蜘蛛の女王、ロルス/Lolth, Spider Queen

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(推敲)
3行: 3行:
  
 
;誘発型能力
 
;誘発型能力
:自分のクリーチャーが[[死亡]]するたびに[[忠誠カウンター]]を1つ得る。プラス能力はないため、自力で忠誠度を上げる唯一の手段となる。
+
:自分のクリーチャーが[[死亡]]するたびに[[忠誠カウンター]]を1つ得る。プラス能力を持たないため、ロルス単独で忠誠度を上げる唯一の要素となる。
  
 
;±0能力
 
;±0能力
:[[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena]]に近い、[[黒]]によくあるライフを代償にしたドロー。忠誠度こそ上がらないがこの能力のおかげで[[置物]]にならず常に[[カード・アドバンテージ]]の供給に貢献できる。
+
:[[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena]]に近い、[[黒]]によくあるライフを代償にしたドロー。忠誠度こそ上がらないが、防御手段が確保できているなら相応に効率的な[[カード・アドバンテージ]]をもたらす。
  
 
;-3能力
 
;-3能力
15行: 15行:
 
;-8能力
 
;-8能力
 
:あまり類を見ない[[効果]]だが、要は「[[戦闘ダメージ]]を1点でも与えさえすれば、[[ターン]]中の他効果での減少分と戦闘ダメージと合わせて合計8点に届くように[[対戦相手]]の[[ライフ]]を失わせる」というもの。例えば、1点の戦闘ダメージが通っただけならば7点、戦闘前に[[火力]]で2点のダメージを与えたのち2点の戦闘ダメージが通ったなら4点のライフを失わせる。
 
:あまり類を見ない[[効果]]だが、要は「[[戦闘ダメージ]]を1点でも与えさえすれば、[[ターン]]中の他効果での減少分と戦闘ダメージと合わせて合計8点に届くように[[対戦相手]]の[[ライフ]]を失わせる」というもの。例えば、1点の戦闘ダメージが通っただけならば7点、戦闘前に[[火力]]で2点のダメージを与えたのち2点の戦闘ダメージが通ったなら4点のライフを失わせる。
:[[回避能力]]などで攻撃が通りさえすれば、[[小型クリーチャー]]であっても3ターン[[クロック]]に跳ね上がる。[[二段攻撃]]と相性が良い。最初の戦闘ダメージが通った時に「8点保証」が行われ、2回目の戦闘ダメージが普通に通り、パワー2なら計10点で2ターンクロックとなる。
+
:[[回避能力]]などで攻撃が通りさえすれば、[[小型クリーチャー]]であっても3ターン[[クロック]]に跳ね上がる。[[先制攻撃]]や[[二段攻撃]]と相性が良い。第1戦闘ダメージ・ステップのダメージ計算時に「8点保証」が行われたのち、第2戦闘ダメージ・ステップのダメージ計算が通常通り行われるためである。パワー2の二段攻撃持ち1体、あるいはパワー2の先制攻撃持ち1体と同じくパワー2の[[バニラ]]とをあなたがコントロールしていた場合、一回の戦闘で対戦相手が失うライフは最大10点、2ターンで20点を奪える計算となる。
  
忠誠度を増やすには自分が[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]しているクリーチャーを[[死亡]]させないと厳しいが、逆に言えば十分な数のクリーチャーと[[サクり台]]があれば[[戦場に出る|戦場に出た]][[ターン]]に-8能力が使える。[[サクリファイス]]系[[デッキ]]であれば忠誠度には困らず、エサになる蜘蛛トークンを出し続ける運用も可能で相性が良い。
+
誘発能力の特性上、4体のクリーチャーと[[サクり台]]を[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している場合は、[[戦場に出る|戦場に出た]][[ターン]]に-8能力を使用できる。アタッカー兼忠誠度の補給手段として蜘蛛トークンを連続して出し続ける運用も可能なことから、[[サクリファイス]]系[[デッキ]]との相性は非常に良い。一方で、クリーチャートークン生産と[[ドローエンジン]]とを兼用する[[プレインズウォーカー]]という点のみで5マナ域の[[パーマネント]]として十二分なアドバンテージをもたらすため、無理をして-8能力を狙わなくとも盤面をじわじわと制圧してゆくパフォーマンスを持つ。よって[[ビートダウン]]や[[コントロール]]でも運用に耐え得る、使い勝手の良いカードとなっている。
そもそも『蜘蛛トークンを出した上で±0能力が使えるロルスが[[戦場]]に残る』という状況が[[対戦相手]]にリアクションを強要する盤面を構築しているため、-8能力を狙わなくとも[[マナ・コスト]]相応の仕事が果たせている。よってクリーチャーが薄いデッキでも運用に耐え得る、見た目に反して器用なプレインズウォーカーとなっている。
+
  
 
==ルール==
 
==ルール==
 +
;誘発型能力
 +
*蜘蛛の女王、ロルスと自分のクリーチャーが同時に死亡した場合、[[忠誠度]]の加算はロルスが[[墓地]]に送られたあとに行われるため、ロルスは[[戦場]]には残らない。
 +
 
;-8能力
 
;-8能力
*ターン中でのライフの増減を参照する多くのカードと同じく、実際に失った値を参照する。4点のライフを失った後に5点のライフを得たとしても、紋章により失わせられる可能性がある幅は8-4=4点である。
+
*ターン中での[[ライフ]]の増減を参照する多くのカードと同じく、実際に失った値を参照し、加算値による修整は行われない。たとえば、このターン合計4点の[[戦闘ダメージ]]を対戦相手に与え、その前後に[[対戦相手]]が4点のライフを得ていた場合、[[紋章]]によって追加されるライフの喪失は8-4=4点であり、8-4+4=8点とはならない。
*そのターン対戦相手がすでに8点以上のライフを失っている場合は何も起きない。
+
*そのターン対戦相手がすでに8点以上のライフを失っている場合、紋章の効果は発生しない。このため、なんらかの手段で8点のライフを自ら支払うことで、前述した二段攻撃や先制攻撃と組み合わせてのダメージを抑える類の戦術も理論としては可能である。
*蜘蛛の女王、ロルスと自分のクリーチャーが同時に死亡した場合、誘発型能力より先にロルスが死亡するため、忠誠度の上昇で生き残る事は無い。
+
  
 
==関連カード==
 
==関連カード==
31行: 32行:
  
 
==ストーリー==
 
==ストーリー==
'''ロルス'''/''Lolth''は[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]のキャラクター。上級[[神]]。女性。[[エルフ]]の姿、あるいはエルフの上半身と[[蜘蛛]]の下半身から成る姿で現れる({{Gatherer|id=528703|イラスト1}}、{{Gatherer|id=530402|イラスト2}})。属性は混沌にして悪。「デヴィル」であるアスモデウスと対立する超存在「デーモン」であり、デーモンたちの拠点である「アビス」に棲まう。
+
'''ロルス'''/''Lolth''は[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]のキャラクター。上級[[神]]。女性。[[エルフ]]の姿、あるいはエルフの上半身と[[蜘蛛]]の下半身から成る姿で現れる({{Gatherer|id=528703|イラスト1}}、{{Gatherer|id=530402|イラスト2}})。属性は混沌にして悪。「デヴィル」であるアスモデウスと対立する超存在「デーモン」であり、デーモンたちの拠点である外方次元界「アビス」第666層に棲まう。
  
 
ロルスは欺瞞の網を紡ぎ、破壊と混沌を喰らう古の女神だ。彼女はアンダーダーク/The Underdark(地下世界)に住むドラウ/Drow(ダークエルフ)の教団を世界の他のものから隔離し、支配し続けている。
 
ロルスは欺瞞の網を紡ぎ、破壊と混沌を喰らう古の女神だ。彼女はアンダーダーク/The Underdark(地下世界)に住むドラウ/Drow(ダークエルフ)の教団を世界の他のものから隔離し、支配し続けている。

2021年9月5日 (日) 20:47時点における版


Lolth, Spider Queen / 蜘蛛の女王、ロルス (3)(黒)(黒)
伝説のプレインズウォーカー — ロルス(Lolth)

あなたがコントロールしているクリーチャー1体が死亡するたび、蜘蛛の女王、ロルスの上に忠誠(loyalty)カウンター1個を置く。
[0]:あなたはカード1枚を引き、1点のライフを失う。
[-3]:威迫と到達を持つ黒の2/1の蜘蛛(Spider)クリーチャー・トークン2体を生成する。
[-8]:あなたは「あなたがコントロールしている1体以上のクリーチャーが対戦相手1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーがこのターンに失ったライフが8点より少ない場合、そのプレイヤーは、その差に等しい点数のライフを失う。」を持つ紋章を得る。

4

伝説のプレインズウォーカーとしてカード化されたダンジョンズ&ドラゴンズの邪神。コストがプラスの忠誠度能力を持たないタイプのプレインズウォーカーで、代わりに自分クリーチャーが死亡するたび忠誠度を上げる誘発型能力を持つ。忠誠度能力はライフロス付きのドロー蜘蛛・クリーチャー・トークン生成クリーチャー攻撃によって減らせるライフを8点分保証する紋章の獲得。

誘発型能力
自分のクリーチャーが死亡するたびに忠誠カウンターを1つ得る。プラス能力を持たないため、ロルス単独で忠誠度を上げる唯一の要素となる。
±0能力
ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arenaに近い、によくあるライフを代償にしたドロー。忠誠度こそ上がらないが、防御手段が確保できているなら相応に効率的なカード・アドバンテージをもたらす。
-3能力
威迫到達を持つ2/1の蜘蛛2体を生成する。
忠誠度の消費はやや大きいものの、攻防に役立つ能力を持つクリーチャーを2体も出せる。ロルス自身を守るのにもボード・アドバンテージ面からも重要な能力。
出した蜘蛛が死亡する予定ならば誘発型能力によって2点分の忠誠度が返ってくるため、実質的な忠誠度消費はそこまで大きくない。
-8能力
あまり類を見ない効果だが、要は「戦闘ダメージを1点でも与えさえすれば、ターン中の他効果での減少分と戦闘ダメージと合わせて合計8点に届くように対戦相手ライフを失わせる」というもの。例えば、1点の戦闘ダメージが通っただけならば7点、戦闘前に火力で2点のダメージを与えたのち2点の戦闘ダメージが通ったなら4点のライフを失わせる。
回避能力などで攻撃が通りさえすれば、小型クリーチャーであっても3ターンクロックに跳ね上がる。先制攻撃二段攻撃と相性が良い。第1戦闘ダメージ・ステップのダメージ計算時に「8点保証」が行われたのち、第2戦闘ダメージ・ステップのダメージ計算が通常通り行われるためである。パワー2の二段攻撃持ち1体、あるいはパワー2の先制攻撃持ち1体と同じくパワー2のバニラとをあなたがコントロールしていた場合、一回の戦闘で対戦相手が失うライフは最大10点、2ターンで20点を奪える計算となる。

誘発能力の特性上、4体のクリーチャーとサクり台コントロールしている場合は、戦場に出たターンに-8能力を使用できる。アタッカー兼忠誠度の補給手段として蜘蛛トークンを連続して出し続ける運用も可能なことから、サクリファイスデッキとの相性は非常に良い。一方で、クリーチャートークン生産とドローエンジンとを兼用するプレインズウォーカーという点のみで5マナ域のパーマネントとして十二分なアドバンテージをもたらすため、無理をして-8能力を狙わなくとも盤面をじわじわと制圧してゆくパフォーマンスを持つ。よってビートダウンコントロールでも運用に耐え得る、使い勝手の良いカードとなっている。

ルール

誘発型能力
  • 蜘蛛の女王、ロルスと自分のクリーチャーが同時に死亡した場合、忠誠度の加算はロルスが墓地に送られたあとに行われるため、ロルスは戦場には残らない。
-8能力
  • ターン中でのライフの増減を参照する多くのカードと同じく、実際に失った値を参照し、加算値による修整は行われない。たとえば、このターン合計4点の戦闘ダメージを対戦相手に与え、その前後に対戦相手が4点のライフを得ていた場合、紋章によって追加されるライフの喪失は8-4=4点であり、8-4+4=8点とはならない。
  • そのターン対戦相手がすでに8点以上のライフを失っている場合、紋章の効果は発生しない。このため、なんらかの手段で8点のライフを自ら支払うことで、前述した二段攻撃や先制攻撃と組み合わせてのダメージを抑える類の戦術も理論としては可能である。

関連カード

サイクル

フォーゴトン・レルム探訪プレインズウォーカーサイクル。各に1枚ずつ存在する。稀少度神話レア

いずれもダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクターであり、背景設定上はプレインズウォーカー/Planeswalkerではない。

ストーリー

ロルス/Lolthダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクター。上級。女性。エルフの姿、あるいはエルフの上半身と蜘蛛の下半身から成る姿で現れる(イラスト1イラスト2)。属性は混沌にして悪。「デヴィル」であるアスモデウスと対立する超存在「デーモン」であり、デーモンたちの拠点である外方次元界「アビス」第666層に棲まう。

ロルスは欺瞞の網を紡ぎ、破壊と混沌を喰らう古の女神だ。彼女はアンダーダーク/The Underdark(地下世界)に住むドラウ/Drow(ダークエルフ)の教団を世界の他のものから隔離し、支配し続けている。

何千年も昔、ロルスはエルフの神々の戦争を焚きつけ、エルフの民を永遠に分断した。それから彼女はドラウの集団を説き伏せ、アンダーダークへと連れてきた――今日に至っても、彼らはロルスの熱狂的な信者のままでいる。

蜘蛛の女王/The Spider Queen、あるいは蜘蛛のデーモンの女王/The Demon Queen of Spidersとしても知られるロルスは、信者たちの絶対的な忠誠心を集めている。彼女の要求が何であれ、彼らは従う。

彼女にとっては信者も生贄も等しく玩具に他ならない。特に気に入ったドラウを見つけると、ロルスは彼らをアビスにおける神殿たるデーモンウェブ・ピッツ/The Demonweb Pitsに呼び寄せ、その信仰と力量を試す(これには信徒同士での殺し合いも含まれる)。試練を乗り越えられなかった者は上半身がダークエルフ・下半身が蜘蛛のキメラ生物「ドライダー/Drider」へと変えられてしまう。

  • このような残酷な行為で悪名を馳せる一方、フォーゴトン・レルム/Forgotten Realmsの舞台である次元/Plane「トリル/Toril」を他次元と行き来できるようにするなど、上級神としての彼女の功績は決して小さくない。

登場作品・登場記事

参考

QR Code.gif