フレイバー・テキスト
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==概要== | ==概要== | ||
− | 元は[[バニラ]]・[[クリーチャー]] | + | 元は[[能力]]を持たない[[バニラ]]・[[クリーチャー]]の[[文章欄]]を埋めるためのものだった(ルールブックにも登場した[[ハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaur]]はその代表例といえる)が、次第にそれ以外のカードにも書かれるようになった。カードの[[効果]]に合わせたひねりと機知の利いた文章が多く、その内容も多種多様である。物語の題材となっている地域や文化の紹介、物語における重要人物の行動や抱える内情、名も無き住民の生活あるいはその一場面、詩や歌、そして一種のパロディなど、バラエティに富んでいる。[[基本セット]]では実在の古典文学からの引用も多い。 |
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+ | *英語版は斜体、日本語版は楷書体で書かれている。また、[[ポータル]]系列の各カードおよび[[エルフvs発明者]]以降の各カードには、ルール文章とフレイバー・テキストの間に罫線が引かれている。[[新枠#ドミナリア以降のカード枠]]も参照。 | ||
+ | *フレイバー(Flavor)とは「風味」を意味する語。文字通りカードに風味を付けている。 | ||
==魅力的なフレイバー・テキスト== | ==魅力的なフレイバー・テキスト== | ||
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;なぞなぞや暗号めいたもの | ;なぞなぞや暗号めいたもの | ||
− | :[[時間の名人/Temporal Adept]]、[[火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind]]、[[門|ギルド門サイクル]]など | + | :[[時間の名人/Temporal Adept]]、[[火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind]]、[[門|ギルド門サイクル]]、[[タミヨウの日誌/Tamiyo's Journal]]など |
;言葉遊びや韻を踏んだもの | ;言葉遊びや韻を踏んだもの | ||
− | :[[魔の魅惑/Aluren]]、[[Now I Know My ABC's]]、[[どんでん返し/Switcheroo]]など | + | :[[魔の魅惑/Aluren]]、[[Now I Know My ABC's]]、[[どんでん返し/Switcheroo]]、[[かき回すゴブリン/Rummaging Goblin]]など |
− | * | + | *翻訳の都合上、日本語版・英語版のみだと意味が伝わりにくいものも多い。複数の翻訳版を見比べるのも一興。 |
;複数のカードにまたがっているもの | ;複数のカードにまたがっているもの | ||
− | :[[夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day]]、[[ファイレクシアの告発者/Phyrexian Denouncer]] | + | :[[夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day]]、[[ファイレクシアの告発者/Phyrexian Denouncer]](各種[[キャリアー]])、[[分散/Disperse]]、[[刻まれた大怪物/Etched Monstrosity]]など |
;古典文学や詩からの引用 | ;古典文学や詩からの引用 | ||
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:[[溶岩の斧/Lava Axe]]、[[行き詰まり/Standstill]]、[[ヴェズーヴァ/Vesuva]]、[[熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adept]]など | :[[溶岩の斧/Lava Axe]]、[[行き詰まり/Standstill]]、[[ヴェズーヴァ/Vesuva]]、[[熟達の魔術師アーテイ/Ertai, Wizard Adept]]など | ||
+ | *[[打ち寄せる水/Hydrosurge]]をはじめ、[[青]]のカードは効果に合致しかつ皮肉交じりで溢れている。 | ||
;ブラックジョーク | ;ブラックジョーク | ||
− | :[[ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder]]、[[ | + | :[[ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder]]、[[ゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot]]、[[有象無象の大砲/Fodder Cannon]]、[[補償金/Reparations]]など |
+ | *特に[[ゴブリン]]や[[ラクドス教団/The Cult of Rakdos]]関連に多い。 | ||
;印象深い文章 | ;印象深い文章 | ||
− | :[[最後の言葉/Last Word]]、[[怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath]]、[[抹消/Obliterate]]など | + | :[[最後の言葉/Last Word]]、[[怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath]]、[[抹消/Obliterate]]、[[不毛の栄光/Barren Glory]]など |
;歴代カードへのリスペクト | ;歴代カードへのリスペクト | ||
− | :[[ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator]]、[[アカデミーの廃墟/Academy Ruins ]]、[[ | + | :[[ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator]]、[[アカデミーの廃墟/Academy Ruins ]]、[[稲妻/Lightning Bolt]]など |
*各カードの元となったものと比較すると味わい深い。 | *各カードの元となったものと比較すると味わい深い。 | ||
==その他== | ==その他== | ||
− | * | + | *[[サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotter]]や[["Ach! Hans, Run!"]]のように、他のカードのフレイバー・テキストによって生まれたといっても過言ではないカードまで存在する。 |
− | *[[取り引きのテーブル/Bargaining Table]] | + | *[[取り引きのテーブル/Bargaining Table]]など、一部の日本語版のカードではルール文章と同じ書体でミスプリントされているものもある。もちろんこの場合もゲームには影響しない。 |
− | * | + | **逆に[[スランの戦争機械/Thran War Machine]]では、通常のルール文章がフレイバー・テキストの書体で書かれているミスプリントがある。読み飛ばさないようにしよう。 |
− | * | + | *通常ならばあっても無くてもゲームには関係ないのだが、[[銀枠]]のカードにはフレイバー・テキストに関係するカードがある(例:[[My First Tome]])。 |
+ | *同一のカードでも、収録されているセットによって(英語の原文は同一でも)日本語訳が異なるものがある(例:[[空中浮遊/Levitation]]など)。 | ||
*バニラ・クリーチャーにもかかわらず、フレイバー・テキストを持たないものがある([[第六隊の刃/Blade of the Sixth Pride|テキストレス・クリーチャー・サイクル]])。 | *バニラ・クリーチャーにもかかわらず、フレイバー・テキストを持たないものがある([[第六隊の刃/Blade of the Sixth Pride|テキストレス・クリーチャー・サイクル]])。 | ||
− | *[[基本土地]]と[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]] | + | *[[基本土地]]と[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]]には書かれていない。前者はデザイン的美感を損ない、後者は文章欄に余剰な空白がないためであろう。 |
+ | **[[Heroes of the Realm]]の[[Chandra, Gremlin Wrangler]]など、[[認定大会]]で使用できない遊び心溢れるカードにおいてはこの限りではない。 | ||
*基本セットでは[[注釈文]]のために削られがち。 | *基本セットでは[[注釈文]]のために削られがち。 | ||
+ | *シンプルな効果を強調したい場合、カードに余白が十分あるにもかかわらずフレイバー・テキストが省略されることがある(例:[[神の怒り/Wrath of God]]、[[ハルマゲドン/Armageddon]]など)。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[ | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/bursting-flavor-2003-02-24 Bursting with Flavor](Making Magic [[2003年]]2月24日 [[Mark Rosewater]]著) |
− | + | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/top-20-flavor-text-2013-08-06 Top 20 Flavor Text]/[https://magic.wizards.com/en/node/630046 フレイバーテキスト二十選](Uncharted Realms [[2013年]]8月6日 [[Adam Lee]]著) | |
*[[夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day]] | *[[夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day]] | ||
+ | *[[万物の歌/Song of All]] | ||
*[[Timmy, Johnny, and Spike#ヴォーソスとメルヴィン|ヴォーソス(Vorthos)]] | *[[Timmy, Johnny, and Spike#ヴォーソスとメルヴィン|ヴォーソス(Vorthos)]] | ||
*[[用語集]] | *[[用語集]] | ||
*[[ルーリング]] | *[[ルーリング]] | ||
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2020年2月16日 (日) 10:25時点における版
フレイバー・テキスト/Flavor Textとは、カードの文章欄に書かれている、ルール文章でない文。そのカードの雰囲気や世界観をあらわすために使われる。ゲームのプレイやルールには関係しない。
概要
元は能力を持たないバニラ・クリーチャーの文章欄を埋めるためのものだった(ルールブックにも登場したハールーン・ミノタウルス/Hurloon Minotaurはその代表例といえる)が、次第にそれ以外のカードにも書かれるようになった。カードの効果に合わせたひねりと機知の利いた文章が多く、その内容も多種多様である。物語の題材となっている地域や文化の紹介、物語における重要人物の行動や抱える内情、名も無き住民の生活あるいはその一場面、詩や歌、そして一種のパロディなど、バラエティに富んでいる。基本セットでは実在の古典文学からの引用も多い。
- 英語版は斜体、日本語版は楷書体で書かれている。また、ポータル系列の各カードおよびエルフvs発明者以降の各カードには、ルール文章とフレイバー・テキストの間に罫線が引かれている。新枠#ドミナリア以降のカード枠も参照。
- フレイバー(Flavor)とは「風味」を意味する語。文字通りカードに風味を付けている。
魅力的なフレイバー・テキスト
人気の高いフレイバー・テキストの一部を以下に一例として紹介する。
- なぞなぞや暗号めいたもの
- 時間の名人/Temporal Adept、火想者ニヴ=ミゼット/Niv-Mizzet, the Firemind、ギルド門サイクル、タミヨウの日誌/Tamiyo's Journalなど
- 言葉遊びや韻を踏んだもの
- 魔の魅惑/Aluren、Now I Know My ABC's、どんでん返し/Switcheroo、かき回すゴブリン/Rummaging Goblinなど
- 翻訳の都合上、日本語版・英語版のみだと意味が伝わりにくいものも多い。複数の翻訳版を見比べるのも一興。
- 複数のカードにまたがっているもの
- 夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day、ファイレクシアの告発者/Phyrexian Denouncer(各種キャリアー)、分散/Disperse、刻まれた大怪物/Etched Monstrosityなど
- 打ち寄せる水/Hydrosurgeをはじめ、青のカードは効果に合致しかつ皮肉交じりで溢れている。
- ブラックジョーク
- ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder、ゴブリンの試験操縦士/Goblin Test Pilot、有象無象の大砲/Fodder Cannon、補償金/Reparationsなど
- 特にゴブリンやラクドス教団/The Cult of Rakdos関連に多い。
- 歴代カードへのリスペクト
- ファイレクシアの抹消者/Phyrexian Obliterator、アカデミーの廃墟/Academy Ruins 、稲妻/Lightning Boltなど
- 各カードの元となったものと比較すると味わい深い。
その他
- サッフィー・エリクスドッター/Saffi Eriksdotterや"Ach! Hans, Run!"のように、他のカードのフレイバー・テキストによって生まれたといっても過言ではないカードまで存在する。
- 取り引きのテーブル/Bargaining Tableなど、一部の日本語版のカードではルール文章と同じ書体でミスプリントされているものもある。もちろんこの場合もゲームには影響しない。
- 逆にスランの戦争機械/Thran War Machineでは、通常のルール文章がフレイバー・テキストの書体で書かれているミスプリントがある。読み飛ばさないようにしよう。
- 通常ならばあっても無くてもゲームには関係ないのだが、銀枠のカードにはフレイバー・テキストに関係するカードがある(例:My First Tome)。
- 同一のカードでも、収録されているセットによって(英語の原文は同一でも)日本語訳が異なるものがある(例:空中浮遊/Levitationなど)。
- バニラ・クリーチャーにもかかわらず、フレイバー・テキストを持たないものがある(テキストレス・クリーチャー・サイクル)。
- 基本土地とプレインズウォーカーには書かれていない。前者はデザイン的美感を損ない、後者は文章欄に余剰な空白がないためであろう。
- Heroes of the RealmのChandra, Gremlin Wranglerなど、認定大会で使用できない遊び心溢れるカードにおいてはこの限りではない。
- 基本セットでは注釈文のために削られがち。
- シンプルな効果を強調したい場合、カードに余白が十分あるにもかかわらずフレイバー・テキストが省略されることがある(例:神の怒り/Wrath of God、ハルマゲドン/Armageddonなど)。
参考
- Bursting with Flavor(Making Magic 2003年2月24日 Mark Rosewater著)
- Top 20 Flavor Text/フレイバーテキスト二十選(Uncharted Realms 2013年8月6日 Adam Lee著)
- 夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day
- 万物の歌/Song of All
- ヴォーソス(Vorthos)
- 用語集
- ルーリング