フェイジング

提供:MTG Wiki

2018年7月11日 (水) 10:49時点における180.30.130.94 (トーク) - whois による版
移動: 案内, 検索
フェイジング/Phasing
種別 常在型能力
登場セット ミラージュ・ブロック
CR CR:702.26

フェイジング/Phasingミラージュ・ブロックで登場したキーワード能力。これはアンタップ・ステップルールを変更する常在型能力である。


Breezekeeper / 微風の守り手 (3)(青)
クリーチャー — ジン(Djinn)

飛行
フェイジング(これはあなたの各アンタップ・ステップの間であなたがアンタップする前にフェイズ・インまたはフェイズ・アウトする。それがフェイズ・アウトしている間、それはそれが存在しないかのように扱う。)

4/4

定義

それぞれのプレイヤーのアンタップ・ステップの、パーマネントアンタップする前に、以下の2つが同時に行われる。

解説

簡単に言うと、毎ターン消えたり現れたりする能力である。結果的にそのパーマネントは2ターンに1回しか機能しないため、フェイジング自体はペナルティ能力として扱われており、この能力を持っているカードは額面的に1~2マナ程度割安になっていることが多い。

ルール

  • 位相が「フェイズ・アウト」になっているパーマネントは、特に「フェイズ・アウトしている」パーマネントについて言及しているルールや効果を除いて、存在しないかのように扱われる。それらは、他の何かに影響を及ぼすこともないし、他の何かから影響を受けることもない。
  • パーマネントがフェイズ・インすると、それはその瞬間から存在するものとして扱われるようになる。
  • フェイズ・アウトしているパーマネントは、実際には戦場からは離れていないし、そのコントローラーのコントロール下からも離れていない。
    • フェイジングのイベントによっては、領域変更誘発の能力は誘発しない。
    • パーマネントがフェイズ・アウトしても、それは「別のオブジェクト」としては扱われない。
    • フェイジングのイベントによっては、そのパーマネントのタイムスタンプは変化しない。
    • パーマネントがフェイズ・アウトしても、その上に置かれたカウンターは取り除かれない。
  • パーマネントがフェイズ・アウトしている間に、それに適用されていた継続的効果の継続期間が終了する場合がある。その場合、そのパーマネントがフェイズ・インしてきたときには、その効果は終了している。
    • 巨大化/Giant Growthを掛けられたクリーチャーがフェイズ・アウトし、次のターン以降にフェイズ・インする場合、そのクリーチャーは+3/+3の修整を受けていない状態でフェイズ・インする。
    • 逆に、巨大化/Giant Growthを掛けられたクリーチャーがフェイズ・アウトし、そのターン中にフェイズ・インする場合、そのクリーチャーは+3/+3の修整を受けた状態でフェイズ・インする。
  • ある継続的効果の継続期間が「…し続けている限り/for as long as...」としてパーマネントを参照している場合、そのパーマネントがフェイズ・アウトすると、その継続的効果はそのパーマネントを見失うため終了する。
    • エイヴンの擬態術士/Aven Mimeomancerの能力によって、「それの上に羽根カウンターが置かれている限り、そのクリーチャーは3/1であるとともに飛行を持つ」という継続的効果を受けているクリーチャーがフェイズ・アウトした場合、羽根カウンターは取り除かれていないが、継続的効果がそのクリーチャーを見失うため「それの上に羽根カウンターが置かれている限り」という部分をチェックできず、効果は終了する。クリーチャーは依然として羽根カウンターが置かれた状態でフェイズ・インするが、効果は再開しない。
  • フェイズ・アウトするパーマネントについているオーラ装備品城砦は、そのパーマネントと同時にフェイズ・アウトする。これを「間接的にフェイズ・アウトする」と言う。間接的にフェイズ・アウトしているパーマネントは、それ単体ではフェイズ・インせず、そのついているパーマネントがフェイズ・インする際に同時にフェイズ・インする。
  • 何らかの効果で、あるオブジェクトが直接と間接の両方で同時にフェイズ・アウトする場合、それは間接的にフェイズ・アウトする。
  • トークンがフェイズ・アウトしても、それはトークンでないパーマネントと同様にフェイズ・インする。かつては状況起因処理により消滅していたが、統率者2017発売に伴う総合ルール更新によって消滅しなくなった。
  • 直接フェイズ・アウトしたオーラや装備品、城砦は、フェイズ・アウトするときについていたオブジェクトが同じ領域にあるなら(プレイヤーであればゲームに残っているなら)それについた状態でフェイズ・インする。そうでなければ、そのオーラ、装備品、城砦はついていない状態でフェイズ・インする。
    • そのオブジェクトがプロテクションなどで「つけられない」状態になっていた場合、ついた状態でフェイズ・インしてから状況起因処理ではずれる
  • パーマネントがフェイズ・アウトすることで誘発する誘発型能力は、フェイズ・アウトの直前の状態を基準に誘発する(領域変更誘発も参照のこと)。
  • アンタップ・ステップが飛ばされた場合、その時起きるはずだったフェイズ・アウトとフェイズ・インも起きない。
  • フェイズ・アウトしているパーマネントは、そのオーナーがゲームを離れた場合、一緒にゲームを離れる。これは領域変更誘発を誘発させない。
  • 多人数戦でプレイヤーが敗北した場合、そのプレイヤーがコントロールしていた他のプレイヤーがオーナーであるパーマネントについて、コントロール変更効果が終わって誰もコントロールしていない状態になったパーマネントは、フェイズ・アウト中であっても追放される。コントローラーが存在するパーマネントは、本来フェイズ・インするはずだったターンが始まるべきタイミングの、次のアンタップ・ステップにフェイズ・インする。
  • 1つのパーマネントが複数のフェイジングを持っていても、機能上の違いはない。

旧ルール

フェイジングのルールは、基本セット2010発売の際の総合ルールの更新で大幅に変更された。 それ以前は、「フェイズ・アウト位相」ではなく「フェイズ・アウト領域」を利用していた。 このため、領域の変更に関する下記のようなルールを設けることで、いくつかの「例外処理」を実現していた(各用語は、基本セット2010発売より前のものを使用する)。

  • フェイズ・インするとき、場に出るときの置換効果や場に出たことによる誘発型能力は無視する。フェイズ・アウトしたときも同様に、場を離れたことによる誘発型能力は無視する。ただし、その能力が特にフェイジングについて言及している場合は例外である。
    • 2005年10月の総合ルール変更前は、場を離れたときの誘発型能力だけは通常通り処理されていた。
  • フェイズ・インするパーマネントは、フェイズ・アウトした時の位相やコントローラーなどの状態を「覚えている」。フェイズ・アウト前のタイムスタンプも維持する。これは、領域を移動したオブジェクトは新しいオブジェクトとして扱われるルールの例外である。
    • パーマネントを参照している、持続時間の定められている効果や遅延誘発型能力は、それがフェイズ・アウトした時点で影響を与えなくなる。一方、それ以外の効果はフェイズ・アウトしたあと場に戻ってきたときにも影響を与え続ける。
    • フェイズ・アウトした時に裏向きだったパーマネントは、フェイズ・アウト領域にある間やフェイズ・インするときも裏向きのままである。これは、裏向きのパーマネントが場を離れたときにその表側を公開するルールの例外である。
  • フェイズ・インするパーマネントはいわゆる召喚酔いルールの影響を受けない。

現在のルールとの相違点

現在のルールでも、ゲームをプレイする上での扱いはそれほど変わっていないが、いくつかの相違点がある。

  • 旧ルールでは、クリーチャーが、戦場に出たターンにフェイズ・アウトし、そのターン中にフェイズ・インしたとしても、召喚酔いの影響を受けなくなっていた。現行ルールでは、この場合は召喚酔いの影響を受ける。
  • 旧ルールでは、領域変更に際しての置換効果や誘発型能力、および召喚酔いは無視されていたが、フェイズ・インしたパーマネントが「そのターン中に戦場に出た」こと自体は参照可能だった。現行ルールでは、フェイジングによっては戦場からは移動しない。
    • 旧ルールでは、フェイズ・インしたパーマネントがエコーを持っている場合、次のアップキープコスト支払う必要が合った。なぜなら、フェイズ・アウト中は継続してコントロールしているわけでなかったし、フェイズ・インはエコーの支払いを免除しないからである(→コントローラー)。
    • 旧ルールでは、クリーチャーがフェイズ・インしたターン中に、それを揺り籠から墓場まで/Cradle to Graveで破壊することができた。
  • 旧ルールでは、継続期間が定められた継続的効果は、それが参照しているパーマネントがフェイズ・アウトした時点で終了していた。現行ルールでは、継続期間の間は適用され続ける。

その他

  • 上記のように、基本的ルールに対する例外処理が非常に多い。現在のルールはかなり整理されているが、項目が多く面倒なことには変わりない。その面倒さからルール関係者からは基本的に嫌われており、今後この能力を使った新しいカードが出る可能性は低いだろう。
  • ミラージュ・ブロックが初出であるが、それ以前に作られていた類似能力を持つ数枚のカードが一時エラッタによってフェイジングに関係するテキストを得たことがあった。アラビアンナイトOublietteアンティキティーTawnos's Coffinなどが該当例。現在の最新オラクルでは、これらのカードのいずれもがフェイジングに関係しないテキストに改められている。
  • フェイジングは「アンタップ・ステップのルールを変更する」と総合ルールに記載されているが、ゲーム内にフェイジングを持つカードが存在していなくても、フェイズ・アウトしているパーマネントがフェイズ・インする処理は行われる。

参考

引用:総合ルール 20231117.0

QR Code.gif