ETB

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'''ETB'''とは、「[[戦場に出る]]」、あるいは、「この[[パーマネント]]が[[戦場]]に出たとき」の[[誘発条件]]を持つ[[誘発型能力]]を意味する俗語。
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'''ETB'''とは、「[[戦場に出る]]」を意味する俗語および[[開発部]]用語。
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#'''「この[[パーマネント]]が[[戦場]]に出たとき」'''の[[誘発条件]]を持つ'''[[誘発型能力]]'''
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#まれに、「このパーマネントが戦場に出るに際し」などの[[置換効果]]を持つ[[常在型能力]]
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を指す。当Wikiでは1.の意味で使用しているため、そちらを解説する。
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==解説==
  
{{#card:Venerable Monk}}
 
 
{{#card:Ravenous Rats}}
 
{{#card:Ravenous Rats}}
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{{#card:Radiant Fountain}}
  
語源は「戦場に出る/'''E'''''nter '''''T'''''he '''''B'''''attlefield''」の頭文字。[[基本セット2010]]前の[[ルール]]用語である「場に出る/'''C'''''omes '''''I'''''nto '''''P'''''lay''」の略である'''[[CIP]]'''という呼び方も根強い。
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語源は「戦場に出る/'''E'''''nter '''''T'''''he '''''B'''''attlefield''」の頭文字。[[基本セット2010]]前の[[ルール]]用語である「場に出る/'''C'''''omes '''''I'''''nto '''''P'''''lay''」の略である'''CIP'''という呼び方も根強い。
  
*[[魂の管理人/Soul Warden]]のような他のパーマネントが戦場に出ることで誘発する能力はETB能力と呼ばれることはない。
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英語の開発記事では、略さずそのまま「"enters the battlefield" effect」「enters-the-battlefield effect」と書くことも。
*ETB能力を持つ[[クリーチャー]]が戦場に出た直後に[[状況起因処理]]によって[[墓地]]に置かれる場合でも、問題なくそのETBは誘発する。
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いずれにしても、[[マジック]]日本公式サイトでは「'''入場'''('''入場効果'''、まれに入場能力)」と翻訳されている([https://mtg-jp.com/search/?q=%E5%85%A5%E5%A0%B4%E5%8A%B9%E6%9E%9C 日本公式サイトを「入場効果」で検索]、[https://mtg-jp.com/search/?q=%E5%85%A5%E5%A0%B4%E8%83%BD%E5%8A%9B 日本公式サイトを「入場能力」で検索])。
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*対になる概念として、「戦場から墓地に置かれる(ときに誘発する能力)」のことを'''[[PIG]]'''(能力)という。
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==ルール==
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*ETB[[能力]]は、そのパーマネント[[呪文]]自身が[[解決]]されたり、それを[[戦場に出す]][[呪文]]や能力の[[解決]]後に[[スタック]]に置かれる。ETB能力が[[対象]]を選ぶならこの際に選ぶ。そのパーマネント呪文を唱える際ではない。
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**[[対戦相手]]はパーマネント呪文に[[対応]]することでETB能力がスタックに置かれる前に対策することもできる。例えば、[[炎の斬りつけ/Flame Slash]]も[[火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu]]も[[対象]]のクリーチャー1体に4点の[[ダメージ]]を[[与える]]が、[[対戦相手]]が[[高層の神秘家/Aerie Mystics]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している場合、前者なら高層の神秘家の能力を起動されても[[立ち消え]]になるのみだが、後者だと火炎舌のカヴーを唱えたのに対応して(ETB能力がスタックに置かれる前に)高層の神秘家の能力を起動されれば、火炎舌のカヴーはETB能力で味方を[[対象]]に選ぶことになってしまう。
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*ETB能力を持つ[[クリーチャー]]が戦場に出た直後に[[状況起因処理]]によって[[墓地]]に置かれても、ETBは既に誘発しており状況起因処理のチェック後にスタックに置かれる。
 
**例えば、すでに[[伝説のクリーチャー]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している状態で同名の伝説のクリーチャーを戦場に出して墓地に置いた場合や、[[魂の裏切りの夜/Night of Souls' Betrayal]]が戦場にある状態で1/1である[[エルフの幻想家/Elvish Visionary]]を戦場に出した場合が当てはまる。
 
**例えば、すでに[[伝説のクリーチャー]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している状態で同名の伝説のクリーチャーを戦場に出して墓地に置いた場合や、[[魂の裏切りの夜/Night of Souls' Betrayal]]が戦場にある状態で1/1である[[エルフの幻想家/Elvish Visionary]]を戦場に出した場合が当てはまる。
*パーマネント[[呪文]][[解決]]したあとに[[能力]][[誘発]]する関係上、普通の[[ソーサリー]]呪文とは若干挙動が異なる。相手はパーマネント呪文に[[対応]]して呪文や能力を[[スタック]]に乗せることで「ETB能力がスタックに乗る前に対策する」ことができてしまう。
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*ETB能力の[[発生源]]であるクリーチャーなどを[[除去]]しても、ETB能力は通常通り解決される。
**例えば、[[炎の斬りつけ/Flame Slash]]も[[火炎舌のカヴー/Flametongue Kavu]][[対象]]のクリーチャー1体にに4点の[[ダメージ]][[与える]]が、[[対戦相手]]が[[高層の神秘家/Aerie Mystics]]をコントロールしている場合、前者なら高層の神秘家の能力を起動されても[[立ち消え]]になるのみな一方、後者だと火炎舌のカヴーを唱えたのに対応して(ETB能力がスタックに乗る前に)高層の神秘家の能力を起動されれば、火炎舌のカヴーはETB能力で味方を[[対象]]に選ぶことになってしまう。
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*対になる概念として、「戦場から墓地に置かれる(ときに誘発する能力)」のことを[[PIG]](能力)という。
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==その他==
*ETB能力解決後は[[バニラクリーチャー]]のように働くクリーチャーのことを[[R&D|開発部]]は'''実質バニラ'''/''Virtual vanilla''と呼んでいる。
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*[[魂の管理人/Soul Warden]][[星座]][[団結]]のような他のパーマネントが戦場に出ることで誘発する能力はETB能力と呼ばれることはない。
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*他の能力を持たず、ETB能力の解決後は[[バニラクリーチャー]]のように働くクリーチャーのことを[[R&D|開発部]]は'''バーチャル・バニラ'''<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/few-more-words-rd-2013-06-10 A Few More Words from R&D]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004233/ 開発部語辞典・増補版][[Making Magic]] [[2013年]]6月10日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>/'''実質バニラ'''<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/few-more-words-rd-2016-11-07 A Few More Words from R&D]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017925/ 開発部語辞典2016](Making Magic [[2016年]]11月8日 Mark Rosewater著)</ref>(Virtual Vanilla)と呼んでいる。
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*最も最初に印刷されたETB能力持ちと言えるカードは[[スタング/Stangg]]だが、[[開発部]]がカード・デザインとして意識し始めたのは[[ビジョンズ]]である<ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0018045/ 素晴らしいバニラの材料](Latest Developments 2016年11月11日)</ref><ref>[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0018714/ 『アモンケット』語り その2](Making Magic 2017年5月1日)</ref>。
  
==単純な効果のETB能力を持つカードの代表==
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===単純な効果のETB能力を持つカードの代表===
 
;[[ライフ]]操作
 
;[[ライフ]]操作
 
*ライフ[[回復]] - [[ありがたい老修道士/Venerable Monk]]
 
*ライフ[[回復]] - [[ありがたい老修道士/Venerable Monk]]
 
*ライフ[[ドレイン]] - [[街道筋の強盗/Highway Robber]]
 
*ライフ[[ドレイン]] - [[街道筋の強盗/Highway Robber]]
 
*[[ライフロス]] - [[蛆たかり/Maggot Carrier]]
 
*[[ライフロス]] - [[蛆たかり/Maggot Carrier]]
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*クリーチャーが戦場に出るたびにライフ回復 - [[魂の管理人/Soul Warden]]
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*クリーチャーが戦場に出るたびに[[火力]] - [[伏魔殿/Pandemonium]]
 
;[[カード・アドバンテージ]]
 
;[[カード・アドバンテージ]]
 
*[[ドロー]] - [[幕僚団/Council of Advisors]]([[青]])、[[エルフの幻想家/Elvish Visionary]]([[緑]])
 
*[[ドロー]] - [[幕僚団/Council of Advisors]]([[青]])、[[エルフの幻想家/Elvish Visionary]]([[緑]])
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*[[土地]][[サーチ]] - [[護民官の道探し/Civic Wayfinder]]
 
*[[土地]][[サーチ]] - [[護民官の道探し/Civic Wayfinder]]
 
*土地をサーチして戦場に出す - [[ウッド・エルフ/Wood Elves]]、[[彼方地のエルフ/Farhaven Elf]]
 
*土地をサーチして戦場に出す - [[ウッド・エルフ/Wood Elves]]、[[彼方地のエルフ/Farhaven Elf]]
 +
*クリーチャーが戦場に出るたびにドロー - [[垣間見る自然/Glimpse of Nature]]
 
;[[除去]]
 
;[[除去]]
 
*クリーチャー[[破壊]] - [[ネクラタル/Nekrataal]]
 
*クリーチャー[[破壊]] - [[ネクラタル/Nekrataal]]
*マイナス[[修整]] - [[水膨れ虫/Blister Beetle]]
+
*マイナス[[修整]] - [[水膨れ虫/Blister Beetle]]、[[フェアリーの決闘者/Faerie Duelist]]
*[[布告]]除去 - [[捕食の夜魔/Predatory Nightstalker]]
+
*[[布告]]除去 - [[捕食の夜魔/Predatory Nightstalker]]、[[肉袋の匪賊/Fleshbag Marauder]]
 
*一時[[追放]] - [[忘却の輪/Oblivion Ring]]、[[悪鬼の狩人/Fiend Hunter]]
 
*一時[[追放]] - [[忘却の輪/Oblivion Ring]]、[[悪鬼の狩人/Fiend Hunter]]
 
*[[バウンス]] - [[大クラゲ/Man-o'-War]]
 
*[[バウンス]] - [[大クラゲ/Man-o'-War]]
 
*[[アーティファクト]]破壊 - [[躁の蛮人/Manic Vandal]]([[赤]])、[[ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan]]([[緑]])
 
*[[アーティファクト]]破壊 - [[躁の蛮人/Manic Vandal]]([[赤]])、[[ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan]]([[緑]])
 
*[[エンチャント]]破壊 - [[雲を追う鷲/Cloudchaser Eagle]]
 
*[[エンチャント]]破壊 - [[雲を追う鷲/Cloudchaser Eagle]]
 +
*アーティファクトかエンチャント破壊 - [[再利用の賢者/Reclamation Sage]]
 
;その他
 
;その他
*[[打ち消し]] - [[神秘の蛇/Mystic Snake]]
+
*[[打ち消す|打ち消し]] - [[神秘の蛇/Mystic Snake]]
 
*[[手札破壊]] - [[貪欲なるネズミ/Ravenous Rats]]
 
*[[手札破壊]] - [[貪欲なるネズミ/Ravenous Rats]]
 
*一時的[[全体強化]] - [[鼓舞する隊長/Inspiring Captain]]
 
*一時的[[全体強化]] - [[鼓舞する隊長/Inspiring Captain]]
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*[[+1/+1カウンター]] - [[鋼胴の甲虫/Ironshell Beetle]]
 
*[[+1/+1カウンター]] - [[鋼胴の甲虫/Ironshell Beetle]]
 
*[[ブロック制限]] - [[ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter]]
 
*[[ブロック制限]] - [[ゴブリンの近道抜け/Goblin Shortcutter]]
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*[[タップ]] - [[睡魔術師/Somnomancer]]
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*[[マナ加速]] - [[ギックスの僧侶/Priest of Gix]]
  
 
==参考==
 
==参考==
*[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0017925/ 開発部語辞典2016](Making Magic 2016年11月7日 [[Mark Rosewater]]著)
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<references/>
 
*[[戦場に出る]]
 
*[[戦場に出る]]
 
*[[187クリーチャー]]
 
*[[187クリーチャー]]
 
*[[領域変更誘発]]
 
*[[領域変更誘発]]
 
*[[用語集]]
 
*[[用語集]]

2022年5月27日 (金) 02:19時点における版

ETBとは、「戦場に出る」を意味する俗語および開発部用語。

転じて

  1. 「このパーマネント戦場に出たとき」誘発条件を持つ誘発型能力
  2. まれに、「このパーマネントが戦場に出るに際し」などの置換効果を持つ常在型能力

を指す。当Wikiでは1.の意味で使用しているため、そちらを解説する。

目次

解説


Ravenous Rats / 貪欲なるネズミ (1)(黒)
クリーチャー — ネズミ(Rat)

貪欲なるネズミが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。

1/1


Fists of Ironwood / 鉄の樹の拳 (1)(緑)
エンチャント — オーラ(Aura)

エンチャント(クリーチャー)
鉄の樹の拳が戦場に出たとき、緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンを2体生成する。
エンチャントされているクリーチャーはトランプルを持つ。



Radiant Fountain / 光輝の泉
土地

光輝の泉が戦場に出たとき、あなたは2点のライフを得る。
(T):(◇)を加える。


語源は「戦場に出る/Enter The Battlefield」の頭文字。基本セット2010前のルール用語である「場に出る/Comes Into Play」の略であるCIPという呼び方も根強い。

英語の開発記事では、略さずそのまま「"enters the battlefield" effect」「enters-the-battlefield effect」と書くことも。

いずれにしても、マジック日本公式サイトでは「入場入場効果、まれに入場能力)」と翻訳されている(日本公式サイトを「入場効果」で検索日本公式サイトを「入場能力」で検索)。

  • 対になる概念として、「戦場から墓地に置かれる(ときに誘発する能力)」のことをPIG(能力)という。

ルール

その他

単純な効果のETB能力を持つカードの代表

ライフ操作
カード・アドバンテージ
除去
その他

参考

  1. A Few More Words from R&D/開発部語辞典・増補版Making Magic 2013年6月10日 Mark Rosewater著)
  2. A Few More Words from R&D/開発部語辞典2016(Making Magic 2016年11月8日 Mark Rosewater著)
  3. 素晴らしいバニラの材料(Latest Developments 2016年11月11日)
  4. 『アモンケット』語り その2(Making Magic 2017年5月1日)
http://mtgwiki.com/wiki/ETB」より作成
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