライフ不足のハマリ状態に追い込んで勝つという[[プレイング]]が取られることも少なくない。 |
− | + | *[[藤田剛史]]が[[グランプリ京都00]]を[[ネクロ・ドネイト]]で優勝したとき、インタビューに「ネクロは実力を度外視したゲームを作り出す。[[禁止カード|禁止]]にするべき。」と答えている(→[http://www.wizards.com/sideboard/gpkyo00/196japanese11.html 参考])。 | |
− | + | *[[第5版]]では「[[強欲/Greed]]と置き換える」という理由で収録された(Taming the Flames([[Duelist]]誌17号の記事))。 | |
− | *[[藤田剛史]]が[[グランプリ京都00]]を[[ネクロ・ドネイト]]で優勝したとき、インタビューに「ネクロは実力を度外視したゲームを作り出す。[[禁止カード|禁止]] | + | |
− | *[[第5版]]では「[[強欲/Greed]] | + | |
==利用== | ==利用== | ||
− | [[ドロー・ステップ]] | + | [[ドロー・ステップ]]の[[飛ばす|スキップ]]とライフの損失、[[ディスカード・フェイズ]](現在は[[終了ステップ]]の開始時に)にならないと[[手札に加える|手札に加え]]られないといったマイナス要素から、登場した当時は[[カスレア]]扱いされていた。当時は天敵の[[黒の万力/Black Vise]]が健在だったことも、使用されなかった理由の1つである。 |
− | 後に登場した[[ネクロディスク]] | + | 後に登場した[[ネクロディスク]]が、1996年の大会において凄まじい使用率と戦績を収めて以来、その強力な利用方法が広まり、名実共に[[トップレア]]の1つとなった。その年の夏が、後に"[[ネクロの夏]]"とまで呼ばれるようになる。ちなみにその夏を制したのは、ネクロデッキを徹底的に[[メタる|メタった]][[白ウィニー]]の[[12Knights]]だった。 |
− | その後も、[[環境]]を問わず様々な[[デッキ]] | + | その後も、[[環境]]を問わず様々な[[デッキ]]に投入された。これによる、ライフ→ドローの[[リソース]]変換の強さが世に広まることになり、[[ネクロ・ドネイト]]などの[[コンボデッキ]]を生み出す一因ともなった。現在でも、[[ヴィンテージ]]で[[ストーム (デッキ)|ストームデッキ]]を中心に活躍している。 |
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2000年10月1日より、[[タイプ1]](現[[ヴィンテージ]])で[[制限カード]]、[[タイプ1.5]]で[[禁止カード]]に指定される。2001年4月1日より、[[エクステンデッド]]でも禁止カード。2004年9月20日より、[[タイプ1.5]]から移行した[[レガシー]]でも続けて禁止カード。 | 2000年10月1日より、[[タイプ1]](現[[ヴィンテージ]])で[[制限カード]]、[[タイプ1.5]]で[[禁止カード]]に指定される。2001年4月1日より、[[エクステンデッド]]でも禁止カード。2004年9月20日より、[[タイプ1.5]]から移行した[[レガシー]]でも続けて禁止カード。 | ||
==ルール== | ==ルール== | ||
− | *多くの[[プレイヤー]]が、「[[アンタップ・ステップ|アンタップ]]、[[アップキープ・ステップ|アップキープ]]、[[ドロー・ステップ|ドロー]]」という一連の流れが身に染み付いてしまっているため、ネクロポーテンスを[[コントロール]]していながらドロー・ステップに思わずカードを[[引く|引いて]]しまうことも少なからずあった。もちろんペナルティの対象となる。 | + | *多くの[[プレイヤー]]が、「[[アンタップ・ステップ|アンタップ]]、[[アップキープ・ステップ|アップキープ]]、[[ドロー・ステップ|ドロー]]」という一連の流れが身に染み付いてしまっているため、ネクロポーテンスを[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]していながらドロー・ステップに思わずカードを[[引く|引いて]]しまうことも少なからずあった。もちろんペナルティの対象となる。 |
− | **これを防ぐために、ネクロポーテンスを[[戦場に出す|戦場に出した]]後、[[ライブラリー]] | + | **これを防ぐために、ネクロポーテンスを[[戦場に出す|戦場に出した]]後、[[ライブラリー]]の上に直接置いてしまい、「手くせ」で勝手に引くことを防止しているプレイヤーもいた。ただし現在のルールでは、ライブラリーの上にカードを置くことは認められていない。ダイスやコインなど、ライブラリーを覆い隠さないサイズのマーカーならば認められているので(「[[契約]]」も参照)、そういった物を置くことになるだろう。 |
*[[起動型能力]]によって[[追放]]したカードを[[終了ステップ]]の開始時に[[手札に加える]]のは、その起動型能力の[[効果]]として生成される[[遅延誘発型能力]]である。 | *[[起動型能力]]によって[[追放]]したカードを[[終了ステップ]]の開始時に[[手札に加える]]のは、その起動型能力の[[効果]]として生成される[[遅延誘発型能力]]である。 | ||
**終了ステップの開始時にネクロポーテンスが[[戦場]]からなくなっていたとしても、それらのカードを手札に加える能力は誘発する。 | **終了ステップの開始時にネクロポーテンスが[[戦場]]からなくなっていたとしても、それらのカードを手札に加える能力は誘発する。 | ||
**[[誘発型能力]]であるので、[[もみ消し/Stifle]]などで[[打ち消す]]ことができる。なお、この遅延誘発型能力は能力の起動1回につき1つ生成されるので、もみ消し1枚でカードを手札に加えるのを阻止できるのは1枚だけである。 | **[[誘発型能力]]であるので、[[もみ消し/Stifle]]などで[[打ち消す]]ことができる。なお、この遅延誘発型能力は能力の起動1回につき1つ生成されるので、もみ消し1枚でカードを手札に加えるのを阻止できるのは1枚だけである。 | ||
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*初出時のテキスト({{Gatherer|id=2478|カード画像}})では、追放したカードを手札に加えるのは[[ディスカード・フェイズ]]となっていた。[[第6版]]におけるルール変更に合わせて変更された。 | *初出時のテキスト({{Gatherer|id=2478|カード画像}})では、追放したカードを手札に加えるのは[[ディスカード・フェイズ]]となっていた。[[第6版]]におけるルール変更に合わせて変更された。 | ||
**第6版でのルール改定前は、ネクロポーテンスの対策として[[ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan]]が用いられることがあった。これは当時のボガーダンの金床は「ディスカード・フェイズを飛ばす」能力を持っていたため。第6版登場に合わせてネクロポーテンス・ボガーダンの金床ともに挙動が変更され、対策としては機能しなくなった。 | **第6版でのルール改定前は、ネクロポーテンスの対策として[[ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan]]が用いられることがあった。これは当時のボガーダンの金床は「ディスカード・フェイズを飛ばす」能力を持っていたため。第6版登場に合わせてネクロポーテンス・ボガーダンの金床ともに挙動が変更され、対策としては機能しなくなった。 | ||
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==その他== | ==その他== | ||
− | *[[アイスエイジ]]版(英語版)しか存在しなかった頃には、初心者泣かせのカードだった。とにかく物凄い長さの[[ルール文章|テキスト]] | + | *[[アイスエイジ]]版(英語版)しか存在しなかった頃には、初心者泣かせのカードだった。とにかく物凄い長さの[[ルール文章|テキスト]]で、文字数を詰め込むためにフォントサイズも小さくなっているため、虫眼鏡を使わないと読めないような大きさの英文とにらめっこするという苦行を強いられた。({{Gatherer|id=2478|カード画像}}) |
**その上「カードを[[脇に置く]]」(set aside)などと初心者には意味不明なことが書かれており、強さどころか何をするカードなのかさえ分かりにくかった。また、「ライフを[[失う]]ことは[[ダメージ]]とは違う」といった趣旨のことが延々書かれており、この時代にありがちな無駄に丁寧な記述が本文を圧迫していたのである。 | **その上「カードを[[脇に置く]]」(set aside)などと初心者には意味不明なことが書かれており、強さどころか何をするカードなのかさえ分かりにくかった。また、「ライフを[[失う]]ことは[[ダメージ]]とは違う」といった趣旨のことが延々書かれており、この時代にありがちな無駄に丁寧な記述が本文を圧迫していたのである。 | ||
**実際、後の日本ランカーなどでも「初心者時代、ネクロは訳がわからんから使わなかった」という証言をしている例もあるという。 | **実際、後の日本ランカーなどでも「初心者時代、ネクロは訳がわからんから使わなかった」という証言をしている例もあるという。 | ||
**ルールの整備が進んだ現在では比較的シンプルな記述になっている。 | **ルールの整備が進んだ現在では比較的シンプルな記述になっている。 | ||
− | * | + | *ネクロポーテンスには全身像があり、外見は骸骨の騎士で手にエネルギー球とエネルギーの剣を持っている(デュエリスト・ジャパン vol.6(P90)より)<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/necros-got-legs-2009-01-01 Necro's Got Legs!](Arcana 2009年1月1日)</ref>。 |
*Necropotenceとは「死の力」という意味。 | *Necropotenceとは「死の力」という意味。 | ||
− | *[[From the Vault:Exiled]]に{{Gatherer|id=194977|新規イラスト}}で収録された。[[ | + | *[[From the Vault:Exiled]]に{{Gatherer|id=194977|新規イラスト}}で収録された。[[アイコニックマスターズ]]でもこのイラストで再録された。 |
− | *2013年4月27日~28日に開催された『ニコニコ超会議2』において、1995年を代表するカードとして展示された<ref>[https://www.facebook.com/media/set/?set=a.588329267851413.1073741827.443027549048253&type=1#!/photo.php?fbid=588329304518076&set=a.588329267851413.1073741827.443027549048253&type=3&theater | + | *2013年4月27日~28日に開催された『ニコニコ超会議2』において、1995年を代表するカードとして展示された<ref>[https://www.facebook.com/media/set/?set=a.588329267851413.1073741827.443027549048253&type=1#!/photo.php?fbid=588329304518076&set=a.588329267851413.1073741827.443027549048253&type=3&theater マジック日本公式Facebook]</ref>。 |
==関連カード== | ==関連カード== | ||
+ | *[[第6版]]に収録されず[[スタンダード]]から[[落ちる|落ちた]]後も、[[ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain]]や[[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena]]といった類似カードが開発された。それらと見比べると、同じドローエンジンでありながらその役割は三種三様であり、どれも絶妙な持ち味を発揮している。 | ||
+ | **特にヨーグモスの取り引きは、ネクロポーテンスの調整版のはずだったが、本家[[ネクロ]]とはまた違った強力さも備えていたことから、多くの[[環境]]を席巻した。 | ||
+ | *ほかにも[[黒]]には[[古えの渇望/Ancient Craving]]のような[[ライフ]]を[[支払う]]ドローカードが数多く、その大部分がライフ1点につきカード1枚という相場になっている。 | ||
*[[アンヒンジド]]の[[Necro-Impotence]]はこれのパロディ。 | *[[アンヒンジド]]の[[Necro-Impotence]]はこれのパロディ。 | ||
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==参考== | ==参考== | ||
<references /> | <references /> | ||
− | *[ | + | *[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/arcana/570 壁紙] ([[WotC]]) |
+ | *[[ネクロ]] | ||
*[[Necropotence Avatar]] ([[Magic Online Vanguard]]) | *[[Necropotence Avatar]] ([[Magic Online Vanguard]]) | ||
*[[ターン・フェイズ・ステップを飛ばすカード]] | *[[ターン・フェイズ・ステップを飛ばすカード]] | ||
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*[[カード個別評価:アイコニックマスターズ]] - [[神話レア]] | *[[カード個別評価:アイコニックマスターズ]] - [[神話レア]] | ||
*[[カード個別評価:エターナルマスターズ]] - [[神話レア]] | *[[カード個別評価:エターナルマスターズ]] - [[神話レア]] | ||
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*[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[レア]] | *[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[レア]] | ||
*[[カード個別評価:Masters Edition 2]] - [[レア]] | *[[カード個別評価:Masters Edition 2]] - [[レア]] | ||
*[[From the Vault:Exiled]] | *[[From the Vault:Exiled]] | ||
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