梅澤の十手/Umezawa's Jitte

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Umezawa's Jitte / 梅澤の十手 (2)
伝説のアーティファクト — 装備品(Equipment)

装備しているクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたび、梅澤の十手の上に蓄積(charge)カウンターを2個置く。
梅澤の十手から蓄積カウンターを1個取り除く:以下から1つを選ぶ。
・装備しているクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
・クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-1/-1の修整を受ける。
・あなたは2点のライフを得る。
装備(2)


装備したクリーチャー戦闘ダメージ与え蓄積カウンターを貯め、3つのモードを持つ起動型能力を使うことができる。 神河謀叛トップレアであり、一世を風靡した非常に強力な伝説の装備品

目次

解説

装備するだけではパワータフネスも上がらないが、モードがいずれも強力で使い勝手がよく、仮に除去されそうになってもとりあえずどれかは起動することができる。さらに蓄積カウンターは一度に2個ずつ置かれ、戦闘ダメージをプレイヤーに与えてもパーマネントに与えても置くことができることがさらにその使いやすさに拍車をかけている。また、蓄積カウンターを置く機会が2倍となるため、二段攻撃との相性は抜群。

第1のモードはパンプアップ。+2/+2の修整を受けられるため、戦闘火力に強くなる。上述した二段攻撃はこのモードとも相性が良く、強化したパワーによる恩恵が2倍となる上、1回目の戦闘ダメージを与えて貯めた蓄積カウンターを消費して2回目の戦闘ダメージを強化した状態で与えることもできる。例えば1/1二段攻撃に十手をつけて攻撃し、次のターンに蓄積カウンターを4個消費して9/9二段攻撃として攻撃すれば、それだけでも計20点でゲーム終了。1/1としての攻撃がブロックされていたとしても、1回目の戦闘ダメージを与えた後さらに強化して11/11とすればやはり計20点のダメージを与えられるので、ゲーム終了となる。

第2のモードは除去として使える-1/-1修整。ビートダウンデッキ同士、特にウィニーミラーマッチなどで恐ろしい威力を発揮し、ボードコントロール力が非常に高い。十手を装備したクリーチャーがたった1体戦場にいるだけで、しばしば対戦相手のクリーチャー戦略を完封してしまっていた。「十手ゲー」という言葉を生み出したのは、主にこのモードである。

第3のモードは2点のライフ回復。一見すると地味だが、クリーチャーさえ維持し続ければ毎ターン4点のライフを確保できるので、対速攻デッキや土壇場のダメージレースにおいて重宝する。数体のブロッカーと十手があるだけでライフを安全圏に運ぶことが可能なため、ヤソコンのようなコントロールデッキにおいて川の水神/River Kaijinと組み合わせて使われたこともあり、環境からバーンを駆逐してしまった。ショックランドフェッチランドペインランドなど土地のもたらすライフロスのフォロー目的にも便利。

利用

全てのモードがクリーチャー中心の速攻デッキに有効なことから、そういったデッキに対するサイドボードとしては一級品。もちろんクリーチャーで殴るデッキであるならば、展開力が非常に高いデッキではマナ・コストと装備コストで合計4マナという重さを嫌って敬遠されることはあるが、そうでなければとりあえず投入しておくだけの価値はある。

リミテッドでは、決勝卓が十手vs十手ということも少なくないほどの威力。また、構築エターナルでも、メタゲームや環境によって位置は大きく異なるものの、全く見かけないということはまず無い。当時のスタンダードでは十手対策として、対消滅狙いで十手を入れるプレイヤーも多かった。

しかし、はっきりした弱点もあり、クリーチャーや火力を使わないデッキに対しては、クリーチャーを強化する以外の使い道が無く、大きくしたところで除去耐性にはならない。公式コラムなどで、(そういった相手には)「強めのヴァルショクの鉄球/Vulshok Morningstarでしかない」等と度々指摘されている。そういった意味もあり、神河ブロック構築では禁止カード入りも囁かれたものの、けちコントロールなどコントロールデッキが強かったため、禁止は免れた。

禁止指定

2006年3月23日より、トライバル・ウォーズ禁止カードに指定される。2006年6月23日に新設されたトライバル・ウォーズ(クラシック)でも続けて禁止。トライバル・ウォーズ(スタンダード)では一時禁止が解除されたが、1週間後に改めて禁止された。

モダンでも、フォーマット開始当初より禁止カード

ルール

  • 第1のモードを選択して起動型能力起動した後に十手が除去されても、最後の情報ルールにより、装備していたクリーチャーは+2/+2の修整を受ける。
  • この起動型能力は、梅澤の十手自身が持つ。装備しているクリーチャーが持つわけではない。これがクリーチャーに装備されていなくても、起動型能力は起動できる。
    • 第1のモードも効果を表さないだけで起動すること自体は可能。第2のモードには対象が必要。
  • カウンターを置く能力が誘発するには、戦闘ダメージを与えた時点で、そのクリーチャーにこれが装備されていなければならない。また、ダメージが与えられるクリーチャーが戦場にいなければならない(梅澤の十手が戦場にあるので、最後の情報は使用できない)。

ストーリー

梅澤の十手/Umezawa's Jitte神河ブロックに登場した装備品。(イラスト

その名のとおり、梅澤俊郎/Toshiro Umezawaが自身の手で作り出した装備品であり、上質の銀と鋼と魔力を材料にしている。打撃性能より相手に突き刺すことを重視したつくりで、突き刺した相手の血と十手を触媒にして梅澤俊郎は漢字の魔術をより強力なものにしている。

能力はこの相手を傷つけて、その血で漢字を書いて読むことにより3種類の漢字の魔術を使役するということをモデルに作られたのだと思われる。

  • つまり、本来は触媒であるこの十手以上に漢字の魔術の知識が必要なわけだが、カードでは触媒だけで使えてしまう。ひょっとしたら基本的な魔術3種類はオートで出せるようになっているのかもしれない。
  • 作り主である梅澤俊郎/Toshiro Umezawa本人を差し置いてゲーム中では大活躍した逸品。もっとも、他人に使役されることを嫌う梅澤からしてみればどうでもいいことだろうが。
    • むしろストーリー中盤以降では、梅澤は夜陰明神/Myojin of Night's Reachの加護や「影の門」と呼ばれるアーティファクトのおかげで十手に頼らず高レベルの漢字の魔術を使えるようになったので、ゲームとは逆に活躍の場は減ってしまった。

関連カード

その他

  • 2013年4月27日~28日に開催された『ニコニコ超会議2』において、2005年を代表するカードとして展示された[1]
  • 射場本正巳開発部入りしたばかりの頃「マジックでは十手は二度と作らない」と言われた[2]
  • 読み方は英名を見てわかるとおり、うめざわの「じって」。
  • 第2のモードは元々黒マナ2つを生み出す能力だったが、マナ能力起動型能力との兼ね合いがルール上の問題を引き起こしうることから開発終盤に変更を迫られ、現在の能力としたのちテストプレイを経ないまま印刷される流れとなった[3]。その結果は上記の通りである。

参考

  1. ニコニコ超会議2 マジック:ザ・ギャザリング展示ブース(マジック日本公式Facebook)
  2. Twitter(@syaba3)
  3. How to Sneak Overpowered Cards past Development | MAGIC: THE GATHERING(2008年5月30日 Devin Low著)
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