虚空の杯/Chalice of the Void

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2021年8月30日 (月) 21:10時点における053 (トーク | 投稿記録)による版
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Chalice of the Void / 虚空の杯 (X)(X)
アーティファクト

虚空の杯はその上にX個の蓄積(charge)カウンターが置かれた状態で戦場に出る。
プレイヤーが、この上に置かれている蓄積カウンターに等しいマナ総量を持つ呪文を1つ唱えるたび、その呪文を打ち消す。


数少ない、呪文打ち消すアーティファクト。特定のマナ総量呪文を自動的に打ち消す。

主に速攻デッキ対策としてX=0か1で唱えられることが多い。それ以上の数字になるとコストが大きくなるのでどうしても後手に回ってしまい、効果が薄くなってしまう。

スタンダードでは、酸化/Oxidize頭蓋骨絞め/Skullclampなど優秀な1マナ呪文が多かったため一部のデッキで採用された。ほぞ支援や蓄積カウンター支援カードと組み合わせても有効。エクステンデッドでも、マナカーブが低マナ域に集中したデッキへの拘束力は十分であり、世界選手権08では親和エルフへの対策としてしばしば採用された。

ヴィンテージ環境では0マナアーティファクトが横行しているため、先手1ターン目に自分はそれらを並べてからこれをX=0で唱えることで、圧倒的に優位に立つことが可能。レガシーでは1マナの優良カードがひしめく環境であるため、X=1で設置されるとかなりのデッキが機能不全に陥いる。影響力の高さから、2マナランドから1ターン目にX=1で置かれたり(ストンピィ)、アーティファクト除去も2マナ以上のカードが中心となる。モダン軽いカードの多い高速環境ではあるが、メタの関係上、エターナルほどの影響はない。それでも低マナ域に特化した高速デッキは常に一定以上存在し、特に夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den登場以降は意図的にそうする構成のデッキさえ登場したため、早い段階でX=1、2で設置する戦略は有効であり、ランプ系デッキでの採用率は比較的高い。

2015年10月2日より、ヴィンテージで制限カードに指定された。勢力を増しているMishra's Workshop系のデッキを抑えるのが目的だが、「Moxを使える」というヴィンテージのフォーマットとしての存在意義を損なわせていることも理由。(参考/翻訳

ルール

マナ総量」のページも参照のこと。

  • 蓄積カウンターが乗っていない場合、0マナの呪文を打ち消す。
    • この時、変異による裏向きクリーチャー呪文を打ち消すことができる。なぜなら裏向きのクリーチャーはマナ総量が0だからである。唱えるためのコストが3マナだからと言って、蓄積カウンターが3個の場合に打ち消されるわけではないので注意。
  • 呪文のマナ総量は、唱えられたときにのみ確認する。唱え終わってから蓄積カウンターの数を変更しても、その呪文が打ち消されたり、打ち消しが回避されたりすることはない。
  • 条件に合う呪文を唱えると打ち消されるというだけで、唱えること自体はできる。
  • 複製ストームの効果によるコピーは「唱えて」いないため、虚空の杯の能力は誘発しない。コピーでないもともとの呪文だけが打ち消され、コピーは打ち消されずに残る。
  • スタック以外の領域ではX=0として扱うため、虚空の杯自体のマナ総量は多くの場合で0である(ほぞ)。蓄積カウンターが何個乗っているかは関係がない。

原案

原案はGary Wiseが2001年のインビテーショナルで提出していたインビテーショナルカード案である。そのときの案は以下の通り。


非公式/非実在カード

Artifact of Doom (2)
アーティファクト

Artifact of Doomが場に出るに際し、数を1つ選ぶ。
点数で見たマナ・コストが選ばれた数に等しい呪文はプレイできない。


その後、Mark Rosewaterがミラディンでヴィンテージ向けのカードをデザインしていたとき、このGaryのカードを思い出し調整を経て収録されたのだった。

  • 「マナ域を指定して唱えることを禁止する」というアイディア自体は、15年後に聖域の僧院長/Sanctum Prelateで実現することになる。こちらはクリーチャーでない呪文限定。
  • Rosewaterは「Moxを持っていないプレイヤーが、Mox使いと渡り合えるようになるカード」と思っていたようだが、実際には上記のように先にMoxを展開してから置けば一方的になるため、思惑通りにはならなかった。

参考

  1. Guilds of Ravnica: Magic Online Edition(Magic Online 2018年9月19日)
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