テンプレート

提供:MTG Wiki

2021年4月23日 (金) 15:08時点におけるPalmatumn (トーク | 投稿記録)による版
移動: 案内, 検索

テンプレート (Templating)は、テキストなどの決まった書き方や、英語名の決まった訳し方のこと。

目次

ルール文章のテンプレート

この節ではルール文章で使われている各種テンプレートの解説を行っている。重要なものや過去に変更があったものなどを中心に解説しており、すべてのテンプレートを紹介するものではない。

なお、日本語版では独自のテンプレートにしたがってルール文章が翻訳されているが、その対訳が常に同一のものとは限らず、同じカードや効果でも時代によって変化している。例えば「attacking creature」の訳は「攻撃に参加しているクリーチャー」「攻撃しているクリーチャー」「攻撃クリーチャー」の3種類が見られる。これらの表記の違いによってカードの効果が変わることはない。

  • 常に「最新」の表記が使われるとは限らない。同じカード・セットに収録されているカードであっても、これらの表記違いが混在することもある。

解決中に支払うコストに関するテンプレート

ストリクスヘイヴン:魔法学院で、能力解決中に支払うコストに関する翻訳テンプレートが変更された。原文は変更されていない。

原文・オラクル You may [A]. If you do, [B].
時のらせんリマスターまで あなたは[A]してもよい。そうしたなら、[B]する。
ストリクスヘイヴン以後 あなたは「[A]し、[B]する。」を選んでもよい。

Thrilling Discovery / 身震いする発見 (赤)(白)
ソーサリー

あなたは2点のライフを得る。その後、あなたは「カード2枚を捨て、カード3枚を引く。」を選んでもよい。


マジックの黄金律実行不可能な指示は無視する」に従えば、[A]が実行不可能でも[B]を実行するためにカギカッコの選択を選んでも良いように読めてしまう。上の例では手札が1枚以下の場合でもあるだけ捨てて、3枚引くことが可能と読むことができる。

しかしオラクルを見れば分かるとおり[A]は[B]を実行するためのコストであるから、[A]が実行不可能の場合[B]は実行されない(逆に[B]が実行不可能でもコストである[A]を実行する(支払う)ことは問題なく可能)。つまり[A]が実行不可能の時はカギカッコ全体を選択することができないということ。

対象、人物、それ自身などに関するテンプレート

対象/target
オンスロートで日本語版テキストにおける対象のテンプレートが大きく変更された。詳細は対象#訳語の変遷を参照。

ドミナリア発売に際し一新されたテンプレート

以下の3つのテンプレートはドミナリア発売に際し一新された[1]

they
それまで「(対象などの)そのプレイヤー」を指すために使われた「he or she」「him or her」などの表記が、「they」で統一された。日本語版での変更はなく、引き続き「そのプレイヤー」などの表記が使われる。
この呪文/this spell
それまで「この呪文自身」という意味で使われてきた「[それ自身のカード名]」は、「この呪文/this spell」で統一された。唱える際の追加コスト能力などを明確化させる目的であり、発生源としてカード名を用いる表記(「[カード名]はそれにN点のダメージ与える。」など)が変更されたわけではない。
  • 例:爆片破/Shrapnel Blastのかつてのオラクルは「爆片破を唱えるための追加コストとして~」だったが、ドミナリア以降のオラクルは「この呪文を唱えるための追加コストとして~」となっている。
any target(任意の対象)
プレインズウォーカーへのダメージ移し替えルール廃止に伴って、プレイヤーを対象にダメージを与えたり軽減したりする効果はオラクル更新でプレインズウォーカーを対象にできるよう明文化された。それらのうち、ショック/Shockサマイトの癒し手/Samite Healerなどの「クリーチャーにもプレイヤーにもプレインズウォーカーにも対象にできる効果」のために、それら3つ全てをまとめて「any target(任意の対象)」や「two targets(2つの対象)」などと表現されるようになった。日本語版では対訳は作られておらず、「クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。」と明確に対象が列挙される。

if節のテンプレート

if節の誘発型能力は英語では「when [A], if [B], do [C]」となっており、if節では無い場合は「When [A], do [C] if [B]」と明確に異なっている。日本語版のテンプレートは、前者が「[A]したとき、[B]である場合、[C]する」、後者が「[A]したとき、[B]ならば、[C]する」となっている(魔女の腑のネフィリム/Witch-Maw Nephilimメイエルのアリア/Mayael's Aria)はずだが、このテンプレートに沿ってないカードも存在する。夢の盗人/Dream Thief獰猛さの勝利/Triumph of Ferocityなど誘発してから条件を満たせるようなカードも初めから誘発しないように読めてしまうので問題である。

複数の対象を取るカード

神河物語で1つの呪文が対象に取れるオブジェクトのルールが変更されたため、力の種/Seeds of Strengthなど複数の段落(呪文能力)で個別に対象を取るカードが登場したが、それに対する日本語訳のテンプレートが突然変更されまた一定していない。


Agony Warp / 苦悶のねじれ (青)(黒)
インスタント

クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-3/-0の修整を受ける。
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-0/-3の修整を受ける。



Common Bond / 共有の絆 (1)(緑)(白)
インスタント

クリーチャー1体を対象とし、クリーチャー1体を対象とする。
その前者の上に+1/+1カウンターを1個置き、その後者の上に+1/+1カウンターを1個置く。



Martial Glory / 軍部の栄光 (赤)(白)
インスタント

クリーチャー1体を対象とし、クリーチャー1体を対象とする。その前者はターン終了時まで+3/+0の修整を受ける。
その後者はターン終了時まで+0/+3の修整を受ける。


これらは全て英語では「Target creature ~~. Target creature ~~」の形である。同じ効果は同じ構文で書く事で初めて見るカードでも理解し易くするというテンプレートの意義からすれば、このように頻繁にテンプレートを変更するのは望ましくないだろう。

誘発型能力


Contempt / 軽蔑 (1)(青)
エンチャント — オーラ(Aura)

エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーが攻撃したとき、戦闘終了時にそれと軽蔑をオーナーの手札に戻す。



Brago, King Eternal / 永遠王、ブレイゴ (2)(白)(青)
伝説のクリーチャー — スピリット(Spirit) 貴族(Noble)

飛行
永遠王、ブレイゴがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたがコントロールする土地でないパーマネントを望む数だけ対象とし、それらを追放する。その後、それらのカードをそれぞれのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。

2/4

通常は1回のみ誘発すると考えられる能力は「When/~したとき」、通常でも複数回誘発しうる能力は「Whenever/~するたび」とテンプレートが使い分けられている。これらの単語にルール上の差異はない。

不定のテンプレート

ルール上決められているわけではないテンプレートもある。例えば、

  • パワータフネス修整を受ける場合は「get」
  • 一時的に能力を与える場合は「gain」
  • 継続的に能力を与える場合は「have」

これらを間違えてもゲームへの影響は少ないが、それでもオラクル等では修正される。(例:怨恨/Rancor

カード名のテンプレート

カード名においても、ある程度のテンプレートが決まっている(というより慣例化している)ため、カードプレビューなどで英語版しか公開されなくとも、どのような日本語名がつくか想像可能なケースもある。

  • 翻訳家が変わるとこのテンプレートが大幅に変更されることがあり、Web上などでは賛否両論噴出することがある。
    • 例えばTouch of ~、~'s Touchは朱鷺田祐介氏の訳では「~の感触」がテンプレートであったが、進藤欣也氏に代わってからは「~の接触」がテンプレートになった。(朱鷺田の訳でも「~の接触」がないわけではない。→カーンの接触/Karn's Touch
    • 同様にAether ~は上天の~から霊気の~に変更された。

例えば似たような名前のカードが出たとき訳に困るため、カード名では、英語1単語につき日本語1単語をそれぞれ対応させている。昔「Doomsday」を「最後の審判」と訳してしまった[2]ため、その後出た「Final Judgment[3]を「最後の裁き」と訳さざるを得なくなってしまった。もし「審判」に同義語がなければ大変なことになっていただろう。

もちろん、日本語と英語が完全に一対一対応するわけではないため、特に文化的差異がある場合訳出が非常に難しくなる。例えば、英語ではSpiritとSoulは区別されるが、日本語では両方とも「魂」と訳されるため、魂の絆/Spirit Link魂の結合/Soul Linkのように、原語では同じ単語が用いられている部分の訳が異なるということになってしまう。「魂」「霊魂」で区別することもあるが、あまりスマートとは言えない。

同様の例として、Fiery,Blistering,Scorchingはいずれも「焦熱」と訳されている。カード名英語辞典#類語・同意語も参照。

また、テンプレートの前例に沿って訳した結果、Raptor/猛禽などの誤訳が発生してしまう事もある。誤訳とまではいかずとも、雰囲気に合わないカード(真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitorなど)、逆に誤訳ではないがテンプレートと合致しないカード(寄生牙のベヒモス/Wormfang Behemothなど)も多く存在する。

脚注

  1. Dominaria Frame, Template, and Rules Changes/『ドミナリア』におけるカード枠、テンプレート、ルールの変更 (News 2018年3月21日 Aaron Forsythe著)
  2. 「doomsday」という単語の和訳としては「最後の審判」で正しい。
  3. 他のカードではすべて「final」は「最後の」、「Judgment」は「審判」と訳されている。

参考

QR Code.gif