倍増の季節/Doubling Season

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(16人の利用者による、間の20版が非表示)
3行: 3行:
 
[[緑]]に時々登場する、豪快な「倍出し」[[カード]]。「共有」の緑にしては珍しく、影響を受けるのは[[コントローラー]]だけである。[[トークン]]も[[カウンター (目印)|カウンター]]も倍出しするため、[[戦場]]が凄いことになる。
 
[[緑]]に時々登場する、豪快な「倍出し」[[カード]]。「共有」の緑にしては珍しく、影響を受けるのは[[コントローラー]]だけである。[[トークン]]も[[カウンター (目印)|カウンター]]も倍出しするため、[[戦場]]が凄いことになる。
  
「カウンターが[[配置される|置かれた]]状態で[[戦場に出る]]」[[パーマネント]]も影響を受ける。したがって[[消散]]・[[接合]]・[[烈日]]など、同[[ブロック (総称)|ブロック]]内では[[狂喜]]、[[移植]]持ちなどのカードとも相性がよい。特に元から高性能なものが多い消散や、継続してカウンターを移し替えられる接合などとの組み合わせは強力。[[リミテッド]]では上記2つの他に、トークンを多用する[[セレズニア議事会/The Selesnya Conclave|セレズニア]]や[[オルゾフ組/The Orzhov Syndicate|オルゾフ]]と組んでもよい。
+
「カウンターが置かれた状態で[[戦場に出る]]」[[パーマネント]]も影響を受けるため、[[消散]]・[[接合]]・[[烈日]]など、同[[ブロック (総称)|ブロック]]内では[[狂喜]]、[[移植]]持ちなどのカードとも相性が良い。特に元から高性能なものが多い消散や、継続してカウンターを移し替えられる接合などとの組み合わせは強力。[[リミテッド]]では上記2つの他に、トークンを多用する[[セレズニア議事会/The Selesnya Conclave|セレズニア]]や[[オルゾフ組/The Orzhov Syndicate|オルゾフ]]と組んでもよい。
  
その他、[[スパイク]]や[[魔力の導管/Power Conduit]]などカウンター自体をやりとりするカード、[[ファンガス]]や[[落とし子の穴/Spawning Pit]]などカウンターとトークンを併用するカードとの[[ギミック]]は面白い。例えば[[はじける子嚢/Saproling Burst]]の場合、[[消散カウンター]]が通常の倍の14個置かれて戦場に出る。1個取り除いて苗木トークンを出すと13/13の[[苗木]]2体が戦場に出る。7個取り除いて7/7の14体のトークンを出した場合、[[P/T]]の合計値が最大の98/98となる。[[召喚酔い]]の都合、最大級の力を発揮できないのが残念(そもそも[[オーバーキル]]だが)。
+
その他、[[スパイク]]や[[魔力の導管/Power Conduit]]などカウンター自体をやりとりするカード、[[ファンガス]]や[[落とし子の穴/Spawning Pit]]などカウンターとトークンを併用するカードとの[[ギミック]]は面白い。例えば[[はじける子嚢/Saproling Burst]]の場合、[[消散カウンター]]が通常の倍の14個置かれて戦場に出る。1個取り除いて[[苗木]]トークンを出すと13/13の苗木2体が戦場に出る。7個取り除いて7/7の14体のトークンを出した場合、[[P/T]]の合計値が最大の98/98となる。[[召喚酔い]]の都合、最大級の力を発揮できないのが残念(そもそも[[オーバーキル]]だが)。
  
逆に、[[-1/-1カウンター]]や[[暗黒の深部/Dark Depths]]などのデメリット持ちとの相性は最悪である。前者は、戦場に出た瞬間に[[墓地に置く|墓地に置かれる]]ことも少なくない。
+
一方、[[仕組まれた爆薬/Engineered Explosives]]などのカウンターの個数の調整が必要なカードとは相性があまり良くなく、[[-1/-1カウンター]]や[[暗黒の深部/Dark Depths]]などのデメリットとしてカウンターを使うカードとの相性は最悪である。
  
*[[次元]]カード版として、[[セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens (次元カード)]]が存在する。そちらは全ての[[プレイヤー]]に影響する。
+
*[[プロツアーフィラデルフィア11]]の[[ジャッジ褒賞]]として、これの[[プロモーション・カード]]が[[Chuck Lukacs]]による{{Gatherer|id=370387|新規イラスト}}で[[ジャッジ]]に配布された。[[絵|イラスト]]にはカウンターを用いる[[クリーチャー]]の代表格たる[[ハイドラ]]が描かれている。[[Modern Masters]]でもこのイラストが採用されている。
*[[統率者2013]]では、[[多人数戦]]用にチューンナップされた[[野生の活力/Primal Vigor]]が登場。倍増するカウンターが[[+1/+1カウンター]]に限定されたほか、全プレイヤーに影響するようになっている。
+
*カジュアルでの人気が高く[[再録]]の要望が多いカードだが、[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]との相互作用が強力すぎることから[[スタンダード]]で使用可能なセットでの再録が難しく、再録は特殊セットで行われている。
*[[プロツアーフィラデルフィア11]]の[[ジャッジ褒賞]]として、これの[[プロモーション・カード]]が[[Chuck Lukacs]]による{{Gatherer|id=370387|新規イラスト}}で[[ジャッジ]]に配布された。イラストには+1/+1カウンターを多用する[[クリーチャー]]の代表格たる[[ハイドラ]]が描かれている。[[Modern Masters]]でもこのイラストが採用されている。
+
  
 
==ルール==
 
==ルール==
*[[対戦相手]]が出した[[狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon]]などの[[効果]]でこちら側に出る[[トークン]]も2倍になる。
+
*[[呪文]][[能力]]の[[解決]]の[[効果]]がトークンを[[生成]]したりパーマネントにカウンターを置いたりする場合と、他の[[置換]]・[[軽減]]効果がそうする場合にこの[[置換効果]]が適用される。置換・軽減効果の影響を受ける[[イベント]]そのものが効果でなかった場合にも適用される<ref>[http://mtg-jp.com/rules/docs/JPN_CR.html#r614.16 マジック総合ルール 614.16](マジック日本公式サイト)</ref>。
*[[カウンター (目印)|カウンター]]を移す場合でも、移動先にカウンターは2倍置く。「移す」の定義に「カウンターを置く」ことが含まれているため(→[[移植]])。
+
**[[プレイ]]した土地に置かれるカウンター([[鮮烈な草地/Vivid Meadow]]など)も倍になる。土地のプレイは[[特別な処理]]で効果では無いが、[[常在型能力]]の置換効果によってカウンターが置かれるため倍になる。
*経年カウンターも倍速で増える。[[累加アップキープ]][[コスト]][[支払う|支払い]]は困難になるだろう。
+
**[[ゲトの裏切り者、カリタス/Kalitas, Traitor of Ghet]]の置換効果によるトークンの生成は、[[クリーチャー]][[状況起因処理]]で[[死亡]]する場合であっても倍になる。
*2枚出ていれば2倍のそのまた2倍で4倍、4枚出ていれば16倍、[[エンチャント複製/Copy Enchantment]]なども使って8枚[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]すれば256倍となる。[[クリーチャー化]]した上で[[コピー]][[トークン]]の作成を繰り返したりすれば、混沌の領域へまっしぐら。
+
*倍にならないのは、[[献身のドルイド/Devoted Druid]]の能力や[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]][[忠誠度能力]]など[[コスト]]によって置かれるカウンター、[[ダメージ]]のルールである[[萎縮]]と[[感染]]によって置かれるカウンター、[[特別な処理]]である[[大変異]]の結果で置かれるカウンター、[[ターン起因処理]]によって[[英雄譚]]に置かれる伝承カウンターである。ただし、これらが他の置換効果によって置換された場合、それは倍になる。
**もしもこの[[カード]][[プレイヤー]]全員に影響するものだったならば、倍倍ゲームはもう少し簡単に発生する。自分にしか影響しないのは、そういった状況の発生を抑えようという意図なのかも知れない。
+
**[[巻きつき蛇/Winding Constrictor]][[コントロール (ルール用語)|コントロール]]している状態で萎縮を持つ発生源からあなたのクリーチャーが1点のダメージを受ける場合、それは巻きつき蛇の置換効果によって[[-1/-1カウンター]]が2個置かれるイベントに置換される。他の置換効果によって影響を受けたイベントなので、倍増の季節によって2倍になりそのクリーチャーには-1/-1カウンターが4つ置かれる。
*[[追放]]されているカードは[[パーマネント]]ではないため、[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]の[[遅延カウンター]]や[[待機]]の[[時間カウンター]]の数に影響はない。 また同様に、[[プレイヤー]]はパーマネントではないため[[毒カウンター]]も2倍にはならない。
+
*置換された呪文や能力が後でそのトークンに何かしようとする場合、出たトークン全てに対してそれを行う。例えば、[[聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft]]の能力で天使トークンが2体出たならば、戦闘終了時に2体とも追放される。
*効果ではなく、例えば[[起動型能力]]の[[コスト]]などでカウンターを置く場合には倍にならない。[[根の壁/Wall of Roots]][[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]の起動型能力などがそれにあたる。
+
*カウンターを動かす(移動する)場合でも、移動先に2倍の数のカウンターを[[置く]]。これは「動かす」の定義に「カウンターを置く/Put」ことが含まれているため。[[動かす]]も参照。
*[[萎縮]][[感染]]によって置かれる[[-1/-1カウンター]][[ダメージ]]の結果によるものなので、倍にならない。
+
*[[追放]]されているカードはパーマネントではないため、[[アーテイのおせっかい/Ertai's Meddling]]の[[遅延カウンター]]や[[待機]]の[[時間カウンター]]の数に影響はない。 また同様に、プレイヤーはパーマネントではないため[[毒カウンター]]も2倍にはならない。
*[[生体武器]]が出すトークンも倍になるが、肝心の[[装備品]]の数が増えるわけでは無いので、[[無形の美徳/Intangible Virtue]]などのサポートが無い限り、[[状況起因処理]]によってトークンは墓地に置かれて消滅する。
+
*複数枚[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]していれば、すべての効果が重複して適用される。例えば、2枚出ていれば2倍のそのまた2倍で4倍、4枚出ていれば16倍、[[エンチャント複製/Copy Enchantment]]なども使って8枚[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]すれば256倍となる。
 +
**もしもこのカードが[[プレイヤー]]全員に影響するものだったならば、倍々ゲームはもう少し簡単に発生する。[[あなた|自分]]にしか影響しないのは、そういった状況の発生を抑えようという意図なのかもしれない。
 +
*[[対戦相手]]が出した[[狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon]]などの[[効果]]でこちら側に出るトークンも2倍になる。
 +
*[[経年カウンター]]も倍速で増える。[[累加アップキープ]]の[[コスト]][[支払う|支払い]]は困難になるだろう。
 +
*[[生体武器]]が出すトークンも倍になるが、肝心の[[装備品]]の数が増えるわけではないので、[[無形の美徳/Intangible Virtue]]などのサポートがない限り、[[状況起因処理]]によって追加で出たトークンは[[墓地に置く|墓地に置かれて]]消滅する。
 +
 
 +
===旧ルール===
 +
[[イクサラン]]での[[総合ルール]]更新より前は、元のイベントが効果でないなら倍になることは無かった。土地のプレイによるカウンターは倍にならないし、[[致死ダメージ]]で死亡するクリーチャーはカリタスで置換されてもトークンが倍にならなかった。
 +
 
 +
==関連カード==
 +
自称「2倍にするカード愛好家」である[[Mark Rosewater]]のお気に入りのカードであり、[[リメイク]]的な後継カードがいくつか存在する。
 +
 
 +
*[[似通った生命/Parallel Lives]] - 倍増するのがトークンのみになった。([[イニストラード]]
 +
*[[屍体屋の脅威/Corpsejack Menace]] - 倍増するのが[[+1/+1カウンター]]に限定された。[[黒緑]]のクリーチャー。([[ラヴニカへの回帰]]
 +
*[[野生の活力/Primal Vigor]] - 倍増するカウンターが+1/+1カウンターに限定された。また、すべてのプレイヤーに影響する。([[統率者2013]]
 +
*[[硬化した鱗/Hardened Scales]] - +1/+1カウンターが置かれる場合、1つ増える。([[タルキール覇王譚]])
 +
*[[巻きつき蛇/Winding Constrictor]] - カウンターの種類は問わず、[[あなた]]、クリーチャー、[[アーティファクト]]に置くカウンターが1つ増える。([[霊気紛争]])
 +
*[[選定された行進/Anointed Procession]] - 白くなった似通った生命。([[アモンケット]])
 +
 
 +
*[[セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens (次元カード)|セレズニアの屋根庭/Selesnya Loft Gardens]] - [[次元]]カード。すべてのプレイヤーに影響する。([[プレインチェイス2012]]
  
 
==参考==
 
==参考==
 +
<references />
 
*[[カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都]] - [[レア]]
 +
*[[カード個別評価:バトルボンド]] - [[神話レア]]
 
*[[カード個別評価:Modern Masters]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:Modern Masters]] - [[レア]]
 +
__NOTOC__

2018年6月13日 (水) 22:24時点における版


Doubling Season / 倍増の季節 (4)(緑)
エンチャント

いずれかの効果があなたのコントロール下で1個以上のトークンを生成する場合、代わりにそれはその2倍の数を生成する。
いずれかの効果があなたがコントロールするパーマネントの上に1個以上のカウンターを置く場合、代わりにそれはその2倍の数をそのパーマネントの上に置く。


に時々登場する、豪快な「倍出し」カード。「共有」の緑にしては珍しく、影響を受けるのはコントローラーだけである。トークンカウンターも倍出しするため、戦場が凄いことになる。

「カウンターが置かれた状態で戦場に出るパーマネントも影響を受けるため、消散接合烈日など、同ブロック内では狂喜移植持ちなどのカードとも相性が良い。特に元から高性能なものが多い消散や、継続してカウンターを移し替えられる接合などとの組み合わせは強力。リミテッドでは上記2つの他に、トークンを多用するセレズニアオルゾフと組んでもよい。

その他、スパイク魔力の導管/Power Conduitなどカウンター自体をやりとりするカード、ファンガス落とし子の穴/Spawning Pitなどカウンターとトークンを併用するカードとのギミックは面白い。例えばはじける子嚢/Saproling Burstの場合、消散カウンターが通常の倍の14個置かれて戦場に出る。1個取り除いて苗木トークンを出すと13/13の苗木2体が戦場に出る。7個取り除いて7/7の14体のトークンを出した場合、P/Tの合計値が最大の98/98となる。召喚酔いの都合、最大級の力を発揮できないのが残念(そもそもオーバーキルだが)。

一方、仕組まれた爆薬/Engineered Explosivesなどのカウンターの個数の調整が必要なカードとは相性があまり良くなく、-1/-1カウンター暗黒の深部/Dark Depthsなどのデメリットとしてカウンターを使うカードとの相性は最悪である。

ルール

旧ルール

イクサランでの総合ルール更新より前は、元のイベントが効果でないなら倍になることは無かった。土地のプレイによるカウンターは倍にならないし、致死ダメージで死亡するクリーチャーはカリタスで置換されてもトークンが倍にならなかった。

関連カード

自称「2倍にするカード愛好家」であるMark Rosewaterのお気に入りのカードであり、リメイク的な後継カードがいくつか存在する。

参考

  1. マジック総合ルール 614.16(マジック日本公式サイト)
QR Code.gif