Mystery Booster

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内容が全く謎のブースター製品として発表され、[[ミシックチャンピオンシップリッチモンド19|マジックフェスト・リッチモンド]]で初めてその内容が公開された。
 
内容が全く謎のブースター製品として発表され、[[ミシックチャンピオンシップリッチモンド19|マジックフェスト・リッチモンド]]で初めてその内容が公開された。
  
公式の[[カオスドラフト]]用製品とでもいうべき[[カード・セット]]。後述の15枚目のスロットを除いたカード総数は通常のセットの5倍以上のボリュームの全1694枚であり、[[ブースターパック]]の各スロットに121枚の異なる[[カード]]が印刷されたシートがそれぞれ割り振られているため、8人でドラフトをしても同じカードが出現することはほぼ無い。再録されたカードはカードの左下に[[プレインズウォーカー・シンボル]]がある以外は再録元のセットと同じ[[枠]]、[[エキスパンション・シンボル]]や[[コレクター番号]]を持つ。
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公式の[[カオスドラフト]]用製品とでもいうべき[[カード・セット]]。後述の15枚目のスロットを除いたカード総数は通常のセットの5倍以上のボリュームの全1694枚であり、[[ブースターパック]]の各スロットに121枚の異なる[[カード]]が印刷されたシートがそれぞれ割り振られているため、8人でドラフトをしても同じカードが出現することはほぼ無い。再録されたカードはカードの左下に[[プレインズウォーカー・シンボル]]がある以外は再録元のセットと同じ[[枠]]、[[エキスパンション・シンボル]]や[[コレクター番号]]を持つ。[[オラクル]]の更新も一切反映されておらず、古いカードの中には懐かしの[[メカニズム]]や[[廃語]]が含まれることもある。
  
 
[[マジックフェスト]]などの各種イベントで配布される「Convention Edition」と店舗で一般販売される「WPN version」の2種類のパックがあり、パックの15枚目のスロットに設けられた121種類の「スペシャル枠」の内容が異なる。Convention Editionには[[開発部]]がセットの開発時に使うカードを模した「'''R&D Playtest cards'''(開発部プレイテストカード)」が封入されている。WPN versionではそのスロットには1694枚とは別に選ばれた再録の[[プレミアム・カード]]が封入される<ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/189038730658/the-store-version-of-mystery-booster-is-it-all Mark RosewaterのBlog]</ref>。
 
[[マジックフェスト]]などの各種イベントで配布される「Convention Edition」と店舗で一般販売される「WPN version」の2種類のパックがあり、パックの15枚目のスロットに設けられた121種類の「スペシャル枠」の内容が異なる。Convention Editionには[[開発部]]がセットの開発時に使うカードを模した「'''R&D Playtest cards'''(開発部プレイテストカード)」が封入されている。WPN versionではそのスロットには1694枚とは別に選ばれた再録の[[プレミアム・カード]]が封入される<ref>[https://markrosewater.tumblr.com/post/189038730658/the-store-version-of-mystery-booster-is-it-all Mark RosewaterのBlog]</ref>。
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[[2021年]]8月にConvention Edtionが再版され、[[WPN]]加盟店舗で開催されるイベントでこれを用いたイベントも開催される。ただし一部カードは除外され代わりに一部のカードの出現率が2倍になっている。除外されたカードはいずれも[[アーティスト]]が[[Terese Nielsen]]か[[Noah Bradley]]<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/statement-regarding-noah-bradley-2020-06-22 Statement Regarding Noah Bradley]([[Daily MTG]] 2020年6月22日)</ref>であるため、彼らと[[WotC]]社との関係終了によるものと思われる。
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*Convention Edtionの初版分と再販分は、未開封の場合ブースターパック、ボックス共に外見で区別することが可能。基本的なレイアウト、前面右上の対象年齢表記(初版分では「AGE 13+」、再販分では白い丸印の中に「13+」)、非売品表記やバーコードの有無など複数の差異がある。
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*後に登場した[[ザ・リスト]]のカードはMystery Boosterと同じ仕様となっている。
  
 
===R&D Playtest cards===
 
===R&D Playtest cards===
開発部がマジックのデザインをする際、仮デザインのカードでプレイテストをするために通常のマジックのカードにテキストを書き込んだステッカーを貼って使用するカードを模したカード群({{Gatherer|id=476210|カード画像}})。これはMystery Boosterを用いたリミテッドの[[ゲーム]]には使用できるが、カードに書かれているとおり[[構築]][[フォーマット]]では使用できない。実際に過去に検討されて没になったカードから新たに開発部から募集されたものなど様々で、惜しくも印刷から漏れたようなまともな効果から[[銀枠]]ギリギリのものまで存在する。実際にステッカーが貼ってあるわけではなくそれを模した印刷になっており、「上書き」元のカードの[[枠]]は貼られたカードに合致するようになっている。カード[[イラスト]]も開発部の御手製だが、通常のマジックのカードの[[アーティスト]]達に敬意を示し、アーティスト名は印刷されてはいない。[[コレクター番号]]も印刷されていないが、どちらも[[Gatherer]]には登録されている。また、[[稀少度]]はいずれも[[コモン]]として登録されている。
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実際のマジックのデザイン中に使用される、仮デザインのテキストが書かれたステッカーを貼りつけたプレイテスト用のカードを模したカード群({{Gatherer|id=476210|カード画像}})。これらはMystery Boosterを用いた[[リミテッド]]の[[ゲーム]]には使用できるが、カードに書かれているとおり'''[[構築]][[フォーマット]]では使用できない'''。なお、[[枠]]デザインは実際に開発中に使われているもの(→[[プロキシ#カードのデザイン中]])よりもゲームでの使用に適したデザインへとアレンジが施されている。
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その内容は実際に過去に検討されて没になったカードから新たに開発部から募集されたものなど様々で、惜しくも印刷から漏れたようなまともな効果から[[アン・カード]]ギリギリのものまで存在する。実際にステッカーが貼ってあるわけではなくそれを模した印刷になっており、「上書き」元のカードの[[枠]]は貼られたカードに合致するようになっている。カード[[イラスト]]も開発部の御手製だが、通常のマジックのカードの[[アーティスト]]達に敬意を示し、アーティスト名は印刷されてはいない。[[コレクター番号]]も印刷されていないが、どちらも[[Gatherer]]には登録されている。また、[[稀少度]]はいずれも[[コモン]]として登録されている。
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*一部のカードについては、通常のマジックでイラストを描いている[[アーティスト]]が手掛けているものもある。
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*開封済のカードを使うリミテッド([[キューブ・ドラフト]]など)なら構築使用不可に抵触する事なく繰り返し使用可能、とも考えられる。開封済のプレイテストカードを使ったリミテッドを遊んでみるのも一興かもしれない。
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*2021年8月の再販分では、一部カード([[Yawgmoth's Testament (playtest)|Yawgmoth's Testament]]、[[Soulmates (playtest)|Soulmates]])のイラストが変更されている。それ以外のカードについても、左下のプレインズウォーカー・シンボルの有無で初版分と再販分を区別可能(初版分:シンボルあり、再販分:シンボルなし)。
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*いくつかのカードは後に[[黒枠]]カードとして登場した要素を含んでいるものもあり、油断できない。将来のメカニズムの「顔見せ」という点では[[未来予知]]の[[タイムシフト#未来予知のタイムシフト|タイムシフト]]に通じるものがある。
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**[[Enchantmentize (playtest)|Enchantmentize]] → [[星々とあるもの/One with the Stars]]
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**[[Ral's Vanguard (playtest)|Ral's Vanguard]] → [[相棒]]
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**[[Recycla-bird (playtest)|Recycla-bird]] → [[キーワード・カウンター]]
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**[[Witty Demon (playtest)|Witty Demon]] → [[空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad]]
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**[[Ruff, Underdog Champ (playtest)|Ruff, Underdog Champ]] → [[犬]]
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**[[Truth or Dare (playtest)|Truth or Dare]] → [[切削]]
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**[[Krosan Adaptation (playtest)|Krosan Adaptation]] → [[石成エンジン/Lithoform Engine]]など
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**[[Vazal, the Compleat (playtest)|Vazal, the Compleat]] → [[ファイレクシアン]]
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**[[Frogkin Kidnapper (playtest)|Frogkin Kidnapper]] → [[精鋭呪文縛り/Elite Spellbinder]]
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**[[Tibalt the Chaotic (playtest)|Tibalt the Chaotic]]など → [[片目のガース/Garth One-Eye]]
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**[[Enchanted Prairie (playtest)|Enchanted Prairie]] → [[土地・エンチャント]]
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**[[Bone Rattler (playtest)|Bone Rattler]]など → [[創出]]
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**[[Control Win Condition (playtest)|Control Win Condition]] → [[サルカンの嘲笑/Sarkhan's Scorn]]
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**[[Underdark Beholder (playtest)|Underdark Beholder]] → [[ビホルダー]]
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**[[Graveyard Dig (playtest)|Graveyard Dig]] → [[切除]]
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**[[Inspirational Antelope (playtest)|Inspirational Antelope]]、[[Gold Mine (playtest)|Gold Mine]] → [[謎めいた尖塔群/Cryptic Spires]]
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**[[Scaled Destruction (playtest)|Scaled Destruction]] → [[切り崩し/Cut Down]]
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**[[Visitor from Planet Q (playtest)|Visitor from Planet Q]] → [[エイリアン]]
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**[[Lantern of Undersight (playtest)|Lantern of Undersight]] → [[リヴァー・ソング/River Song]]
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*後の[[カルロフ邸殺人事件]]で登場した一部のカードは、当初プレイテスト・カードと重複する英語名を持っていた([[赤ニシン/Red Herring]]、[[毒を選べ/Pick Your Poison]])。[[Mark Rosewater]]曰く、プレイテスト・カードはあくまで一度遊ぶ程度のジョークカードであり、後に同名の一般カードを出しても問題ないとのこと<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/only-murders-that-were-building-part-2 Only Murders That We're Building, Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0037569/ 『殺人事件』を作る その2]([[Making Magic]] [[2024年]]2月5日 Mark Rosewater著)</ref>。同セット発売による[[Gatherer]]更新の際、プレイテスト・カードの名前は(playtest)という表記が付く形に変更された({{Gatherer|id=476227|参考:Gatherer}})。
  
 
===内容===
 
===内容===
パックの封入内容は以下になっている。それぞれのスロットでシートは決まっているため、実質的にセット内のどのカードも[[稀少度]]に関わらず封入率は1/121となる([[変則的な稀少度]])
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パックの封入内容は以下になっている。それぞれのスロットでシートは決まっているため、実質的にセット内のどのカードも[[稀少度]]に関わらず封入率は1/121となる([[変則的な稀少度]])。配分が完全に固定化されているため、どの枠が取られている、どの[[色]]が人気など、通常のブースターよりドラフト中に見えてくる情報は多い。
  
 
*2枚の[[白]]の[[コモン]]か[[アンコモン]]
 
*2枚の[[白]]の[[コモン]]か[[アンコモン]]
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/unraveling-mystery-booster-2019-11-14 Unraveling the Mystery Booster]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0033445/ 『Mystery Booster』の解明]([[Daily MTG]] 2019年11月14日)
 
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/unraveling-mystery-booster-2019-11-14 Unraveling the Mystery Booster]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0033445/ 『Mystery Booster』の解明]([[Daily MTG]] 2019年11月14日)
 
*[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0033867/ 『Mystery Booster』収録のフォイル仕様カード一覧]([[Daily MTG]] 2020年3月6日)
 
*[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0033867/ 『Mystery Booster』収録のフォイル仕様カード一覧]([[Daily MTG]] 2020年3月6日)
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*[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0035193/ 店舗イベントとともに『Mystery Booster: Convention Edition』が再びやって来る]([[Daily MTG]] [[2021年]]6月21日)
  
 
==脚注==
 
==脚注==

2024年2月21日 (水) 22:06時点における最新版

Mystery Booster
シンボル -
略号
コードネーム Whirlpool
発売日 2020年3月13日
セット枚数 全1694種類+121種類

Mystery Boosterとは、ブースタードラフト向けの再録カード・セットである。2020年3月13日発売。英語版のみ。

目次

[編集] 概要

内容が全く謎のブースター製品として発表され、マジックフェスト・リッチモンドで初めてその内容が公開された。

公式のカオスドラフト用製品とでもいうべきカード・セット。後述の15枚目のスロットを除いたカード総数は通常のセットの5倍以上のボリュームの全1694枚であり、ブースターパックの各スロットに121枚の異なるカードが印刷されたシートがそれぞれ割り振られているため、8人でドラフトをしても同じカードが出現することはほぼ無い。再録されたカードはカードの左下にプレインズウォーカー・シンボルがある以外は再録元のセットと同じエキスパンション・シンボルコレクター番号を持つ。オラクルの更新も一切反映されておらず、古いカードの中には懐かしのメカニズム廃語が含まれることもある。

マジックフェストなどの各種イベントで配布される「Convention Edition」と店舗で一般販売される「WPN version」の2種類のパックがあり、パックの15枚目のスロットに設けられた121種類の「スペシャル枠」の内容が異なる。Convention Editionには開発部がセットの開発時に使うカードを模した「R&D Playtest cards(開発部プレイテストカード)」が封入されている。WPN versionではそのスロットには1694枚とは別に選ばれた再録のプレミアム・カードが封入される[1]

2021年8月にConvention Edtionが再版され、WPN加盟店舗で開催されるイベントでこれを用いたイベントも開催される。ただし一部カードは除外され代わりに一部のカードの出現率が2倍になっている。除外されたカードはいずれもアーティストTerese NielsenNoah Bradley[2]であるため、彼らとWotC社との関係終了によるものと思われる。

  • Convention Edtionの初版分と再販分は、未開封の場合ブースターパック、ボックス共に外見で区別することが可能。基本的なレイアウト、前面右上の対象年齢表記(初版分では「AGE 13+」、再販分では白い丸印の中に「13+」)、非売品表記やバーコードの有無など複数の差異がある。
  • 後に登場したザ・リストのカードはMystery Boosterと同じ仕様となっている。

[編集] R&D Playtest cards

実際のマジックのデザイン中に使用される、仮デザインのテキストが書かれたステッカーを貼りつけたプレイテスト用のカードを模したカード群(カード画像)。これらはMystery Boosterを用いたリミテッドゲームには使用できるが、カードに書かれているとおり構築フォーマットでは使用できない。なお、デザインは実際に開発中に使われているもの(→プロキシ#カードのデザイン中)よりもゲームでの使用に適したデザインへとアレンジが施されている。

その内容は実際に過去に検討されて没になったカードから新たに開発部から募集されたものなど様々で、惜しくも印刷から漏れたようなまともな効果からアン・カードギリギリのものまで存在する。実際にステッカーが貼ってあるわけではなくそれを模した印刷になっており、「上書き」元のカードのは貼られたカードに合致するようになっている。カードイラストも開発部の御手製だが、通常のマジックのカードのアーティスト達に敬意を示し、アーティスト名は印刷されてはいない。コレクター番号も印刷されていないが、どちらもGathererには登録されている。また、稀少度はいずれもコモンとして登録されている。

[編集] 内容

パックの封入内容は以下になっている。それぞれのスロットでシートは決まっているため、実質的にセット内のどのカードも稀少度に関わらず封入率は1/121となる(変則的な稀少度)。配分が完全に固定化されているため、どの枠が取られている、どのが人気など、通常のブースターよりドラフト中に見えてくる情報は多い。

[編集] 公式特集ページ

[編集] 脚注

  1. Mark RosewaterのBlog
  2. Statement Regarding Noah Bradley(Daily MTG 2020年6月22日)
  3. Only Murders That We're Building, Part 2/『殺人事件』を作る その2Making Magic 2024年2月5日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

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