プレインズウォーカー (カード・タイプ)

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2018年4月23日 (月) 22:02時点におけるブラー (トーク | 投稿記録)による版
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プレインズウォーカー/Planeswalkerは、カード・タイプの1つ。


Ajani Goldmane / 黄金のたてがみのアジャニ (2)(白)(白)
伝説のプレインズウォーカー — アジャニ(Ajani)

[+1]:あなたは2点のライフを得る。
[-1]:あなたがコントロールする各クリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。それらのクリーチャーは、ターン終了時まで警戒を得る。
[-6]:白のアバター(Avatar)・クリーチャー・トークンを1体生成する。それは「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれ、あなたのライフの総量に等しい。」を持つ。

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目次

解説

ローウィンから新たに追加されたカード・タイプ。プレイヤーと同等のプレインズウォーカー/Planeswalkerであるキャラクターを表している。アラーラの断片ブロックからストーリー、ゲーム環境、広報などマジック:ザ・ギャザリングを象徴するものとして扱われるようになった。

忠誠度というプレイヤーでライフに当たる値を持ち、それを足し引きすることで各キャラクターが得意とする魔法を表した忠誠度能力を使うことができる。

カードデザインは他のカード・タイプと全く異なる物が用いられ、イラストに描かれたプレインズウォーカーがイラストの枠から(わずかではあるが)はみ出ている物が過半数を超えている(カード画像)。

ルール

アクティブ・プレイヤーは、そのメイン・フェイズの間でスタックが空のときに限り、プレインズウォーカー呪文唱えることができる。プレインズウォーカー呪文が解決される時、そのコントローラーは、それを自分のコントロール下で、右下に書いてある忠誠度に等しい数の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出す

すべてのプレインズウォーカー・カード特殊タイプ伝説の」を持っており、レジェンド・ルールの適用を受ける。イクサランより前に印刷されたプレインズウォーカー・カードには伝説と書かれていないが、オラクルの変更によって伝説の特殊タイプを持っている。

プレインズウォーカー・タイプ

プレインズウォーカーとしてのサブタイププレインズウォーカー・タイプと呼ばれる。これはクリーチャー・タイプとは異なる。これ自体にルール上の意味はないが、他から参照されることがある。

忠誠度

プレインズウォーカーは忠誠度という独自の特性を持ち、カードの右下に記載されている数値がその基準である。プレインズウォーカーは戦場に出るに際し、その数値と同数の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出る。戦場にある間はその上に乗っている忠誠カウンターの数が忠誠度である。状況起因処理の1つとして、忠誠度が0であるプレインズウォーカーは、そのオーナーの墓地に置かれる。

詳しいルールは忠誠度の項目を参照。

忠誠度能力

プレインズウォーカーは忠誠度能力と呼ばれる、忠誠シンボルをコストに含む起動型能力を持っている。忠誠度能力には通常の起動型能力とは異なる特別なルールが存在する。

詳しいルールは忠誠度能力の項目を参照。

戦闘やダメージに関するルール

プレインズウォーカーと戦闘ダメージに関するルールは以下の通りである。

  • プレインズウォーカーはクリーチャーではない。それ自身は攻撃にもブロックにも参加できない。
  • プレインズウォーカーにダメージが与えられた場合、その値に等しい数の忠誠カウンターが取り除かれる。その結果、忠誠カウンターが0個になったならば、状況起因処理により墓地に置かれる。
  • プレインズウォーカーをコントロールするプレイヤーに攻撃をする場合、攻撃側はプレインズウォーカーかプレイヤーのどちらを攻撃するかを選ぶ。戦闘に関しては通常通りの処理を行うが、ブロックされなかった場合は「選んだ攻撃先へ戦闘ダメージ割り振る」ことになる。
    • 例:対戦相手がAとBというクリーチャーをコントロールし、あなたはプレインズウォーカーをコントロールしており、またクリーチャーはコントロールしていない。Aの攻撃先をプレインズウォーカーとし、Bはあなたへと攻撃した場合、あなたはブロックするクリーチャーがいないため、Aはプレインズウォーカーに、Bはあなたに戦闘ダメージを与える。
    • またトランプルによるダメージも通常通り扱われ、余剰ダメージ分は攻撃している方へ与えることになる。注意すべきはプレインズウォーカーの忠誠度を越えるダメージがあっても、その余剰分をそのコントローラーに与えることはできない点である。
  • プレインズウォーカーが攻撃されているとき、そのプレインズウォーカーが戦場を離れたり、コントローラーが変わったりした場合、そのプレインズウォーカーは戦闘から取り除かれる。しかし、それを攻撃しているクリーチャーは依然として攻撃クリーチャーのままである。この場合、それら攻撃クリーチャーはブロック・クリーチャーに戦闘ダメージを与えるが、攻撃していたプレインズウォーカーがいないため、それに与えるはずだったダメージは発生しない。

旧ルール

マジック:ザ・ギャザリングに後から追加されたまったく新しいルールを持つカード・タイプであり、そのルールは登場後から何度かデッキ構築やプレイングに影響する大きな変更を受けている。

プレインズウォーカーの唯一性ルール(廃止)

プレインズウォーカーが初めて登場したときのルールでは、戦場に共通のプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカーが2体以上存在した場合、そのすべてがオーナーの墓地に置かれる。これは状況起因処理である。

2013年7月の基本セット2014発売に伴うルール変更により、レジェンド・ルールと同じく、1人のプレイヤーが共通のプレインズウォーカー・タイプを持つプレインズウォーカーを2体以上コントロールしている場合、そのプレイヤーがその中から選んだ1体だけ戦場に残り、残りはオーナー墓地に置かれるように変更された。

2017年9月のイクサラン発売に伴うルール変更とオラクル変更により、プレインズウォーカーの唯一性ルールは廃止され、すべてのプレインズウォーカーは「伝説の」特殊タイプを持つようになった。

プレインズウォーカーへのダメージの移し替え(廃止)

初めて登場したときのルールでは、プレインズウォーカーへ戦闘ダメージ以外のダメージを与えるためには、専用のルールによってプレイヤーからプレインズウォーカーにダメージを移し替える手順が必要だった。プレイヤーへ混乱を招くとして、2018年4月のドミナリア発売に伴う総合ルール変更とオラクル変更により廃止された。この変更によって、プレインズウォーカーへダメージを与えられなくなったカードも多い。

廃止前のルールは以下のとおり。

  • プレインズウォーカーをコントロールしているプレイヤーに、対戦相手である他のプレイヤーがコントロールする発生源が戦闘以外でダメージを与える場合、その発生源のコントローラーはプレイヤーではなくプレインズウォーカーにダメージを与えることを選んでもよい。これは置換効果である(→移し変え)。
    • あなたがショック/Shockを、プレインズウォーカーをコントロールしているプレイヤーを対象に唱える場合、ショックが与えるダメージをプレインズウォーカーに与えることを選んでもよい。そうした場合、ショックからプレインズウォーカーに2点のダメージを与えることになる。
      • ショックの解決に際しダメージを与えるときにプレインズウォーカーに代わりに与えるのであって、ショックを唱える際の対象はプレイヤーであり、プレインズウォーカーに与えるという宣言も必要ない。ショックに対してカウンターを行う時点では対戦相手がどちらにダメージを与えるのかは判明していない。
      • 逆に、あなたが唱えた地震/Earthquakeなどがあなたに与えるダメージは、あなたがコントロールするプレインズウォーカーに移し変えることはできない。
    • 双頭巨人戦でのダメージの割り振りの際、あるプレイヤーに与えるダメージを他のチームメイトがコントロールするプレインズウォーカーに与えることはできない。
  • 物語の円/Story Circleのような軽減系のカードを使うときは注意が必要。ショック/Shock等の直接的なダメージは、プレインズウォーカーに移し変えられる前に軽減することが可能だが、戦闘ダメージの場合は直接プレインズウォーカーに与えられるため、プレイヤーへのダメージ軽減でそのダメージを防ぐことはできない。

ストーリー

マジックのプレイヤーはプレインズウォーカー/Planeswalkerという設定である。プレインズウォーカーを唱えるということは、そのプレインズウォーカーに協力を要請するということであり、プレインズウォーカーをコントロールしているということは、一緒に戦っているということである。

  • 戦闘やダメージに関するルールも、この設定に準じたものになっている。彼らは基本的にあなたの要求に従い力を貸してくれるが、対戦相手がそのプレインズウォーカーを直接狙ってきた場合でもなければ、わざわざあなたの身代わりになってはくれないのである。
    • 逆に、あなたの意思であなたがプレインズウォーカーの身代わりになることもできないので、そもそもプレインズウォーカー同士が身を護ること自体が難しいのかもしれない。
    • 例外的に、戦闘のみでならあなたの身代わりのように攻撃を引き受けてくれる能力を持つ者もいる。(→ギデオン・ジュラ/Gideon Juraなど)
  • 時のらせんブロック以前のプレインズウォーカーは神の如き力を持っており、カード1枚の能力として表現するには不適切であったため、カード化されなかった。しかし、大修復/The Mendingによってプレインズウォーカーが大きく力を失ったため、カード化する事が可能になった。
    • さらに時を経て、統率者2014のデザインにおいて「プレインズウォーカー・カードはプレインズウォーカーの全ての力を描いたものではなく、助けを求めた魔術師(コントローラー)を助けようという意志の分だけの力を描いたものである」と定義し直された[1]。これによって、大修復以前の旧世代プレインズウォーカーをカード化する事も可能となった。

プレインズウォーカーのデザイン

マジックの顔役となる存在のため、プレインズウォーカーのデザインは厳しい制約が課せられている。

神話レアが存在しなかったローウィンを除き、プレインズウォーカーの稀少度はすべて神話レアである。基本的に、各基本セットにはプレインズウォーカーが各色1枚の計5枚、エキスパンションには2~3枚のプレインズウォーカーが収録される。プレインズウォーカーは収録セットだけでなく、スタンダード全体の環境を考慮に入れて色や性能のバランスが考慮される事になる。

プレインズウォーカーのデザインは色だけでなくそのキャラクターによっても制限される。開発部は各キャラクターの同一性を維持するため、各キャラクターがやっていいことと、やってはいけないことのリストを保持している[2]。これは基本セット2013闇の領域のリリアナ/Liliana of the Dark Realmsが非常に不評だったことに起因している[3][4]

またルール文章で特にプレインズウォーカーに言及しているカードも稀少度が高く設定される。これは「複雑なカードほど稀少度を高くする」というデザイン方針による。また「プレインズウォーカーに直接手出しするのは特別なことである」というフレイバー性も含んでいる[5][6]。ただしドミナリアでのオラクル変更の際の日本語のルール文章テンプレートの方針により、日本語版では稀少度に関係なくプレインズウォーカーの単語が見られる。

プレインズウォーカーはマジックの華とも言えるものであり、特別なものであることを意図する一方、初心者プレイヤーの手に行き渡らないことは問題であった。それを解決するため、カラデシュからはプレインズウォーカーデッキが発売されることとなった。プレインズウォーカーデッキのプレインズウォーカーは初心者が好きになるような派手な強さを持つ一方、トーナメントで必須にはならないようにデザインされ、前述のスタンダード環境のバランスの制約を受けない[7][8]

その他

脚注

  1. Fate-ful Stories, Part 2/運命的な話 その2(Making Magic 2015年1月19日)
  2. 『イクサランの相克』のプレインズウォーカーをデザインする(Play Design 2018年1月19日)
  3. ギルド門侵犯の嵐 その1(Making Magic 2013年1月21日)
  4. よくわかる『基本セット2015』(Latest Developments 2014年7月4日)
  5. ラヴニカがやって来る!ヤァ!ヤァ!ヤァ!(Making Magic 2012年9月24日) - 戦慄掘り/Dreadboreの項目
  6. Theroses Are Red (and White, Blue, Black, and Green), Part 1 /テーロス、それは赤き者(とか白とか青とか黒とか緑とか) その1(Making Magic 2013年9月23日) - 英雄の破滅/Hero's Downfallの項目
  7. Ramp of Approval/試供品の次は (Making Magic 2016年5月16日 Mark Rosewater著) 
  8. Blogatog(Mark RosewaterのBlog 2016年6月1日
  9. Cards of Alara(Making Magic 2008年9月26日)
  10. An Angel's Eye View of Bant(Savor of Flavor 2008年10月8日

参考

引用:総合ルール 20231117.0

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