統率者戦

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統率者は[[レジェンド・ルール]]の影響を受け、[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]奪取などで同じ[[カード名]]の[[伝説のパーマネント]]をコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。
 
統率者は[[レジェンド・ルール]]の影響を受け、[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]奪取などで同じ[[カード名]]の[[伝説のパーマネント]]をコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。
*以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は[[#その他]]の「オープンルール」参照。
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*以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は[[#旧ルール]]の「オープンルール」参照。
  
1対1でゲームを行ってもよいが、[[多人数戦]]で行うのが一般的である。
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1対1でゲームを行ってもよいが、[[多人数戦]]で行うのが一般的である。多人数戦の場合、通常は[[無差別戦]]の「[[複数への攻撃]]」選択ルールを用い、「[[影響範囲]]制限」選択ルールを用いない。また、そのほかのルールも多人数戦のものを用いる。詳細は[[多人数戦#ルール]]を参照。
*多人数戦の場合、通常は[[無差別戦]]の「[[複数への攻撃]]」選択ルールを用い、「[[影響範囲]]制限」選択ルールを用いない。また、そのほかのルールも多人数戦のものを用いる。詳細は[[多人数戦#ルール]]を参照。
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===使用カード===
 
===使用カード===
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統率者戦はカジュアルフォーマットであるため、以下のような様々な選択ルール([[ハウスルール]])が提唱されている。これらを用いる場合、コミュニティ内で事前に合意や確認を取るなどし、トラブルの出ないようにしたい。[[ハウスルール]]の項も参照のこと。
 
統率者戦はカジュアルフォーマットであるため、以下のような様々な選択ルール([[ハウスルール]])が提唱されている。これらを用いる場合、コミュニティ内で事前に合意や確認を取るなどし、トラブルの出ないようにしたい。[[ハウスルール]]の項も参照のこと。
  
====Partial Paris Mulligan====
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====Partial Paris Mulligan(部分的パリ・マリガン)====
 
:現在の[[マリガン]](ロンドン・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく[[土地事故]]を和らげるため、特殊なマリガンルールとして'''Partial Paris Mulligan'''が設けられていた。
 
:現在の[[マリガン]](ロンドン・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく[[土地事故]]を和らげるため、特殊なマリガンルールとして'''Partial Paris Mulligan'''が設けられていた。
  
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:#少なくとも1枚のカードを追放したプレイヤーは、1に戻ってこの手順を繰り返してもよい。
 
:#少なくとも1枚のカードを追放したプレイヤーは、1に戻ってこの手順を繰り返してもよい。
 
:#どのプレイヤーも追放しないことを選んだ場合、各プレイヤーは追放したカードを自分のライブラリーに戻して[[切り直す]]。
 
:#どのプレイヤーも追放しないことを選んだ場合、各プレイヤーは追放したカードを自分のライブラリーに戻して[[切り直す]]。
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====Gijs Mulligan(ハイス・マリガン)====
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:マリガンを手早く終わらせるために、[[ジャッジ]]の[[Gijsbert Hoogendijk]]によって考案されたマリガンルール。[[Ron Foster]]のコラムで紹介された<ref name="foster1">[https://mtg-jp.com/reading/roncommander/0033645/ 第6回:おすすめ変則ルール紹介](ロン・フォスターの統率者日記 [[2020年]]1月17日 [[Ron Foster]]著)</ref>。
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:ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
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:#手札が気に入らない場合、その手札をライブラリーに戻さず脇に置き、新たに7枚引き直す。
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:#1の手順を望むだけ繰り返す。
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:#脇に置いたカードは、そのプレイヤーの最初の[[ターン]]を終えた後でライブラリーに戻して切り直す(時間節約のため)。
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:*時間短縮にはなるが悪用されうるため、コラムでは「[[土地]]が3枚ある手札なら[[キープ]]とする」などの基準を設けること、信頼できる仲間内で使うことを勧めている。
  
 
====EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)====
 
====EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)====
 
:この選択ルールを採用する場合、各[[プレイヤー]]は1枚の統率者と99枚の[[カード]]の他に10枚の[[サイドボード]]・カード用意することができる。
 
:この選択ルールを採用する場合、各[[プレイヤー]]は1枚の統率者と99枚の[[カード]]の他に10枚の[[サイドボード]]・カード用意することができる。
  
:統率者が選ばれた後、各プレイヤーは[[デッキ]]のカードと1対1で入れ替えるための3分が与えられる。
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:統率者が選ばれた後、各プレイヤーは[[デッキ]]のカードと1対1で入れ替えるための時間として3分が与えられる。
  
:*デッキに入らなかったカードは[[願い]]などで回収できる。
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:*デッキに入らなかったカードは[[ゲームの外部]]を参照するカード([[願い]]など)でアクセスできる。
  
 
====Victory Points(代替勝利条件)====
 
====Victory Points(代替勝利条件)====
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====Stranglehold Cage Commander(「締め付けと檻」ルール)====
 
====Stranglehold Cage Commander(「締め付けと檻」ルール)====
:統率者戦特有の[[コンボデッキ]]有利を是正しようと[[Adam Styborski]]が“[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/serious-fun/two-cards-bring-them-all-and-fairness-bind-them-2012-01-31 Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)]”で提唱した選択ルール。
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:統率者戦特有の[[コンボデッキ]]有利を是正しようと[[Adam Styborski]]が提唱した選択ルール<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/serious-fun/two-cards-bring-them-all-and-fairness-bind-them-2012-01-31 Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)](Serious Fun [[2012年]]1月31日 [[Adam Styborski]]著)</ref>。
  
:[[統率]][[領域]]に[[締め付け/Stranglehold]]と[[墓掘りの檻/Grafdigger's Cage]]がおかれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態で戦う。
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:[[統率]][[領域]]に[[締め付け/Stranglehold]]と[[墓掘りの檻/Grafdigger's Cage]]が置かれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態でゲームを行う。
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====フリー基本土地ルール====
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:[[土地事故]]([[マナスクリュー]])を緩和する選択ルール。[[Ron Foster]]のコラムで紹介された<ref name="foster1"/>。
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:ゲーム開始前に、各プレイヤーは[[ライブラリー]]から[[基本土地]]カード1枚を探し[[統率]][[領域]]に置いてもよい。ゲーム中、プレイヤーは[[ドロー・ステップ]]の[[引く|ドロー]]を[[飛ばす]]代わりにその基本土地を[[手札に加える]]ことができる。
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====常時統治者ルール====
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:遅く、停滞しがちなゲームのテンポを速めて[[戦闘]]を促すため、[[Shivam Bhatt]]が提唱した選択ルール。[[Ron Foster]]のコラムで紹介された<ref name="foster1"/>。
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:ゲーム中、最初に[[対戦相手]]に[[戦闘ダメージ]]を与えたプレイヤーは[[統治者]]になる。
  
 
==Magic Online==
 
==Magic Online==
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ルールは実際の統率者戦とほぼ同様であるが、マリガンはPartial Paris Mulliganではなく、最初の1回だけ枚数を減らさずに引き直せる方式が採用されている。
 
ルールは実際の統率者戦とほぼ同様であるが、マリガンはPartial Paris Mulliganではなく、最初の1回だけ枚数を減らさずに引き直せる方式が採用されている。
  
制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、[[メムナーク/Memnarch]]は[[無色]]の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日の[[Magic Online]]のアップデートで固有色を用いるように変更された([http://community.wizards.com/magiconline/blog/2011/06/28/announcements_--_june_28,_2011 参考])。
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制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、[[メムナーク/Memnarch]]は[[無色]]の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日の[[Magic Online]]のアップデートで固有色を用いるように変更された<ref>[https://web.archive.org/web/20110803011050/http://community.wizards.com/magiconline/blog/2011/06/28/announcements_--_june_28,_2011 Announcements -- June 28, 2011 (Internet Archive)](Magic Online Blog [[2011年]]6月28日)</ref>。
  
 
禁止カードは実際の統率者戦と同一である。
 
禁止カードは実際の統率者戦と同一である。
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**先の変更により、オーナーが意図して選択しなければ「統率者が他のプレイヤーにより裏向きで追放される」という状況が発生しなくなった。そのためそのような状況に対応していた「カードを裏向きで追放する場合、即座にその表を確認し、それが他のプレイヤーがオーナーである統率者ならば表向きで統率領域に置く」という旨のルールが2016年7月の更新で削除された。
 
**先の変更により、オーナーが意図して選択しなければ「統率者が他のプレイヤーにより裏向きで追放される」という状況が発生しなくなった。そのためそのような状況に対応していた「カードを裏向きで追放する場合、即座にその表を確認し、それが他のプレイヤーがオーナーである統率者ならば表向きで統率領域に置く」という旨のルールが2016年7月の更新で削除された。
 
*2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはその[[色]]の[[マナ]]しか生み出せず、不適正な[[色マナ]]を生み出す場合は代わりに[[無色マナ]]を生み出す」という追加ルールが存在していた。現在は[[ルール文章]]の通りに定められた色マナを生み出す。
 
*2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはその[[色]]の[[マナ]]しか生み出せず、不適正な[[色マナ]]を生み出す場合は代わりに[[無色マナ]]を生み出す」という追加ルールが存在していた。現在は[[ルール文章]]の通りに定められた色マナを生み出す。
*[[Unstable]]の発売記念として、2017年12月1日から2018年1月15日まで、特例として[[銀枠]]のカードも使用可能推奨となる<ref>[http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18749 SPECIAL UNANNOUNCEMENT: December 1, 2017] (mtgcommander.net公式)</ref>。ただし、銀枠カードを用いて行われた統率者戦では、通常の禁止カードの他、一部の銀枠カードが禁止カード、または「使用時に注意が必要なカード(使用非推奨)」が指定された。
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*[[Unstable]]の発売記念として、2017年12月1日から2018年1月15日まで、特例として[[銀枠]]のカードも使用可能推奨となる<ref>[https://web.archive.org/web/20190404155645/http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18749 SPECIAL UNANNOUNCEMENT: December 1, 2017 (Internet Archive)] (mtgcommander.net公式)</ref>。ただし、銀枠カードを用いて行われた統率者戦では、通常の禁止カードの他、一部の銀枠カードが禁止カード、または「使用時に注意が必要なカード(使用非推奨)」が指定された。
 
**禁止カード/使用非推奨カードの他、[[伝説のアーティファクト]]である[[大演算器/The Grand Calcutron]]が[[統率者]]に指定できるという特別裁定が出された。現在では[[オラクル]]更新により実際に統率者として使用できる能力を持っている。
 
**禁止カード/使用非推奨カードの他、[[伝説のアーティファクト]]である[[大演算器/The Grand Calcutron]]が[[統率者]]に指定できるという特別裁定が出された。現在では[[オラクル]]更新により実際に統率者として使用できる能力を持っている。
 
**銀枠を用いて行われた統率者戦の禁止カードは以下の通り。
 
**銀枠を用いて行われた統率者戦の禁止カードは以下の通り。
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***[[Magical Hacker]]
 
***[[Magical Hacker]]
 
***[[Mox Lotus]]
 
***[[Mox Lotus]]
***[[Nerf War]](緊急改訂により追加で禁止<ref>[http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18754 UNRULES UPDATE - NERF WAR BANNED] (mtgcommander.net公式)</ref>)
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***[[Nerf War]](緊急改訂により追加で禁止<ref>[https://web.archive.org/web/20190213175209/http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18754 UNRULES UPDATE - NERF WAR BANNED (Internet Archive)] (mtgcommander.net公式)</ref>)
 
***[[Once More with Feeling]]
 
***[[Once More with Feeling]]
 
***[[R&D's Secret Lair]]
 
***[[R&D's Secret Lair]]
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*かつては「'''[[エルダー・ドラゴン/Elder Dragon|エルダー・ドラゴン]]・ハイランダー'''/''Elder Dragon Highlander'' ('''EDH''')」「'''[[司令官戦]]'''」などと称されていたが、[[統率者 (カードセット)|統率者セット]]の発表とともに、現在の名称に変更された。
 
*かつては「'''[[エルダー・ドラゴン/Elder Dragon|エルダー・ドラゴン]]・ハイランダー'''/''Elder Dragon Highlander'' ('''EDH''')」「'''[[司令官戦]]'''」などと称されていたが、[[統率者 (カードセット)|統率者セット]]の発表とともに、現在の名称に変更された。
  
==参考==
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==脚注==
 
<references/>
 
<references/>
  
*[http://www.mtgcommander.net/rules.php Elder Dragon Highlander (EDH) / Commander Rules]
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==参考リンク==
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*[https://mtgcommander.net/index.php/rules/ Commander Rules](Official Commander Website)
 
**[http://logicwolf.sakura.ne.jp/magic/edh.html 統率者戦(旧エルダードラゴン・ハイランダー) 公式ルール] ([[進藤欣也]]氏による上記の和訳)
 
**[http://logicwolf.sakura.ne.jp/magic/edh.html 統率者戦(旧エルダードラゴン・ハイランダー) 公式ルール] ([[進藤欣也]]氏による上記の和訳)
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/word-commander-2011-06-20 Word of Commander]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003968/ ワード・オブ・統率者]([[WotC]] [[2011年]]6月20日 [[Mark Rosewater]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/word-commander-2011-06-20 Word of Commander]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003968/ ワード・オブ・統率者][[Making Magic]] [[2011年]]6月20日 [[Mark Rosewater]]著)
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*[https://mtg-jp.com/reading/roncommander/ ロン・フォスターの統率者日記](マジック日本公式サイト [[Ron Foster]]著)
 
*[http://www22.atwiki.jp/mtgedh/ MTG統率者戦Wiki]
 
*[http://www22.atwiki.jp/mtgedh/ MTG統率者戦Wiki]
*[http://ppm7.blog.shinobi.jp/ P.P.M.7 -PartialParisMulligan 7-]
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==参考==
 
*[[フォーマット]]
 
*[[フォーマット]]
 
**[[デュエルコマンダー]]
 
**[[デュエルコマンダー]]

2020年2月1日 (土) 03:03時点における版

統率者戦/Commanderカジュアル変種ルールの1つ。

目次

解説

統率者と呼ばれるカードをキーとするフォーマット。統率者はデッキを決定し、ゲームのルール上でも優遇された非常に重要な存在である。

主な特徴は以下の4点。なお、簡略な記述に留めているため、詳細なルールは#ルールを参照。

  1. 統率者は統率領域から唱えることができ、除去されても統率領域に戻すことができる。
  2. 統率者と合致したのカードのみデッキに入れられる。(→固有色
  3. デッキ枚数は100枚同名カードは1枚のみ入れられる。(→ハイランダー
  4. 多人数戦で、初期ライフは40。

変種としてデュエルコマンダーコモン統率者戦タイニー・リーダーズブロールなどがある。

傾向と特徴

ハイランダーのルールに準拠するため、サーチカードの重要性が高い。そのため、結界師ズアー/Zur the Enchanterなどのサーチ能力を持ったカードを統率者とすると非常に有効に働く。故にコンボデッキが優勢になりやすい。また、単色の統率者を選ぶと使用できるカードが狭まりデッキのカードパワーが下がる恐れがあり、一方で多色の統率者を選ぶと多色地形を1枚ずつしか入れられないためにデッキの安定性を損なう可能性もある。統率者とデッキの方向性は密接に関係しているため、熟慮して選ぶ必要がある。

ルール

構築ルール

まず、伝説のクリーチャーカード1枚、もしくは統率者として利用できる能力を持ったプレインズウォーカー・カードを1枚、もしくは互いに共闘を持つ伝説のクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カード2枚を選ぶ。これ(これら)を統率者と呼ぶ。

統率者の固有色マナ・コストルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、色指標特性定義能力によって定義された色)は、デッキ内に入れられるカードの固有色を指定し、統率者の固有色に含まれない固有色を持ったカードをデッキに入れることはできない。詳細は固有色の項を参照。

デッキ内には、通常のハイランダーと同様、基本土地カード以外は同じカード名のカードを1枚ずつしか入れることができない。枚数は、統率者と合わせてちょうど100枚である。

ゲームルール

ゲームを開始する前に、各プレイヤーは自分のデッキの統率者を宣言し、それを統率領域に置く。統率者であることは特性ではなくそのカードの持つ性質である。「統率者であること」はコピーされず、継続的効果によって上書きされず、コントロール変更効果により失われない。

プレイヤーの開始時のライフの総量‎は40点である。

統率者によってプレイヤーに与えられた戦闘ダメージ統率者ダメージと呼ぶ。いずれかのプレイヤーが同一の統率者から21点以上の統率者ダメージを与えられた場合、そのプレイヤーはゲームに敗北する。これは状況起因処理である。詳細は統率者ダメージを参照。

統率者が統率領域にある限り、そのオーナーは統率者を唱えることができる。ただし、この方法でそれまでに統率者を唱えた回数1回につき、追加コストとして(2)を支払う必要がある。これを俗に統率者税/Commander Taxと呼ぶ。

  • 復活させるものトリーヴァ/Treva, the Renewerならば、1回目は(3)(緑)(白)(青)、2回目は(5)(緑)(白)(青)、3回目は(7)(緑)(白)(青)と増えていく。
  • 手札など、統率領域以外の領域から統率者を唱える場合はこれにカウントされず、通常の呪文コストで唱える。

統率者がいずれかの領域から墓地手札ライブラリー追放領域のいずれかに置かれる場合、そのオーナーは代わりに統率者を統率領域に置くことを選んでもよい。これは置換効果である。

  • 両面カードである統率者が第2面の状態で統率領域に置かれる場合、第1面の状態で統率領域に置く。
  • 統率者に指定したカードが組み合わされた、合体したパーマネントが戦場を離れる場合、統率者に指定したカードのみ(第1面の状態で)統率領域に置く。それ以外のカードが該当する領域に置かれる。

統率者はレジェンド・ルールの影響を受け、コントロール奪取などで同じカード名伝説のパーマネントをコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。

  • 以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は#旧ルールの「オープンルール」参照。

1対1でゲームを行ってもよいが、多人数戦で行うのが一般的である。多人数戦の場合、通常は無差別戦の「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲制限」選択ルールを用いない。また、そのほかのルールも多人数戦のものを用いる。詳細は多人数戦#ルールを参照。

使用カード

原則として、ヴィンテージで認められている全てのカードを使用できる。

  • 以前はヴィンテージで禁止されているShahrazadが特例として使用を許可されていたが、2011年9月20日よりこれは撤廃され、禁止されている。
  • パワー9が全て名を連ねている錯覚を受けるが、Timetwisterは使用可能である。誤解している人が多いので注意。
  • マジック大会規定に定義されているフォーマットではないため、禁止カードも公式な規定ではなく、あくまで「禁止カードとすることが推奨されている」という扱いである。
  • かつては「統率者に指定できないカード」が存在していたが、2014年9月12日のルール変更により禁止カードリストに統合された。

選択ルール

統率者戦はカジュアルフォーマットであるため、以下のような様々な選択ルール(ハウスルール)が提唱されている。これらを用いる場合、コミュニティ内で事前に合意や確認を取るなどし、トラブルの出ないようにしたい。ハウスルールの項も参照のこと。

Partial Paris Mulligan(部分的パリ・マリガン)

現在のマリガン(ロンドン・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく土地事故を和らげるため、特殊なマリガンルールとしてPartial Paris Mulliganが設けられていた。
ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
  1. 各プレイヤーは先攻プレイヤーからターン順に自分の手札にあるカードを望む枚数だけ裏向き追放してもよい。
  2. 全プレイヤーが追放するかどうか選んだ後、カードを追放したプレイヤーはその追放したカードの枚数に1を引いた枚数のカードを引く。
  3. 少なくとも1枚のカードを追放したプレイヤーは、1に戻ってこの手順を繰り返してもよい。
  4. どのプレイヤーも追放しないことを選んだ場合、各プレイヤーは追放したカードを自分のライブラリーに戻して切り直す

Gijs Mulligan(ハイス・マリガン)

マリガンを手早く終わらせるために、ジャッジGijsbert Hoogendijkによって考案されたマリガンルール。Ron Fosterのコラムで紹介された[1]
ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
  1. 手札が気に入らない場合、その手札をライブラリーに戻さず脇に置き、新たに7枚引き直す。
  2. 1の手順を望むだけ繰り返す。
  3. 脇に置いたカードは、そのプレイヤーの最初のターンを終えた後でライブラリーに戻して切り直す(時間節約のため)。
  • 時間短縮にはなるが悪用されうるため、コラムでは「土地が3枚ある手札ならキープとする」などの基準を設けること、信頼できる仲間内で使うことを勧めている。

EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)

この選択ルールを採用する場合、各プレイヤーは1枚の統率者と99枚のカードの他に10枚のサイドボード・カード用意することができる。
統率者が選ばれた後、各プレイヤーはデッキのカードと1対1で入れ替えるための時間として3分が与えられる。
  • デッキに入らなかったカードはゲームの外部を参照するカード(願いなど)でアクセスできる。

Victory Points(代替勝利条件)

いわゆる「最後まで残っていたプレイヤー」という勝利条件の代わりに、追加または代替の勝利方法を用意する選択ルール。
統率者戦公式サイトでは「1ターンに最大の戦闘ダメージを与えたプレイヤー」「マナ・プールに最も多くのマナを貯めたプレイヤー」「統率者ダメージによる勝利」「統率者に最も多くのマナを費やしたプレイヤー」といった勝利方法が挙げられている。

Democratic Victory(民主的勝利)

勝利と社交的プレイングのバランスがとれたプレイヤーに報奨を与える手段として用意された選択ルール。
ゲームが終了したとき、各プレイヤーは最も楽しませた対戦相手1人に投票する。プレイヤーは最後まで残っていた場合は2点、1票につき1点を獲得し、その点数に対して賞品を提供する。

The League Rule(リーグルール)

デッキ構築に制限を加える選択ルール。複数のプレイヤーが同じ統率者を選ぶことができず、他のプレイヤーが統率者として選んだカードをデッキに入れることができない。

Stranglehold Cage Commander(「締め付けと檻」ルール)

統率者戦特有のコンボデッキ有利を是正しようとAdam Styborskiが提唱した選択ルール[2]
統率領域締め付け/Stranglehold墓掘りの檻/Grafdigger's Cageが置かれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態でゲームを行う。

フリー基本土地ルール

土地事故マナスクリュー)を緩和する選択ルール。Ron Fosterのコラムで紹介された[1]
ゲーム開始前に、各プレイヤーはライブラリーから基本土地カード1枚を探し統率領域に置いてもよい。ゲーム中、プレイヤーはドロー・ステップドロー飛ばす代わりにその基本土地を手札に加えることができる。

常時統治者ルール

遅く、停滞しがちなゲームのテンポを速めて戦闘を促すため、Shivam Bhattが提唱した選択ルール。Ron Fosterのコラムで紹介された[1]
ゲーム中、最初に対戦相手戦闘ダメージを与えたプレイヤーは統治者になる。

Magic Online

Magic Onlineでも認定フォーマットとしてCommanderの名称で実装されている。

ルールは実際の統率者戦とほぼ同様であるが、マリガンはPartial Paris Mulliganではなく、最初の1回だけ枚数を減らさずに引き直せる方式が採用されている。

制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、メムナーク/Memnarch無色の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日のMagic Onlineのアップデートで固有色を用いるように変更された[3]

禁止カードは実際の統率者戦と同一である。

  • 以前はMagic Online独自のリスト(内容は司令官戦を参照)で管理されていたが、先述のアップデートに際し、共通のリストを用いるように変更された。

旧ルール

  • 以前は統率者戦に関する規定として「リーグルール」と「オープンルール」の2種類がありどちらかを選ぶ必要があったが、2009年9月20日のルール改正で選択制は廃止され、標準のルールではいずれも適用されないようになった(リーグルールに関しては#The League Rule(リーグルール)を参照)。
    • オープンルールでは、リーグルールのようなデッキ構築段階での制限はない代わりに、「統率者はいわゆるレジェンド・ルールの影響を受けなくなる」という特殊ルールが追加されていた。基本セット2014より前のレジェンド・ルールで、同伝説のクリーチャー戦場にある場合、統率者でないもののみが墓地に置かれ、統率者ならば墓地には置かれない。双方が統率者ならばどちらも戦場に残る。
  • 2009年9月20日のルール改正で変更されるまでは、統率者を置く領域統率領域の代わりに追放ゲーム外)領域を用いていた。
  • 2009年9月20日のルール改正で、マリガンの手順が通常の多人数戦用マリガンからPartial Paris Mulliganに変更された。そして2016年1月18日のルール変更では、当時現行の公式マリガンルール(バンクーバー・マリガン)に変更された。その後、公式フォーマットのマリガンルールの変更に合わせ、現行のマリガンルール(ロンドン・マリガン)へと移行した。
  • 統率者が領域を移動する際の置換効果は何度かルールが改訂されている。
    • 初期のルールではいずれかの領域から墓地に置かれる場合のみ統率領域に置くことを選択できたが、統率者を追放して永久的に取り除く手段を封じるために、2011年6月17日の改定で追放された際も置換できるようなった。
    • 2015年3月23日の更新では、同じ理由で、統率者がいずれかの領域から手札ライブラリーに置かれる場合にもこのルールが適用されるようになった。
    • 先の変更により、オーナーが意図して選択しなければ「統率者が他のプレイヤーにより裏向きで追放される」という状況が発生しなくなった。そのためそのような状況に対応していた「カードを裏向きで追放する場合、即座にその表を確認し、それが他のプレイヤーがオーナーである統率者ならば表向きで統率領域に置く」という旨のルールが2016年7月の更新で削除された。
  • 2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはそのマナしか生み出せず、不適正な色マナを生み出す場合は代わりに無色マナを生み出す」という追加ルールが存在していた。現在はルール文章の通りに定められた色マナを生み出す。
  • Unstableの発売記念として、2017年12月1日から2018年1月15日まで、特例として銀枠のカードも使用可能推奨となる[4]。ただし、銀枠カードを用いて行われた統率者戦では、通常の禁止カードの他、一部の銀枠カードが禁止カード、または「使用時に注意が必要なカード(使用非推奨)」が指定された。

その他

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 第6回:おすすめ変則ルール紹介(ロン・フォスターの統率者日記 2020年1月17日 Ron Foster著)
  2. Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)(Serious Fun 2012年1月31日 Adam Styborski著)
  3. Announcements -- June 28, 2011 (Internet Archive)(Magic Online Blog 2011年6月28日)
  4. SPECIAL UNANNOUNCEMENT: December 1, 2017 (Internet Archive) (mtgcommander.net公式)
  5. UNRULES UPDATE - NERF WAR BANNED (Internet Archive) (mtgcommander.net公式)

参考リンク

参考

引用:総合ルール 20231117.0

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