唱える

提供:MTG Wiki

2018年7月11日 (水) 09:51時点における180.30.130.94 (トーク) - whois による版
移動: 案内, 検索

唱える/Castは、キーワード処理の1つ。呪文を使うときに行われる処理である。

目次

定義

呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、その呪文を現在ある場所からスタックに置き、コスト支払うことを意味する。呪文を唱えるためには、以下の一連の手順を踏む必要がある。手順を完了できない場合、それは不正な処理として巻き戻される

  1. 呪文を唱えることを宣言し、カードを元ある領域からスタックの一番上に乗せる。
    • 適正に唱えることができない呪文はこの手順を開始できない。ただし後述の条件に該当する場合は例外であり、手順を開始することができる。
  2. その呪文がモードを持つ場合、そのモードの選択を宣言する。
  3. その呪文が代替コスト追加コストなどを持つ場合、どれを支払うのかを宣言する。マナ・コストXを含んでいるなど可変のコストを持つ場合、その値を宣言する。混成マナ・シンボルファイレクシア・マナ・シンボルを持つ場合、どのように支払うかを宣言する。
  4. 対象の数を宣言したのち、対象を宣言する。
    • 対象への割り振りがある場合は、それをどう割り振るかを宣言する。
  5. ここまでの宣言や選択を考慮し、呪文が適正に唱えられるかどうか判定する。不正であった場合は唱えることを宣言する直前まで巻き戻される。
  6. 総コストが決定される。これ以降、総コストは固定される。
    • 総コストにマナの支払いが含まれる場合、マナ能力を起動する機会を得る。
  7. すべてのコストを好きな順で支払う。

これらの手順を完了することで、呪文は唱えられたことになる。この条件で誘発する能力はその時点で誘発する。

手順1における唱え始めることができる例外とは以下のものである。

  • 効果によって特定の性質を持つ呪文を唱えることが禁止されている場合、その呪文を示している間にその性質を変える選択ができ、それにより唱えることが禁止されなくなるなら、唱え始めることができる。
  • 効果によって瞬速を持つかのように特定の性質を持つ呪文を唱えることが認められている場合、その呪文を示している間にその性質を変える選択ができ、それにより効果が適用されるようになるなら、瞬速を持つかのように唱え始めることができる。
  • 効果によって、プレイヤーが代替コスト追加コストを支払った場合に瞬速を持つかのように呪文を唱えることが認められている場合、瞬速を持つかのように唱え始めることができる。
  • 呪文が特定の条件を満たした時にのみ瞬速を持つ場合、その条件を満たしているなら瞬速を持つかのように唱え始めることができる。

解説

基本セット2010で制定されたキーワード処理であり、以前(第6版から)は、土地プレイ起動型能力起動を含めてすべて「プレイ」と呼んでいた。

Castという概念は、リミテッド・エディションから存在したものの、第6版でプレイに統合されたため、長年の間廃語となっていた。なお、その時の日本語訳は「かける」であった。

ルール

  • 通常、インスタントはプレイヤーが優先権を持っている時に唱えることができ、ソーサリークリーチャーアーティファクトエンチャントプレインズウォーカーはそのプレイヤーのメイン・フェイズ中でスタックが空の間に優先権を持っている時に唱えることができる。
    • 効果によって、呪文を唱えられるタイミングが広がることがある。瞬速はインスタント以外のカード・タイプを優先権を持っていれば唱えられるようにし、一部の呪文や能力はその解決中に呪文を唱えるよう指示する。
  • 呪文を唱える一連の手順の間に優先権は発生せず、どのプレイヤーも呪文を唱えたり能力を起動したりすることはできない。ただし、マナ能力はコストを支払う前にのみ起動できる。
  • 必要なコストが支払える限り、1ターンに唱えることができる呪文の数にルール上の制限はない。
  • たとえその呪文の解決時に効果が発揮されないことになるとしても、適切な対象を取りコストを支払えるなら、呪文を唱えることはルール上適正である。
    • 例:「クリーチャー1体を対象とし、それをタップする。」という効果を持つ圧点/Pressure Pointを既にタップ状態のクリーチャーに唱えてもよいし、「プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを2枚捨てる。」という効果を持つ精神腐敗/Mind Rotを手札が1枚以下の対戦相手に唱えてもよい。
  • CR601.2の手順を踏まずにスタックや戦場に置かれたものは「唱えられた」とは言わない。
  • 「カードを唱える」は、そのカードを呪文として唱えることである。
  • 定義において列挙されている例外を除いて、適正に唱えられない呪文は唱え始めることができない。例外の部分が結果的に適正であるかどうかは定義の手順5でチェックされる。
    • 分割カード融合せず唱える場合は、スタックに置く前に唱える側を決定する。呪文を唱えることを許可したり制限したりする効果の影響は、この時決定した側の特性のみをチェックする。

その他

  • スタックに乗る時点を勘違いしやすいため、注意が必要。
  • ソーサリー呪文またはインスタント呪文を唱えることを、俗に「(呪文を)撃つ」とも表現する。
  • 呪文が唱えられるかの判定について、特にマジック・オリジンからバトルボンドの頃まで何度かこの部分のルールが変更されている。
    • テーロスまでは全て唱え始める前(上記定義の1の前)にのみチェックしていたが、唱えている間にカード・タイプが変りうる授与が登場したことによりその扱いに問題が生じた。
    • このため、全ての条件を5の段階でのみチェックするように変更された。だがこれにより、例えば「対戦相手のライブラリーの上から4枚目を唱える宣言をしてスタックに置き内容を確認する(その後、唱えることが不可能なので巻き戻される)」といった行動も許容することになってしまった。
    • そこで、唱え始める段階では「その呪文を示している間に決定される情報に基づいて唱えることを制限する効果の影響」を無視するようになり、それは手順5の段階でのみチェックされるようになった。
    • 不死身、スクイー/Squee, the Immortalが登場したことにより、スクイーをイクサランの束縛/Ixalan's Bindingで追放したあとそのスクイー自身を追放領域から唱えることができる、という裁定が出て、これが不自然であると問題になった。
      • 手順5の段階で既にスクイーがスタックに移動しているため、この時点でイクサランの束縛の唱えられなくする能力の適用外になっている、という裁定。
    • その後現在のルールとなり、先述の場合のスクイーは唱え始められる例外にあたらないため唱え始められないことになった。

参考

引用:総合ルール 20231117.0

引用:総合ルール 20231117.0

QR Code.gif