統率者戦

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'''統率者戦'''/''Commander''はカジュアル変種ルールの1つ。「'''エルダー・ドラゴン・ハイランダー'''/''Elder Dragon Highlander''」「'''EDH'''」「'''司令官戦'''」と称されていたが、[[統率者 (カードセット)|統率者セット]]の発表とともに、現在の名称に変更された。
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'''統率者戦'''/''Commander''[[カジュアル変種ルール]]の1つ。
  
 
==解説==
 
==解説==
'''[[統率者]]'''と呼ばれる[[カード]]をキーとする[[フォーマット]]である。統率者は[[デッキ]]の[[色]]を決定し、[[ゲーム]]のルール上でも優遇された非常に重要な存在である。
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'''[[統率者]]'''と呼ばれる[[カード]]をキーとする[[フォーマット]]。統率者は[[デッキ]]の[[色]]を決定し、[[ゲーム]]のルール上でも優遇された非常に重要な存在である。
  
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主な特徴は以下の4点。なお、簡略な記述に留めているため、詳細なルールは[[#ルール]]を参照。
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#統率者は'''[[統率]][[領域]]から[[唱える]]'''ことができ、[[除去]]されても'''統率領域に[[戻す]]'''ことができる。
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#統率者と合致した[[色]]のカードのみ[[デッキ]]に入れられる。(→'''[[固有色]]''')
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#デッキ枚数は'''100枚'''。'''[[カード名|同名]]カードは1枚のみ'''入れられる。(→[[ハイランダー]])
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#'''[[多人数戦]]'''で、[[開始時のライフの総量|初期ライフ]]は40。
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変種として[[デュエルコマンダー]]、[[コモン統率者戦]]、[[タイニー・リーダーズ]]、[[ブロール]]などがある。
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===傾向と特徴===
 
[[ハイランダー]]のルールに準拠するため、[[サーチカード]]の重要性が高い。そのため、[[結界師ズアー/Zur the Enchanter]]などの[[サーチ]][[能力]]を持ったカードを統率者とすると非常に有効に働く。故に[[コンボデッキ]]が優勢になりやすい。また、[[単色]]の統率者を選ぶと使用できるカードが狭まりデッキの[[カードパワー]]が下がる恐れがあり、一方で[[多色]]の統率者を選ぶと[[多色地形]]を1枚ずつしか入れられないためにデッキの安定性を損なう可能性もある。統率者とデッキの方向性は密接に関係しているため、熟慮して選ぶ必要がある。
 
[[ハイランダー]]のルールに準拠するため、[[サーチカード]]の重要性が高い。そのため、[[結界師ズアー/Zur the Enchanter]]などの[[サーチ]][[能力]]を持ったカードを統率者とすると非常に有効に働く。故に[[コンボデッキ]]が優勢になりやすい。また、[[単色]]の統率者を選ぶと使用できるカードが狭まりデッキの[[カードパワー]]が下がる恐れがあり、一方で[[多色]]の統率者を選ぶと[[多色地形]]を1枚ずつしか入れられないためにデッキの安定性を損なう可能性もある。統率者とデッキの方向性は密接に関係しているため、熟慮して選ぶ必要がある。
  
 
==ルール==
 
==ルール==
 
===構築ルール===
 
===構築ルール===
まず、[[伝説のクリーチャー]]・[[カード]]、もしくは統率者として利用できる[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]・カードを1枚選ぶ。これを'''統率者'''と呼ぶ。統率者の[[固有色]]([[マナ・コスト]]や[[ルール文章]]に含まれる[[マナ・シンボル]]の色と、[[色指標]]、[[特性定義能力]]によって定義された色)は、[[デッキ]]内に入れられるカードの固有色を指定し、統率者の固有色に含まれない固有色を持ったカードをデッキに入れることはできない。
+
まず、[[伝説のクリーチャー]]・[[カード]]1枚、もしくは統率者として利用できる[[能力]]を持った[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]・カードを1枚、もしくは互いに[[共闘]]を持つ伝説のクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カード2枚を選ぶ。これ(これら)を'''統率者'''と呼ぶ。
*例えば、[[Phelddagrif]]を統率者として選んだならば、[[黒]]や[[赤]]のマナ・シンボル([[色指標]]・[[特性定義能力]])を持つカードはデッキに入れられない。すなわち、通常の赤や黒のカードに加え、[[生+死/Life+Death]]、[[威圧のタリスマン/Talisman of Dominance]]、[[ボロスのギルド魔道士/Boros Guildmage]]、[[情け知らずのガラク/Garruk Relentless]]なども認められない。詳細は[[固有色]]の項を参照。
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統率者の'''[[固有色]]'''([[マナ・コスト]]や[[ルール文章]]に含まれる[[マナ・シンボル]]の色と、[[色指標]]、[[特性定義能力]]によって定義された色)は、[[デッキ]]内に入れられるカードの固有色を指定し、統率者の固有色に含まれない固有色を持ったカードをデッキに入れることはできない。詳細は[[固有色]]の項を参照。
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*例えば、[[復活させるものトリーヴァ/Treva, the Renewer]]([[緑白青]])を統率者として選んだならば、[[黒]]や[[赤]]のマナ・シンボル([[色指標]]・[[特性定義能力]])を持つカードはデッキに入れられない。すなわち、通常の赤や黒のカードに加え、[[生+死/Life+Death]]、[[威圧のタリスマン/Talisman of Dominance]]、[[ボロスのギルド魔道士/Boros Guildmage]]、[[情け知らずのガラク/Garruk Relentless]]なども認められない。
  
 
デッキ内には、通常の[[ハイランダー]]と同様、[[基本土地]]カード以外は同じ[[カード名]]のカードを1枚ずつしか入れることができない。枚数は、統率者と合わせてちょうど100枚である。
 
デッキ内には、通常の[[ハイランダー]]と同様、[[基本土地]]カード以外は同じ[[カード名]]のカードを1枚ずつしか入れることができない。枚数は、統率者と合わせてちょうど100枚である。
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===ゲームルール===
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[[ゲーム]]を開始する前に、各[[プレイヤー]]は自分の[[デッキ]]の統率者を宣言し、それを[[統率]][[領域]]に置く。統率者であることは[[特性]]ではなくその[[カード]]の持つ性質である。「統率者であること」は[[コピー]]されず、[[継続的効果]]によって上書きされず、[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]変更[[効果]]により失われない。
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プレイヤーの[[開始時のライフの総量‎]]は40点である。
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統率者によってプレイヤーに与えられた[[戦闘ダメージ]]を'''[[統率者ダメージ]]'''と呼ぶ。いずれかのプレイヤーが同一の統率者から21点以上の統率者ダメージを与えられた場合、そのプレイヤーはゲームに[[敗北]]する。これは[[状況起因処理]]である。詳細は[[統率者ダメージ]]を参照。
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統率者が統率領域にある限り、その[[オーナー]]は統率者を[[唱える]]ことができる。ただし、この方法でそれまでに統率者を唱えた回数1回につき、[[追加コスト]]として(2)を[[支払う]]必要がある。これを俗に'''統率者税'''/''Commander Tax''と呼ぶ。
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*[[復活させるものトリーヴァ/Treva, the Renewer]]ならば、1回目は(3)(緑)(白)(青)、2回目は(5)(緑)(白)(青)、3回目は(7)(緑)(白)(青)と増えていく。
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*手札など、統率領域以外の領域から統率者を唱える場合はこれにカウントされず、通常の呪文コストで唱える。
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統率者がいずれかの領域から[[墓地]]、[[手札]]、[[ライブラリー]]、[[追放]]領域のいずれかに置かれる場合、その[[オーナー]]は代わりに統率者を統率領域に置くことを選んでもよい。これは[[置換効果]]である。
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*[[両面カード]]である統率者が[[第2面]]の状態で統率領域に置かれる場合、[[第1面]]の状態で統率領域に置く。
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*統率者に指定したカードが組み合わされた、[[合体カード|合体したパーマネント]]が戦場を離れる場合、統率者に指定したカードのみ([[第1面]]の状態で)統率領域に置く。それ以外のカードが該当する領域に置かれる。
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統率者は[[レジェンド・ルール]]の影響を受け、[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]奪取などで同じ[[カード名]]の[[伝説のパーマネント]]をコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。
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*以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は[[#その他]]の「オープンルール」参照。
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1対1でゲームを行ってもよいが、[[多人数戦]]で行うのが一般的である。
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*多人数戦の場合、通常は[[無差別戦]]の「[[複数への攻撃]]」選択ルールを用い、「[[影響範囲]]制限」選択ルールを用いない。また、そのほかのルールも多人数戦のものを用いる。詳細は[[多人数戦#ルール]]を参照。
  
 
===使用カード===
 
===使用カード===
[[ヴィンテージ]]で認められている全ての[[カード]]を使用でき、[[禁止カード]]・[[制限カード]]も基本的にそれに準拠する。ただし、以下の特例が存在する。
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原則として、[[ヴィンテージ]]で認められている全ての[[カード]]を使用できる。
  
*追加として以下のカードを禁止カードとする。
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*ただし、追加として以下のカードを[[禁止カード]]とする。
 
**[[Ancestral Recall]]
 
**[[Ancestral Recall]]
 
**[[天秤/Balance]]
 
**[[天秤/Balance]]
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**[[けちな贈り物/Gifts Ungiven]]
 
**[[けちな贈り物/Gifts Ungiven]]
 
**[[グリセルブランド/Griselbrand]]
 
**[[グリセルブランド/Griselbrand]]
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**[[エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria]]
 
**[[カラカス/Karakas]]
 
**[[カラカス/Karakas]]
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**[[トレストの使者、レオヴォルド/Leovold, Emissary of Trest]]
 
**[[Library of Alexandria]]
 
**[[Library of Alexandria]]
 
**[[限りある資源/Limited Resources]]
 
**[[限りある資源/Limited Resources]]
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**[[Mox Sapphire]]
 
**[[Mox Sapphire]]
 
**[[一望の鏡/Panoptic Mirror]]
 
**[[一望の鏡/Panoptic Mirror]]
**[[絵描きの召使い/Painter's Servant]]
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**[[パラドックス装置/Paradox Engine]]
 
**[[原始のタイタン/Primeval Titan]]
 
**[[原始のタイタン/Primeval Titan]]
 
**[[クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix]]
 
**[[クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix]]
**[[変幻の大男/Protean Hulk]]
 
 
**[[繰り返す悪夢/Recurring Nightmare]]
 
**[[繰り返す悪夢/Recurring Nightmare]]
 
**[[ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary]]
 
**[[ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary]]
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*以前はヴィンテージで禁止されている[[Shahrazad]]が特例として使用を許可されていたが、[[2011年]]9月20日よりこれは撤廃され、禁止されている。
 
*以前はヴィンテージで禁止されている[[Shahrazad]]が特例として使用を許可されていたが、[[2011年]]9月20日よりこれは撤廃され、禁止されている。
 
*[[パワー9]]が全て名を連ねている錯覚を受けるが、[[Timetwister]]は使用可能である。誤解している人が多いので注意。
 
*[[パワー9]]が全て名を連ねている錯覚を受けるが、[[Timetwister]]は使用可能である。誤解している人が多いので注意。
*[[マジック大会規定]]に記述されている[[フォーマット]]ではないため、禁止カードも公式な規定ではなく、あくまで「禁止カードとすることが推奨されている」という扱いである。
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*[[マジック大会規定]]に定義されている[[フォーマット]]ではないため、禁止カードも公式な規定ではなく、あくまで「禁止カードとすることが推奨されている」という扱いである。
  
 
*以下のカードはかつて禁止であったが、いずれも禁止解除されている。
 
*以下のカードはかつて禁止であったが、いずれも禁止解除されている。
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**[[威圧の杖/Staff of Domination]]
 
**[[威圧の杖/Staff of Domination]]
 
**[[金属細工師/Metalworker]]
 
**[[金属細工師/Metalworker]]
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**[[変幻の大男/Protean Hulk]]
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**[[絵描きの召使い/Painter's Servant]]
  
 
*かつては「統率者に指定できないカード」が存在していたが、[[2014年]]9月12日のルール変更により禁止カードリストに統合された。
 
*かつては「統率者に指定できないカード」が存在していたが、[[2014年]]9月12日のルール変更により禁止カードリストに統合された。
 
===ゲームルール===
 
[[ゲーム]]を開始する前に、各[[プレイヤー]]は自分の[[デッキ]]の統率者を宣言し、それを[[統率]][[領域]]に置く。統率者であることは[[特性]]ではなくその[[カード]]の持つ性質である。「統率者であること」は[[コピー]]されず、[[継続的効果]]によって上書きされず、[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]変更[[効果]]により失われない。
 
 
プレイヤーの[[開始時のライフの総量‎]]は40点である。
 
 
統率者によってプレイヤーに与えられた[[戦闘ダメージ]]を'''[[統率者ダメージ]]'''と呼ぶ。いずれかのプレイヤーが同一の統率者から21点以上の統率者ダメージを与えられた場合、そのプレイヤーはゲームに[[敗北]]する。これは[[状況起因処理]]である。詳細は[[統率者ダメージ]]を参照。
 
 
統率者が統率領域にある限り、その[[オーナー]]は統率者を[[唱える]]ことができる。ただし、この方法でそれまでに統率者を唱えた回数1回につき、[[追加コスト]]として(2)[[支払う]]必要がある。
 
*[[Phelddagrif]]ならば、1回目は(1)(緑)(白)(青)、2回目は(3)(緑)(白)(青)、3回目は(5)(緑)(白)(青)と増えていく。
 
*手札など、統率領域以外の領域から統率者を唱える場合はこれにカウントされず、通常の呪文コストで唱える。
 
 
統率者がいずれかの領域から[[墓地]]、[[手札]]、[[ライブラリー]]、[[追放]]領域のいずれかに置かれる場合、その[[オーナー]]は代わりに統率者を統率領域に置くことを選んでもよい。これは[[置換効果]]である。カードがいずれかの領域から[[裏向き]]で追放領域に置かれる場合、その追放されたカードを見ることができるプレイヤーはすぐにそれを見なければいけない。それが他のプレイヤーがオーナーの統率者ならば、その統率者のオーナーはそのカードを見て、[[表向き]]にして統率領域に置く。
 
*初期のルールではいずれかの領域から[[墓地]]に置かれる場合のみ統率領域に置くことを選択できたが、統率者を[[追放]]して永久的に取り除く手段を封じるために、[[2011年]]6月17日の[[総合ルール]]更新でルールが改訂された。そして[[2015年]]3月23日の更新では、同じ理由で、統率者がいずれかの領域から[[手札]]か[[ライブラリー]]に置かれる場合にもこのルールが適用されるようになった。
 
*[[両面カード]]である統率者が[[第2面]]の状態で統率領域に置かれる場合、[[第1面]]の状態で統率領域に置く。
 
*統率者に指定したカードが組み合わされた、[[合体カード|合体したパーマネント]]が戦場を離れる場合、統率者に指定したカードのみ([[第1面]]の状態で)統率領域に置く。それ以外のカードが該当する領域に置かれる。
 
 
統率者は[[レジェンド・ルール]]や[[プレインズウォーカーの唯一性ルール]]の影響を受け、[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]奪取などで同じ[[カード名]]の[[伝説のクリーチャー]](もしくは同じ[[プレインズウォーカー・タイプ]]を持つ[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]])をコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。
 
*以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は[[#その他]]の「オープンルール」参照。
 
 
1対1でゲームを行ってもよいが、[[多人数戦]]で行うのが一般的である。
 
*多人数戦の場合、通常は[[無差別戦]]の「[[複数への攻撃]]」選択ルールを用い、「[[影響範囲]]制限」選択ルールを用いない。
 
  
 
===選択ルール===
 
===選択ルール===
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統率者戦はカジュアルフォーマットであるため、以下のような様々な選択ルール([[ハウスルール]])が提唱されている。これらを用いる場合、コミュニティ内で事前に合意や確認を取るなどし、トラブルの出ないようにしたい。[[ハウスルール]]の項も参照のこと。
  
 
====Partial Paris Mulligan====
 
====Partial Paris Mulligan====
現在の[[マリガン]](バンクーバー・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく[[土地事故]]を和らげるため、特殊なマリガンルールとして'''Partial Paris Mulligan'''が設けられていた。
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:現在の[[マリガン]](ロンドン・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく[[土地事故]]を和らげるため、特殊なマリガンルールとして'''Partial Paris Mulligan'''が設けられていた。
  
ゲームを始めるときに各プレイヤーが[[手札]]を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
+
:ゲームを始めるときに各プレイヤーが[[手札]]を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
  
#各プレイヤーは先攻プレイヤーから[[ターン]]順に自分の[[手札]]にある[[カード]]を望む枚数だけ[[裏向き]]で[[追放]]してもよい。
+
:#各プレイヤーは先攻プレイヤーから[[ターン]]順に自分の[[手札]]にある[[カード]]を望む枚数だけ[[裏向き]]で[[追放]]してもよい。
#全プレイヤーが追放するかどうか選んだ後、カードを追放したプレイヤーはその追放したカードの枚数に1を引いた枚数のカードを引く。
+
:#全プレイヤーが追放するかどうか選んだ後、カードを追放したプレイヤーはその追放したカードの枚数に1を引いた枚数のカードを引く。
#少なくとも1枚のカードを追放したプレイヤーは、1に戻ってこの手順を繰り返してもよい。
+
:#少なくとも1枚のカードを追放したプレイヤーは、1に戻ってこの手順を繰り返してもよい。
#どのプレイヤーも追放しないことを選んだ場合、各プレイヤーは追放したカードを自分のライブラリーに戻して[[切り直す]]。
+
:#どのプレイヤーも追放しないことを選んだ場合、各プレイヤーは追放したカードを自分のライブラリーに戻して[[切り直す]]。
  
 
====EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)====
 
====EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)====
この選択ルールを採用する場合、各[[プレイヤー]]は1枚の統率者と99枚の[[カード]]の他に10枚のカード用意することができる。
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:この選択ルールを採用する場合、各[[プレイヤー]]は1枚の統率者と99枚の[[カード]]の他に10枚の[[サイドボード]]・カード用意することができる。
  
統率者が選ばれた後、各プレイヤーは[[デッキ]]のカードと1対1で入れ替えるための3分が与えられる。
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:統率者が選ばれた後、各プレイヤーは[[デッキ]]のカードと1対1で入れ替えるための3分が与えられる。
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:*デッキに入らなかったカードは[[願い]]などで回収できる。
  
*デッキに入らなかったカードは[[願い]]などで回収できる。
 
 
====Victory Points(代替勝利条件)====
 
====Victory Points(代替勝利条件)====
いわゆる「最後まで残っていたプレイヤー」という[[勝利条件]]の代わりに、追加または代替の勝利方法を用意する選択ルール。
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:いわゆる「最後まで残っていたプレイヤー」という[[勝利条件]]の代わりに、追加または代替の勝利方法を用意する選択ルール。
  
統率者戦公式サイトでは「1[[ターン]]に最大の[[戦闘ダメージ]]を与えたプレイヤー」「[[マナ・プール]]に最も多くの[[マナ]]を貯めたプレイヤー」「統率者ダメージによる勝利」「統率者に最も多くのマナを費やしたプレイヤー」といった勝利方法が挙げられている。
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:統率者戦公式サイトでは「1[[ターン]]に最大の[[戦闘ダメージ]]を与えたプレイヤー」「[[マナ・プール]]に最も多くの[[マナ]]を貯めたプレイヤー」「統率者ダメージによる勝利」「統率者に最も多くのマナを費やしたプレイヤー」といった勝利方法が挙げられている。
  
 
====Democratic Victory(民主的勝利)====
 
====Democratic Victory(民主的勝利)====
勝利と社交的プレイングのバランスがとれたプレイヤーに報奨を与える手段として用意された選択ルール。
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:勝利と社交的プレイングのバランスがとれたプレイヤーに報奨を与える手段として用意された選択ルール。
  
[[ゲーム]]が終了したとき、各プレイヤーは最も楽しませた[[対戦相手]]1人に投票する。プレイヤーは最後まで残っていた場合は2点、1票につき1点を獲得し、その点数に対して賞品を提供する。
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:[[ゲーム]]が終了したとき、各プレイヤーは最も楽しませた[[対戦相手]]1人に投票する。プレイヤーは最後まで残っていた場合は2点、1票につき1点を獲得し、その点数に対して賞品を提供する。
  
 
====The League Rule(リーグルール)====
 
====The League Rule(リーグルール)====
デッキ構築に制限を加える選択ルール。複数のプレイヤーが同じ統率者を選ぶことができず、他のプレイヤーが統率者として選んだカードをデッキに入れることができない。
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:デッキ構築に制限を加える選択ルール。複数のプレイヤーが同じ統率者を選ぶことができず、他のプレイヤーが統率者として選んだカードをデッキに入れることができない。
  
====Stranglehold Cage Commander====
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====Stranglehold Cage Commander(「締め付けと檻」ルール)====
統率者戦特有の[[コンボデッキ]]有利を是正しようと[[Adam Styborski]]が“[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/sf/180 Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)]”で提唱した選択ルール。<!-- 日本でも「'''ヌルEDH'''」として議論となった。 -->
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:統率者戦特有の[[コンボデッキ]]有利を是正しようと[[Adam Styborski]]が“[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/serious-fun/two-cards-bring-them-all-and-fairness-bind-them-2012-01-31 Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)]”で提唱した選択ルール。
  
[[統率]][[領域]]に[[締め付け/Stranglehold]]と[[墓掘りの檻/Grafdigger's Cage]]がおかれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態で戦う。
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:[[統率]][[領域]]に[[締め付け/Stranglehold]]と[[墓掘りの檻/Grafdigger's Cage]]がおかれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態で戦う。
  
 
==Magic Online==
 
==Magic Online==
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制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、[[メムナーク/Memnarch]]は[[無色]]の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日の[[Magic Online]]のアップデートで固有色を用いるように変更された([http://community.wizards.com/magiconline/blog/2011/06/28/announcements_--_june_28,_2011 参考])。
 
制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、[[メムナーク/Memnarch]]は[[無色]]の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日の[[Magic Online]]のアップデートで固有色を用いるように変更された([http://community.wizards.com/magiconline/blog/2011/06/28/announcements_--_june_28,_2011 参考])。
  
統率者に指定不可なカードや禁止カードは実際の統率者戦に則する。以前はMagic Online独自のリスト(内容は[[司令官戦]]を参照)で管理されていたが、先述のアップデートに際し、実際と共通のリストを用いるように変更された。
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禁止カードは実際の統率者戦と同一である。
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*以前はMagic Online独自のリスト(内容は[[司令官戦]]を参照)で管理されていたが、先述のアップデートに際し、共通のリストを用いるように変更された。
  
 
==旧ルール==
 
==旧ルール==
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**オープンルールでは、リーグルールのようなデッキ構築段階での制限はない代わりに、「統率者はいわゆる[[レジェンド・ルール]]の影響を受けなくなる」という特殊ルールが追加されていた。[[基本セット2014]]より前のレジェンド・ルールで、同[[名前|名]]の[[伝説のクリーチャー]]が[[戦場]]にある場合、統率者でないもののみが[[墓地]]に置かれ、統率者ならば墓地には置かれない。双方が統率者ならばどちらも戦場に残る。
 
**オープンルールでは、リーグルールのようなデッキ構築段階での制限はない代わりに、「統率者はいわゆる[[レジェンド・ルール]]の影響を受けなくなる」という特殊ルールが追加されていた。[[基本セット2014]]より前のレジェンド・ルールで、同[[名前|名]]の[[伝説のクリーチャー]]が[[戦場]]にある場合、統率者でないもののみが[[墓地]]に置かれ、統率者ならば墓地には置かれない。双方が統率者ならばどちらも戦場に残る。
 
*2009年9月20日のルール改正で変更されるまでは、統率者を置く[[領域]]は[[統率]]領域の代わりに[[追放]]([[ゲーム外]])領域を用いていた。
 
*2009年9月20日のルール改正で変更されるまでは、統率者を置く[[領域]]は[[統率]]領域の代わりに[[追放]]([[ゲーム外]])領域を用いていた。
*2009年9月20日のルール改正で、マリガンの手順が通常の[[多人数戦]]用マリガンから[[#Partial Paris Mulligan|Partial Paris Mulligan]]に変更された。そして[[2016年]]1月18日のルール変更では、現行の公式マリガンルール(バンクーバー・マリガン)に変更された。
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*2009年9月20日のルール改正で、マリガンの手順が通常の[[多人数戦]]用マリガンから[[#Partial Paris Mulligan|Partial Paris Mulligan]]に変更された。そして[[2016年]]1月18日のルール変更では、当時現行の公式マリガンルール([[マリガン#基本セット2020でのルール改正前|バンクーバー・マリガン]])に変更された。その後、公式フォーマットのマリガンルールの変更に合わせ、現行のマリガンルール(ロンドン・マリガン)へと移行した。
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*統率者が領域を移動する際の置換効果は何度かルールが改訂されている。
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**初期のルールではいずれかの領域から[[墓地]]に置かれる場合のみ統率領域に置くことを選択できたが、統率者を[[追放]]して永久的に取り除く手段を封じるために、2011年6月17日の改定で追放された際も置換できるようなった。
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**[[2015年]]3月23日の更新では、同じ理由で、統率者がいずれかの領域から[[手札]]か[[ライブラリー]]に置かれる場合にもこのルールが適用されるようになった。
 +
**先の変更により、オーナーが意図して選択しなければ「統率者が他のプレイヤーにより裏向きで追放される」という状況が発生しなくなった。そのためそのような状況に対応していた「カードを裏向きで追放する場合、即座にその表を確認し、それが他のプレイヤーがオーナーである統率者ならば表向きで統率領域に置く」という旨のルールが2016年7月の更新で削除された。
 
*2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはその[[色]]の[[マナ]]しか生み出せず、不適正な[[色マナ]]を生み出す場合は代わりに[[無色マナ]]を生み出す」という追加ルールが存在していた。現在は[[ルール文章]]の通りに定められた色マナを生み出す。
 
*2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはその[[色]]の[[マナ]]しか生み出せず、不適正な[[色マナ]]を生み出す場合は代わりに[[無色マナ]]を生み出す」という追加ルールが存在していた。現在は[[ルール文章]]の通りに定められた色マナを生み出す。
 +
*[[Unstable]]の発売記念として、2017年12月1日から2018年1月15日まで、特例として[[銀枠]]のカードも使用可能推奨となる<ref>[http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18749 SPECIAL UNANNOUNCEMENT: December 1, 2017] (mtgcommander.net公式)</ref>。ただし、銀枠カードを用いて行われた統率者戦では、通常の禁止カードの他、一部の銀枠カードが禁止カード、または「使用時に注意が必要なカード(使用非推奨)」が指定された。
 +
**禁止カード/使用非推奨カードの他、[[伝説のアーティファクト]]である[[大演算器/The Grand Calcutron]]が[[統率者]]に指定できるという特別裁定が出された。現在では[[オラクル]]更新により実際に統率者として使用できる能力を持っている。
 +
**銀枠を用いて行われた統率者戦の禁止カードは以下の通り。
 +
***[[Ashnod's Coupon]]
 +
***[[Double Cross]]
 +
***[[Double Deal]]
 +
***[[Double Dip]]
 +
***[[Double Play]]
 +
***[[Double Take]]
 +
***[[Enter the Dungeon]]
 +
***[[Magical Hacker]]
 +
***[[Mox Lotus]]
 +
***[[Nerf War]](緊急改訂により追加で禁止<ref>[http://mtgcommander.net/Forum/viewtopic.php?f=1&t=18754 UNRULES UPDATE - NERF WAR BANNED] (mtgcommander.net公式)</ref>)
 +
***[[Once More with Feeling]]
 +
***[[R&D's Secret Lair]]
 +
***[[Richard Garfield, Ph.D.]]
 +
***[[Staying Power]]
 +
***[[Time Machine]]
 +
**その際の使用時に注意が必要なカードは以下の通り
 +
***[[Ach! Hans, Run!]]
 +
***[[Collector Protector]]
 +
***[[Incoming!]]
 +
***[[Infernal Spawn of Infernal Spawn of Evil]]
 +
***[[Johnny, Combo Player]]
 +
***[[Mirror Mirror]]
 +
***[[Topsy Turvy]]
 +
***[[Yet Another AEther Vortex]]
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***[[ゴチ]]に関する[[カード]]({{WHISPER検索/カードテキスト|ゴチ|ゴチ(Gotcha)で検索}})
  
 
==その他==
 
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*統率者と同名の[[統率者カード]]を併用することもできる。詳細は該当項を参照。  
 
*統率者と同名の[[統率者カード]]を併用することもできる。詳細は該当項を参照。  
 
*統率者以外にも[[伝説のクリーチャー]]・[[カード]]を入れても構わない。
 
*統率者以外にも[[伝説のクリーチャー]]・[[カード]]を入れても構わない。
*基本的に多人数戦で行われ、[[ライフ]]だけでなく[[統率者ダメージ]]も記録する必要があるため、メモ帳は必須と言える。
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*基本的に多人数戦で行われ、[[ライフ]]だけでなく[[統率者ダメージ]]や統率者を唱えた回数も記録する必要があるため、一般的な[[ライフカウンター]]は不向き。そもそも初期ライフの40点をカウントできないものも多い。そのため、メモ帳の使用が強く推奨される。
*人気の高さからか、通常のカードセットにおいても、統率者戦を意識してデザインされたカードが存在する。→[[タズリ将軍/General Tazri]][[墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow]]など
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*人気の高さからか、[[2011年]]から毎年、[[統率者戦用セット]]が発売されるようになった。通常のカードセットにおいても[[タズリ将軍/General Tazri]][[墓後家蜘蛛、イシュカナ/Ishkanah, Grafwidow]]など、伝説のクリーチャーは統率者戦も視野に入れてデザインされる様になった。
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*かつては「'''[[エルダー・ドラゴン/Elder Dragon|エルダー・ドラゴン]]・ハイランダー'''/''Elder Dragon Highlander'' ('''EDH''')」「'''[[司令官戦]]'''」などと称されていたが、[[統率者 (カードセット)|統率者セット]]の発表とともに、現在の名称に変更された。
  
 
==参考==
 
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*[http://www.mtgcommander.net/rules.php Elder Dragon Highlander (EDH) / Commander Rules]
 
*[http://www.mtgcommander.net/rules.php Elder Dragon Highlander (EDH) / Commander Rules]
*[http://logicwolf.sakura.ne.jp/magic/edh.html 統率者戦(旧エルダードラゴン・ハイランダー) 公式ルール] ([[進藤欣也]]氏による上記の和訳)
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**[http://logicwolf.sakura.ne.jp/magic/edh.html 統率者戦(旧エルダードラゴン・ハイランダー) 公式ルール] ([[進藤欣也]]氏による上記の和訳)
*[http://archive.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/148 Word of Commander]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/001735/ ワード・オブ・統率者]([[WotC]]、文:[[Mark Rosewater]])
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/word-commander-2011-06-20 Word of Commander]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003968/ ワード・オブ・統率者]([[WotC]] [[2011年]]6月20日 [[Mark Rosewater]])
 
*[http://www22.atwiki.jp/mtgedh/ MTG統率者戦Wiki]
 
*[http://www22.atwiki.jp/mtgedh/ MTG統率者戦Wiki]
 
*[http://ppm7.blog.shinobi.jp/ P.P.M.7 -PartialParisMulligan 7-]
 
*[http://ppm7.blog.shinobi.jp/ P.P.M.7 -PartialParisMulligan 7-]
*[[デュエルコマンダー]]
 
*[[コモン統率者戦]]
 
*[[タイニー・リーダーズ]]
 
 
*[[フォーマット]]
 
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**[[デュエルコマンダー]]
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**[[コモン統率者戦]]
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**[[タイニー・リーダーズ]]
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**[[ブロール]]
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*[[統率者戦用セット]]
 
*[[トーナメント用語]]
 
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2019年10月1日 (火) 11:21時点における版

統率者戦/Commanderカジュアル変種ルールの1つ。

目次

解説

統率者と呼ばれるカードをキーとするフォーマット。統率者はデッキを決定し、ゲームのルール上でも優遇された非常に重要な存在である。

主な特徴は以下の4点。なお、簡略な記述に留めているため、詳細なルールは#ルールを参照。

  1. 統率者は統率領域から唱えることができ、除去されても統率領域に戻すことができる。
  2. 統率者と合致したのカードのみデッキに入れられる。(→固有色
  3. デッキ枚数は100枚同名カードは1枚のみ入れられる。(→ハイランダー
  4. 多人数戦で、初期ライフは40。

変種としてデュエルコマンダーコモン統率者戦タイニー・リーダーズブロールなどがある。

傾向と特徴

ハイランダーのルールに準拠するため、サーチカードの重要性が高い。そのため、結界師ズアー/Zur the Enchanterなどのサーチ能力を持ったカードを統率者とすると非常に有効に働く。故にコンボデッキが優勢になりやすい。また、単色の統率者を選ぶと使用できるカードが狭まりデッキのカードパワーが下がる恐れがあり、一方で多色の統率者を選ぶと多色地形を1枚ずつしか入れられないためにデッキの安定性を損なう可能性もある。統率者とデッキの方向性は密接に関係しているため、熟慮して選ぶ必要がある。

ルール

構築ルール

まず、伝説のクリーチャーカード1枚、もしくは統率者として利用できる能力を持ったプレインズウォーカー・カードを1枚、もしくは互いに共闘を持つ伝説のクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カード2枚を選ぶ。これ(これら)を統率者と呼ぶ。

統率者の固有色マナ・コストルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、色指標特性定義能力によって定義された色)は、デッキ内に入れられるカードの固有色を指定し、統率者の固有色に含まれない固有色を持ったカードをデッキに入れることはできない。詳細は固有色の項を参照。

デッキ内には、通常のハイランダーと同様、基本土地カード以外は同じカード名のカードを1枚ずつしか入れることができない。枚数は、統率者と合わせてちょうど100枚である。

ゲームルール

ゲームを開始する前に、各プレイヤーは自分のデッキの統率者を宣言し、それを統率領域に置く。統率者であることは特性ではなくそのカードの持つ性質である。「統率者であること」はコピーされず、継続的効果によって上書きされず、コントロール変更効果により失われない。

プレイヤーの開始時のライフの総量‎は40点である。

統率者によってプレイヤーに与えられた戦闘ダメージ統率者ダメージと呼ぶ。いずれかのプレイヤーが同一の統率者から21点以上の統率者ダメージを与えられた場合、そのプレイヤーはゲームに敗北する。これは状況起因処理である。詳細は統率者ダメージを参照。

統率者が統率領域にある限り、そのオーナーは統率者を唱えることができる。ただし、この方法でそれまでに統率者を唱えた回数1回につき、追加コストとして(2)を支払う必要がある。これを俗に統率者税/Commander Taxと呼ぶ。

  • 復活させるものトリーヴァ/Treva, the Renewerならば、1回目は(3)(緑)(白)(青)、2回目は(5)(緑)(白)(青)、3回目は(7)(緑)(白)(青)と増えていく。
  • 手札など、統率領域以外の領域から統率者を唱える場合はこれにカウントされず、通常の呪文コストで唱える。

統率者がいずれかの領域から墓地手札ライブラリー追放領域のいずれかに置かれる場合、そのオーナーは代わりに統率者を統率領域に置くことを選んでもよい。これは置換効果である。

  • 両面カードである統率者が第2面の状態で統率領域に置かれる場合、第1面の状態で統率領域に置く。
  • 統率者に指定したカードが組み合わされた、合体したパーマネントが戦場を離れる場合、統率者に指定したカードのみ(第1面の状態で)統率領域に置く。それ以外のカードが該当する領域に置かれる。

統率者はレジェンド・ルールの影響を受け、コントロール奪取などで同じカード名伝説のパーマネントをコントロールしているとどちらか一方が墓地に置かれる。

  • 以前は選択したルールによっては墓地に置かれない場合もあった。詳細は#その他の「オープンルール」参照。

1対1でゲームを行ってもよいが、多人数戦で行うのが一般的である。

使用カード

原則として、ヴィンテージで認められている全てのカードを使用できる。

  • 以前はヴィンテージで禁止されているShahrazadが特例として使用を許可されていたが、2011年9月20日よりこれは撤廃され、禁止されている。
  • パワー9が全て名を連ねている錯覚を受けるが、Timetwisterは使用可能である。誤解している人が多いので注意。
  • マジック大会規定に定義されているフォーマットではないため、禁止カードも公式な規定ではなく、あくまで「禁止カードとすることが推奨されている」という扱いである。
  • かつては「統率者に指定できないカード」が存在していたが、2014年9月12日のルール変更により禁止カードリストに統合された。

選択ルール

統率者戦はカジュアルフォーマットであるため、以下のような様々な選択ルール(ハウスルール)が提唱されている。これらを用いる場合、コミュニティ内で事前に合意や確認を取るなどし、トラブルの出ないようにしたい。ハウスルールの項も参照のこと。

Partial Paris Mulligan

現在のマリガン(ロンドン・マリガン)が採用されている以前、個々のカードを引ける確率を上げることなく土地事故を和らげるため、特殊なマリガンルールとしてPartial Paris Mulliganが設けられていた。
ゲームを始めるときに各プレイヤーが手札を引いた後、通常のマリガンの代わりに以下の手順を行う。
  1. 各プレイヤーは先攻プレイヤーからターン順に自分の手札にあるカードを望む枚数だけ裏向き追放してもよい。
  2. 全プレイヤーが追放するかどうか選んだ後、カードを追放したプレイヤーはその追放したカードの枚数に1を引いた枚数のカードを引く。
  3. 少なくとも1枚のカードを追放したプレイヤーは、1に戻ってこの手順を繰り返してもよい。
  4. どのプレイヤーも追放しないことを選んだ場合、各プレイヤーは追放したカードを自分のライブラリーに戻して切り直す

EDH Sideboards(デッキ入れ替え枠)

この選択ルールを採用する場合、各プレイヤーは1枚の統率者と99枚のカードの他に10枚のサイドボード・カード用意することができる。
統率者が選ばれた後、各プレイヤーはデッキのカードと1対1で入れ替えるための3分が与えられる。
  • デッキに入らなかったカードは願いなどで回収できる。

Victory Points(代替勝利条件)

いわゆる「最後まで残っていたプレイヤー」という勝利条件の代わりに、追加または代替の勝利方法を用意する選択ルール。
統率者戦公式サイトでは「1ターンに最大の戦闘ダメージを与えたプレイヤー」「マナ・プールに最も多くのマナを貯めたプレイヤー」「統率者ダメージによる勝利」「統率者に最も多くのマナを費やしたプレイヤー」といった勝利方法が挙げられている。

Democratic Victory(民主的勝利)

勝利と社交的プレイングのバランスがとれたプレイヤーに報奨を与える手段として用意された選択ルール。
ゲームが終了したとき、各プレイヤーは最も楽しませた対戦相手1人に投票する。プレイヤーは最後まで残っていた場合は2点、1票につき1点を獲得し、その点数に対して賞品を提供する。

The League Rule(リーグルール)

デッキ構築に制限を加える選択ルール。複数のプレイヤーが同じ統率者を選ぶことができず、他のプレイヤーが統率者として選んだカードをデッキに入れることができない。

Stranglehold Cage Commander(「締め付けと檻」ルール)

統率者戦特有のコンボデッキ有利を是正しようとAdam Styborskiが“Two Cards To Bring Them All (And In Fairness Bind Them)”で提唱した選択ルール。
統率領域締め付け/Stranglehold墓掘りの檻/Grafdigger's Cageがおかれた状態でプレイする。これらを唱える必要はなく、統率者領域から効果を発揮している状態で戦う。

Magic Online

Magic Onlineでも認定フォーマットとしてCommanderの名称で実装されている。

ルールは実際の統率者戦とほぼ同様であるが、マリガンはPartial Paris Mulliganではなく、最初の1回だけ枚数を減らさずに引き直せる方式が採用されている。

制定当初はルール文章のマナ・シンボルによる構築制限は設けられていない(例えば、メムナーク/Memnarch無色の統率者として使用できた)点が異なっていたが、2011年6月28日のMagic Onlineのアップデートで固有色を用いるように変更された(参考)。

禁止カードは実際の統率者戦と同一である。

  • 以前はMagic Online独自のリスト(内容は司令官戦を参照)で管理されていたが、先述のアップデートに際し、共通のリストを用いるように変更された。

旧ルール

  • 以前は統率者戦に関する規定として「リーグルール」と「オープンルール」の2種類がありどちらかを選ぶ必要があったが、2009年9月20日のルール改正で選択制は廃止され、標準のルールではいずれも適用されないようになった(リーグルールに関しては#The League Rule(リーグルール)を参照)。
    • オープンルールでは、リーグルールのようなデッキ構築段階での制限はない代わりに、「統率者はいわゆるレジェンド・ルールの影響を受けなくなる」という特殊ルールが追加されていた。基本セット2014より前のレジェンド・ルールで、同伝説のクリーチャー戦場にある場合、統率者でないもののみが墓地に置かれ、統率者ならば墓地には置かれない。双方が統率者ならばどちらも戦場に残る。
  • 2009年9月20日のルール改正で変更されるまでは、統率者を置く領域統率領域の代わりに追放ゲーム外)領域を用いていた。
  • 2009年9月20日のルール改正で、マリガンの手順が通常の多人数戦用マリガンからPartial Paris Mulliganに変更された。そして2016年1月18日のルール変更では、当時現行の公式マリガンルール(バンクーバー・マリガン)に変更された。その後、公式フォーマットのマリガンルールの変更に合わせ、現行のマリガンルール(ロンドン・マリガン)へと移行した。
  • 統率者が領域を移動する際の置換効果は何度かルールが改訂されている。
    • 初期のルールではいずれかの領域から墓地に置かれる場合のみ統率領域に置くことを選択できたが、統率者を追放して永久的に取り除く手段を封じるために、2011年6月17日の改定で追放された際も置換できるようなった。
    • 2015年3月23日の更新では、同じ理由で、統率者がいずれかの領域から手札ライブラリーに置かれる場合にもこのルールが適用されるようになった。
    • 先の変更により、オーナーが意図して選択しなければ「統率者が他のプレイヤーにより裏向きで追放される」という状況が発生しなくなった。そのためそのような状況に対応していた「カードを裏向きで追放する場合、即座にその表を確認し、それが他のプレイヤーがオーナーである統率者ならば表向きで統率領域に置く」という旨のルールが2016年7月の更新で削除された。
  • 2016年1月18日のルール改正で変更されるまでは、「デッキ内のカードはそのマナしか生み出せず、不適正な色マナを生み出す場合は代わりに無色マナを生み出す」という追加ルールが存在していた。現在はルール文章の通りに定められた色マナを生み出す。
  • Unstableの発売記念として、2017年12月1日から2018年1月15日まで、特例として銀枠のカードも使用可能推奨となる[1]。ただし、銀枠カードを用いて行われた統率者戦では、通常の禁止カードの他、一部の銀枠カードが禁止カード、または「使用時に注意が必要なカード(使用非推奨)」が指定された。

その他

参考

  1. SPECIAL UNANNOUNCEMENT: December 1, 2017 (mtgcommander.net公式)
  2. UNRULES UPDATE - NERF WAR BANNED (mtgcommander.net公式)

引用:総合ルール 20231117.0

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