リミテッド

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'''リミテッド'''/''Limited''は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[フォーマット]]の1つ。「限定戦」とも呼ばれる。
 
'''リミテッド'''/''Limited''は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[フォーマット]]の1つ。「限定戦」とも呼ばれる。
  
 
==解説==
 
==解説==
[[構築]]があらかじめ用意した[[カード]]から自由に選択して[[デッキ]]を構築するのに対し、リミテッドは未開封のパックから出てきたカードと任意の枚数の[[基本土地]]カードのみを使ってその場でデッキを構築しゲームを行う。
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[[構築]]があらかじめ用意した[[カード]]から自由に選択して[[デッキ]]を構築するのに対し、リミテッドは未開封のパックから出てきたカードと任意の枚数の[[基本土地]]カードのみを使ってその場でデッキを構築し[[ゲーム]]を行う。
  
自分が開封したパックのカードのみを使用する「[[シールド]]」、一定のルールに基づいてカードをやり取りして自分が使うカードを決定する「[[ブースター・ドラフト]]」「[[ロチェスター・ドラフト]]」が認定されている。
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自分が開封したパックのカードのみを使用する「'''[[シールド]]'''」、一定のルールに基づいてカードをやり取りして自分が使うカードを決定する「'''[[ブースター・ドラフト]]'''」「[[ロチェスター・ドラフト]]」が認定されている。
  
[[多人数戦]]のリミテッドのトーナメントは、[[双頭巨人戦]]のみが2005年10月1日から認定されている。認定されている形式はシールドのみである。
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[[多人数戦]]のリミテッドのトーナメントは、[[双頭巨人戦]]のみが[[2005年]]10月1日から認定されている。認定されている形式はシールドのみである。
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認定大会での細かい規則は、[[マジック・イベント規定]]を参照のこと。
  
*認定大会での細かい規則は、[[マジック・イベント規定]]を参照のこと。
 
 
*これら以外にも、[[非公式フォーマット]]ではあるが「[[ソロモン・ドラフト]]」や「[[ウィンストン・ドラフト]]」などが存在する。詳細は各々の項、および[[ドラフト]]を参照すること。
 
*これら以外にも、[[非公式フォーマット]]ではあるが「[[ソロモン・ドラフト]]」や「[[ウィンストン・ドラフト]]」などが存在する。詳細は各々の項、および[[ドラフト]]を参照すること。
*2013年現在のリミテッドでの[[プレミアイベント]]では、まず予選を[[シールド]]で行い、成績上位者が[[ブースター・ドラフト]]で決着をつける形式が多い。
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*リミテッドでの[[プレミアイベント]]では、まず予選を[[シールド]]で行い、成績上位者が[[ブースター・ドラフト]]で決着をつける形式が多い。
  
 
==リミテッドでの構築ルール==
 
==リミテッドでの構築ルール==
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*デッキの最低枚数は40枚であり、上限はない。
 
*デッキの最低枚数は40枚であり、上限はない。
*1つのデッキに基本土地でない同じ英語名のカードは4枚までという制限(いわゆる[[4枚制限ルール]])は無い。
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*1つのデッキに基本土地でない同じ英語名のカードは4枚までという制限(いわゆる[[4枚制限ルール]])は適用されない。
*[[禁止カード]]、[[制限カード]]は一切存在しない。[[ブロック構築]]に準じる[[エキスパンション]]のパックを用いる形でも、ブロック構築の禁止カードは使用可能である。
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*[[平地/Plains]]、[[島/Island]][[沼/Swamp]][[山/Mountain]]、[[森/Forest]]という名前のカードは、自分のデッキやサイドボードに何枚でも加えてよい。
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**それ以外の基本土地([[基本氷雪土地]]、[[荒地/Wastes]])は、獲得しなければ使えない。
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*[[マジック・イベント規定]]と[[総合ルール]]の別途規定により使用できないカードを除く、[[禁止カード]]、[[制限カード]]は一切存在しない。
 
*獲得したカードのうち、[[メインデッキ]]に使われなかったカードは自動的にすべて[[サイドボード]]となる。枚数も15枚である必要がない。必要であれば、サイドボードに基本土地を追加することができる。
 
*獲得したカードのうち、[[メインデッキ]]に使われなかったカードは自動的にすべて[[サイドボード]]となる。枚数も15枚である必要がない。必要であれば、サイドボードに基本土地を追加することができる。
*ゲームとゲームの間にサイドボードとのカードの入れ替えをする際、メインデッキが最終的に40枚以上になるならば、1対1でカードを入れ替えなくても良い(例えば、メインデッキから3枚抜いて、サイドボードから8枚投入したりできる)。
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*リミテッドのサイドボーディングはデッキの枚数が40枚以上という条件を満たしていれば制限はない。構築のサイドボーディングは[[2013年]]7月13日以前までは1対1の交換しかできなかったが、リミテッドではそれ以前から自由度の高いサイドボーディングが可能であった。
**[[デッキリスト]]を用いない一般[[ルール適用度|REL]]のイベントにおいては、[[ヘッド・ジャッジ]]またはイベント主催者が「マッチごとにデッキを初期状態に戻す必要がある」と宣言しない限りは、メインデッキを初期の状態に戻す義務が無く、とあるマッチの2ゲーム以降メインデッキとサイドボードを入れ替え、そのまま次のマッチに臨んだり、マッチ間でデッキの調整を行っても問題ない。RELが競技以上の場合は、イベント主催者はこの選択を行うことはできず、プレイヤーはマッチごとにデッキを初期状態に戻さなければならない。
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**[[デッキリスト]]を用いない一般[[ルール適用度|REL]]のイベントにおいては、[[ヘッド・ジャッジ]]またはイベント主催者が「[[マッチ]]ごとにデッキを初期状態に戻す必要がある」と宣言しない限りは、メインデッキを初期の状態に戻す義務が無く、とあるマッチの2ゲーム以降メインデッキとサイドボードを入れ替え、そのまま次のマッチに臨んだり、マッチ間でデッキの調整を行っても問題ない。RELが競技以上の場合は、イベント主催者はこの選択を行うことはできず、[[プレイヤー]]はマッチごとにデッキを初期状態に戻さなければならない。
  
 
==リミテッドで使用できるカード==
 
==リミテッドで使用できるカード==
リミテッドで使用できるカードは、基本土地を除いて、開封する[[ブースターパック]]のカードセットに属するカードに限られる。ブースターパックに含まれている、そのブースターパックのカードセットに属さないカードは、そのカードを登録するプレイヤーが保持する。例外として、[[ドラゴンの迷路]]のブースターパックに含まれている、[[ラヴニカへの回帰]]や[[ギルド門侵犯]]の[[基本でない土地]]カード([[ショックランド]])は、ドラゴンの迷路のカードを用いるリミテッドで使用可能である。
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リミテッドで使用できるカードは、開封するブースターパックのカードセットに属するカードに限られる。ブースターパックに含まれている、そのブースターパックのカードセットに属さないカード([[プレミアム・カード]]でない[[基本土地]]含み)と[[チェックリスト・カード]]は、そのカードを登録するプレイヤーが保持する。
*例えば、ブースター・ドラフトで[[ゼンディカー]]のブースターパックに[[Sinkhole]]が入っていた場合、そのブースターパックを登録(開封)したプレイヤーが貰うことができる。しかし、それはゼンディカーのカードでないので、このブースター・ドラフトの間はデッキに入れることはできない。
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*例えば、ブースター・ドラフトで[[ゼンディカー]]のブースターパックに[[ゼンディカー#ヴィンテージ・カード|ヴィンテージ・カード]]として[[陥没孔/Sinkhole]]が封入されていた場合、そのブースターパックを登録(開封)したプレイヤーが陥没孔を貰うことができる。しかし、それはゼンディカーのカードでないので、このブースター・ドラフトの間はデッキに入れることはできない。
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ただしこのルールには以下の例外がある。
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*プレミアム・カードである基本土地は、そのブースターパックのカードセットに属するカードとして扱う。
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*[[ドラゴンの迷路]]のブースターパックに含まれている、[[ラヴニカへの回帰]]や[[ギルド門侵犯]]の[[基本でない土地]]カード([[ショックランド]])は、ドラゴンの迷路のカードを用いるリミテッドで使用可能である。
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*[[運命再編]]のブースターパックに含まれている、[[タルキール覇王譚]]の基本でない土地カード([[友好色]][[フェッチランド]])は、運命再編のカードを用いるリミテッドで使用可能である。
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*[[Masterpiece Series]]に含まれるカードは、該当カード群に含まれるセットを用いるリミテッドで使用可能である。
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**例:[[Zendikar Expeditions]]に含まれるカードは、[[戦乱のゼンディカー]]と[[ゲートウォッチの誓い]]のカードを用いるリミテッドで使用可能。
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15枚未満のエラーパックや印刷ミス・初期傷のあるカードなど、[[トーナメント]]に不都合なパックやカードが手元に来てしまったときは[[ジャッジ]]に報告すること。
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*もちろん1枚を隠し故意に交換などを行うのは重大な[[不正行為]]であり、「非紳士的行為 ─ イベント物品の窃盗」として処罰される。
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===特別的な扱い===
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一部のリミテッドイベントでは、さらなる例外規定が追加される場合がある。
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====プレリリース====
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[[ラヴニカへの回帰]]以降の[[プレリリース・トーナメント]]においては、[[プレリリース・パック]]に含まれる[[プレリリース・カード]]を使用することができる。
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====[[Magic Online]]のリミテッド====
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カードの現物化の関係上、基本土地もドラフト対象となる。
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====[[ニクスへの旅]]を用いるリミテッド====
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[[テーロス・ブロック]]の[[神]]カード全15種類が各1枚ずつ封入されている[[ニクスへの旅]]ブースターパックを開封した場合、そのパックの全てのカードは開封したプレイヤーが保持し、新たなパックを受け取ってイベント続行が推奨される。ただし、主催者やヘッド・ジャッジの決定により、交換しないでもよい<ref>[https://blogs.magicjudges.org/rulestips/2014/04/what-to-do-if-you-open-the-god-pack-in-a-limited-tournament/ What to do if you open the “God Pack” in a limited tournament.](Magic Judge [[2014年]]4月29日)</ref>。
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*なお、上記のパックは「不都合なパック」とみなされるので、開封した際にジャッジに報告しなければならない<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/divine-gift-2014-04-28-0 A Divine Gift]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0008824/ 神からの贈り物](Arcana 2014年4月28日 [[WotC]]著)</ref>。
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====[[基本セット2019]]、[[基本セット2020]]を用いるリミテッド====
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シールドでは、基本土地のスロットから出た[[基本でない土地]]は自分の[[カードプール]]に加え入れることができる。ブースター・ドラフトでは、通常の基本土地のスロットから出た全てのカードはパックに残した状態でのドラフトが推奨される。
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*基本セット2019を用いる[[グランプリ]]のブースター・ドラフトのみ、15枚目に[[破滅の龍、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, the Ravager]]のチェックリスト・カード以外で通常のパックから出る確率に則ったカードが加えられてドラフトする。
  
*その他[[トーナメント]]に不都合な15枚未満のエラーパックや印刷ミスのカードが手元に来てしまったときは[[ジャッジ]]に報告すること。
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==脚注==
**もちろん1枚を隠し故意に交換などを行うのは重大な[[不正行為]]であり、「非紳士的行為 ─ イベント物品の窃盗」として処罰される。
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<references/>
  
 
==参考==
 
==参考==

2019年7月19日 (金) 07:41時点における版

リミテッド/Limitedは、マジックフォーマットの1つ。「限定戦」とも呼ばれる。

目次

解説

構築があらかじめ用意したカードから自由に選択してデッキを構築するのに対し、リミテッドは未開封のパックから出てきたカードと任意の枚数の基本土地カードのみを使ってその場でデッキを構築しゲームを行う。

自分が開封したパックのカードのみを使用する「シールド」、一定のルールに基づいてカードをやり取りして自分が使うカードを決定する「ブースター・ドラフト」「ロチェスター・ドラフト」が認定されている。

多人数戦のリミテッドのトーナメントは、双頭巨人戦のみが2005年10月1日から認定されている。認定されている形式はシールドのみである。

認定大会での細かい規則は、マジック・イベント規定を参照のこと。

リミテッドでの構築ルール

リミテッドは自らが使うカードを決定した後のデッキの構築ルールにも、構築フォーマットとは以下のような差異がある。

  • デッキの最低枚数は40枚であり、上限はない。
  • 1つのデッキに基本土地でない同じ英語名のカードは4枚までという制限(いわゆる4枚制限ルール)は適用されない。
  • 平地/Plains島/Island沼/Swamp山/Mountain森/Forestという名前のカードは、自分のデッキやサイドボードに何枚でも加えてよい。
  • マジック・イベント規定総合ルールの別途規定により使用できないカードを除く、禁止カード制限カードは一切存在しない。
  • 獲得したカードのうち、メインデッキに使われなかったカードは自動的にすべてサイドボードとなる。枚数も15枚である必要がない。必要であれば、サイドボードに基本土地を追加することができる。
  • リミテッドのサイドボーディングはデッキの枚数が40枚以上という条件を満たしていれば制限はない。構築のサイドボーディングは2013年7月13日以前までは1対1の交換しかできなかったが、リミテッドではそれ以前から自由度の高いサイドボーディングが可能であった。
    • デッキリストを用いない一般RELのイベントにおいては、ヘッド・ジャッジまたはイベント主催者が「マッチごとにデッキを初期状態に戻す必要がある」と宣言しない限りは、メインデッキを初期の状態に戻す義務が無く、とあるマッチの2ゲーム以降メインデッキとサイドボードを入れ替え、そのまま次のマッチに臨んだり、マッチ間でデッキの調整を行っても問題ない。RELが競技以上の場合は、イベント主催者はこの選択を行うことはできず、プレイヤーはマッチごとにデッキを初期状態に戻さなければならない。

リミテッドで使用できるカード

リミテッドで使用できるカードは、開封するブースターパックのカードセットに属するカードに限られる。ブースターパックに含まれている、そのブースターパックのカードセットに属さないカード(プレミアム・カードでない基本土地含み)とチェックリスト・カードは、そのカードを登録するプレイヤーが保持する。

  • 例えば、ブースター・ドラフトでゼンディカーのブースターパックにヴィンテージ・カードとして陥没孔/Sinkholeが封入されていた場合、そのブースターパックを登録(開封)したプレイヤーが陥没孔を貰うことができる。しかし、それはゼンディカーのカードでないので、このブースター・ドラフトの間はデッキに入れることはできない。

ただしこのルールには以下の例外がある。

15枚未満のエラーパックや印刷ミス・初期傷のあるカードなど、トーナメントに不都合なパックやカードが手元に来てしまったときはジャッジに報告すること。

  • もちろん1枚を隠し故意に交換などを行うのは重大な不正行為であり、「非紳士的行為 ─ イベント物品の窃盗」として処罰される。

特別的な扱い

一部のリミテッドイベントでは、さらなる例外規定が追加される場合がある。

プレリリース

ラヴニカへの回帰以降のプレリリース・トーナメントにおいては、プレリリース・パックに含まれるプレリリース・カードを使用することができる。

Magic Onlineのリミテッド

カードの現物化の関係上、基本土地もドラフト対象となる。

ニクスへの旅を用いるリミテッド

テーロス・ブロックカード全15種類が各1枚ずつ封入されているニクスへの旅ブースターパックを開封した場合、そのパックの全てのカードは開封したプレイヤーが保持し、新たなパックを受け取ってイベント続行が推奨される。ただし、主催者やヘッド・ジャッジの決定により、交換しないでもよい[1]

  • なお、上記のパックは「不都合なパック」とみなされるので、開封した際にジャッジに報告しなければならない[2]

基本セット2019基本セット2020を用いるリミテッド

シールドでは、基本土地のスロットから出た基本でない土地は自分のカードプールに加え入れることができる。ブースター・ドラフトでは、通常の基本土地のスロットから出た全てのカードはパックに残した状態でのドラフトが推奨される。

脚注

  1. What to do if you open the “God Pack” in a limited tournament.(Magic Judge 2014年4月29日)
  2. A Divine Gift/神からの贈り物(Arcana 2014年4月28日 WotC著)

参考

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