フェルドン/Feldon

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フェルドンは、兄弟戦争時代のドミナリア工匠・考古学者・魔道士。男性。ストーリー的に最も有名なアーティファクトの一つとされる「ゴーゴスの酒杯」の発見者である。

初出はアンティキティーの「フェルドンの杖/Feldon's Cane」のフレイバー・テキスト。フェルドン本人も、後に第三の道のフェルドン/Feldon of the Third Pathとしてカード化されている。


  • 名前はテストプレイヤーのうち一人の名前のアナグラム
  • M:TG ARENAではなぜかイベントの案内係として抜擢。新規メカニズムを組み込んだデッキを作ったり4枚制限を無視したデッキを作ったりバベルデッキを作ったりと、わりとフリーダムに活躍している。


テリジア大陸のロノム氷河/Ronom Glacier地域に生まれる。考古学者となった後は氷河からのアーティファクト発掘・回収に携わる。「フェルドンの杖」や「ゴーゴスの酒杯」を発見したのもこの頃である。

兄弟戦争の激化に伴い、テリジア市の学者たちを中心とした人々はウルザミシュラ/Mishraのどちらの勢力にも与することなく、戦火に耐えながら2人の魔法と技術の間隙からの発明により新たな道筋を刻み、あわよくば兄弟双方を倒そうという「第三の道」を選んだ。彼らに合流したフェルドンは、アルゴス人のロランと出会い、やがて恋に落ちる。

だが、「第三の道」に潜伏していたギックス/Gixの信奉者たちが裏切り、ミシュラに与する。巨大戦車/Juggernautドラゴン・エンジン/Dragon Engineの集団がテリジア市を攻撃するも、「第三の道」の一員だったハーキル/Hurkyl呪文を用いてアーティファクト・クリーチャーの大群を召還する。 これにより、本拠地である象牙の塔/Ivory Towerこそ破壊されたものの「第三の道」のメンバーの多数が市街地脱出に成功、これを嚆矢としてフェルドンを含めた生存者達もハーキルが実際に効果を示してみせた強力な魔法群を使用し始める。

しかしながら、この脱出戦の最中、フェルドンとロランは離れ離れになってしまう。「ゴーゴスの酒杯」の危険性を危惧したロランはこれを非活性化しようと考えていたが、アシュノッド/Ashnodに捕まり、酒杯の秘密を吐かせるための拷問を受け続ける。

アシュノッドの不在を突いてなんとか脱出したロランはフェルドンと再会、ロノム氷河近くの邸宅で平穏な生活を営む、が、酒杯の秘密はアシュノッドからタウノス/Tawnos、タウノスからウルザへと伝わり、遂にアルゴスで酒杯の力が解放されてしまう。続いての影響からテリジア大陸もまた氷河期へと移行する。

アシュノッドの拷問によって負った、片腕の喪失を含む治療不能の創傷に加え、氷河期到来による寒波はロランの命脈を大きく縮め、結果死へと至らしめた。大荒廃より10年過ぎての出来事であった。なんとかロランを取り戻そうとするフェルドンは様々な試行錯誤を重ね、半年以上の時間を費やしてロランに酷似した自動人形を制作することに成功する。けれども、二ヶ月の間一緒に暮らした末にそれがロランとは程遠い事を悟り、自動人形から動力源のパワーストーンを取り外すと、亡き妻の墓標の脇に守護像のようにそれを飾った。

「第三の道」の実践者たるフェルドンは、「失われた妻の命と愛も魔法によって取り戻せる」と信じていた。だが、山育ちの彼が扱える魔法は赤の呪文のみ。どんな猛火を生み出そうと、雷撃を降り注がせようと、大地をも揺るがそうと、死者を蘇らせることは今のままでは決してできないことを理解した。一週間が過ぎた後、教えを請うべき先人を求め、フェルドンは旅立つことにした。

馬車が征く先々で、フェルドンは商人たちに、乞食たちに、農夫たちに、僧侶たちに尋ねた。「誰か力ある魔法使いを知らないか」、と。後の暗黒時代にも似た魔法への恐怖と敵意の中で、それでも彼に理解を示してくれる者たちから得たのは、「垣の魔道士」なる魔法使いの情報だった。ロノム氷河のそば、ミシュラによって破壊されたサリンス/Sarinthの町の近くで正気を蝕まれながらも半壊した森を守護し続けてきた隠者はフェルドンの高名を知っており、一月ほどかけて森の力について伝授してくれた。だが、緑の呪文は生者にしか影響を及ぼす事ができず、フェルドンの抱える苦しみを解決することはできなかった。

垣の魔道士は北のロノム湖に居を構える魔女の存在を教えてくれたが、フェルドンの語る「物語」を対価として彼女が唱えた青の呪文は在りし日のロランの幻影を作り出したのみで、彼女を生き返らせるものではなかった。それでも魔女は更に北部の沼地の廃村に棲む黒の魔道士を紹介してくれた。

巨大な髑髏に座す小男「沼の支配者」は尊大な態度でもってフェルドンに「杖を対価としてロランを取り戻す魔法を教える」と伝えた。しぶしぶながら契約に同意したフェルドンは三日を費やして魔法を修得したが、結果じっとりとした土と腐りかけた肉体の臭いを持ち、水におぼれるような声でフェルドンを呼ぶ「何か」が小屋へと這い寄る結果を生んでしまった。恐怖にかられながらもフェルドンは呪文を打ち消し、朝を待って外に出たものの、小屋の外には村も沼の支配者の手下も支配者自身もそして彼が呼び出した何者かも一切消え失せ、ただただ沼地が広がるのみであった。

フェルドンが最後に訪れたのは西の町にある廃神殿の書庫跡に住まう学者だった。二週間の世話と「彼とその弟子たちに自宅の書庫を自由に使わせる」ことを代償に、学者はフェルドンに白の魔法を教授した。「──魔法は特定の人間の複製を生み出すのみに過ぎず、蘇生させることはできない」という言葉とともに。自宅に戻ったフェルドンはまず妻の墓所が荒らされていないことに安心すると、己の記憶から若き日のロランを複製した。「なぜ呼び出したのか」と問いかける妻に対し、「さよならが言いたかった」とフェルドンは伝えると、彼女が世を去った際に言えなかった言葉を告げ、維持するための魔力を解放した。最後に残ったのは、見知った彼女の微笑みであった。

悲しみを乗り越えたフェルドンは学者との契約通り書庫を解放し、ときに訪れる学者や見習い魔道士の相手をしながら余生を送り、テリジア大陸での氷河期初期における魔法研究の第一人者として名を残した。訪れた弟子たちのうちには、夜半にひとり暖炉の前に腰掛け、微笑む女性の似姿を炎を操って形作るフェルドンの満足げな姿を見た者もいるという。


なお、フェルドンの死後、魔法使いたちの間では、暗闇の中で「フェルドンの杖と松葉杖!」と敬意に満ちた悪態をつくことが流行した。

登場記事

参考

https://mtg.gamepedia.com/Feldon

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